LeucoCOUNT LeucoCOUNT TM LeucoCOUNT キットを使った白血球除去赤血球/血小板製剤における残存白血球の検出 および計数 1 LeucoCOUNT 技術的な背景と原理 白血球数を減らした血液成分製剤を使用することで輸血に伴う様々な副作用を回避できることが多くの臨床試 験によって示唆されています。すなわち、移植片対宿主病(GVHD)、細菌性敗血症、発熱反応、サイトメガロウ イルスの伝播、そして HLA 抗原同種免疫反応などといった副作用です 1-7 。そのため、輸血をはじめ、がん治療 や移植医療において、白血球除去血液製剤は、くり返し輸血を必要とする患者にとって標準的な製品となって います。 フィルター処理された血小板/赤血球製剤中の残存白血球を検出・計数することは、輸血及びその品質管理 において、近年ますます注目されてきました。アメリカ血液バンク協会(AABB)は、発熱輸血反応防止のために 輸血単位あたりの白血球数を 5×108、サイトメガロウイルスの伝播や同種免疫防止のために 5×106 以下とする 規定を発表しました 8。さらにアメリカ以外の国々でも、白血球除去に対する関心は高く、白血球を取り除いた製 品の品質管理もさらに進むようになってきました 9。ちなみにヨーロッパでは輸血単位当たりの白血球数を 1×106 以下と義務付けています 10。赤血球/血小板製剤の輸血最小単位は通常 300 mL なので、白血球除去が充分 であることを確認するためには、血液製剤の品質管理では、10-20 個/mL の白血球の検出が必要です。 白血球の定量測定で最も一般的な方法は、光学顕微鏡を使用する方法と、大きな血球計を使ってマニュアル で計数する、いわゆるナジェット(Nageotte)法です。ナジェット法は時間と人手がかかるだけでなく、たとえ正し い訓練を受けた検査技師が行った場合でも、結果のばらつきを避けることができません 11 。一方、効率的なフィ ルター処理などの白血球除去技術の進歩によって、血小板/赤血球製剤中の残存白血球の数はますます低く なり、ナジェット法による測定限界以下になることも少なくありません 12。 その他にも広く用いられるようになった血球測定法として、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、容量キャピラリサイト メトリー、そしてフローサイトメトリーなどがあります 12, 13 。その中でも輸血医療における応用範囲の広さから、フロ ーサイトメトリーは血液バンクなどで最もよく使われています。同法は高感度で、迅速な白血球計数を可能にしま した。特に他の方法と比べて優れているのは、多数検体の測定においてです。また、より高い感度が求められる 時は、検体の使用量を増すことにより精度良く測定することが可能です。 2 LeucoCOUNT LeucoCOUNT アッセイ法の原理 血液バンクや輸血の現場で血球計測を行う場合、その品質管理が特に重要になってきます。まず血液製剤中 の残存白血球を測定するためには、高感度かつ高精度な測定法が必要となります。そして、検査室間および/ または検査技師間の結果のばらつきが少なく、赤血球および血小板製剤の両方にとって有効で、なおかつ検 体処理に要する時間、安定性を保持できなければなりません。 フローサイトメトリー法では通常、ヨウ化プロピジウム(PI)または PI とチアゾールオレンジとの混合液で染めた DNA を使い、残存白血球を検出します。内部標準として、ニワトリの赤血球細胞が用いられています リ赤血球細胞の濃度は血液分析装置によって測定された後、測定サンプルに加えられます 15,16 。ニワト 14 。この方法だと検 体の調製に時間がかかるだけでなく、人為的ミスが起る確率も高くなります。 LeucoCOUNT キットは、従来のフローサイトメトリー法と、TruCOUNTTM 絶対数計測技術を組み合わせることで、 別々だった計数法を一本化しました。試薬は PI、RNA 分解酵素、界面活性剤、そして独自の緩衝液から構成さ れています。TruCOUNT チューブには予め調製された標準化ビーズが入っており、これが内部標準細胞の役 割を果たします。その結果、白血球除去血液製剤の残存白血球計数において、シンプルで精度の高い検査法 が確立されました。 LeucoCOUNT キットに含まれる主な試薬は以下の通りです。 残存白血球試薬: 核酸染色試薬 - ヨウ化プロピジウム(PI)は DNA/RNA に特異的な染色試薬で、白血球を含むすべての 有核細胞を染色します。488nm の波長で励起し、蛍光発光は、FL2 および FL3 チャンネルで検出されま す。明るく染色された白血球は FL2 で検知され、赤血球や血小板などといった PI では染色されない無核 細胞と簡単に見分けることができます。 RNA 分解酵素 – サンプル中に含まれている RNA を分解します。RNA は PI によって染色されてしまうの で、過った測定結果を生むことがあるからです。 界面活性剤 – PI などの染色試薬の細胞膜に対する透過性を高めます。 緩衝液 – 染色されたサンプルに安定性を与え、蛍光や散乱光を最適化します。 TruCOUNT チューブ−TruCOUNT Absolute Count チューブは 12×75mm のポリエステル製で、蛍光で染色 されたビーズ(4.2μm)の凍結乾燥ペレットが入っています。このペレットはステンレス製のリテーナーによってチ ューブボトムに保持されています。各ペレットに含まれるビーズの数(試験あたりのビーズ数)は、ロット間で異な り、アルミホイル製パウチに印刷されています。このビーズは内部標準として、絶対数カウントに用います。染色 試薬やサンプルは直接、この TruCOUNT チューブに添加します。 3 LeucoCOUNT LeucoCOUNT を使った血球計測は検査室の様々なニーズに対応し(表1)、ナジェット法にはなかった特長や利 点を有します(表2)。 表1 LeucoCOUNT キットで対応できる検査項目 検査項目 正確な絶対数カウント 対応する LeucoCOUNT 技術 内部標準粒子(TruCOUNT)によ る絶対数カウント 検体処理における細胞損失ゼロ 洗浄不要 残存白血球の正確な同定 有核細胞を対象とした染色試薬。 残存白血球の分離のために最適 化された試薬と機器 安定した測定能および品質管理 CD-Chex PLUS コントロール*お の行き届いたデータ解析 よびゲーティング補助としての非 白血球除去検体。一貫した実験 装置の設定指示。 結果 複数の計測機器を使うことによる 計数のばらつきが防止できる 検体洗浄中の細胞損失を防ぐ 機器のノイズやデブリから残存白 血球の完全な分離(高い分解能) 同じゲート領域における安定した 残存白血球計測 * 現在は、BD LeucoCOUNT RBC control kit および BD LeucoCOUNT PLT control kit をコントロールとし て販売しております。 表2 ナジェット法にはない LeucoCOUNT の特長と利点 特長 血小板および赤血球製剤に対して同じ試薬および 操作手順 最適化された試薬キット 高い処理能力 ローダーに搭載可能 データ処理ソフトウエア 利点 簡潔な測定法、検体調製におけるミス減少、試薬の 効率的使用 新たなバリデーション試験を行う回数を減らせる 検査室の生産性を上げ、コストを下げる ナジェット法:1 検体あたり 30 分 10 検体で 3∼4 時間 LeucoCOUNT:1 検体あたり 10 分 10 検体で 50 分 自 動 化 さ れた サ ン プ ル 供 給 に よ り 生 産 性 向 上 。 FACS Loader により 1 ラックあたり 40 検体の測定可 能 独 自 の ソ フ ト CellQuest は 使 用 が 容 易 で 、 LeucoCOUNT 用のエクスペリメントドキュメントがある 4 LeucoCOUNT アッセイの最適化とゲーティング技術 フローサイトメトリーで稀なイベント解析を行う際、解析には必要のない細胞やデブリとターゲットとなる細胞を区 別できることが重要になってきます。LeucoCOUNT の試薬は白血球などの有核細胞だけを染色するように最適 化されており、浮遊液中の染色された細胞を安定化させ、機器による検出を向上させます。また、機器の設定も 残存白血球と他のデブリを効率的に分離できるように最適化されています。これらをゲーティング技術と組み合 わせることで、LeucoCOUNT では、白血球除去血液製剤において、より正確な残存白血球の計数を可能にしま した。 LeucoCOUNT キットでは、赤血球製剤、血小板製剤のいずれに対しても同じ試薬を用いることができます。サン プル処理のために抗凝血薬を添加する必要はなく*、10 のサンプルの結果を 1 時間以内に得ることができます。 さらに、FACS Loader も使用できるのでサンプルの自動供給が可能です。 LeucoCOUNT キットによる典型的な染色パターンを図 1 に示します。図 1a のプロットは白血球を取り除いていな い赤血球製剤を使用したもので、図 1b では白血球除去製剤が使われています。両サンプルとも解析ソフト CellQuestTM を用いて取込み・解析されました。内部標準ビーズの蛍光は FL1 および FL2 で検出されます。図の ごとく、PI によって染色された残存白血球は FL1vs FL2 のドットプロットで認識される細胞集団として現れていま す。ビーズ集団(R1)と残存白血球集団(R2) のイベントをカウントすることで残存白血球の絶対数を算出するこ とができます。なお、白血球に富む全血検体をゲーティング・エイドとして使用します。ゲーティング及び細胞数 算出方法の詳細はキットのパッケージ・インサートにも記載されています。 LeucoCOUNT 検査キットの検出限界値は使用するサンプルの量によって変わり、サンプルの量が多いほど感度 が上がります。TruCOUNT チューブには 5 万個のビーズが含まれており、また標準的 LeucoCOUNT プロトコー ルでは 1 万個のビーズの取込みが必要なことから、推奨サンプル量 100μl 中、20μl が解析されることになりま す。この場合、1.5×104 の残存白血球を含む 300ml パックからのサンプルでは、R2 領域に平均 1 イベントとなっ て現れます。同じサンプルで 5 万個のビーズを取込むように取り込みイベントを増やすと、R2 領域に平均 5 イベ ントの残存白血球が得られます。これによって統計学上の精度も上がります。300ml パックに残存白血球が 3000 個しか含まれない場合は、5 万のビーズ取込みで R2 領域平均イベント数は 1 になり、1 万ビーズの取込みでは イベントが現れません。 *LeucoCOUNT による測定では EDTA の使用は避けるようにしてください。 5 LeucoCOUNT 図1 非白血球除去赤血球製剤(a)および白血球除去赤血球製剤(b)の 解析により得られた FL1 と FL2 のドットプロット。R1 領域は TruCOUNT ビーズの集団を、R2 領域は残存白血球集団を示す。 6 LeucoCOUNT LeucoCOUNT アッセイの分析能 どのような測定法でも、その測定法の分析能力ならびに限界を知ることは、結果を正確に判断する上でとても重 要です。LeucoCOUNT アッセイの分析能を見るために評価試験が行われました。全米四ケ所の研究施設にお いて、同測定法の正確性、直線性、精度、施設間の再現性、そして機器(プラットフォーム)が異なることによる影 響などが比較検討されました。ただし、すべての施設がすべての研究データを提供してくれたわけではありませ ん。各評価試験は、ベクトンディッキンソンの社内施設を含む以下の医療研究施設で行われました。 ニューヨーク血液センター:ニューヨーク州ニューヨーク ブロワード・コミュニティー血液センター、南フロリダ・コミュニティー血液センター:フロリダ州ローダーヒル Civitan 地域血液センター(Lifesouth コミュニティー血液センター):フロリダ州ゲインズビル アプリケーション開発ラボラトリー、ベクトンディキンソン・イムノサイトメトリー・システムズ:カリフォルニア州 サンノゼ ここで表示されているデータはプールしたものです。 正確性 現在利用されている白血球除去技術はたいへん効果的と言えますが、わずかに検出可能レベルの白血球が残 存していることがあります。LeucoCOUNT 検査法のダイナミックレンジ(明らかな検出可能域から検出限界までの 残存白血球)における正確性を調べるためには、人工的に調整されたサンプルが必要なので、希釈した残存白 血球を用いて試験を行いました。試験の精度はサンプルにより影響を受けるため、通常の赤血球製剤パックお よび血小板製剤パックから得られたサンプルが用いられました。二重にろ過された希釈液を使って非白血球除 去サンプルの連続希釈を行い5つの濃度サンプルを作製し、4つの領域で残存白血球濃度を検討しました。そ して血液分析装置でのカウントが白血球数 500/μl を用い、各濃度における予想カウント数を算出しました。そ の予想値に対して LeucoCOUNT とナジェット法との比較が行われ、平均バイアス(%)が得られました。 二重ろ過希釈液による白血球数 1 /μl 以下の数値は臨床的な測定限界を示し、それは 300ml の血液製剤パッ クでは 1×105 残存白血球数に相当します。対象となる希釈点は白血球数 4、20、および 100 個/μl で、それぞ れ残存白血球数 1×106、5×106、1×107/パックに対応しています。血小板製剤を使った時の試験結果を表1 および図2、3、また赤血球製剤を使った時の結果を表4および図4、5に示します。 7 LeucoCOUNT 図2 血小板製剤において LeucoCOUNT を使った白血球の平均実測濃度と 予想白血球濃度の回帰分析(対数目盛において予想カウント0は白血球数1/μl に相当) 図3 血小板製剤においてナジェット法を使った平均白血球実測濃度と 予想白血球濃度の回帰分析(対数目盛において予想カウント0は白血球数1/μl に相当) 8 LeucoCOUNT 表3 血小板製剤のサンプルに対する計測の正確性 残存白血球 ターゲット値 0WBC/μL 4WBC/μL 20WBC/μL 100 WBC/μL 0WBC/μL 4WBC/μL 20WBC/μL 100WBC/μL 平均 バイアス 0.7rWBC/μL 3.5% -6.2% -10.3% 0.5rWBC/μL -11.8% -19.5% -18.0% 正確性の 決定方法 サンプル 数 90%下方信頼 限界 90%上方信頼 限界 L-E [(L-E)÷E]×100 [(L-E)÷E]×100 [(L-E)÷E]×100 N-E [(N-E)÷E]×100 [(N-E)÷E]×100 [(N-E)÷E]×100 21 21 21 21 21 21 21 21 0.47rWBC/μL -4.7% -14.3% -18.0% 0.3rWBC/μL -20.5% -27.8% -24.0% 0.9rWBC/μL 11.8% 1.8% -2.5% 0.6rWBC/μL -3.1% -11.1% -12.0% *同方法は次の記号を使って表記される。すなわち、N はナジェット法による絶対数カウント、L は LeucoCOUNT による絶対数カウント、そして E は血液学的手法により算出された予想平均絶対数カウント 図 4 赤血球製剤において LeucoCOUNT を使った白血球の平均実測濃度と 予想白血球濃度の回帰分析(対数目盛において予想カウント0は白血球数1/μl に相当) 9 LeucoCOUNT 図 5 赤血球製剤においてナジェット法を使った平均白血球実測濃度と 予想白血球濃度の回帰分析(対数目盛において予想カウント0は白血球数1/μl に相当) 表 4 赤血球製剤のサンプルに対する計測の正確性 残存白血球 ターゲット値 0WBC/μL 4WBC/μL 20WBC/μL 100 WBC/μL 0WBC/μL 4WBC/μL 20WBC/μL 100WBC/μL 平均 バイアス 1.9rWBC/μL 25.1% 1.1% -8.2% 0.8rWBC/μL -22.4% -11.9% -10.0% 正確性の 決定方法 サンプル 数 L-E [(L-E)÷E]×100 [(L-E)÷E]×100 [(L-E)÷E]×100 N-E [(N-E)÷E]×100 [(N-E)÷E]×100 [(N-E)÷E]×100 20 20 20 20 19 20 20 20 90%下方信頼 限界 1.2rWBC/μL 6.4% -6.6% -14.0% 0.3rWBC/μL -37.2% -23.3% -18.0% 90%上方信頼 限界 2.6rWBC/μL 43.7% 8.8% -2.5% 1.3rWBC/μL -7.6% -0.41% -2.1% * 同方法は次の記号を使って表記される。すなわち、N はナジェット法による絶対数カウント、L は LeucoCOUNT による絶対数カウント、そして E は血液学的手法により算出された予想平均絶対数カウント 10 LeucoCOUNT 直線性 モデルシステムにおける LeucoCOUNT 法の直線性を評価するために、非白血球除去の赤血球製剤および血 小板製剤からのサンプルを二重ろ過サンプルを使って希釈しました。希釈率とサンプルとの関係は以下の通り。 0% = 二重ろ過サンプルの平均絶対カウント数 0.01% = 0.1%のサンプルを 1:10 で希釈 0.1% = 1.0%のサンプルを 1:10 で希釈 1% = 10.0%のサンプルを 1:10 で希釈 10% = 非白血球除去サンプルを 1:10 で希釈 100% = 非白血球除去サンプルの平均絶対カウント数 希釈率 0%において 11 ユニットの 4 重測定で解析されました。一方、他の希釈率では、16 ユニットの 4 重測定で 解析されました。なお、データ解析を実施したのは残存白血球数 450/μl 以下のサンプルのみです。 希釈曲線の両端(0%および 100%)において測定された絶対数カウントを用いて、他の各希釈における予想絶対 数カウントが算出されました。それによって曲線の傾き、切片、そして相関係数が得られました。LeucoCOUNT の直線性を図 6 および 7 に示します。 精度と同一施設内および施設間の再現性 同一施設内での再現性および施設間での再現性は、様々な施設からの試験データやフィルター技術を比較検 討する際に、とても重要になってきます。しかしながら現在、残存白血球の計測方法に関しては、施設によって 大きなばらつきがあります 11, 12。そこで、LeucoCOUNT キットの精度と再現性を様々な施設で評価しました。すべ ての試験において、サンプルはそれぞれの施設に直送され独自に解析されました。 同一施設内における LeucoCOUNT の精度は3つの施設で評価されました。その際、白血球除去の赤血球製剤 および血小板製剤からのサンプルを、CD-Chex PLUS コントロールおよび非白血球除去血小板製剤のサンプ ルと、それぞれ混合しました。そして二つの同一サンプルからなる四対のサンプルを複製した上で、それぞれの 施設で解析しました。LeucoCOUNT を用いた測定値の標準偏差および変動係数は、サンプルの種類に応じて プールされました。その結果、プールされた赤血球の測定値に対する平均標準偏差は 1.1、変動係数は 8.3%、 血小板の測定値に対する平均標準偏差は 2.3、変動係数は 10.0%となりました。 11 LeucoCOUNT 図6 赤血球製剤由来のサンプルを使った LeucoCOUNT キットの直線性 図7 血小板製剤由来のサンプルを使った LeucoCOUNT キットの直線性 12 LeucoCOUNT 一方、施設間における LeucoCOUNT の精度も同様に3施設で評価され、白血球が除去された赤血球製剤およ び血小板製剤からのサンプルが用いられました。7 ユニットの赤血球製剤と、6 ユニットの血小板製剤を、それぞ れの施設で 2 重測定されました。すべてのサンプルにおいて白血球数は 1/μm 以下でした。そして、サンプル の種類に応じてプールされた平均差異(%)を用いて施設間の精度が算出されました。その結果、赤血球サン プルに対する平均差異は 11.2%、血小板サンプルでは 8.6%となりました。 異なる機器(プラットフォーム)での比較 LeucoCOUNT キットは、ベクトンディッキンソン社のフローサイトメトリー用にデザインされていますが、他のシステ ムでも使用できます。異なる機器(プラットフォーム)における同アッセイ法の有用性を調べるため、次のような評 価試験が行われました。まず、5 ユニットの非白血球除去赤血球および血小板製剤にから、それぞれ 10 倍連続 希釈溶液を調整しました。希釈液としては、赤血球および血小板製剤のサンプルを二重ろ過した液体が用いら れました。染色された各サンプルから作られた二つの複製を BD FASCaliburTM を用いて解析し、もう二つの複製 を Coulter XL で解析しました。ここで用いられたサンプルには、LeucoCOUNT により染色された残存白血球を 高濃度、中濃度、低濃度と3つの濃度のものを同一数量作製しました。そして二種類のプラットフォームを用いて 行われた試験で、高い直線性が得られました。赤血球および血小板のサンプルに対する回帰プロットを図 8、9 に示します。 図 8 BD FASCaliburTM と Coulter XL における赤血球サンプルの回帰プロット 13 LeucoCOUNT 図 9 BD FASCaliburTM と Coulter XL における血小板サンプルの回帰プロット 結論 LeucoCOUNT キットは、従来のフローサイトメトリー法を改良し、残存白血球の計数を効果的に標準化できまし た。サンプルの溶血や洗浄といった操作が不要であり、有核細胞だけを染色し、TruCOUNT 技術を使って絶対 数カウントを実現します。今回の評価試験では、信頼性が高く、再現性に優れた測定法であることがわかりまし た。また、その他の一連の試験によって、正確性、直線性、精度、そして他のプラットフォームなどにおいても、 すぐれた成績を示すことが実証されました。白血球除去血液製剤における残存白血球を標準化された方法で 計測できれば、計測結果のばらつきを抑え、サンプルの処理時間を大幅に削減することになります。 14 LeucoCOUNT 参考文献 15 販売元 藤沢薬品工業株式会社 輸入元 ◆ お問い合わせは下記までご連絡ください。 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 製造関連・資料請求(お客様情報センター): 東京都港区赤坂8-5-26 赤坂DSビル 〒107-0052 0120-8555-90 Fax:024-593-5761 ホームページアドレス: 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