2005 年(平成 17 年)1 月 (1) 第 16 号(�2005・1�) 帝塚山学院 学院 web 新聞 編集・発行 帝塚山学院 大阪市住吉区帝塚山中 3-10-51 電話 06-6672-1954 FAX 06-6672-1386 新年のごあいさつ 新年明けましておめでとうございます。 私が学院で皆さんと一緒に働きはじめて、3ヶ月が過 ぎました。当初はいろいろな事情を聞いて驚いていまし たが、皆さん方がそれぞれの立場で、学院の抱えている 問題を克服し、現状を改善しようとガンバっておられる ことを知って、心強く感じています。 理事、評議員、同窓生の方々も、ひたすらに学院のた めを考えてくださっています。学院を愛し、誇りとして、 学院の安定と成長を願ってくださっているのです。私は 学院理事長として、微力を尽したいと思います。 人間、誰しもまず自分の事を考え、自己中心的な考え 方をします。しかし、現実の世界では、自分の生活や立 場を守るためにも、自分の職場が安定し持続していなけ ればなりません。だから学院の安定的な持続性を守るこ とになるわけです。自己主張で職場の状態を無視するこ とは許されないのです。自分対社会、自分対国家の関係 も同じことだと私は確信しています。 新しい年を迎え、児童、生徒、学生たちにより良い教 育環境を作り上げられるよう、学院全体としても、一個 人としても努力するつもりです。よろしくおねがいしま す。 ( 理事長 磯村 隆文 ) 各 校 だ よ り 幼稚園 ■ OPEN お店屋さんごっこ 「いらっしゃいませ!おいしいソフトクリームはいか がですか?」 11月13日(土) 、幼稚園は巨大モールに変身しま した。洋服屋さんにお花屋さん、お弁当屋さんにおすし 屋さん、ピザ屋さん …。全部で17店舗のお店が開店さ れました。 (2) 商品はもちろんお店の飾りなども、子どもたちが画用 の役になりきって、のびのびと楽しく歌ったり踊ったり 紙やペットボトル、ダンボール、毛糸、空き箱など、様々 演じたりしました。また、とても長いセリフや歌詞を覚 な材料を使ってコツコツと作り上げたものです。 え、子どもたちの力だけで発表を進めていくこともでき ました。年長児は、「発表会」という意識をもち、合唱・ 合奏もペープサートも堂々とした態度で舞台に立ちまし た。クラスみんなの気持ちをひとつにし、みんなで一緒 に懸命に練習をしたものを、みんなで一緒に頑張って発 表をするんだ、という熱気が感じられました。 この日は、おうちの方と一緒に買い物を楽しんだり、 店員さんになって商品を売ったりしての、保護者参加型 の参観日となりました。 「今日のお昼ごはんは、このお 弁当とケーキね。 」と、保護者の方もお店屋さんごっこ 遊びの中に入り、子どもも大人もみんなで一緒に楽しみ ました。 どの学年の子どもも舞台の上で緊張感に包まれていま ( 幼稚園 教諭 矢島 多恵 ) したが、観客席にいるおうちの方を見つけるとニッコリ とした笑顔になり、張り切って発表をしていました。そ ■ サンタクロースも応援、生活発表会 して、サンタクロースさんが全クラスの子どもの前に現 れると、再びニコニコ笑顔。サンタクロースさんも皆の 発表を誉めた生活発表会でした。 ( 幼稚園 教諭 矢島 多恵 ) ※ ペープサートとは、ペーパー・パペット・シアター ( 和製 paper puppet theater )を略した造語。絵人 形劇のこと。登場人物などを描いた紙を、棒の両 側から貼り合わせた人形を用いる。表裏に描かれ た別々の絵を見せるなどして、物語を進める。 ミュージカルに劇あそび、そして、ペープサート※、 ■ お餅つき 合唱・合奏。12月11日(土)の生活発表会で子ども たちが舞台に立って披露しました。各クラスの発表は次 の通りです。 年少組 若葉組 劇あそび「森のおうち」 年中組 赤組 ミュージカル「ありときりぎりす」 桃組 劇あそび「オズの魔法使い」 年長組 白組 「マーチング・マーチ」の合唱、 「白熊のジェンカ」の合奏など 黄組 ペープサート「ブレーメンの音楽隊」 年少組の子どもたちは、セリフや舞台での立ち位置な どもしっかりと覚え、元気いっぱいに、そして、愛らし 12月15日(水)、待ちに待ったお餅つきは今年も い仕草を皆に振りまき演じました。年中児は、それぞれ 楽しく、そしてとってもおいしい思い出になりました。 (3) 力いっぱい杵を振り上げてお餅をついたり、手も顔も 手に入る時代になっていますが、少しでも食に関わるこ 真っ白になってお餅を丸めたりと幼稚園中に子どもたち とによって食に対する関心や興味、そして大切にする心 の歓声と笑い声がいっぱいでした。きなことしょう油の を養うことが出来ればと考えています。今日のケーキを お味でお餅をたくさん用意しましたが、みんなぺろりと 家族で囲み、食卓の話題にしていただければ何よりです。 平らげたのでびっくりでした。 ( 幼稚園 教諭 田中 幸枝 ) 小学校 ■ オーストラリアとの交流 オーストラリアのアーミデイル校とは、お互いの交流 が順調に進み、初めの頃の手探りの状態からは、大きく 変わってきた。今回、サーズやテロの問題で伸びていた 来校が、当初予定していた日程より少し早めて、12月 3日(金)に行われることとなった。当初、先生と子 これで2学期最後の行事も無事終了しました。これ どもたち総勢12人と保護者の方が数名来られるという からも、子どもたちと健康に楽しく過ごしていきたいと 話。以前から考えると、先生が2人来られ、子どもたち 思っています。最後になりましたが、朝早くからお手伝 も10人というのはアーミデイル校の実情から考えると いに来てくださったPTA役員の皆様、本当にありがと 大きなグループになる。結局保護者の方も7人という団 うございました。そしてお疲れ様でした。 体になった。 ( 幼稚園 教諭 池村 貴美子 ) 12月6日(月)、先生方と子どもたちを迎える。昨 年の夏に訪問しているので、友だちを迎えるようなもの ■ クリスマスケーキ クッキング であった。初めの顔合わせが済み、子どもたちは日本の 授業に参加した。先生方も熱心に、クラスに入って授業 の様子を見ておられる姿があった。日本の子どもたちの 勉強での様子が、オーストラリアとはずいぶんと違って 見えるそうだ。 日本を知ってもらうためにと、京都や奈良にもお連れ した。オーストラリアにはない歴史のある建造物や、新 しい海遊館などの施設を見学して、大いに日本というも のを知ってもらえたようである。保護者の方たちは、到 着早々広島にも行って来られたようで、日本の文化へ触 れ合う機会が増えてきているようだ。この交流が、新し 12月17日(金) 、2学期最後のクッキングを実施 い学校間のおつきあいの新しい段階に入ったように思わ しました。今回のクッキングは「クリスマスケーキ作り」 れる。これからも、お互い無理なく交流を続けていくこ です。シフォンケーキに生クリームをぬって、サンタや とを確認してお見送りをした。 ( 小学校 校長 山本 卓 ) 雪だるまなどを飾り付けます。子どもたちは、 どんなクッ キングでも大好きです。クッキングの日は、 「休みたく ない」 、 「絶対に幼稚園に行くんだ」と言うそうです。 ■「世界祭」 そして、いざ飾りつけとなると何故か全身生クリーム 今年度は、「日本と身近な国、アジアの国々」を学校 だらけになっている子や、口のまわりにクリームがいっ 全体のテーマとして掲げ、世界祭の取り組みが始まりま ぱいという子も・・・・。出来上がったクリスマスケー した。 キは、デコレーション用のケーキの箱に一つひとつ入れ、 世界祭当日へ向けて、児童会役員やクラス委員の子ど それぞれ持ち帰りました。 もたちは、国際ボランティア活動として、使用済み切手 食べ物があふれ、いつも食べたいときに食べたい物が やプリペイドカードの収集を、全児童に呼びかけました。 (4) 2学期末には、7,470 枚ものプリペイドカードを集める つきあがったお餅は、6年生が給食場まで運び、ちぎっ ことができました。これらは、日本キリスト教海外医療 て、まるめました。最初は手もエプロンも真っ白になり 協力会(JOCS)を通じて換金され、アジア・アフリ ながら、苦労してまるめていた6年生ですが、回数を重 カなど医療の恵まれない地域で役立てられます。 ねるにつれて上手になり、最後にはお店に並ぶような小 餅ができ、子どもたちも満足そうでした。まるめたお餅 は、給食場の調理員さんにお雑煮にしてもらって、いた だきました。 わくわくしながら出来上がるのを待っていた子どもた ちは、つきたてのお餅をおいしそうにほおばっていまし た。 ( 小学校 教諭 大橋 睦 ) 各学年の児童たちは、学年テーマに沿って、ワーク ショップのような形式で、発表できるように工夫して準 中学校・高等学校 ■ 新潟中越地震募金 備が進められました。 1年生 くらし・いしょう・あそびアラカルト 2年生 どんな文字や言葉をつかっているのかな 3年生 こどもの遊び おしえます 4年生 くいしんぼ はくらんかい 5年生 アジアの いしょう めぐり 6年生 アジア大陸 大めいろ・アジアのすべて・これ がアジアのアラカルト 12月20日(月) 、子どもたちは世界祭パスポート を手に他のクラスの発表を見学しました。児童たちに とって、自ら学び、お互いを知り、たっぷりとアジアの 中学校生徒会執行部は、10月29日(金)、30日(土) 国々に触れることができた一日になりました。 に高等学校自治会と共に募金活動と救援物資の呼び掛け ( 小学校 教諭 中村 幸広 ) を行った。これは高等学校2年生の生徒数人が、募金を 自主的に集め始めたことが契機として始まった。 ■ お餅つき 募金は、127,705 円集まり、カイロ、紙おむつ、生理 用品、衣服、医薬品などの救援物資は種類ごとに仕分け した結果、段ボール39箱分も集まった。仕分け作業は 大変であったが、受験を控えた高等学校3年生も「でき るかぎり手伝う」と協力をしてくれた。生徒会執行部以 外の中学生もボランティアで「先生手伝ってあげるわ!」 と快く動いてくれた。こうして多くの段ボールに入った 救援物資と募金は、新潟県対策本部へ届けられた。 2日間に、こんなにたくさんの募金や救援物資が集め られ、保護者の方々やみなさんの善意に感謝している。 この平和な日常がいつまでも続くのが当たり前だと思っ 12月21日(火) 、本校グラウンドでお餅つきを行 ていたが、ある日突然どうなるか本当にわからない。助 いました。横で餅米を蒸しながら、1・2年生、3・4 け合いの気持ちが必要な世の中、「何とかしたい。何か 年生、5・6年生の順に、2学年ずつお餅をついていき できることはないか。」と自然に思える人をどんどん学 ました。 院の中から発信しなければと思った。 (5) 12月に新潟県 小千谷市長から支援に対するお礼の葉 上げる面白さに熱中している様子であった。3人は授業 書が届いた。もとの生活を取り戻すためにはまだまだ大 のなかで、美しい本を作るための装丁のこだわりについ 変な事も多いと思うが、1日も早い復興を心から願って ても、語ってくれた。完成作品は力作揃いで、「また、 いる。 作りたい」「本の見方が変わった」などの声が聞こえた。 ( 中学校・高等学校 教諭 實森 文 ) 先輩による授業は、生徒たちに大きな刺激を与えたよう であった。 ( 中学校・高等学校 教諭 兵頭 慎 ) ■ 美術コース 学院大学生による豆本制作実習!! 泉ヶ丘中学校・高等学校 ■ 中国研修旅行を終えて 11月20日(土) 、 27日(土)に、 高等学校 美術コー ス卒業生であり、現在、大学 文学部 芸術学科(現・コ ミュニケーション学科 美学芸術コース)3回生の池田 恭子さん、上田 晶美さん、正木 紀子さん、3名によって、 製本についての授業が行われた。彼女達は、大学の授業 で学んだ製本技術を活かして、学内でフリーペーパーを 刊行したり、作品制作をするなど、美術コース卒業生ら 本校初めての中国研修旅行を、11月3日(水)から しいクリエイティブな学生生活を送っている。 7日(日)まで4泊5日の日程で実施した。3日・4日 今回高校生達は、先輩の指導のもと豆本の制作を行っ が上海での研修、5日が移動日、6日・7日が北京での た。豆本とは、一般の書籍に比べ小さなサイズの本であ 研修だった。実施前には多少の不安があったのだが、結 る。今回は「私の宝物」をテーマとしたオリジナル写真 果的にはとても有意義な研修を行うことができた。 集を作ることになった。生徒達は、単なる写真スナップ 上海では進才中学との交流を軸に据えた。同校は中国 から脱皮し自分自身の視点を持った写真を撮ることを課 きっての名門進学校である。生徒諸君は、同世代の中国 題とされ、思い思いの宝物を写真に収め、パソコンでペー の俊才たちとの英語による交流に、大きな刺激を受けた ジを編集し印刷した。先輩3人から、冊子の縫い合わせ ようだった。また、近代的なビル群や88タワー上から 方、表紙の作り方など、製本についての手ほどきを受け の夜景を見ることで、経済発展著しい中国の今を実感し それぞれ思い思いの「豆本」が完成した。 たようである。 一方の北京では、故宮や万里の長城などの歴史的遺産 の見学を中心に、コース別研修も交えながら、やはり中 国を身近に体感できる予定を組んだ。授業で、テレビで、 新聞で見聞きしたことのあるような有名な場所ばかりで ある。とくに天安門広場や万里の長城では規模の大きさ に驚き、大陸にある国のスケールの大きさを実感したよ うだった。 生徒諸君は多かれ少なかれ、異文化コミュニケーショ ンの刺激や喜びを感じたようだ。彼らがそれをどう育て ていってくれるか、楽しみにしたい。 熱心な指導により、生徒は、紙から、一冊の本へと仕 ( 泉ヶ丘中学校・高等学校 教諭 石橋 優明 ) (6) ■ クロスカントリー 報告 のうえ半年以上もかけて練習してきた曲だったので、本 番にうまくいくか不安でしたが、7人のメンバーが気持 ちを一つにして舞台に上がりました。 11月19日(金)に恒例のクロスカントリーが行わ れました。前日の午後から断続的に降り続いた雨が朝に なっても止まず、開催が危ぶまれましたが、天候が回復 ホールいっぱいに響き渡る私たちの歌声は、大人数の するという予報を信じて、決行することになりました。 観客の手拍子や拍手のなかで最高潮のテンションに達し 小雨の中、午前9時から学年ごとに、折り返し点 ( 高校 ていました。緊張もしましたが、あの快感は忘れられま 男子 光滝寺キャンプ場[ 片道20km ] 、高校女子と せん。本番を終えた時には、達成感と満足感で胸が一杯 中学生は滝畑レイクパーク[ 片道 16. 5km ]) に向け になっていました。 て元気に出発。雨はすぐに上がり、紅葉の陶器山、天野 ゴスペルサークル links は、「一人でも多くの人に自分 山金剛寺、滝畑ダムを経て折り返し点で昼食を取りまし たちの歌声を」と日々楽しく練習しています。さらに次 た。 への目標に向けて頑張っていきたいと思います。 午後2時すぎに雨が降り出しましたが、幸い30分ほ どでおさまり、途中リタイアした1グループを除いて、 ( ゴスペルサークル links 大学 人間文化学部 人間学科 3回生 北野 有圭子 ) すべてのグループがリミットの4時30分までに学校に 到着しました。そのあと食堂でPTAの保護者からぜん ■「ニューヨーク、ハーレムの教会で・・・」 ざいを頂き、疲れを癒しました。この行事の特色は4 ∼ 5名のグループでお互いを励ましながら長距離を踏破す ることにあります。 「しんどかったけれど、充実感と連 帯感、それにぜんざいが思い出に残っている。 」という OBの声をよく聞きます。PTAの方々、長時間にわた りご協力ありがとうございました。 ( 泉ヶ丘中学校・高等学校 教頭 三村 浩一 ) 大学 私たちゴスペルサークル links は、憧れのニューヨー ■ ゴスペルサークルが柏原市民イベントで活躍!! ク、マンハッタンのハーレムにある教会で歌うという夢 柏原市民文化会館 リビエールホールで開催された、 のような計画を持ち、半年以上の間、練習に没頭しまし 10月17日(日)の「大和川付替え300周年記念 た。練習をしていく過程では、決して楽しいことばかり 柏原市民フェスタ わくわくフェスタ」と10月31 ではなく、様々な壁にぶつかりその度に話合いながら、 日(日)の「音楽まつり」で、私たちゴスペルサークル 乗り越えてきました。 links はゴスペルを披露しました。曲は映画「天使にラブ 12月16日(木)、ニューヨークに降り立ち、練習 ソングを・・・」で有名な「 I will follow him 」 、「 Hair を兼ねて、グラウンドゼロや自由の女神でストリート Holly Queen 」 、そして「 Oh Happy Day 」を歌いました。 ミュージシャンとして演奏を披露するたびに、ゴスペル 自分たちで、ああでもないこうでもないと、試行錯誤 本場のハーレムにある教会で歌えることへの期待と、自 (7) 分たちの力が通用するのかという不安が募っていまし ん。いろいろな楽器に触れることができる反面、その分 た。 練習時間が多くかかります。 本番を行う19日の日曜日。舞台であるハーレムにあ 今までいくつかの演奏会に出演したとはいえ、本番前 る教会に到着。本場のゴスペルを聴き、スケールの大き の緊張感はいつまで経っても変わりません。いざ本番に さに圧倒されながらも、私達の出番となりました。歌っ なると、たくさんのお客様の前で、一人ひとりが精一杯 ているうちに周りの人達が手拍子をしてくれたり、口ず 練習の成果を出し切ることができました。 さんでくれたりし、想像もしていなかったスタンディン また、演奏が終わって舞台を降りたときに、他の出演 グオベーションまであり、緊張や不安、迷いも吹っ切れ、 者のみなさんに声をかけていただき、とても嬉しい思い 思いっきり歌うことが出来ました。翌日の月曜日にも、 をしました。緊張のあまり失敗してしまったところもあ タイムズスクエアから近い老人ホームで、5曲ほどのク りましたが、「邦楽の面白さ、楽しさを感じてもらおう」 リスマスライブを経験しました。 という私たちの目標は、達成できたような気がします。 ニューヨークで出会った人々、支えてくれた方々との これからもこの経験を糧にして、新たな目標に向って つながり、 そして何よりサークルメンバーとのつながり( 日々努力していきたいと思っています。 Links )が、 「ニューヨーク、ハーレムの教会」での成功 先生方や「みおつくし会」の皆様に、今回の演奏会の への鍵であったことを、私たちは実感しました。ニュー 機会をいただきましたことを、とても感謝しております。 ヨークでのゴスペルライブが、私たちのかけがえのない 本当にありがとうございました。 経験となりました。 ( ゴスペルサークル links 大学 人間文化学部 ( 邦楽サークル 和蝶 大学 文学部 英文学科 4 回生 小西 加奈子 ) 人間学科 3回生 北野 有圭子 ) ■ 邦楽サークル 国立文楽劇場の演奏会に参加 大学 文学部 ■ 多田 敏捷 氏「ほんとうの新撰組」について講演 11月13日(土) 、国立文楽劇場( 大阪市中央区 ) 小ホールにて、邦楽の演奏をさせていただきました。こ の演奏会は、今年1月から練習してきた私たちにとって、 11月4日(木)、狭山キャンパス G500号室にお 当初から最終目標として掲げてきた演奏会でした。メン いて、多田 敏捷( ただ としかず )氏による「新撰組の バー全員が4回生ということもあり、就職活動や卒業論 真実」と題する講演が行われました。 文などで忙しいなかで練習を積み重ね、この日を迎える 多田氏は、古美術商「あぜくら」を経営するかたわら、 ことができました。 “知る人ぞ知る”日本玩具史研究の権威であり、遊戯具 今回は、 「千鳥」と「祇園小唄」 、 「さんぽ」 、 「四丁目」 の鑑定にかけては日本一といわれる方で、『おもちゃ博 の4曲を演奏しました。望月 太八紀 先生、若野 龍二 先 物館』全24巻の著書として知られています。一方、古 生指導の下で、何度も練習を繰り返してきました。私た 美術や古書・古道具などの鑑識眼を生かして、新選組や ちが演奏する鳴物は、一人が一つの楽器を担当するとい 幕末維新関係の新資料を発見し、紹介されている幕末史 うことがありませんので、一度の舞台で二つの楽器を担 研究家としても著名です。 当することも多くあります。篠笛と太鼓、鼓、三味線と この度は、文学部 コミュニケーション学科 日本文学・ いったように楽器を持ちかえ、演奏しなければなりませ 文化コースの「フィールドワークI」という科目の一環 (8) として、11月20日(土)に企画している京都バス旅 とのない90分であった。 行“新撰組ツアー”のための予備知識として講演をお願 次の演目が行われた。 いしました。多くの学生の参加に加えて、生涯学習講座 ・This is Rakugo に参加されている一般の方々の参加もあり、多くの聴講 「落語の解説」 まねび亭 楽笑 氏、山本 貴美子 氏 者を集めて盛況のうちに行われました。 ・Toki Udon 「時うどん」 クリス氏 新撰組はNHK大河ドラマをはじめ、多くの小説や雑 ・Wonderful Japan 誌、漫画などでも知られていますが、事実とはかけ離れ 「ワンダフルジャパン」 中村 もみじ 氏 た描写が少なくありません。そこで、多田氏には本当の ・Monkey( Short Rakugo ) 新撰組はどうであったのか、というお話をうかがいしま 「ショート落語・モンキー」 山本 貴美子 氏 した。まず、新「選」組か新「撰」組か、という話では、 ・Chili _ Tot e _Chin 公式には新「撰」組、 私的には新「選」組であり、新「撰」 「チリトテチン」 まねび亭 楽笑 氏 組が正しいこと。新撰組は暴力集団のように思われがち だが、活動期間中に斬った人数は以外に少ないこと。新 撰組の話は初期屯所が置かれた八木家の情報がもとに なって作られているが、同じく隊士が住まいした前川家 の情報が重要であることなど、興味深い説をおもしろく お話していただきました。 この日は特別に、多田氏が発見されて有名になった、 永倉 新八の幻の記録といわれる「浪士文久報国記事」と もう1点未公開の史料をお持ちいただき、講演後に直接 手に触れて見る機会を与えていただきました。 「浪士文 久報国記事」は池田屋事件で、局長の近藤 勇が叫んだ言 まずは落語の< しぐさ >の、英語による解説があっ 葉や修羅場の情景など、その場にいた者にしかわからな た。「おチョコを口に運ぶしぐさ」、「そばをすするしぐ い事実が細かく記された貴重な資料であり、それを直接 さ」といった、ふだん気にとめることもない所作ひとつ 目にする機会を与えていただいた多田氏に篤く感謝いた にしても、英語の解説つきで説明されると、あらためて します。 落語がいかにすばらしい身体芸能かということが理解で 多田氏の講演が“ほんとうの”新撰組を知るというこ きる。舌を巻く絶妙な英語翻訳の面白さ、一方で翻訳の とであったように、史実を正確に把握することの重要さ すき間から滑り落ちる文化の香りと、いろいろと考えさ を理解していただけたものと思います。さらに、この日 せられもした90分であった。きっと「英語落語」は、 の講演を念頭におき、 “新撰組ツアー”において現場を これから先も「チャレンジ」というスタンスを持ちつづ 見ることで、知識はより確実になるものと期待していま けるのだろうが、それは異文化の翻訳作業というフロン す。歴史に限らず、事実を正確に把握し、現場に立ち、 ティアに身をおく必然なのだろう。 本物を見る、こうして初めて知識は真に自分のものとな 講演後「アンシャンテ」で演者と学会役員とがお茶を るのです。文学部 コミュニケーション学科ではコミュニ 囲み、笑いが超える異文化の壁といった話にも少し花が ケーションの技能のみならず、コミュニケーションする 咲き、次の機会を楽しみに「おあとがよろしいようで」 に足る内容を身につけることも重視しています。 とお開きとなった。 ( 大学 文学部 教授 安田 政彦 ) ( 大学 文学部 教授 酒井 信雄 ) ■「英語落語」体験で得るものは? ■ 秋季講演会「書くことと私」印象記 11月25日(木) 、好評だった前回に引き続き、文 12月9日(木)、とても12月とは思えない、晩秋 学部 英語コミュニケーション学科、英米文学会は、狭 を思わせるとても穏やかな日の午後、眉村 卓 先生によ 山キャンパス G500号教室で、今年も「英語落語」講 る本年度の秋季講演会「書くことと私」が催されました。 演会を開催した。落語と英語のコラボレーションという 眉村 先生は著名なSF作家であり、『なぞの転校生』や ことなら、ひとつのぞいてみようということになったの 『消滅の光輪』その他数え切れないほどの作品を書いて か、200名入れる会場はほぼ満席、笑いが途切れるこ いらっしゃいますが、私は先生の作品を読んだことがな (9) かったので、講演内容がきちんと理解できるか不安な気 神科医の香山 リカ 氏、バーレスクダンサーのキャバレッ 持ちがありました。しかし、実際の講演はたいへんわか タさんをお招きして、それぞれの活動のきっかけからパ りやすく、行き届いたものだったので、私はいつしか先 フォーマンス文化、現代の若者の動向など多岐にわたる 生のお話に引き込まれていきました。 内容を講義していただきました。 お話の内容は、 「眉村 卓」というペンネームの由来に また、花水木フォーラムでは地域との交流も図るため 始まって、ご自身の幼少時代の思い出や奥様のこと、S に、地域文化教室や周辺小学校による作品展示に加えて、 Fというジャンルを特色付ける8つのテーマについての 今年は堺市の高校生によるダンスパフォーマンスも開催 説明など、盛りだくさんでした。その中で私が一番印象 されました。こんなこともあって、多くの方に来ていた に残ったのは、奥様とのエピソードでした。 だくことができました。 癌という病気により余命1年という宣告を受けてから 歴史の浅い人間文化学部をもっといろんな人に知って のご夫婦の間の絆の深まりと暖かい心の交流についての もらいたい、というところから始まった花水木フォーラ お話はとても感動的でした。特にそのお話をされている ムも4回目を終えましたが、今後も回が増すごとにもっ ときの先生のお顔はとてもやさしく微笑みさえ浮べてお と多くの方々と学生とが交流できる場になって欲しいと られるように思われ、私達も思わず聞き入ってしまいま 思います。 した。奥様のために毎日欠かさず書かれた1778編の 最後になりましたが、実行委員をはじめ、ご協力くだ 物語は、すべてではありませんが、何種類かの本に纏め さった皆様、本当にありがとうございました。 られて出版されているそうです。※ご夫婦の大切な思い 出であるこれらの物語はきっと私達読者の心にも深くし ( 花水木フォーラム実行委員長 大学 人間文化 学部 文化学科 4回生 谷口 友恵 ) みこむ素晴らしいものに違いありません。先生の他の代 表作と合わせて絶対に読もうと思いました。 心に染み、楽しくためにもなった1時間半はあっとい う間に過ぎ、傾いた日差しのなか講演を聴いて帰る私の 心の中はとても暖かいものに満たされていました。 同窓会だより ■ 短期大学 同窓会総会 開かれる!! ( 大学 文学部 日本文学科 4回生 湯井 利恵 ) ※『妻に捧げた1778話』 眉村 卓 著・新潮新書 大学人間文化学部 ■ 花水木フォーラム4『轟』を終えて 11月21日(日) 、花水木フォーラム4が大学 泉ヶ 丘キャンパスで行われました。今年のテーマは『轟』で 晴天に恵まれた11月5日(金)、第13回短期大学 した。メインイベントのシンポジウムでは「あなたの自 同窓会総会・懇親会を開催致しました。 己表現はどんなカタチですか?」をテーマに、人間文化 前回までのホテルから心機一転、今回は旧銀行を改装 学部 教授で現代美術家の椿 昇 氏、同学部 教授で精 しレトロな雰囲気を生かした「堺筋倶楽部( 大阪市中央 (10) 区) 」にて、こだわりのフランス料理を頂きながら和や くは月照寺に残されている。金粉をまぶした美しい短冊 かに楽しいひとときを過ごしました。 や色紙に、見事な筆致で書かれた大家たちの自筆和歌を ゲストには大学 人間文化学部のジェフ・バーグランド 見ていると、不思議なことに、時の流れも忘れて往時の 先生をお迎えし、 「物事を枠からはみ出したところから 歌会の場にいるような気分になってしまう。 見ることで、また違った発見ができる。 」というお話を そ の 中 に、 享 保 1 1 年 主軸に、日本人より日本人らしい先生はときにはユーモ (1726)6月、月照寺 アたっぷりに話されるので、参加された同窓生の皆様に の僧が仙洞御所に召され も大変満足頂けたことと思います。 て、霊元上皇から下賜され ただこの会場には、エレベータがなく階段のみで4階 た『三十六歌仙式紙』 (写 ということで、私たちでさえ上り終えると息があがって 真 1) が あ る。 三 十 六 歌 いるのに、ご高齢の先生方には過酷で大変申し訳ないこ 仙の和歌を皇族や公卿たち とでした。しかしながら、帰りは同窓生との再会でさら 36人が、各々1首ずつ豪 に若々しくなられ!?下りということもありますが、階 写真1・三十六歌仙式紙 段も軽い足取りで下りて行かれる姿を拝見し、先生方は 華な色紙に書き記したもの である。箱蓋の記載内容か やはり偉大であられるなあと感服致しました。 らすると、当初は36枚が1枚1枚バラバラであったも 毎年楽しみに参加して頂いている様子で、今後の同窓 のを、賜わった翌年の正月に現在のような折本に表装し 会運営に“ますます努力”という思いが沸きました。恒 たらしい。保存状態もよく大変に見事なものだ。それに 例の祝歌斉唱、記念写真でしめくくり次回再会を誓い、 先立つ享保8年(1723)2月、人麻呂千年忌を機に 帰路につきました。 明石柿本神社へ、霊元上皇の意向のもと中御門天皇によ ( 帝塚山学院短期大学同窓会 会長 秋田 悦子 ) り〈 正一位柿本大明神 〉の神位神号の宣旨が下された。 『三十六歌仙式紙』は、その折に仰せ付けられた天下泰平・ 宝祚延長・歌道繁昌の御祈祷を、3箇年怠りなく執行し たことによって賜わったも の で あ る。 享 保 8 年 か ら リ レ ー 随 筆 11年までの様子は、当時 の月照寺僧 別仙叟が記し 「今、和歌文書が面白い」 大学 文学部 教授 神道 た『神号神位記録』 (写真2) に、つぶさに書き留められ 宗紀 明石市の人丸山と呼ばれる丘陵 ていて大変興味深い。実は、 写真2・神号神位記録 同じ時に島根県の高津柿本 地に柿本神社がある。隣には月照 神社へも神位神号の宣旨が下されている。別仙叟の記録 寺や市立天文科学館もある。この人 によれば、授かるために上京した明石と高津の両別当寺 丸山を標準時子午線が通っているこ 僧は、一緒に公卿の家や仙洞御所に召されるなど、行動 とから、明石市は、 「日本標準時の をともにしていたようだ。記録には、公卿たちと両僧の 街」であることを広くアピールして 会話なども載せられていて、当時の両柿本神社の意外な いるようだ。街のあちこちで見るマンホールの蓋には、 「135度」の文字と、天文科学館の「時計塔」の絵が 様子が分かり、これもまた面白い。 別仙叟の行動やその時の様子を思い浮べながら、月照 刻まれている。 寺や高津柿本神社の文書調査を進めていると、記されて 今から3年ほど前、ここ人丸山の月照寺で、私は2人 いた通りの文書が実際に出てくるのだからたまらない。 の友人とともに和歌文書の調査を開始した。そして現在 どうやら和歌文書の調査は、美しい短冊や見事な筆跡に も続いている。そもそも、明石の柿本神社には、同神社 うっとりとするだけのものではなく、時には衝撃や興奮 が和歌三神( 玉津島社・住吉社・柿本人麻呂 )の1つ をも与えられるものであるらしい。そんな和歌文書の調 である人麻呂を祀っていることもあって、江戸時代に、 査が、今、おもしろい。 別当月照寺を通じて、天皇や上皇をはじめ公卿等々、和 次回の執筆者は、大学 文学部の 森田 恭二 教授を予定 歌界第一人者たちの歌が数多く奉納された。今、その多 しています。 (11) インフォメーション ■ 高等学校 美術コース卒展のお知らせ TEL:06-6672-1152 FAX:06-6672-1155 帝塚山学院高等学校美術コースのURL http://homepage.mac.com/shinhyodo/ Menu3.html ■ 小学校美術展 「 Exhibition 28 」のお知らせ 中学校・高等学校では、1917年の開校時より豊か な感性、情操性、創造性のための芸術教育を重視してき ました。高校の美術コースは国公立芸大への合格者数増 加や活発な作品制作で、近年注目を集めています。 この度、宝塚造形大学のご好意により、2004年度 美術コース生卒業展覧会を行うことになりました。ぜひ、 小学校美術展も第28回を迎えることとなりました。 ご高覧いただきたいと思います。 学院美術教育の一端をご高覧願えれば幸いと存じます。 ● 日 時 ● 日 時 1月16日(日)∼23日(日) 2月8日(火)∼13日(日) 10:00 ∼ 19:00 11:00 ∼ 19:00 ● 展示内容 油彩画・日本画・水彩画・デザイン・CG・デッサ ンなど美術コース2004年度卒業生授業作品 ● 入場料 無料 ● 会 場 (13日のみ15:00まで) ● 入場料 無料 ● 会 場 海岸通ギャラリー CASO 〒 552-0022 大阪市港区海岸通 2-7-23 宝塚造形芸術大学 TEL:06-6576-3633 大学院サテライト 4F ギャラリー 海岸通ギャラリー CASOのURL 〒 530-0012 大阪市北区芝田 1-13-16 http://www.cwo.zaq.ne.jp/caso/ TEL:06-6376-0853 ● アクセス JR「大阪」駅、阪急「梅田」駅、地下鉄御堂筋線 「梅田」駅より徒歩5分。 ● 問合せ先 ● アクセス 地下鉄中央線「大阪港」駅下車、6番出口より徒歩 5分。 ● 問合せ先 帝塚山学院小学校 帝塚山学院中学校・高等学校 〒 558-0053 大阪市住吉区帝塚山中 3-10-51 〒 558-0053 大阪市住吉区帝塚山中 3-10-51 TEL:06-6672-1158 FAX:06-6672-1081
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