3.家族性III型高脂血症との関連は?

高レムナントは危険なの?
[Q03] Ⅲ型高脂血症との関連は?
家族性Ⅲ型高脂血症に関して、動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版において、次のような
記載があります。
アポ蛋白 E2/2 遺伝子型(稀にアポ蛋白 E 欠損)を基盤として発症し、高レムナント血症、早期の
冠動脈疾患を特徴とする。日本人のⅢ型高脂血症においても高頻度の冠動脈疾患の合併が報告
されている。本高脂血症は治療によく反応するので早期診断、早期治療がきわめて重要である。
家族性Ⅲ型高脂血症はレムナントリポ蛋白が増加する遺伝性の高脂血症で、糖尿病やメタボリッ
クシンドロームなどを合併して発症することが多いと報告されています。
○アポ蛋白 E : VLDL レムナント、カイロミクロンレムナントが肝臓に取り込まれる際に重要なアポ
蛋白で、E3 を野生型として E2、E4 のアイソフォームがあります。E2/2 は LDL 受容体への結合
能を持たず、レムナントリポ蛋白が蓄積します。
○頻度 : 本邦での E2/2 は 0.2%程度、家族性Ⅲ型高脂血症は 0.01~0.02%
(E2/2 で必ずしも高脂血症を示さないことも有り)
○診断
・ 高 TC/高 TG≒1(TC 500mg/dL、TG 2000mg/dL 程度に達する例も有り)
あ あ ・ リポ蛋白電気泳動で VLDL から LDL への連続性の broadβパターン
あ
あ・ アポ蛋白 E 分析でのアポ E の異常(等電点電気泳動やウエスタンブロットなど)
あ
あ・ レムナントコレステロール高値 RemL-C/TG>0.1
実際に WHO の各高脂血症型において RemL-C を測定すると、正常群に比較して各群で高値と
なり、IDL、カイロミクロンレムナントの増加を表します。また、RemL-C/TG 比はⅢ型高脂血症で
高値となり IDL(VLDL レムナント)の増加を示します。さらに、RemL-C/non HDL-C 比はⅠ型、
Ⅴ型高脂血症で高値となりカイロミクロンレムナントの増加を示します。
(弊社パンフレット掲載データ)
<図>高脂血症型と RemL-C 値の関係
(n=118, 平均±SD)
<図>高脂血症型と RemL-C/TG 比(上図)、
RemL-C/non HDL-C 比(下図)の関係
(n=118, 平均±SD)
主な参考文献
動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007 年版. 動脈硬化学会
脂質異常症治療ガイド 2008. 動脈硬化学会編
衛藤雅昭:家族性Ⅲ型高脂血症(アポリポ蛋白 E 遺伝子変異).The Lipid,20:31-35,2009
山下静也,石神眞人:メタボリード RemL-C 試薬によるレムナント/TG 比、レムナント/non HDL-C 比測定の有用性.医学
と薬学,59:429-437,2008