AUTOSORB

AUTOSORB-1
■ AUTOSORB-1 操作手順 ∼窒素ガス吸着測定∼
0. 準備
(0-1)
ソフト AS1Win を PC にインストールする。インストールの最後,装置のタイプに応じてチェックを入れる。
インストール後に変更する場合には,[Operations] の [Instrument Settings] で行う。
シリアルポート
COM1
COM2(一部の NEC ノートパソコン)
装置モデル
装置背面に刻銘
0-1 torr の圧力計を搭載している AS-1-MP(LP),
AS-1-C(LP)はチェックを入れる。ここへチェックを
入れ忘れると,P/Po=10e-7 からの設定をしても
測定ができないので注意。
(0-2)
高純度の He ガスと N2 ガスボンベを用意し,装置背面の He ガスポートと Port 1 にそれぞれ接続する。
1. 装置の立ち上げ
(1-1) He ガスと N2 ガスボンベの元栓を開け,二次圧を 0.7 kgf/cm2 に調節する。
(1-2) PC の電源を入れ,データ処理ソフト”AS1Win”を立ち上げる。
(1-3) AS-1 装置背面にある電源を,①「Mains」 → ②「Electronics」 の順番で On にする。
PC のモニタに自動的に [Autosorb Message Window] が現れ,AS-1 の初期化の情報を表示する。
約 5 分後,自動的にウィンドウが消えるまで,消さないこと。
途中,質問が 3 つ表示されます。②が特に重要です。
(化学吸着モデル以外では最初に「Is this a CHEMISORB
instrument?」と聞かれますが「N」を入力してください)
① コールドゾーンタイム・ファクター
特に設定は必要ありません。「N」を入力してください。
↓ 質問に答える欄
①
N
②
Y
③
N
② 高速排気への切り換え圧力の設定
微粉末試料の測定が多いユーザー向き
前処理の脱気,及び測定開始前の真空排気の速度(低
速→高速)の切り換え圧力を,デフォルトの 38mmHg から
任意に下げることができます。推奨 2∼5mmHg
Do you wish to enter a cold zone time factor(Y/N)?
Set Cold Zone Time Factor (0.000235). Enter now:
N
Factor set to 0.000235
Do you wish to enter a fine to coarse evacuation crossover(Y/N)?
Pressure range 0.150 to 38 mm Hg(use below 2 mm Hg at own risk).
Set pressure crossover (38 mm Hg std). Enter now:
5
Pressure crossover set to 5.00 mm Hg
Leak Test Manifold?
(y/n)
N
Manifold Tests Completed.
N
コールドゾーンタイムファクターの設定
N 高速排気への切り換え圧力の設定
③ マニホールドのリークテスト
装置が自動で中央配管のリークテスト(ガス漏れ)をテストする
機能です。毎回の測定前にもリークテストが実施されるた
め,通常は「N(No)」で問題ありません。
質問①∼③に答えなくても,装置は自己判断して進み,最終的に約 5 分で初期化は終了します。
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
(Page-1)
AUTOSORB-1
2. 前処理の開始
(2-1) 空セルを秤量する。(0.0001g 単位まで)
(2-2) 付属のロートを用いてサンプルをセルに入れる。最大でペレットの約 8 割まで。
セルの内壁に付着したサンプルはモールなどを使って拭き除く。
* 試料の量の調節 試料のおおよその表面積が既知の場合--2
2
(比表面積, m /g)×(試料重量, g)=(全表面積, m )
2
・ BET 測定&メソ細孔分布
: 全表面積が 5∼10m となるようにすると,理想的。
低表面積の試料 → ペレット(大)セルの 8 割近くまで試料を入れる。
表面積大の試料 → ペレット(小)セル
・ ミクロ細孔分布
: 活性炭・ゼオライトなどは,0.005g 前後が目安。
6mmφのペレット(小)セル
(2-3)
(2-4)
(2-5)
(2-6)
マントル・ヒーターのポケットの中にセルに入れ,軽く両手で押さえて取り付ける。
ヒーターが落ちやすいときは,付属の金属製クリップでヒーターを挟む。
セルを AS-1 の脱気ステーション”OUTGASSER” に取り付ける。
セルの太さ(6mm / 9mm / 12mm)に応じてアダプターと O-リングを交換する。
O-リングが二ヶ以上付いていないか,亀裂が入っていないか確認する。
コールド・トラップのデュワー瓶に液体窒素を入れる。
AS1Win のメニューバーの[Operation] から [Outgasser]を選択する。
脱気するステーションの番号(□1 /□2)にチェックを入れ, Load
ボタンを押す。
Backfill Gas(再充填ガス)の選択
Helium(ヘリウム)
---デフォルト設定
Adsorbate(N2 など) ---微量試料で推奨
下の Adsorbate は,AS-1-MP のユーザー向けです。特に
ミクロ測定では,測定時間短縮のために試料重量が数ミ
リグラムということがあります。ヘリウムを充填した場合は
セルの浮力の効果が大きくなります。前処理後の秤量
の際,軽めに秤量され,試料重量に誤差を与えやすく
なります。(6mm スモールペレットセルの場合で約 3mg)
N2 にすることにより,浮力の影響を軽減することができ
ます。
AS-1 が取り付けの指令を受けると,次のボックスが表示される。 OK
(2-6)
マントル・ヒーターの温度を設定し,電源を ON にする。
微粉末試料の場合の注意!
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
ボタンを押す。
注意 最高温度は 400℃
・脱気を開始してから数分∼約 15 分経ってから加熱を開始する。
・段階的に温度を上げる。100℃, 5 分→200℃,5 分→350℃(例)
(Page-2)
AUTOSORB-1
3. 前処理の終了
(3-1) マントル・ヒーターの電源を OFF にする。又はマントル・ヒーターをセルから外しておく。
(3-2) AS1Win のメニューバーの[Operation] から [Outgasser]を選択する。
脱気を終了するステーションの番号(□1/□2)にチェックを入れる。
微量の試料の場合には,”Backfill Gas”を”Helium”から”Adsorbate”に変える。(Page-2)
Remove ボタンを押す。
(3-3) 室温まで冷えるまで待つ。急いで室温まで戻す場合には,ドライヤーで冷風を当てるなどする。
(3-4) サンプル+セルを秤量する。(2-1)の空セル重量を引き,サンプル重量を求めておく。
セルの移動中は大気中の水分の再吸着を防ぐために,1cm 四方のシーリング・テープやゴムキャップ
などで蓋をすると効果的。
4. サンプル測定
(4-1) サンプルセルを測定ステーションに取り付ける。
(4-2) 飽和蒸気圧測定用セル(L 字型)とレベルセンサーが付いていることを確認する。
(4-3) デュワー瓶に液体窒素を入れる。超低圧等温線を測定する場合には多めに入れておく。
(4-4) AS1Win のメニューバーの[Analysis Menu] から [Physisorption Analysis Parameters] を選択する。
測定条件の設定画面
③
④
⑤
ユーザー・ファイル機能
①
Ⓐ 呼び出し
⑥
⑦
②
⑧
Ⓑ 保存
Ⓐ
⑩
Ⓑ
⑨
⑪
⑬
⑫
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
(Page-3)
AUTOSORB-1
項 目
(A)ユーザーファイルの呼び出し
(B)ユーザーファイルの保存
①サンプル ID
②サンプル・デスクリプション
③サンプル重量
④リークテスト時間
⑤冷媒温度
⑥ファイル名
⑦測定者名
⑧吸着質の種類
測定後の変更
○
○
○
×
○
(○)
○
⑨飽和蒸気圧 P0
×
⑩脱気速度
×
⑪マキシ・ドーズ法の適用
⑫前処理時間・温度
⑬測定ポイントの設定
×
○
×
内 容
登録済みのユーザーファイルを呼び出す
新しく設定した測定条件を登録する
サンプル名称や Lot 番号など
サンプルの所属など
前処理後のサンプル重量。測定後に変更,再計算可。
吸着測定開始前に,AS-1 によるリークテスト。「1」∼「2」分。
液体窒素=「77.35」K
測定前に測定日と順番に従って自動的に決められている。
測定者の名称
窒素を選択。 それ以外の吸着質は▼を押して選択。
液体窒素=「P0 Station」(実測モード)
または「User Entered, P0=770mmHg」
粉末サンプルの場合=「Fine」(ゆっくり脱気)
塊状サンプルの場合=「Coarse」(高速で脱気)
窒素ガス吸着の場合=マキシ・ドーズ法を適用(チェック印)
前処理の時間(hrs)と温度(℃)
測定ポイントの相対圧力,圧力公差,平衡時間
☆ ユーザーファイルを利用しない場合には,①から⑫を記入し,⑬を押して圧力ポイントの設定を行ってから測定を
開始する。新しく設定した測定条件を残しておくときには(B)ボタンを押してほぞんする。
☆ ユーザーファイルを利用する場合には,(A)ボタンを押し,必要に応じて①②③⑦を変更して測定を開始する。
既存のユーザー・ファイルを利用しない場合 ・ ・ ・
(4-5) サンプル ID,サンプル重量,吸着質,飽和蒸気圧などの項目を入力する。
(4-6)
⑬ Select ボタンを押す。測定ポイントの設定画面が現れる。中央の圧力偏差と平衡時間を入力して
から圧力ポイントを設定する。
超低圧等温線
P/P0 : 1e-7, 1e-6, 1e-5
BET 比表面積
(0.05<P/P0<0.3 )
3, 5, 7, 11 点法
メソ細孔分布
吸着側 10 / 20 / 40 点
脱着側 10 / 20 / 40 点
編集
クリックした行が青色に変
わり,指定したデータにつ
いて編集や削除ができる。
圧力公差(トレランス) Tolerance :
0 が一番厳しく,値が大きいほど条件は甘くなります。通常の測定では 2∼3 が用いられる。一方,超低圧から測定するミ
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
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AUTOSORB-1
クロ細孔解析(P/P0<1e-5)では 0∼1 に設定する。
平衡時間 Equil time :
通常 2∼3(分)が用いられている。但し,ミクロ細孔解析や試料量の多い測定では長めに設定した方が良い。
トレランスと平衡時間は,Edit Selected ボタンを使うことにより,各データポイント毎に変更,設定できる。P/P0=10e-7
からの P/P=0.995 までの幅広い領域の測定では,トレランスを 0→1→2→3,平衡時間を 8→7→6…→2,というよ
うに段階的にスライドさせていくと,理想的。
編集ボタン
Edit Selected
Delete Selected
Add
Delete All
Clear All
Select All
:
:
:
:
:
:
[編集] 選択したデータ点について Tolerance と Equil time などを設定.
[部分削除] 選択したデータ点を削除.
[追加] データ点を追加 .相対圧力,吸着/脱着側,Tolerance,Equil time を設定.
[全点削除] データ点ごとに Tolerance と Equil time などを設定.
[全点解除] 選択した範囲を解除
[全範囲選択]データ点ごとに Tolerance と Equil time などを設定できる
超低圧等温線は, Micro-Pore Analysis を押して,P/P0=1e-7/1e-6 /1e-5 から選択する。
・ P/P0=1e-6 /1e-5∼ : AS-1-MP の機種で測定可。(0-10torr 圧力計搭載)
・ P/P0=1e-7 ∼
: AS-1-MP(LP), AS-1-C(LP) の機種で測定可。(0-1torr 圧力計搭載)
データ間隔を選択できる。
(4-7)
(4-3)(4-4)で設定した測定条件ファイルを保存しておく場合には, Save User File
ォルダとファイル名を決めて保存する。ファイル名は半角 8 文字まで。
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
を押し,希望のフ
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AUTOSORB-1
既存のユーザー・ファイルを利用する場合 ・ ・ ・
(4-8) Page-3 の[Physisorption Analysis Parameters] の(B) Load User File ボタンを押し,既存のユー
ザー・ファイルを呼び出す。
(4-9) サンプル重量を入力し直し,変更がある場合には吸着質,飽和蒸気圧等の項目も入力し直す。
(4-10) Start ボタンを押と測定が開始する。
5. サンプル測定中
(5-1)
キーボードの「F9」を押すと測定の途中経過データが AS-1 から PC に取り込まれ,自動的に等温線プ
ロットが表示される。Operations の[Upload Data] からもアクセスできる。
測定中でも解析に必要な圧力範囲のデータが得られていれば解析を行うことができる。(等温線測定中
に BET プロットを見たり,吸着側で BJH 細孔分布を見るなど。)
(5-2)
キーボードの「F8」を押すと装置の動作状況を示す[Instrument Status]ウィンドウが表示される。
Operations の [Instrument Status] からもアクセスできる。
・測定ステーション
・測定中
・設定した測定ポイント数
・設定した測定ポイント数
・測定済みのポイント数
・測定済みのポイント数
・最近の飽和蒸気圧
・最近の P0
・飽和蒸気圧ステーション
・「P0 Station」=実測
・マニホールド温度
・マニホールド温度
・マニホールド容積
・マニホールド容積
・脱気ポート#1
・「In Use」=使用中
・脱気ポート#2
・「Not in use」=不使用中
・EPROM=4.63
・装置の EPROM バージョン
6. 測定後
(6-1) キーボードの「F9」を押すと測定データが AS-1 から PC に取り込まれ,自動的に等温線プロットが表示
される。メニューバーの[Operations]→ [Upload Data] からもアクセスできる。
7. その他
(7-1) メニューバーの[Data Reduction] →[Set Directories] を選ぶと AS-1 のファイルを保存するフォルダを
種類ごとに登録することができる。登録後は,ファイルの保存や呼出しの際,登録したフォルダが選択さ
れる。
測定データの場合
[Physisorption Data Files] を選択。
C:¥AUTODATA の後に “∖”とフォルダ
名を入力し, Set
ボタンを押す。
(デフォルト: C: ∖AUTODATA)
この機能を使うと,これから測定するデータファイルを希望のフォルダに自動的に保存させることができ
る。測定者やサンプルごとにフォルダを小分けしておくとデータの整理が便利。
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
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AUTOSORB-1
(7-2)
測定後,同一名称のファイルが 3 種類作成される。
測定データ 1
「XXXXX.raw」
削除 不可 (解析に用いる)
測定データ 2
「XXXXX.drf」
削除 可
データ処理データ 「XXXXX.cfg」
削除 可
いわゆる生データに相当する raw ファイル以外は削除しても良い。raw ファイルは BET 比表面積や細
孔分布等の解析に用いるので,大切なファイルはバックアップを取っておいた方が良い。
(7-3)
前処理中に測定を開始できる。また,測定中に前処理を開始(Load)/終了(Remove)ができる。但し,
測定中に Outgasser を頻繁に使用すると,Load と Remove に要する分だけ測定時間が長くなる。
AS-1 簡易マニュアル 041115.doc
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