<参考資料> ■40Nm3/h 級水素分離型リフォーマ試験機の外観 幅 3.6m× 表 水素製造能力 幅 奥行き 高さ 容積 (Nm3/h) (m) (m) (m) (m3) 奥行き 2.6m× 高さ 2.3m 従来システムとの大きさ比較 従来機 50 6 3 3.6 64.8 1 水素分離型リフォーマ 40 3.6 2.6 2.3 21.5 ■水素製造システムについて 都市ガスから純水素を製造するシステムの代表的なものとして、圧力スイング吸着 (PSA:Pressure Swing Adsorption)方式と、水素分離型改質方式の2種類があります。 ① 圧力スイング吸着方式(従来システム) 水蒸気改質反応により生成した水素を含む改質ガスから吸着剤を用いて、水素以外の ガスを除去して純水素を得る方式。改質器(リフォーマ) 、CO 変成器、PSA 装置(水 素精製装置)の3つのプロセスで構成される。 バッファタンク 水蒸気 都市ガス 純水素 CO 変成器 改質器 PSA 装置 CH4 + H2O 改質器(水蒸気改質反応) CO 変成器(一酸化炭素変成反応) CO +3H2 CO + H2O PSA 装置(圧力スイング吸着) CH4 CO2 + H2 H2O CO CO2 吸着 H2 分離 ② 水素分離型改質方式 水蒸気改質反応が起こる改質器内に水素透過膜を設置することにより、生成した水素 を反応のその場で選択的に取り出す方式 都市ガス 水蒸気 純水素 水素分離型リフォーマ 水蒸気改質反応 CH4 + H2O CO +3H2 分離 一酸化炭素変成反応 CO + H2O CO2 + H2 分離 2 ■水素分離型リフォーマの原理 都市ガスの改質反応を行わせる触媒層中に水素透過膜を設置することにより、都市ガ スの改質反応で生成した水素を選択的に抜き出し、高純度水素を製造するものです。従 来は高純度水素を得るためには、改質器に加えて一酸化炭素変成器・水素精製装置など が必要となり、システムが複雑・大型化するデメリットがありましたが、水素分離型リ フォーマは膜分離により高純度水素を得ることができるため、これらの装置が不要とな り、シンプル・小型化が可能です。 また、従来の水蒸気改質反応温度(800℃程度)に比べてはるかに低い温度(500~550℃ 程度)で水素製造が可能なため、反応器に低廉な構造材料を使うことができます. さらに最大の特長として、従来方式よりも水素製造時のエネルギー効率を大幅に高める ことが可能であり、80%程度まで効率向上が期待されるものです。 水素分離膜モジュール (パラジウム系合金薄膜) 加熱 触媒 CO2 H2 都市ガス (CH4) 水素 CH4 H2 H2 H2O 水蒸気 CH4 CO 水蒸気改質反応 CH4 + H2O 分離 CO変成反応 CO + H2O 図 ・コンパクト CO + 3H2 CO2 + H2 分離 水素分離型リフォーマ(改質器)の原理 3 ・シンプル ・高効率 ■開発目標 ・開発目標(性能等)(平成17年3月末) ① 各種固体高分子形燃料電池用の純水素製造装置として水素分離型リフォーマシステ ムが有効であることを検証すること ② 1時間あたりの水素製造量が 40Nm3 以上であること ③ 水素の製造効率が 70%以上であること ④ 水素の純度が 99.99%以上であること ・効率算出式 水素製造効率(%)= 発生水素量 × 水素発熱量 × 100 原料都市ガス流量 × 都市ガス発熱量+補機動力 ■開発経緯 東京ガス(株)では、1992 年から三菱重工業(株)と共同で水素分離型改質器の研究 開発を行って来ました。1993 年 8 月には、円筒型の水素分離モジュールを内蔵する水素 製造能力4Nm3/h 級の改質器を開発し、固体高分子形燃料電池(PEFC)と連結運転し 5kW の発電に成功しております。水素分離型改質器と燃料電池の連結運転は、これが世 界初の実証試験となりました。 2000 年7月より日本ガス協会として、NEDO の「固体高分子形燃料電池システム化 技術開発事業 水素分離型改質技術開発」を通じ、水素分離膜モジュールの高性能化 や改質器構造の最適化等、実用化技術開発に取り組んでおり、2001 年には 20Nm3/h 級 試作機にて効率 70%を達成し、今回はそのスケールアップに取り組んだものです。 以 4 上
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