海外進出支援情報:「ベトナム2」 ~ベトナム進出成功のカギ

第163号
ぐんぎん Business Report
(平成28年 1月 6日)
ぐんぎん経営倶楽部事務局
群馬県前橋市元総社町194
TEL:027-254-7315
海外進出支援情報:「ベトナム2」 ~ベトナム進出成功のカギ~
第161号の「ぐんぎん Business Report」海外進出支援情報では、ベトナムの概要についてレポートいたしました
が、今回は「ベトナム進出」の課題への対応についてレポートいたします。
1.日本企業進出先が急増中(図表1)
既に進出した企業の多い上位国は、「経済規模が大き
い=市場として魅力がある国」として、中国・米国・イ
ンド・インドネシアと続いています。
一方、ここ4年間の傾向を進出企業数増加率でみると、
アジア諸国が上位を占めており、中でもベトナムはアジ
アで2位、成長著しいアセアン諸国の中でもトップを走
る勢いです。(4年前に進出数が100社未満の国を除
きます)ベトナムは、日本企業の進出先として、今まさ
に“旬”の国であるといえるでしょう。
2.ベトナム進出の成功のカギ(図表2)
12月3日発表の国際協力銀行調査によると、今後ベ
トナムを有望な進出先とみる企業は27.5%と、4社
に1社がベトナムの将来性を高く評価しています。
前回のレポートでは、「ベトナム投資(進出)に関連
した問題点」として下記の5点を挙げましたが、実際に
進出する際の対応策について説明します。
①従業員の賃金上昇
進出企業が増加している国では、雇用が増加、賃金が
上昇しているのは共通の悩みである一方、ベトナムの
賃金水準は周辺国と比べ低い水準にあることが、ベト
ナムが選ばれている理由の一つです。
進出計画を立てるにあたり、現時点の賃金水準に加え、
進出後の賃金上昇を考慮した事業計画を立てることが
重要です。
②原材料・部品調達の難しさ、③品質管理の難しさ
日本品質での調達や製造を行うには、日本企業の進出
が増え、日本水準の産業集積が進むことが必至となり
ます。
ベトナムでは、今、日本の産業集積が進んでいる最中
ですので、日本水準の技術を持ち込めば、国内では取
引ができないような企業と新たに取引が始まるビジネ
スチャンスもあります。
④従業員の質
進出に先立ち、国内の親会社がベトナム人研修生を受
入れることで、従業員教育のコア人材を育て、将来の
ベトナム法人の幹部候補生とするケースが参考になり
ます。
⑤通関手続きが困難
ベトナムでは今年、新投資法が施行され、外資系企業
の投資について、新たな法制化が進んでいます。日本
企業の進出増加と相まって、法令・規制等の運用が
いっそう透明化されることが期待されます。
●図表1:日本企業が進出する上位国
国名
中国
米国
インド
インドネシア
ドイツ
タイ
フィリピン
ベトナム
マレーシア
台湾
シンガポール
ミャンマー
カンボジア
平成26年
順位 企業数
1 32,667
2 7,816
3 3,880
4 1,766
5 1,684
6 1,641
7 1,521
8 1,452
9 1,347
10 1,112
13 779
27 259
32 182
平成22年
(4年前)
順位 企業数
1 29,959
2 6,207
6 1,228
5 1,278
3 1,437
4 1,370
9 1,075
11
981
7 1,184
10
996
13
720
47
65
49
63
増加数 増加率
2,708
1,609
2,652
488
247
271
446
471
163
116
59
194
119
増加率
順位
9%
26%
216%
38%
17%
20%
41%
48%
14%
12%
8%
298%
189%
10
5
1
4
7
6
3
2
8
9
11
-
※出典:外務省「海外在留邦人数調査」(平成27年要約版)より群馬
銀行が作成
●図表2:中期的(今後3年程度)有望企業展開先国
国名
インド
インドネシア
中国
タイ
ベトナム
メキシコ
米国
フィリピン
ブラジル
ミャンマー
平成26年
順位 得票率
1 40.4%
2 38.8%
2 38.8%
4 30.7%
5 27.5%
6 23.6%
7 16.6%
8 11.5%
9 11.1%
10
7.9%
平成22年
(4年前)
順位 得票率
2
58.6%
6
28.6%
1
72.8%
3
32.5%
4
31.4%
12
5.7%
8
9.9%
14
3.0%
5
31.4%
19
1.4%
※出展:12月3日に発表された国際協力銀行「わが国の製造業企
業の海外事業 展開に関する調査報告」(2015年度)
○得票率(%)=当該国の得票数/本質問への回答社数(443社)
○比率(%)は各項目に回答した社数を、各国の有望理由・課題
への回答社数で除したもの。(いずれも複数回答可)
【ベトナム投資環境視察団第二回事前勉強会】
2016年1月14日(木) 13時から前橋商工会議所にて、在日
ベトナム大使のグエン・クオック・クオン閣下をはじめ大使館
の皆様、ベトナムに精通した講師の方々をお招きいたします。
ぜひご参加下さい。
本件に関する相談、詳細に関するお問合せ先:群馬銀行 市場国際部(上田)027-254-7105
以上
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