英国海軍本部 プレスリリース 英海軍本部、ECDIS の国際訓練

英国海軍本部
プレスリリース
2012 年 4 月 13 日
英海軍本部、ECDIS の国際訓練プログラムを開始
~世界のブリッジ・オフィサー100 人が ECDIS トレーニング受講へ~
英国海軍本部(Admiralty)は、世界規模のプロモーション活動の一環として、世界のブリッジオフィサー
100 人を対象に、電子海図情報表示システム(ECDIS)の包括的なトレーニングプログラムを世界各国の
海事系大学で実施すると発表した。
同本部がスポンサーとなるこのプロモーションは、世界のブリッジオフィサーに対して、国際海事機関(IMO)の
「IMO モデルコース 1.27」に準拠した一般的な ECDIS のトレーニングコースを受ける機会を与えるのが目的。
世界中の訓練機関を通して受講できるこのコースは、最短で 5 日間、計 40 時間の日程で、ブリッジオフィサー
に対し、ECDIS を使った航海の網羅的な理解を深める機会を提供する。
今回のプロモーションは、世界中の国際商船のブリッジオフィサー資格者に門戸を開いており、オンライン手
続きで ECDIS 訓練への登録が可能となっている。
英国海軍本部がプロモーションを打ち上げた理由は、包括的な ECDIS トレーニングへの需要に応えることに
ある。英国海軍水路部(UKHO)のイアン・モンクリーフ(Ian Moncrieff)CBO・チーフ・エグゼクティブはこう
説明する。「われわれは、海運関連業界が船員訓練に注力する必要があると信じている。特に、ENC(航
海用電子海図)を使ったデジタル操船を成功させるための実利的なガイダンスを提供することが大切だ。
われわれは業界の一員として、数千人の船員が正しいスキルを身に着けて、ECDIS の使用に対する自信
と能力を深めてもらう必要を感じている。われわれには船員たちをサポートする任務がある。そして、包括
的なトレーニングこそが、そうしたチャレンジを乗り越えるたった一つの道なのだ」
ECDIS トレーニングには厳しさが求められる。英カーディフ大学の船員国際調査センター(SIRC)の調査報告
書「New Shipboard Technology and Training Provision for Seafarers(船員のための新しい船舶技術と訓練規
定)」によると、ブリッジオフィサーは ECDIS の使用についてほとんど自信を抱いていない。この傾向は、別の 4
つの主要なブリッジ操船システムと比べても顕著だ。調査報告書では、調査への回答者のうち半数以上が、沖
合での訓練をひとつも修了せずに ECDIS を使っていたことも分かった。加えて、トレーニングが必要な船員の
数は非常に多く、14 万人から 20 万人が今後 6 年間で訓練を受けることになると予測されている。
モンクリーフ氏は次のように話す。「ECDIS 装備の強制については、2012 年 7 月に最初のデッドラインがやって
来る。われわれは、ブリッジジのワッチ担当者が新時代の航海に確実に備えるようサポートする必要がある。彼
らは明快で信頼できるトレーニングによって、デジタル航海を成功させるスキルを身に着け、人命の安全とブリ
ッジ操船の効率化の両方を実現することができるだろう。われわれは、100 人の船員向けプログラムからスター
トするプロモーションによって貢献できると信じている」
今回発表したトレーニング・プロモーションは、海運業界が国際海事機関(IMO)による ECDIS の搭載義務化
への準備を進める中、英国海軍本部が世界のデジタル航海化を視野に展開するキャンペーンである「デジタ
ル・ナビゲーション・インサイツ(Digital Navigation Insights)」を実現するべく、2012 年から始めた一連のイニシア
チブの一環。義務化は 2012 年 7 月から段階的に実施されることになっている。イニシアチブには、海運業界が、
デジタルナビゲーションを船舶および沿岸オペレーションに確信を持って安全かつ成功裏に導入できるように
後押しする目的がある。
~以 上~
<編集者・記者の皆様へ>
「Digital Navigation Insights」について
英国海軍本部が業界内でのデジタルナビゲーションを推進するキャンペーン「Digital Navigation Insights」に
は、ENC の知識を広める重要な訓練プログラムの開発が含まれています。こうしたプログラムは、世界中の海
事系大学や一連の無料の「デジタル・インテグレーション・ワークショップ」で提供されます。
英国海軍本部は現在、デジタル・インテグレーション・ワークショップの完全プログラムを世界 7 カ所で開催中
で、さらに増やす予定がある。このワークショップでは、ECDIS 搭載義務化への対応を後押しするため、明快で
段階を踏んだプロセスを提供します。
2012 年の最初の無料ワークショップは、シンガポールで開かれた「アジア太平洋マリタイム」で行われ、続いて
米コネチカット州の「シッピング 2012」でも行われました。参加料は無料ですが、スペースには限りがあります。
参加希望者はオンラインで登録する必要があります。詳細はこちらへ here。
<英国海軍本部と UKHO(英国海軍水路部)について>
1.UKHO は英国海軍本部のブランド名で、200 年以上にわたって世界中の海図を作成してきました。その目
的は海の安全と命を守ることです。
2.英国海軍本部の製品とサービスは、国際商船の大多数で利用されています。その中には 3,300 におよぶ
一連の海図、160 の刊行物、そして世界をリードする統合型 ENC(航海用電子海図)である「英国海軍本部ベ
クター・チャート・サービス(Admiralty Vector Chart Service=AVCS)」も含まれています。
3. AVCS は、世界各国の水路当局からの ENC を収集しています。包括的に世界中の公式海図情報を供給
するため、各国政府と協力して、UKHO が作成する新しい ENC の情報も取りまとめています。また、デジ
タルナビゲーションを使用する国際商船の大部分に支持されています。
4. UKHO は英国防省が所有する政府機関で、英国海軍、商船、小型船舶、レジャー船員への航海関連
サービスやさまざまなコンサルタント業務を行っています。
5.UKHO は、「トレーディングファンド」の組織です。利益を上げながらランニングコストをまかなう営利事
業を行うことが許されています。
6.UKHO は、英海事沿岸警備庁のサポートのほか、海上における人命の安全のための国際条約に基づ
き、英国領海内での航海物資の供給任務を負っています。
*このリリースは、ネルソン・ボストック・コミュニケーションズ(Nelson Bostock Communications)が英海軍
本部のために作成。
*このリリースに関する問い合わせは以下にお願いします。
Harriet Mumford
[email protected]
Tim Lines
[email protected]
020 7792 7443
020 7792 7417