地元の素材に付加価値をつけて 全国に宮崎産のサツマイモを売り込む

株式会社アワーウィル
地元の素材に付加価値をつけて
全国に宮崎産のサツマイモを売り込む
宮崎市高千穂通りに面した店舗
ずらり並んだおいものスイーツ
気軽なイートインスタイルも人気
ュークリームなど、バリエーション豊かなサ
しかし、売り方で勝負が決まると考えた飯
ツマイモスイーツが、目も楽しませてくれる。
坂さんは、販売データをとるために、宮崎市橘
宮崎市の中心部、橘通東3丁目にある茶色
2階はカフェスペースで、高千穂通りの楠
通りに大学いもなど数品を売る「一世風味(い
い2階建てビル。黄色をあしらったロゴがな
並木を眺めながらドリンクやランチ、軽食が
っせいふうみ)
」
という小さな店舗を出した。上々
んとも愛らしい「ぽてふぁーむ」は、サツマイ
楽しめる。フードメニューにもすべてサツマ
の反応に力を得た飯坂さんは、本格的に店舗
モで作ったスイーツをテイクアウトもイート
イモが使ってある。
展開をするために、東京の大手コンサルタン
インもできる、女性に人気のお店だ。
ト会社を入れて店づくりに取りかかった。
1階に並ぶ商品はすべてサツマイモを使っ
こうしてできたぽてふぁーむは現在、
宮崎市、
たお店の手づくりで、一番人気は、昔懐かしい
熊本市、鹿児島市に各1店舗が操業し、さらに
大学いも。カリッと揚がったほくほくのサツ
来春までには福岡県内に2店舗。さらに、5年
マイモに甘辛のタレが絶妙にマッチしている。
間で全国の100万都市に1店舗ずつ、計20店舗
細長くした大学いもにアーモンドをまぶした
を直営店舗とする計画をもっている。九州内
の事業展開については、中小企業経営革新支
アーモンドスティック、揚げたサツマイモを
蜜漬けしたおさつぽてとなど、サツマイモの
味をそのまま楽しむスイーツから、腕利きの
パティシエがレシピを作ったケーキ類、お芋
のカスタードクリームたっぷりのふわふわシ
定番の大学いも
援法の県認定を受けた。
将来のために独自の顧客を
もちたい
リサーチを重ねた綿密な事業展
「お客さんのほとんどが女性です。
店の外から
ぽてふぁーむがオープンしたのは、2002年
い笑顔です。この笑顔を裏切らないよう、私た
12月。母体のアワーウィル株式会社は、冷凍野
ちは宮崎発の本物を提供する努力を続けますよ」
菜を作る会社で、全てを大手冷凍食品メーカ
と、ちょっと厳しい顔になった飯坂さん。次の
ーに出している。
瞬間に「店のキャラクターに杖を持ったじい
もオープンキッチンが見えるようになっていて、
店に入ってくるときはみなさんほんとうにい
「里芋やサツマイモの冷凍品を作って、右肩
さんがいるでしょ。
『ぽて仙人』あれ、ぼくなん
上がりに業績を伸ばしてきました。しかし、
ですよ」と明るく笑う。常に遊び心を忘れない
100%メーカーに依存する下請けの現状をな
のが飯坂流だ。
んとかしたいという思いがあり、私たちは、独
宮崎店2階のカフェスペース。ランチメニューなどもあ
自の顧客を作りたいと考えたんです」
という代表取締役の飯坂兌壬さん。そこで、こ
れまで地元の野菜を数多く扱った経験から、
アワーウィル株式会社
〒889-1601 清武町木原58-60
TEL.0985-85-1440 FAX.0985-85-2984
串間市大束でとれるサツマイモを売り出した
手づくりおいもキッチン ぽてふぁー
む
いとひらめいた。
〒880-0805 宮崎市橘通東3-6-13
「大束のサツマイモは本当にうまい。作って
いる人たちもプライドをもって作っている。
味にも心意気にも惚れました。これからはス
ローフードの時代です。地元のすぐれた素材を、
地元から付加価値をつけて発信したいと思い
ました。それも、やっぱり大束のサツマイモに
心底惚れたから、迷わずに進めたと思います」
店で商品を作るキッチンが外からも見える。ソファ
ーもお芋の形をしている
みち よし
飯坂 兌壬さん
1940年大阪出身。大学
卒業後、大阪の紡績会社
に入社。25歳の時、子会
社のサンフード株式会
社( 清 武 町 )へ 出 向 し 、
1978年に冷凍野菜を製
造する新サンフード株
式会社となり、社長とし
て再スタート。1999年
にアワーウィル株式会
社設立。