災害に関するクイズ 解答

先日はお忙しい中、アンケートにご協力いただきありがとうございました。災害に関す
るクイズの解答・解説を載せさせていただきます。予定日時から大変遅れてしまったこと
をお詫び申し上げます。
災害に関するクイズ
質問 1.
解答
日本で地震が多発することについて、当てはまるものをすべて選んで下さい。
1. プレートテクトニクスが関係している
2. 河川堆積物に覆われている平野がある(濃尾平野など)
3. 四季がある(梅雨や台風など)
4. 火山がたくさんあることが関係している
答え.
1,4
解説.
1. 地震には大きく分けて二つのタイプがあります。一つは直下型で、もうひとつが海溝
型です。海溝型地震とは、陸のプレートに潜り込んでいる海のプレ−トが急激に戻る
時に発生するものです。地球は 10 数枚のプレートで覆われていて、陸地や海はその
上に乗っています。私達の住む日本は、次の四つのプレートの境界に位置するため、
海溝型地震の発生も多くなり、結果的に地震の多発に関係しているといえます。
2. 河川堆積物とは、砂や石、泥などのことですが、これらが堆積している地盤は岩盤な
どに比べ弱く、大きな地震が発生したときの被害は大きくなります。しかし、地震の
発生自体に直接関係はないため、答えには含まれません。
3. 梅雨や台風がたくさん上陸する時期は土は水分を多く含むため、弱くなっています。
よってこちらも地震が発生した時の被害は大きくなりますが、地震の発生自体に直接
関係はないため、答えには含まれません。
4. 火山は地中のマグマが地上に噴き出す場所です。そのマグマは、地下に沈み込んでい
るプレートから溶け出してきた物質です。よって、火山がたくさんあるところはプレ
ートが他のプレートに沈み込む場所であるといえ、1 でも説明したように地震が多発
します。日本には、富士山を始めとした火山がたくさんあります。よって、この選択
枝は解答に含まれます。
質問 2.
地震災害はどこでも起きているのか、次のうち正しいものをすべて選んでくださ
い。
1. 世界中のどこでも起きている
2. 特定の地域にしか起きていない
3. 地震が全く発生しない地域がある
4. 大陸(陸地)でしか発生しない
答え
2. 3.
解説
1,2,3. 日々のニュースやテレビなどを見ると、世界中のどこでも地震が発生してい
るように感じがちですが、地震の全く発生しない地域もあります。
4. プレートが他のプレートに潜り込む場所や、火山がたくさんある場所で主に地震
は発生しますが、プレート境目や火山は海底にも存在します。よって、陸地以外
の場所でも地震は発生するため、答えに含まれません。
質問 3.
次のうち、マグニチュードについての説明で正しいものをすべて選んでください。
1. 地震そのものの規模(エネルギー)を表す
2. マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは 32 倍になる
3. マグニチュードが大きいと震度も大きくなる
4. マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは 2 倍になる
答え
1,2
解説
1,4 地震のエネルギーを表すものを一般的にマグニチュードといいます。テレビな
どを観ていて、時々上部に表示される「震度」とは、その場所での揺れの大きさ
を表すものです。
2. 一般的にマグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは 32 倍になると
いわれています。
3. 震度とは、ある地点での揺れの大きさを表すものです。地震そのもののエネル
ギーであるマグニチュードが大きくなると揺れも大きくなるように思いますが、
その場所の地質や地下構造などにより震度は変わります。
質問 4.
地震は下図のように、海溝型地震と直下型地震との 2 つに分けられます。
次の地震はどちらのタイプか選んで下さい。
1. 東海地震
海溝型地震
直下型地震
海溝型地震
直下型地震
2. 東南海地震
3. 猿投・高浜活断層で起こる地震
海溝型地震
直下型地震
海溝型地震
直下型地震
海溝型地震
直下型地震
4. 兵庫県南部地震
5. 新潟県中越地震
答え
1. 海溝型地震
2. 海溝型地震
3. 直下型地震
4. 直下型地震
5. 直下型地震
質問 5.
東海地震発生の前兆がみられるときに発令される予知情報について、正しいもの
をすべて選んでください。
1.
東海地震に関連する情報は三種類あり、危険度が低い情報から順に「東海地
震観測情報」→「東海地震注意情報」→「東海地震予知情報」である。
2. 「東海地震観測情報」とは、観測された現象が東海地震の前兆現象であると直
ちに判断できない場合や、前兆現象とは関係がないとわかった場合に発令され
るものである。
3. 「東海地震注意情報」とは、東海地震の発生のおそれがあると判断した場合に
発令されるものである。
4. 「東海地震予知情報」とは、観測された現象が前兆現象である可能性が高まっ
た場合に発令されるものである。
答え
1,2,
解説
3 と 4 は逆になっています。
3. 「東海地震注意情報」が観測された現象が前兆現象である可能性が高まった場
合に発令されるものであり、「東海地震予知情報」が東海地震の発生のおそれ
があると判断した場合に発令されるものです。混同しやすいので気をつけてく
ださい。
質問 6. 過去に発生した大地震について、正しいものをすべて選んでください。
1. 1995 年に発生した兵庫県南部地震では、6000 人を超える死者が出た。
2. 1854 年に安政東海大地震が発生したが、それ以来東海大地震は発生していない。
3. 2004 年に新潟県中越地震が発生したが、震源が深かったため大きな被害が出た。
4. 兵庫県南部地震では神戸を中心とした臨海地域で大規模な液状化が発生した。
答え
1,2,4
解説
新潟県中越地震では大きな被害がでましたが、それは震源が地下 13m と浅かった
ためです。一般的に震源が浅いほど地震の被害は大きくなります。
ここからは土砂災害に関するクイズです。
質問 1. 地すべりに関する説明のうち正しいものをすべて選んでください。
1. 地すべりとは、緩やかな斜面で雨水がしみこんで地層の上に地下水としてたまり、
滑りやすくなり、そこから上の地面が動き出す現象である。
2. 地すべりは梅雨時や豪雨時など、地下水の水位が大きく上昇する時期に多く発生す
る。
3. 豊田市旧町村部のほとんどの地域が「地すべり危険区域」に指定されている。
4. 地すべり危険箇所は現在全国に 1 万箇所以上ある。
答え
1,2,4
解説
3, 愛知県には地すべり危険区域は比較的少なく、山間部に点在する程度です。
4, 地すべり危険箇所といい現在全国に11,288箇所あります。
質問 2. 土石流に関する説明のうち正しいものをすべて選んでください。
1. 土石流とは山や谷から土・砂・石などが、梅雨の長雨や台風の大雨による水と一
緒になって、ものすごい勢いで流れてくるものである。
2. 民家が 1 戸以上もしくは、公共建築物に被害の生じる恐れのある渓流を土石流危
険渓流という。
3. 土石流危険渓流は愛知県に 1 万箇所以上ある。
4. 山の斜面の石や土砂が崩れないように木を植えたりすることはあまり良い対策
にはならない。
答え
1,2,
解説
3, 土石流危険渓流は愛知県には 3633 渓流あります。
4, 木を植えたりすることで斜面の土砂を崩れにくくすることができるため、よい対策
です。
質問 3. がけ崩れに関する説明のうち正しいものをすべて選んでください。
1. 勾配 30 度以上の斜面は斜面崩壊が起こる危険性が高い。
2. 斜面の高さが 10m 以下であれば斜面崩壊の心配はない。
3. 愛知県には急傾斜地崩壊危険箇所が 7000 箇所以上ある。
4. 愛知県で人家はないが今後新規の住宅立地等が見込まれる急傾斜地崩壊危険箇
所は 100 箇所以下である。
1,3,
答え
解説
1, 勾配 30 度以上の斜面は崩壊が起こる危険性が高いです。身近なものでいうとエスカレ
ータがおよそ 30 度の勾配です。
2, 斜面の高さが 5m 以上になると斜面崩壊の危険性が高くなります。
4, 愛知県で人家はないが今後新規の住宅立地等が見込まれる急傾斜地崩壊危険箇所
は 5139 箇所あります。
質問 4. 上の図のうち、家を建てても安全と考えられるところをすべて選んでください。
ただし、AB 斜面は何も対策を施していないものとします。
B
④
⑤
③
10m
①
②
A
1.
A 地点から 20m離れたところ
2.
A 地点から 5m離れたところ
3.
斜面の中央
4.
B 地点から 5m離れたところ
5.
B 地点から 20m離れたところ
答え
5
解説
勾配が 30 度以上の時、がけの上はがけの高さと同じ距離の範囲で被害が予想され、
がけの下ではがけの高さの二倍の距離の範囲で被害が予想されます。
参考文献
http://www.pref.aichi.jp/
愛知県庁
http://www.jma.go.jp/jma/index.html
http://bousai.apk7.com/090/
気象庁
防災対策ガイド
http://www.jisuberi-kyokai.or.jp/
斜面防災対策技術協会ホームページ