1年3組 国語科学習指導案

1年3組
国語科学習指導案
平成22年10月19日(火)5限
指導者 花岡奈緒子
研究主題
「主体的に考え、伝え合う子をめざして」
—全員参加でよりよい考えをつくる伝え合い活動の充実—
1.単元名
こえにだしてよもう「くじらぐも」
2.目 標
・登場人物の様子や気持ちを想像したり、声に出して読もうとしている。
(意欲・関心・態度)
・場面の様子や登場人物の行動や気持ちなどについて伝え合い、想像を広げながら読む。 (読むこと)
・語や文としてのまとまりや内容、呼びかける声の大きさなどを考えて声に出して読む。 (読むこと)
・くじらぐもへの手紙や吹き出しに自分が思うことや感じたことを書く。
(書くこと)
・助詞「も」や「…たり…たり」の使い方がわかる。
(言語事項)
3.単元について
(1)教材について
本単元「くじらぐも」は、自分たちと同じ1年生が大空で活躍する話である。短く分かりやすい会話
文で書かれているので、音読するのが心地よく、想像することを楽しめる教材である。
身近な体育の時間に大空に現れたくじらぐもと仲良しになった子どもたちは、くじらぐもに飛び乗り、
いろいろな所へ出かける。お昼になると、くじらぐもは子どもたちを下ろして、元気よく帰っていく。
青い空に浮かぶまっ白い雲に乗って旅をしてみたいという夢が物語の中で実現する話である。読み進め
ていくうちに、子どもたちは、物語中の子どもたちと同化して物語の世界に入り込んでいくことだろう。
みんなで手をつないで雲に飛び乗ろうとする場面、雲に乗って空の旅を楽しむ場面、ジャングルジムで
くじらを分かれる場面では、子どもたちの思いをのびのびと表現させることができると思われる。
この物語は起承転結がはっきりしているので話の内容を読みとりやすく、この時期の子どもたちが、
物語のおもしろさや楽しさを素直に味わうことができる作品である。
(2)指導について
本単元の導入では、
「こえにだしてよもう」に注目させ、ただ声に出して読むという意識から、
『授業
参観で音読発表会をしよう』というめあてを持たせ、豊かな表現の音読をしようとする気持ちを持たせ
たい。くじらぐもと子どもに分かれての役割読みをさせたり、語のまとまりに気をつけ、姿勢や口形、
声の大きさや速さ、声の調子を工夫した音読練習をしたい。
物語の場面の様子を詳しく読むための手立てとして、場面ごとの挿絵やくじらぐもの切り抜き絵、自
分の絵を作り、お話の子どもたちと自分を同化しやすくしていく。また、子どもやくじらぐもになって
動作化しながら読んだり、場面の登場人物の入った吹き出しの入ったワークシートに書かせることによ
って、気持ちを想像しやすいようにする。
また、くじらぐもに乗ったときの様子を創作したり、くじらぐもに手紙を書いたりするなど、多様な
書く活動を取り入れることにより、想像を広げながら読むことの楽しさを味わわせたい。
ペア学習やグループ学習で関わり合う活動を取り入れ、どの子にも話す機会を多く与えることによっ
て、自信を持たせるようにする。自分の考えを目の前の相手に話したり、友だちの考えを聞いたりする
ことによって、伝え合うことよさに気づくことができると思う。
4.学習計画(総時数10時間)
次
目標
主な学習活動
第 全 文 を 通 読 し <くじらぐもってどんな話かな>
一 て、あらすじを
・くじらぐもがでてきたよ。
次 とらえ、これか
・おもしろいおはなしだな。
らの学習の見
・くじらぐもにのってみたいな。
通しをもつ。
・たのしそうだな。
・5つの場面に分かれているよ。
学
学校の子どもたちがくじらぐもとなかよく
習
なり、くじらぐもに飛び乗って空を飛ぶお
の
見
話だな。
通
・音読を練習してお家の人に聞かせてあげよう。
し
・音読発表会をしよう。
を
も
と
う 楽 し い 音 読 発 <声に出して読んでみよう>
②
表会をするに
は、準備がいる
ことに気づか
せる。
・新しい漢字がでてきたよ。
・カタカナもあるよ。
・すらすら読めるようになりたいな。
・お話を楽しく読みたいな。
・音読の練習をしよう。
・くじらぐもや子どもたちになって音読し
たらいいね。
子どもたちやくじらぐもの気持ちになっ
て読めるように練習しよう。音読発表会
で上手に読めるようにしよう。
教師の支援と評価
○題名や挿絵から物語の内
容を予想させる。好きな場
面を選ばせて感想を書か
せ、発表させる。
○5枚の挿絵を用意し、並び
替えてだいたいのあらす
じが捉えられるようにす
る。
★ くじらぐもの大体のあ
らすじをつかみ、学習の
見通しを持っている。
(関・意・態)
・新出漢字やカタカナの読み
方や書き順を確かめ、すら
すら読めるようにする。
○ 発声や発音の練習を通
して、くじらぐもや子ど
もたちになりきって声
に出して読もうとする
意識を持たせる。
★お話を読み進めていこう
という気持ちを持ってい
る。(関・意・態)
・音読発表会に向けてがんばろう。
・1場面ごとにお話を読んでいこう。
第
二
次
お
む
す
び
こ
ろ
り
ん
の
お
く じ ら ぐ も と <くじらぐもはあらわれて、なにをしたのかな>
○くじらぐもと子どもたち
子どもたちの
・①の場面をよんでみよう。
になって、のびたりちぢん
出会いの様子
・4時間目の体操をしているとくじらぐもがあらわ
だり、深呼吸したり、回れ
と気持ちを読
れたよ。
右をしたりすることで、場
みとる。
・くじらぐもは子どもたちの体操のまねをしたよ。
面の様子を想像させる。
・しんこきゅうもしたよ。
○くじらぐもが学校が好き
・まわれ右もしたよ。
と言った訳を自分なりに
・学校が好きなのかな。
考えさせる
・みんなと遊びたいのかな。
★ くじらぐもになりきっ
・気持ちをこめて音読しよう。
て動作化をしたり子ど
もたちになりきって音
空に大きなくじらぐもがあらわれて体操のま
読している。(読む)
ねを始めたよ。学校やみんなのことが好きなん
★ 「~も」や「~たり~た
だね。みんなと友だちになりたいのかな。
り」の使い方が分かって
いる。
(言語事項)
も
し
ろ
さ
を
読
み
と
ろ
う
⑥
く じ ら ぐ も と <くじらぐもと子どもたちは友だちになれるかな>
○くじらぐもと子どもたち
子どもたちが
・なれるよ。
のせりふを確かめさせ、分
呼び合う様子
・「おうい」とよぶと、くじらぐもも「おうい」って
かれて「
」の部分を音
と気持ちを読
答えたよ。
読させる。
みとる。
・「ここへおいでよう」とさそっているよ。
○子どもたちとくじらぐも
・くじらぐもは子どもたちに答えているよ。
の位置関係を押さえなが
・一緒に空を飛びたいんだね。
ら、間・声の大きさ・速さ
・子どもたちやくじらぐもになりきって音読しよう。 など、音読の仕方を考えさ
せる。
友だちになれるよ。くじらぐもは空へさそってい
★くじらぐもや子どもたち
るよ。子どもたちははりきって雲のくじらに飛び
になりきって工夫して音
乗ることにしたよ。
読している。(読む)
子 ど も た ち の <子どもたちはくじらぐもにとびのれたかな>
○どうやってジャンプした
くじらぐもに
・とびのれたよ。
のかを動作化させること
飛び乗ろうと
・手をつないでわになって、ジャンプしたよ。
により、叙述とつなげるよ
する気持ちと
・くじらぐもが「もっと高く、もっと高く」と応援し
うにする。
くじらぐもの
てくれたよ。
○くじらぐもと子どもたち
応援する気持
・いきなり風がみんなを空へふきとばしたよ。
に分かれて、動作化と音読
ちを読みとる。 ・手をつないだまま雲のくじらに乗っていたよ。
をさせ、跳ぶ高さや声の大
・子どもたちになりきって音読しよう。
きさや気持ちの高まりに
本時
気づかせる。
くじらぐもが応援をしてくれて、風も手伝って
★子どもたちの飛び乗ろう
くれてたから3回目のジャンプでくじらぐも
とする気持ちとくじらぐ
に飛び乗れたよ。
もの応援する気持ちを読
みとっている。
(読む)
く じ ら ぐ も に <くじらぐもにのってたのしかったかな>
乗って空を旅
・青い青い空の中を元気よく進んでいったよ。
する子どもた
・海の方へ、村の方へ、町の方へ行ったよ。
ちの様子を想
・みんなは歌を歌ったよ。
像し、気持ちを
・お家が小さく見えるね。
読みとる。
・山もトンネルも見えるね。
・ずっと乗っていたいな。
・気持ちをこめて音読しよう。
くじらぐもにのって、空を飛んだらいろいろな
○ 大きなくじらぐもを黒
板にはり、自分の絵を音
読に合わせてくもに乗
せて、前時を想起させ
る。
★雲に乗って空を飛んだら
何が見えるかを想像し、自
分の思ったことを表現し
ている。(読む)
景色が見えたよ。とても楽しかったよ。
く じ ら ぐ も と <ずっとくじらぐもにのっていたのかな>
○ 自分の絵をくじらぐも
別れる時のく
・先生が「おや、もうおひるだ」といったよ。
からジャングルジムに
じらぐもと子
・くじらはまわれ右をしてジャングルジムの上にみ
下ろすとき、一人ひとり
どもたちの気
んなを下ろしたよ。
がくじらぐもに一言話
持ちを読みと
・「さようなら」と言って手をふったよ。
させるようにする。
る。
・くじらも「さようなら」と言って、元気よく青い空
○くじらぐもとさよならを
へ帰って行ったよ。
している絵の吹き出しに
・くじらぐもに何て言っているのかな。
子どもたちの気持ちを書
・「ありがとう」
「楽しかったよ」
「また来てね」って
かせる。
言っているのかな。
・気持ちをこめて音読しよう。
★くじらぐもと別れるとき
別れる時がきたよ。くじらぐもと友だちになれ
の子どもたちの気持ちを
て、とても楽しかったよ。
想像している。
(読む)
お 話 を 読 ん で <くじらぐもに手紙を書こう>
○ 掲示物を見ながら、楽し
思ったことや
・各場面を振り返ってみよう。
かったことを思い出さ
考えたことを
・おもしろかったことや楽しかったことを思い出し
せる。
手紙に書く。
てみよう。
○ 思い出に残っている好
・くじらぐもに言いたいことを手紙に書こう。
きな場面のくじらぐも
の絵を描かせ、思ったこ
楽しかった気持ちや嬉しかった気持ちをくじ
とを手紙に書かせる。
らぐもに伝えることができたよ。音読をお家の
★ 思ったことや考えたこ
人にも聞かせてあげたいな。
とを手紙に書いている。
(書く)
三
次
発
表
会
を
し
よ
う
②
登 場 人 物 の 気 <音読発表会の計画をたてよう>
持ちが伝わる
・登場人物の気持ちが伝わるようにしよう。
ように、せりふ
・役を決めて読んでみよう。
や動作を加え
・せりふを入れながら読むと楽しいね。
たりかんがえ
・動きも入れるといいね。
たりして音読
・読む練習をしよう。
を工夫し、練習
する。
登場人物になりきってしっかり声に出して読
むと楽しいね。本番もがんばるよ。
○ 音読の仕方のポイント
を確かめさせる。
○ 登場人物の気持ちが伝
わるように、登場人物に
なりきって音読する工
夫をさせる。
★ 音読の工夫をして練習
をしている。(読む)
様 子 や 気 持 ち <音読発表会をしよう>
○ 自分の役割を確かめさ
が伝わるよう
・楽しさが伝わる音読をしよう。
せ、表現しようとする気
に工夫して音
・子どもたちやくじたぐもになりきって音読しよう。
持ちを持たせる。
読発表会を行
・グループで発表しよう。
○ 友だちのよいところを
い、よかったと
・感想を聞こう。
見つけて、感想を言わせ
ころを認め合
る。
くじらぐもや子どもたちになりきって音読発
う。
★ 工夫しながら、音読発表
表会ができたよ。聞いている人も楽しんでくれ
をしている。
たよ。
5.本時の学習(第二次中3時)
(1)題 目
くじらぐも
(2)ねらい 子どもたちのくじらぐもに飛び乗ろうとする気持ちとくじらぐもの応援する気持ちを読む
ことができる。
(3)学習過程
学習過程
時
1.本時の課題を 10
つかむ。
2.読み深める。 25
児童の活動と思考の流れ
支援と評価
<子どもたちはくじらぐもにとびのれたかな>
・3の場面を音読しよう。
・とびのれたよ。
・せんせいと子どもたちは、手をつないだままく
ものくじらにのっていました…と書いてある
よ。
・手をつないで輪になって「天までとどけ、一、
二、三」と言って、ジャンプしたよ。
・3回ジャンプをしたよ。
・1回目は30センチしかとべなかったよ。
・2回目は50センチぐらいとべたよ。
・くじらが「もっとたかく、もっとたかく」って
応援してくれたよ。
・風がみんなを空へふきとばしてくれたよ。
○前時に「ここへおいでよ
う」とくじらぐもがさそ
ったことを思い出させ、
ここが雲の上であること
を確認する。
○本文の叙述で、雲に乗れ
たことをはっきりさせ
る。
○子どもたちのしたことと
くじらぐものしたことを
見つけて線で引かせる
○どうやってジャンプした
のかを動作化させること
により、叙述とつなげる
○ 飛び乗ろうとするとき、子どもたちとくじらぐ
ようにする。
もはどんな気持ちだったかな。
○くじらぐもと子どもたち
・吹き出しに気持ちを書こう。
に分かれて、動作化と音
子どもたち
読をさせ、跳ぶ高さや声
・みんなでくじらぐもに乗りたいな。
の大きさや気持ちの高ま
・くじらぐもも応援してくれて嬉しいな。がんば
りに気づかせる。
って飛び乗ろう。
・力を合わせて飛び乗ろう。一生懸命がんばる ★子どもたちの飛び乗ろう
とする気持ちとくじらぐも
ぞ。
の応援する気持ちを読みと
くじらぐも
っている。
(読む)
・みんなに乗ってもらいたいな。
・がんばれ、がんばれ、もう少しだ。
・1回目は乗れなくて残念。今度はもっとがんば A:子どもたちとくじらぐもの
声をだんだん大きくして、な
って。
りきって読むことができる。
・絶対乗ってね。みんなで遊ぼう。
くじらぐもが応援してくれ、3回目のジャ
3.わかったこと
をまとめる。 5
ンプで風が吹いて雲に飛び乗れたよ。みん
なで手をつないで輪になって力を合わせ
たから乗れたよ。
4.振り返りと次
時の学習を知
5
る。
B:子どもたちとくじらぐもの
声をだんだん大きくして読む
ことができる。
○子どもたちとくじらぐもになりきって音読しよ
う。
○くじらぐもに乗って楽しかったかな。
C:子どもたちとくじらぐもの
声をだんだん大きくして読む
ことができない。
C児への手立て
友だちの表現の仕方を参考
にさせたり、一生懸命だと
だんだん大きな声になる経験を
思い出させる。
☆ 動作化や吹き出しを用いることで、子どもたちやくじらぐもになりきって考えることができたか。