歯に影響を与える癖について

秋田労災病院通信
No.65
発行日
平 成 21 年 6 月 1 日
歯に影響を与える癖について
歯科口腔外科医師 畠山成知
癖とは、無意識に繰り返す習慣性の動作です。一度では問題ない行為
も、繰り返すことで障害となります。今回は、歯に影響を与える癖につい
て紹介します。
○歯ぎしり
歯や顎の関節に対して、外傷的な力として働くことがあります。歯の表面に細
かなヒビを作ったり、歯の緩みや揺れにつながります。結果、歯周病を悪化さ
せ、知覚過敏や虫歯の原因となることもあります。歯や顎を守るためにマウス
ピースを作ることがあります。
○歯磨きの癖
利き手での歯磨きは無意識のうちに磨き残しの場所がいつも同じになる傾向が
あります。また、過度な歯磨きは知覚過敏の原因となることもあります。電動歯
ブラシを使用したり、歯ブラシの硬さ・種類・磨き圧などを見直すのもよいで
しょう。
○噛み癖
前歯だけや片側ばかりで噛んでいると、特定の歯の歯周病や虫歯が進行しやす
くなります。また。顎の関節に負担をかけて関節部の痛みや音の症状を起こすこ
ともあります。
歯科治療上での理由や痛い歯をかばう等、仕方ない場合以外はバランス良く噛み
ましょう。
○指しゃぶり
前歯が前方に突出して口が開いた状態になることがあり、歯並びに大きな影響
を与えます。
○頬づえ
歯並びを内側に移動させる力がかかったり、顎の関節に負担をかけることがあ
ります。
○就寝前の飲食
就寝前は唾液の分泌が少なくなるので、虫歯のリスクが高くなります。
○食品の嗜好
砂糖は虫歯菌の活動栄養源です。砂糖を含み粘着性の高い食品は、歯に長時間
停滞して虫歯のリスクが高くなります。
○間食
何を食べたかより、食事と間食の間隔が影響します。食事をとると唾液による
歯の再石灰化が妨げられるので、“だらだら食い”は特に虫歯のリスクを高めま
す。
○酸性食品
レモン、クエン酸水、果実酢など酸性系の食品が頻繁に歯に触れると、表面が
溶けやすくなり、知覚過敏や歯の色に影響することがあります。