地震一口メモ No.123

地震一口メモ No.123
緊急地震速報の表現を多言語に訳した辞書について
日本政府観光局によると、訪日外国人旅行者は平成 26 年に 1,300 万人を越え、そのうちの約 29%の方が
大阪府を訪れています。また、法務省によると、平成 26 年の全国の在留外国人は約 200 万人(前年末に比
べ 2.7%増加)で、その一割の約 20 万人の方が大阪府で生活しています(大阪府の人口の約 2.3%)
。
このような状況下において、日本では大規模地震発生時における外国人の安全確保が課題となっており、
各種情報の多言語化を促進しています。外国人旅行者の中には地震の経験が少なく、緊急地震速報
(Earthquake Early Warning)を知らない方がおられます。また、在留外国人の中には日本語能力が十分でな
い方もおられます。外国人の地震被害を防止・軽減するためには、地震による強い揺れを事前にお知らせす
る緊急地震速報の多言語化が有効です。
図
緊急地震速報のしくみ
緊急地震速報とは?
地震の発生直後に各地での強い揺れの
到達時刻や震度を予想し、可能な限り
すばやく知らせる情報です。緊急地震
速報を見聞きしてから強い揺れが来る
まではわずかな時間しかないので、
この情報の意味や見聞きした際の対応
行動を事前に知っておくことは非常に
重要です。
こうした背景を踏まえ、今年 3 月 30 日、気象庁を中心に、内閣府・観光庁と連携し、情報配信事業者な
どが緊急地震速報を多言語で提供する際に必要となる情報の翻訳表現を『緊急地震速報の多言語辞書』
(http://www.jma.go.jp/jma/press/1503/30a/eew20150603_dictionary.pdf)として作成しました。また、
この辞書には緊急地震速報を受け取った際にとるべき行動に関する表現も掲載しています。
表
緊急地震速報の多言語辞書(韓国語表現とスペイン語表現を抜粋)
ほか、英語、中国語(簡体字、繁体字)
、ポルトガル語表現があります
すでに、NTT ドコモは、気象庁が協力し、今年 4 月に一部の機種の携帯電話において、緊急地震速報や津
波警報の受信メッセージや音声ガイダンスを5ヶ国語(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語)
に対応させました(https://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/areamail/)
。
今後も、気象庁はホームページや関係諸団体を通じて多言語辞書の利用拡大に取り組み、外国人が緊急地
震速報を有効活用できる環境の整備につとめます。