エンパイアステートビル改修事例 世界的ランドマークビルの革新的で大規模なサスティナビリティ改修 米国:ニューヨーク州ニューヨーク 背景 エンパイアステートビルは第二次世界大戦前に建設された格調高いオフィス ビルで、延べ約20万平方メートルのフロアには、店舗、オフィスなどが入居 し、放送電波塔としての役割も担っています。この世界で最も著名なビルで 5億ドル超の改修プロジェクトが立ち上がり、その中核として、世界中のオ フィスビルのモデルケースとすべく、2009年、エンパイアステートビルと クリントン元アメリカ大統領、ニューヨークのブルームバーグ市長は共同で 包括的な省エネ改修プロジェクトを考案しました。 アクション エンパイアステートビルは、最先端の技術に裏打ちされたサスティスナビリ ティ改修の革新的なアプローチの開発を目的に、クリントン気候イニシアチ ブ(CCI)のビル省エネ改修プログラムを利用し、ジョンソンコントロール ズをはじめとするエネルギー効率を先導する組織を招集しました。そしてイ ンフラの改善、設計の標準化、テナントのエネルギー管理、資産管理、賃貸 計画、マーケティング戦略などがプロジェクトとして取り込まれました。 ジョンソンコントロールズはこの改修プロジェクトにおいて、大規模な窓ガ ラスの改修、高効率冷却装置、テナントがエネルギー使用量をオンラインで 閲覧・管理できるSustainability Manager™を搭載したMETASYS®ビル 管理システムなどで貢献しています。 成果 年間エネルギー使用量38%削減および年440万ドルのコスト削減 プロジェクトは2011年から2年連続で削減保証額を4∼5%上回る成果をあ げており、すべての改修が完了すると、ビル全体で年間440万ドルのコスト 削減が見込まれ、エネルギーの使用量も38%低減します。さらに、改修投資 はわずか3年で回収され、向こう15年間で10万5,000トンのCO2削減が見込 まれます。このプロジェクトはテナントの職場空間の生産性とサステナビリ ティを向上させるモデルケースとして注目を集めています。 「エンパイアステートビルの省エネ改修プロ ジェクトは 2 年連続で大成功をおさめ、予 想をはるかに上回るエネルギー削減効果を実 現して、何百万ドルものコスト削減に成功し ました。この取り組みは、世界で最も著名な オフィスビルがサスティナビリティの点でも 世界をけん引していることを明確に実証し、 省エネを取り入れたビルの改修によって、あ らゆる不動産資産の価値を向上させるととも に環境保全を実現できることを実証していま す」 エンパイアステートビル社 アンソニー・E・マルキン氏 プロジェクトにおける主な省エネ施策 1 窓ガラスの改修 既存のガラスを新素材の3層熱ガラス(6,500枚)に変えるサーモペイン改修により、夏の冷房負荷と冬の熱損失を飛 躍的に削減 2 3 4 ラジエーター断熱改修 ラジエーターの背面に断熱材を貼り付け、ペリメータ部における冬の熱損失を削減 テナント照明、昼夜照明、コンセントの機能アップ 共有部分とテナントスペースの照明に、人感式コンセントコントローラを導入することで電気代と冷房負荷を削減 空調機交換 インバータ式エアハンドリングユニットに交換することで、運転時のエネルギー効率を高めるとともに、テナントの 快適性を改善 5 6 チラープラント改修 既存チラーの筐体を利用した改修を行い、インバータ制御装置の導入による冷凍能力の効率化と制御性向上を実現 ビル全体の制御システムの機能アップ MATASYS®ビル管理システムを導入し、暖房、換気、および空調設備(HVAC)の運転を最適化するとともに、よ り細かな計測情報を提供 7 8 空調換気制御の改良 占有スペースの外気量デマンドによる換気制御で、空気品質を高めるとともに空調エネルギーコストを削減 テナント用エネルギー管理システム Webベースのエネルギー管理システムにより、テナント単位での電力消費管理をより効率化 クリントン気候イニシアチブ ビル省エネ改修プログラム クリントン気候イニシアチブ(CCI)は、気候変動における根本的 な問題に対し解決策を生み出し推進するため、クリントン元アメ リカ大統領が運営するウィリアム・J・クリントン財団によって創 設されました。CCIは2007年5月、「C40大規模ビル改修プログラ の官民コンソーシアムにより、大規模既築ビルの省エネ対策を行っ ています。このプログラムでは、エネルギー・パフォーマンス契約 により提携のESCO事業者からエネルギー削減量が保証されるた 省エネによる 光熱費の削減 賃貸料 保 証 大級のエネルギーサービス会社(ESCO事業者)、金融機関、都市 テナント 改 修 費 用 ム」を立ち上げ、世界40都市の温室効果ガス削減のため、世界最 ビル オーナー イ ン セ ン ティ ブ 低利! ! 利子 ローン 都市 め、削減量に不足が生じた場合には、ESCO事業者からの補填、ま たは省エネの目標値を達成するための追加の改修が無償で実施さ れます。また、改修事業の資金についても予測される削減コストに ESCO 基づき、事業の最大100%までの融資を提携金融機関より低利で受 ことなく、事業を実施することができます。 大級のESCO事業者として、このプログラムに参加しています。ま 銀行 低 価 格 グリーン の 製 調達 品 け取ることができるため、ビルオーナーは新たな予算を必要とする ジョンソンコントロールズは、グローバルに展開している世界最 保証 建設会社 サプライヤー た、日本からは東京が世界40都市の中に指名されています。 〒 151-0073 東京都渋谷区笹塚 1-50-1 笹塚 NA ビル TEL : 03-5738-6100 ©2014 Johnson Controls, K.K. www.johnsoncontrols.co.jp/be CSST-09-083JA(0314) Printed in Japan(TK)
© Copyright 2024 Paperzz