災害への備え ∼火事への対策は万全ですか∼

No.6581
災害への備え
∼火事への対策は万全ですか∼
火の元の用心
誰でも、火の元の用心は当然のこととして認識しています。それでも、火の不始
末による火災は後を絶ちません。消したつもりの消し忘れなど、ついうっかりが火
災につながっています。
条件反射
ガスレンジの火をつけると、その途端に、何か別なことをしたくなる人がいま
す。ガスに火をつけたらその場にいたいものなのですが、沸騰するまでの時間に洗
濯や部屋の片付けができると計算が働きます。しかし、掃除をしたり、宅配便が届
いたり、電話がかかってきたり、来客があったり、次から次へと新しい用向きがで
きることによって、火のことをついうっかり忘れてしまうことがあります。火事に
は至らないまでも、鍋を焦げ付かせてしまったりします。
自営業の主婦や子育て世代の忙しい主婦に多いケースですが、老後になって、比
較的時間に余裕ができても、この癖が抜けない人がいます。
火をつけると、長年の習慣で、急ぎの用事もないのに火元を離れたくなってしま
うのです。
「火をつけたら絶対にほかのことをし
てはいけない」ということを徹底しない
といけません。言葉でいうのは簡単なの
ですが、長年の習慣はそう簡単に変わる
ものではありません。また、火を使うな
ともいえません。そこで一定の温度を超
えたら火が消えるなどの設備の導入など
を検討する必要があります。
-1-
ガスレンジ
ガスレンジの周りはきれいに片付いていますか。燃
えやすいものが置いてあったりしませんか。換気扇は
汚れていませんか。換気扇が汚れているだけでは火事
にはなりません。しかし、天ぷら油に火がついて燃え
上がったとき、換気扇にこびり付いた油などに火がつ
くこともあります。ガスレンジ周りの掃除は衛生上の
問題だけではなく防災上も必要です。
たばこ
たばこの火の始末も重要です。灰皿の中の吸殻が山
になった状態では危険です。たばこの火は、きちんと
消したつもりでも消し切れていない場合があります。
それが種火となってほかの吸殻に火がついたら大変で
す。さらに、灰皿の外のものに燃え移ったら惨事につ
ながります。灰皿の吸殻をためない、吸殻をゴミ箱に
捨てるときは十分に水に浸すことが大切です。
ストーブ
ストーブの上の空間に洗濯物を干したりしていませんか。洗濯物の乾きがよくな
いと室内に干さざるを得ませんが、ストーブの上の空間に洗濯物を干すと、間違っ
てストーブの上に洗濯物が落ちてきたりして、洗濯物に火がついて火事になること
も考えられます。できるだけストーブの近くには燃えやすいものを置かないように
しましょう。
また、小さい子供のいる家では、プラスチック製の玩具をストーブの前に置きっ
ぱなしにしてしまうこともあるので注意が必要です。
気をつけているつもりでも、ついうっかりストーブの火を消し忘れてしまうこと
があります。一定の時間が経つと消える自動消火装置の付いたものがお勧めです。
-2-
仏壇
仏壇のろうそくの火をつけたままにするのは危険
です。何かの拍子にろうそくが倒れることもありま
す。
また、線香1本が燃え尽きるまで40分程度の時間を
要します。急ぎの外出の予定があるときは、線香を
あげない、または半分に折ってあげるなど工夫をし
ましょう。
コンセント
コンセントがたこ足配線になっていませんか。「たこ足配線」とは、名前の通
りタコの足のようにコンセントや延長コードに多数のプラグを差し込んでいるこ
とです。しかしコンセントや延長コードには定格容量が決められています。この
定格容量以上の電気を使うと、発熱や発火することがあります。
市販の延長コードのコンセント部分などに定格容量が記載されているので、電
気機器の裏などの表示を確認して、その合計が延長コードの容量を超えない範囲
で使用されているかを確認しましょう。
新しい家は電源は比較的多く用意されていますが、古い家の場合はコンセント
の数が少ないため、たこ足配線になってしまいがちです。足りないコンセントは
電気工事店に工事を依頼してその数を増やしましょう。
家庭内の洗濯機や冷蔵庫などの後ろにあるプラグは長期間差し込まれたままの
状態です。そのままにしておくとホコリがたまります。そのホコリが湿気を含む
と、プラグの両極間に微少の電気が流れることがあります。
この電気の流れが徐々に加熱・炭化が進んでさら
に大きくなっていきます。そしてその熱が限界を超
えると発火してしまいます。この現象を「トラッキ
ング現象」といいます。
トラッキング現象を防ぐには、時々プラグをコン
セントから抜き、乾いた布などでプラグやコンセン
トに付着したホコリを拭き取ることです。ホコリと
湿気・水気が多い場所にあるコンセントは特に注意
が必要です。
また、コンセントの受け刃が緩んでいると、接触
不良により過熱する恐れがあり危険です。プラグは
奥まで確実に差し込み、コンセントに緩みがある場
合、電気工事店に相談しましょう。
-3-
放火に注意
最近、物騒な世の中になり、放火事件が後を絶ちません。家の周りに燃えやす
いものがあるとそこに火をつけられやすいので気をつけましょう。紙くず、ビニー
ルシート、落ち葉などは簡単に火がつきます。整理整頓を心がけ、不要なものは
こまめに捨てるようにしましょう。ゴミはゴミ収集日の朝に出しましょう。前の
晩から出していると放火の標的にされるかもしれません。石油缶が目に見えると
ころにあるのは危険です。カギのかかる物置などに保管するようにしましょう。
防火用具の確認
初期の火事であれば、消火器で対処できます。しかし、あわてていると消火器
が見つからなかったり、使い方が分からなかったりします。消火器には使い方の
説明書きがありますが、いざというときに読んでいる余裕はありません。
普段、消火器の使い方を練習する機会に恵まれていません。定期的に消火器を
手にして、使い方の手順をシミュレーションしてみましょう。手順を頭の中で追
う練習を何度も繰り返しておけば、いざというときに自然に行動できます。
消火器の使用方法は、安全ピンを外し、ホースを構え、レバーを握って消化液
を発射します。
(1)黄色のリングの安全ピンを引き抜く
(3)レバーを握って噴射
(2)ホースを手に持って構える
以上
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本リポートの内容は執筆時点における社会情勢などに基づいて記されています。な
お、本リポートは情報提供が目的であり、本リポートに基づくお客様の決定、行為
およびその結果については責を負いかねますので、ご了承ください。