クイズの答え(配合設計)の解説 ③ 空気量の標準は一般に3∼6%程度とされることが多いですが、コンクリート中の空気量は、運 搬、締固め等によって若干減少するので、あらかじめ多め(練混ぜ直後で4∼7%)に設定され ます。したがって、空気量が運搬、締固め作業により半分になるは間違いです。 答えは選択肢③になります。 ① コンクリートの運搬時間が長い場合、および気温の高い場合には、特にスランプの低下が大きい ので、運搬中のスランプの低下を見込んだスランプ値をもとに配合を決めておく必要があります。 ② 水密コンクリートでは、水セメント比は55%以下を標準としています。締固めおよび養生を十 分に行ったコンクリートでも、水セメント比が55%∼60%以上になると、コンクリートの水 密性は減少します。また、水密コンクリートには、AE剤、減水剤、AE減水剤等を用いること が原則とされており、これらの混和剤を用いることは、コンクリートの水密性を容易に且つ安全 に増すための有効な手段です。 ④ 適当量のエントレインドエアを混入したコンクリートは、気象作用に対する耐久性がきわめて優 れているので、激しい気象作用を受ける場合には、AEコンクリートを用いることが原則となっ ています。しかし、コンクリートの強度は空気量が増すと小さくなり、また、コンクリートの品 質のばらつきも空気量が増すほど著しくなる傾向があるため、気象作用が激しくない場合には過 度に空気量を多くしないほうがよい。 参考までに次ページにコンクリート配合設計の手順についてのフロー図を示します。 使用材料(セメント・骨材・混和材料など)および施工条件の調査・選定 設計強度 品質管理状態 気象条件 構造物の種類 構造物の寸法 割増し係数 水密性 水セメント比 空気量 水セメント比 耐久性 鉄筋のあき間隔 粗骨材の最大寸法 スランプ 最小値 水セメント比 単位水量 単位セメント量 細骨材率 凡 例 単位骨材量 :決定条件 試し練り :決定項目 配合修正 :試験・作業 配合決定 図.コンクリート配合設計の手順についてのフロー図 参考図書:良いコンクリートを打つための要点<改訂第5版> (社)全国土木施工管理技士会連合会
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