会場で配布したチラシ(pdf)

『元禄舞図屏風』
『歴代内閣総理大臣』(一部)
第 82・83 代
この作品は、六曲一双の右隻にあたる屏風です。左隻
にあたる、
「輪舞図屏風」というのもあります。並べると
輪になって民衆が踊っている絵になります。みんな楽し
そうです。
かみ さかせっか
作者は、神坂雪佳という近現代日本画家兼図案家で、
明治から昭和にかけて京都で活躍した人。あの尾形光琳
の再来かと言われたほどで近代琳派と呼ばれていまし
た。ヨーロッパに一時期留学しており、日本の技法、構
図などを用いながらもどこかモダンな仕上がりになって
いるのはその影響でしょうか。この作品は京都の千總ギ
ャラリーに所蔵されていますがその他の神坂雪佳の作品
は同じく京都の細見美術館にて見ることができます。細
見美術館は個人的におススメです。京都に行った際には
ぜひ立ち寄ってみてください。
橋本
龍太郎
第 91 代
福田
康夫
第 84 代
小渕
第 92 代
麻生
太郎
森
喜朗
第 93 代
鳩山
由紀夫
第 87・88・89 代
小泉
純一郎
第 94 代
菅
直人
第 90 代
安倍
晋三
第 95 代
野田
佳彦
『これはパイプではない』
作者は、中学校美術の教科書にも出
てくる、ルネ・マグリット。彼は 100
年程前のシュールレアリスムの画家
です。いつもスーツにネクタイ姿で
絵を描いていたとか。
『クリスティーナの世界』
20 世紀のア
メリカの画家、
アンドリュ-・
ワイエスの作
品です。彼は
2009 年に 91 歳
で亡くなりま
した。
恵三
第 85・86 代
この作品のパイプの下にある文字は「これはパイプではない」
とかかれています。パイプなのにパイプではないとはどういう
こと?と考えますよね。
直接的にはこれは「パイプの絵」であって、
「本当のパイプ」で
はないというのです。屁理屈だと思われるかもしれませんが、
これは物と、物の名称(言葉)の関係性を否定している絵だと
もとれます。マグリットは「世界は我々自身の内部に生じる表
彼の代表作でもあるこの作品は、病弱で孤独に育っ
た彼が、彼の別荘の近くに住んでいた足の不自由な女
性に出会い、彼女の何もかもを自分でやってのける生
命力に感動し描いたものだそうです。細い体でいつま
でたってもたどり着けないようにみえる自分の家に足
を引きずりながらクリスティーナが進んでいく、そん
な場面。一見美しく、儚い絵に見えますがそう考える
と彼女の生命力があふれる絵なのだと感じます。
『放射性標識』
放射線が発生している場所、例えば
病院や診療所のレントゲン撮影室な
どには、このような放射性標識が表示
されます。3 つの葉は、アルファ線、
ベータ線、ガンマ線を意味していま
す。
象にすぎない」といっています。
「田園の鍵」というマグリット
の作品での、窓から見える景色は実は窓に描かれていた絵だっ
た、というものがあります。私たちがみているのは物の本質で
はなく、私たちのイメージでしかないということ。すべてを疑
うまではいきませんが、すべてを受け入れて信じることはやめ
た方がいいのかもしれません。
『引きこもり』
近年よく聞く引きこもり。厚生労働省では引きこもりを「仕
事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせず
に、6 ヶ月以上続けて自宅にひきこもっている状態」と定義し
ています。引きこもりの実態は多彩で、どちらかというと男性
に多く、高学歴の家庭に経験者が多い。2010 年の時点で多少は
外に出る準引きこもりをあわせて、推定 360 万人だと言われて
います。それに加え、若者だけだと思われていた引きこもりも
今では 30 代、40 代といったように高年齢化、そして引きこも
る期間の長期化が起こっているみたいです。
裏面へ続く・・・
『boss コーヒー』
サントリーフーズの缶コーヒーの
ブランド。1987 年 - 1992 年に製造さ
れていた「WEST 缶コーヒー」の後継商
品として 1992 年 8 月より発売してい
ます。今ではすっかりおなじみ。街で
よくみる青い自動販売機でも販売さ
れています。キャンペーン商品や CM
が特徴的で、私としてはあの、宇宙人
ジョーンズの地球調査シリーズがと
ても好きです。
『就活生』
職業に就くために活動している人たちのこと。近年就
職率は低下の一方。不況から非正社員の需要が多くなり
正社員の需要が少なくなっているのも原因でしょう。ま
た、就職活動では同じような服装をし、同じような就職
活動をする者の、人物や個性や資質や潜在能力を、はた
して正確に見極めきれているのかという疑問もあるよ
うです。就職活動の在り方に不満を持つ就活生は多いの
ではないでしょうか。
『標識テープ』
このオブジェの
作者であるジャン
=ピエール・レイ
ノーはフランス生
まれの芸術家。ヴ
ェルサイユの園芸
学校に学びます
が、自分の目でよ
り深く現代社会の
構造を探ろうと、
1962 年、23 歳の時より制作活動を開始しました。初期
には進入禁止の交通標識をモチーフに制作。後に白いタ
イルの家を作って破壊するということもやってのけま
した。その話は映画にもなっています。さらに、人間が
最も隔離しようとするものである、放射性物質の存在を
示す標識を使用し、より現代的な問題を表しました。ち
なみにこれは 1992 年の作品。現在、震災で原発問題が
浮き彫りになっている日本ですが、ずっと前から人間に
とって放射能は恐ろしい存在であったのだと再認識。
え
か
だ
ん
ぴ
ず
『慧可断臂図』
室町時代に活躍した
水墨画家であり、禅僧で
せっ しゅう
あった雪 舟 の作品で
す。国宝です。雪舟は、
日本の代表的な画家。こ
の山口市にも住んでい
たこともあり、雲谷庵や
雪舟庭など雪舟にまつ
わるものがあります。
この作品は紙本墨画
淡彩で描かれており場
面は岩窟にて無言のま
ま 9 年間壁に面して座
禅し、悟りを開いたとい
う面壁 九年 の座禅をし
ていた禅宗の祖、達磨と
教えを乞う中国僧(後の
慧可)との緊迫した場面です。慧可は再三弟子入りを達磨
に断られており、決意のほどを示すべく己の左腕を切り落
として達磨にささげようやく入門を許されました。岩窟の
部分は自然の圧倒的な大きさと厳しさを感じさせ、中心に
坐す達磨の横顔にその力が凝集することにより、達磨と慧
可との激しい精神の交流を増幅しているように見えます。
ちなみにこの作品ではないですが毛利博物館では毎年
11 月頃に国宝である雪舟の季山水図巻(山水長巻)を公開
しています。
めんぺき く ね ん
だ る ま
●主な参考文献 ・web サイト●
吉田克朗(1976) 美術手帖『特集 引用の文化<創造と再生のパラドックス>』 美術
出版社/ミシェル・フーコー (1986)
『これはパイプではない』 哲学書房/内藤礼、
P ピュラグリオ、D・ジャッド (1993) 美術手帖『【特集】引用の快楽』美術出版社/
渡邉明義(1994)日本の美術『水墨画ー雪舟とその流派』至文堂/高塚雄介(2002)
『ひきこもる心理とじこもる理由―自立社会の落とし穴―』学陽書房/翻訳家の部屋
マグリット覚書〈http://homepage3.nifty.co m/honyaku/magritte.html〉(2012/1
/17)/国指定文化財等データベース weblio 辞書〈http://www.weblio.jp/content/〉
(2012/1/17)
●画像出典元●
元禄舞図屏風〈http://www.chiso.co.jp/blog/kimono/26.html〉クリスティーナの
世界〈http://blog.goo.ne.jp/colombedor/e/3f cc05743e139b708 e121 c81c768 d8
8f〉 歴代内閣総理大臣、放射性標識〈http://ja.wikipedia. org/w iki/〉これは
パイプではない〈http://book now.jp/blog/2011/09/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A F
%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%97%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%84/〉Boss コヒ-〈http://ceron.jp/w/BOSS%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%92%E3%83%BC〉標識テープ
内藤礼、P ピュラグリオ、D・ジャッド (1993) 美術手帖『【特集】引用の快楽』美術
出版社 慧可断臂図〈http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/tanoshimu/s
huumat su_080723_2.html〉
あとがき
みなさん、どの作品がどれをパロディにしていたかわかりましたでしょうか?まだまだ未熟者ではありますが、一番に
思うのは、美術ってわけがわからないと言われるのではなく、美術作品を介していろんなことに興味を持ったり、考えた
りして、それでもって美術って面白いと少しでも感じていただけることです。
最後になりましたが、本日は山口大学 卒業・修了制作展に御来場いただき誠にありがとうございました!
2012 年 1 月
山口大学美術教育選修
小田
喜久枝
メールアドレス : [email protected]