ユニカス会だより No.11

ユニカス児童施設&CWC 児童施設(カンボジア)を支援
ユニカス会だより
2012.1.28 発行
No.11
事務局:〒920-0373 金沢市みどり 1-121
TEL・FAX 076-249-3496
E-mail michi@ Ktpasocon.com
新年明けましておめでとうございます
= 支え合いが出来るから人間は素晴らしい =
皆様におかれましては素晴らしい新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。
昨年は日本にとって苦難の年でしたが、外国から、とりわけ開発途上国からも多大な支援を頂
けた事は闇の中に光を見出した思いがいたしました。一人当たりの国内総生産(GDP)が千ド
ルに満たないカンボジア政府も 10 万ドルの義援金を送ってくれています。
その他「ユニカス会だより No.10」で、民間人までカンボジアの地方からも、募金のため首都
プノンペンに続々と集まってきた事をお伝えいたしましたが、この度、
大勢の僧侶が集まって震災の犠牲者に対する追悼法要まで執り行って
法要の様子
下さった事を知り大変感激いたしました。
今年は東北の皆さんの上に思いを寄せながら、日本、外国の区別な
く支え合える世界が少しでも広がる一年にしていく事ができるよう頑
張りたいと思っています。
本年もユニカス会をどうぞよろしくお願いいたします
(代表
宮前美智子)
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カンボジア訪問報告
2011.12.26-12.31
運営委員 : 辻
郁
CWC児童施設とユニカス児童施設に行ってきました。
訪問者は、私と私の姪(大学生)
、職場の同僚の 3 人でした。
*** 人生はじめての経験
指紋の採取(撮影)!? ***
私がカンボジアを訪問するのは、多分 10 回目くらいだと思います。いつもどおり簡単にビザ
が取得できスムーズに入国できるだろうと高を括っていましたが、とんでもないことでした。と
いうのは、入国審査時に全員のそれも全手指の指紋をとっているのです。私などは、入国審査官
に指を押さえつけられての撮影でした。一方、
「 ビザ代金を 25 ドル(ビザは 20 ㌦)支払えば並
ばなくてもビザをあげる」と私を誘ってくれた役人もいましたが。空港の外に出たのは飛行機が
到着してから 1 時間以上も経ってからでした。私はこのシステムをどう評価していいのかわかり
ませんが、この国が変化しているのは間違いないですね。
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= 空港から児童施設CWCへ
え~ 夕食を摂らないで待っていてくれたの? =
入国が手間取った上に、新たな道路建設のための大渋滞に巻き込まれ、CWCに到着したのは、
18 時半をとっくに過ぎていました。施設の玄関が見えた時には、子
どもたちがワーッと車に近づき、
「こんにちは」
、
「ハロー!」と歓迎
してくれたのですが、夕食を摂らずに待っていてくれていたとのこ
と。子どもたちの生活リズムを乱してはいけないと思い、すぐに夕
食を食べてもらいました。夕食はご飯と「肉(骨付き豚肉)じゃが」
のような煮物で、小学生から 3 人の高校生までの子どもたちは本当
に一生懸命に食べ、たった 10 分程で済ませてしまいました。
手作りテーブルで食事
若き施設長ボパーは相変わらず落ち着いた物腰で、静かに微笑み
ながら子どもたちを見つめていました。
= How old are you? 何歳ですか?
英語習いたての小学生たち =
夕食を済ませた小さな子どもたちは俄然元気になり、繰り返し「What is
your name? 名前は?」
、
「How old are you? 何歳?」と聞いてきました。
どうも英語を習い始めたようで、覚えたばかりの英語を使っていたのです。
“おばさん”である私が「Fifteen 15 歳」と答えると、表情がかたまり身
体を後ろに引いたので、
「本当は 115 歳」と話すとケタケタと大笑いしてい
ました。ここでは英語教育が熱心で、英語の先生に毎月 140 ㌦支払い、年
齢別の英語クラスが毎日行われています。CWCのスタッフは日本語を学びたい、子どもたちに
学ばせたいと思っています。日本企業が進出してきているので、子どもたちの将来に役立てたい
ことと支援してくれている日本人と直接話したいからだそうです。
= みんなでわいわいソーメンづくり
お水をたくさん使ってごめんなさい =
訪問 2 日目、お土産として日本からソーメンと粉末スープを、プノンペン市内で海苔とネギを
みんなでソーメンの準備中
買って持って行きました。調理担当者をキッチンから追い出し(?)
て、高校生の女の子 2 人と訪問した日本人 3 人とで、午後の学校開
始時間に間に合うようにと、たった二つのガスコンロを効率的に使
いこなしながらソーメンを作りました。子どもたちのお腹はどんど
ん膨らみ、スタッフもたくさん食べてくれました。おいしいと大評
判でした。が、ソーメンづくりには大量の水を必要とします。CW
Cの 1 か月の水道代は 12-15 ㌦程度です
が、今回はきっと水道代が高くなるだろ
うなと恐縮しています。そのことを謝ったら、大笑いされました。
この日の室内掃除担当は小学生の男の子、食器洗い当番は唯一
の男子高校生、キッチンの掃除をしたのは、クメール語の通訳に
来てくれていたウオッタ君であったことを追記しておきます。
昼食後は学校へ 遅れないで
2
= 買ってきました 手作りアクリルたわし =
訪問目的の一つは、CWCの子どもたちが作ったアクリルたわしを購入することでした。CW
C事務室には2つずつビニール袋に入れられた手作り感いっぱいのカラフルなアクリルたわしが
おそらく 200 個ぐらいあったと思います。当会運営委員会で 30 個購入することが決まっていま
したが、おもわず 100 個買ってしまいました。これを読んでくださっている皆さまにはぜひとも
お買い求めいただきたくこの場を借りてお願いいたします。一つ(2枚入り)200円です(も
っと上手になったら300円くらいにしたいのですが?)
。事務局までご連絡下さい。
= 温かみのある手作り机
机購入募金の行方 =
さて、多くのみなさんのご協力により集められた「机購入募金」は、22,414 円と 3 ㌦と 4,000
リエル(カンボジア通貨)で、日本円にして合計 22,734 円でした。わずかな期間で目標達成で
きたことに驚き、協力くださった皆さんに心から感謝しております。ありが
とうございます。
すでに材料を購入して、近所の大工さんに作ってもらったそうです。
小さな子どもたちの勉強と食事兼用、中高生の勉強机、キッチン用、事務所
用など合計 14 脚の机と、椅子として使用する小さな台が 26 個ありました。
材料費や今後の修理費も含めて 370 ㌦必要でしたが、CWCには「机購入募金」
に約 1,600 円をプラスして約束通り 300 ㌦を渡してきました。
椅子用の台
名前が書いてある
= CWCの子どもたち ミーティングでルール作り=
CWCには、小学生から高校生まで32名の子どもがいます。うち、本当に親のいない子は 4
名だそうです。週に一度の全体ミーティング、月に一度の学年別ミーティングを開催して各当番
やルールを決めているそうです。約束や規則を守ることが条件づけられています。もし、従えな
かった場合はここで暮らすことが出来なくなることも約束の一つです。約束を守れなかったこと
があっても、ここで暮らすために子どもたちが深く自分を振り返る機会も設けられています。
= CWC台所事情 運営資金 =
現在CWCに寄付をしている団体や個人はユニカス会を含めて 10 団体(人)で、CWCは、
その他に工場などで募金もしています。月に約 1,300 ㌦の運営資金があります。そして、ここか
らスタッフの給料もまかなっています。施設長ボパーは 80 ㌦、事務担当者には 60 ㌦、調理担当
者には 40 ㌦、前任の調理担当者はより高給を求め 9 月で辞めていました。CWCは施設からは
やや遠い場所に畑を借りていますが、畑担当者には 60 ㌦或いは米を渡します。畑の収穫物は子
どもたちが食する以外に売ることもあるそうですが、大した金額にはならないとのことです。ユ
ニカス会は食糧と給料補助(今年度に限る)として月に 200 ㌦を支援していますが、食費だけで
も約 700 ㌦を要しています。
= CWCが抱える課題 =
病気になる子どもが多いことが課題だそうです。現在も呼吸器疾患で定期的に受診している子
が 3 人いるそうです。どうもプノンペンの空気の悪さが影響しているのではないかと考えます。
国立の医療機関を受診すれば、施設の子どもたちは診療費も薬剤も無料とのことです。
3
また、現在高校に通っている 3 人は大学進学を目指しています。CWCでは大学卒業後の就職
まで見届けたいそうです。成績が優秀ならば奨学金を得ることが出来るようですが、学費をどう
するかが課題です。私は、奨学金を得るためにも集中して勉強できる環境が必要だと思います。
CWCでは、一部の子どもが夜無断で外出するという課題を抱えていましたが、ルールを決め
たことで現在のところ解決しているようです。
+++ ユニカス児童施設 +++
子どもたちが作っているミサンガ(Friendship-band)を購入してきました。訪問したのはち
ょうど昼食時間で、子どもたちは煮物と揚げ魚をおかずにパクパクよく食べていました。CWC
よりおかずが一品多かったです。庭には七面鳥を放し飼いし、事務所の建物には、今カンボジア
で人気がある Angry Bird(怒っている鳥)の絵が描かれ、子どもたちの明るさと相まって、楽し
い雰囲気を醸し出していました。施設長セラから、応援してくれる日本の皆さまに感謝の気持ち
を伝えてほしいとの伝言を預かりました。
*** 日本語とクメール語の言葉の橋渡し 通訳をしてくれる 2 人のカンボジア人のこと ***
話し合いを手伝ってくれます。一人は大学時代に日本に留学していた社会人で、日本語の先生
をしています。先日、文部科学省の学費が得られる日本の大学院を受験したのですが最終試験で
ダメだったそうです。チャンスがあればと前向きに頑張っています。もう一人は、
“日本の親”
の支援を受けて現在日本に留学中の大学生です。日本のある企業から、カンボジアでどの種類の
「梅」が育つのかを調べてほしいと依頼を受けて帰省していました。2 人はいつも「カンボジア
のためにありがとう」と言っています。
訪問で経験したことの一部をお伝えしました。12 月は大変過ごしやすかったです。これを読
んで下さっている皆さん、次回ご一緒にいかがですか?
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五日間のカンボジア訪問で学んだこと
西山 舞(静岡大学教育学部国際理解専攻 1 年)
わたしにとって初めてのカンボジア訪問でした。場所もはっき
りとわかっておらず、言語も何を話しているのか知りませんでし
た。わたしはカンボジアに対して,アジアにあって、メコン川が流れていて、学校にいけない子ども
も多く、親のいない子もたくさんいる、多くの日本人も含め外国人が支援している、といったような
勝手なイメージを持っていました。今回、貴重な体験ができたことでカンボジアについてもっと知り
たいと思いました。
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** 児童施設(孤児院)訪問について **
施設に行くと子どもたちや施設の人たちがとても歓迎して、
出迎えてくれました。人の温かさを感じることができました。
CWC の隣の家は一般家庭の人が住んでいて、多くの家が密集し
たなかに建てられていたので驚きました。そこにいる子どもた
ちはとてもかわいく、出されたご飯をおいしそうに綺麗に残す
ことなく食べて、食器を片付けていく様子がとても愛らしく思
みんなでお散歩
いました。日本から持ってい
ったソーメンを「いつも食べる麺よりおいしい」と言って、お腹が
ぽっこり出るくらい食べる姿もとてもかわいかったです。カメラを
向けるとすぐにかわいいポーズもしてくれました。子どもたちはと
にかく積極的で、やってきたわたしたちに対してさまざまな質問攻
めをしてきました。他人に対する興味や好奇心が旺盛で、日本の小
学生とはちがった部分だと思いました。日本の子たちは、慣れるま
でに時間がかかる子が多いように思います。CWC に行って驚いたこ
ハイ ピース
とは、子どもの親戚の大人が普通に一緒にご飯をもらって生活をしているということです。その親戚
の人の行動にも驚きましたが、そのままにしている施設の人々の意識にも驚きました。貧しいとわか
り、かわいそうと思っているのか、拒否できないのか、その少しおかしな様子に違和感がありました。
** プノンペンとシェムリアップについて **
首都プノンペンは、観光地であるシェムリアップに比べると外国人に対してあまり対応し
ていないと思いました。シェムリアップはアンコールワットがあることもあり、観光客のた
めにいろいろと手が尽くされていました。多くの言語で表された看板があったり、多くのお
土産屋が数ヶ国語の言語に対応していたりしていました。
ある一定の日本語で話しかけられ、
日本人が多く訪れているのだろうと思いました。プノンペンのスーパーで見つけた“うとが
りあ”
(ありがとう)は衝撃でした。ひらがなを書けばよい、というだけで正確さは求められ
ていないのだということを思いました。やっぱり欧米人も,日本人が着ている英字が書かれている
T シャツをみて、このときのわたしの気持ちになっているの
かと思いました。
** 今回の反省点とこれからの抱負について **
まずひとつめとして、通訳としての仕事を果たせなかった
ことです。今回の条件として、通訳の仕事をするということ
3人で仲良くボール遊び
があげられていたのに、ぜんぜん役に立つことができません
でした。自分の英語を話せる力のなさと外国人を目の前にし
たときの度胸のなさに、あらためて気づきました。もっと英語を勉強したいと思いました。
ふたつめの反省点は、カンボジアについて調査不足のまま現地に行ってしまったことです。国立博
物館やアンコールワットなど歴史や文化にふれる機会が多くあったにもかかわらず、カンボジアにつ
いての知識が少なかったため、
損をしたように思います。
もっと勉強していくべきだったと思います。
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人の流れに工夫が
運営委員 坂本富沙子
平成 23 年度の国際交流まつりは 10 月 1 日(土)2 日(日)に金沢市役所前広場で開かれた。曇り
の空を気にしながらの準備であったが、
10 時の開会の頃には明るい日がさしていい日和となった。
町の中心で開かれるこの国際交流まつりは、それなりに定着してきて,次々と人は訪れるように
なってきた。訪れる人々はあくまでまつりを楽しむ、未知の世界をのぞいて見よう的な好奇心旺
盛の人が多い。
しかし、ユニカス会のようにここで現地の品物を売り、そのお金でカンボジア児童施設(孤児
院)の支援金にあてようなどという出店者は少ない。人々はまず食べ物の方に流れていってしま
う。商品を売る所と食べ物の所がはっきり分かれているため,商品だけを売ろうとする時の苦労
は並大抵ではない。国際交流まつりとして様々な国の人が語り合い交流する場としては一役にな
っているので、人の流れに対する工夫がもう少しあった方がよいのではと毎年感じている。
会費納入御礼
平成 23 年8月以降納入の方です。++++++++++++++++
小野さん、青木さん、照井さん、宮田桂さん、高橋さん、今井さん(9月 新入会)
的場さん(11月 新入会)
今回も無事支援金を届ける事が出来ました。どうもありがとうございました。
勝手ながら領収書は振替領収書をもって代えさせていただきます。
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ユニカス会には現在32名の会員がおります。会の目的は、
カンボジアにある 2 カ所の児童施設を応援することです。具体的には、支援金
を寄付すると同時に、自立した施設運営に向けて後方支援を行っています。
支援金は、会員からの会費等のほかに、施設の子どもたちが作った物や「幼
い難民を考える会」等 現地で活動している日本の NG0 の製品等をバザー等で
販売して得ています。また、年に 2 回現地を訪問しています。 一人でも多く
支援を待つ子どもたち
の方々にこの会のことを知ってほしいと思っております。
ご賛同いただける方のご入会をお待ちしております。 ***********
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ユニカス会とは
>
2006 年 8 月設立 カンボジアのユニカス児童施設(Unaccompanied Association)と
CWC 児童施設(Child Welfare of Cambodia)の自立を支援し、交流している任意団体です
―あなたの優しさをカンボジアの子らに―
入会受付中:
年会費 個人一口 2 千円、団体一口 3 千円
加入者名 ユニカス会 郵便振替口座番号 00700-1-39758
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