平成27年1月号 - 新井胃腸科診療所

新井胃腸科診療所 広報誌
平成27年1月号
新井胃腸科診療所 だより
発行者 岸川一郎
前橋市昭和町1-16-10
TEL 027-231-2083
新井胃腸科診療所ホームページ
診療所の基本方針
http://arai-ichouka.or.jp
1 私たちは、患者さんが納得のいく医療サービスを提供するため、努力します。
2 私たちは、全力のチームプレイで、正確な医療業務を遂行します。
3 私たちは、適法・適正な保険診療の実践を、厳守します。
年 頭 所 感
理事長・診療所長 岸川 一郎
新年にあたって
明けましておめでとうございます。
皆さん、良い新年をお迎えでしょうか? 体調は、いかがでしょうか? ここ前橋は、晴れて
はいたものの、身震いするような冷たい外気の、元旦でした。
さて、今年は、医療を取り巻く環境は、どう変化するのでしょうか。所謂「2025年問題(注
記1)」は、今の日本に重くのしかかっている、この先の難問ですが、概ね高評価を得ている
「アベノミクス」が、このまま、三本すべての矢を放ってしまえば、日本の医療に限定してそ
の影響を考えると、実のところ、今の日本の医療制度は窮地に立たされてしまうことになる可
能性が、極めて濃厚です。
要は、社会保障費の主体である医療費圧縮・削減のために、
1)高齢者の医療機関受診抑制
2)急性期医療の特化・強化にともなう、入院期間のさらなる短期化
3)「地域包括ケア」と称した、慢性期医療の、医療から介護への、転換
4)国際化と称して、日本国民のみならず全世界のお金のある人のみが、金に糸目をつ
けず、どんどん日本国内で、「自由診療(注記2)」を受けられる体制の構築
などが、露骨に推し進められていくはずです。どういうことになるかというと、年寄りからでき
るだけ、お金を吸い上げ、お金がなくなったら、早く死ね、ということでしょう。世界一を誇る
我が国の平均寿命を、引き下げる結果を、本音ではひそかに期待しているのでは、と穿った
考えにもなってしまいます。国民誰でもが、平等にかつ自由に、最高水準の医療を、分け隔
てなく享受できる、「国民皆保険制度」が、危機に瀕しています。憂うべき趨勢です。ところ
で、お薬の「ジェネリック医薬品」使用促進は、結局のところ、「保険調剤薬局」の儲けを
増やし、結果、医療費が増えてしまうことに、徐々に皆が気づき始めているため、「医薬分業
制」とともに、おそらく先細りになるはずです。皆さんも、問題意識を持って、これからの医療
制度を眺めていただきたいと思います。
新年早々、なんとも重苦しい話題で始まり、申し訳ありませんでした。 さてここで、話題
を、がらりと変えましょう!
二回目の東京オリンピック開催の5年後、どういう世の中になっているのか、想い描いたこと
はありませんか? ちなみに、一回目の東京オリンピックは、昭和39年で、小生は小学2年生
でした。 10月10日土曜日、学校帰りに(10月10日が「体育の日」として祝日になったのは
この3年後から)、通学路にある文房具屋のテレビで、開会式を見た記憶が、今でもはっきり
あります。現在改修工事にはいった国立競技場、開会式でのプラカード持ちが、防衛大学校
の学生であるとは、そのときは当然、知りませんでした。
当時のIOC(国際オリンピック委員会)の規定では、「プラカード持ちは、開催国の、20
歳の士官候補生が担当する」ということになっていたそうです。 防衛大学校の11期生から選
抜されていました。平成32年の二回目の東京オリンピックは、小学1年生になっているであろ
う孫と、64歳になった小生とで、開会式や競技を見に行くことができるかなあ? プラカード
持ちには、防衛大学校だけでなく、我が母校、防衛医科大学校の学生も、選抜されるのか
なあ? 色々な想いが湧いてきて、気持ちも高まります。皆さんは、さてどうしているでしょう
か?さらに、楽しい話題をもう一つ、お知らせします。新年のニュースで、ISS(国際宇宙ス
テーション)に、3年後に、小生の母校、防衛医科大学校の後輩が、宇宙飛行士として、搭
乗予定となりました。23期の金井 宣荿(かない のりしげ)君です。彼は、海上自衛隊
医官でした。 小生が2期ですから、我が母校も、20年余で、宇宙レベルまでになりました。
(感涙!)日本人宇宙飛行士は、秋山・毛利・向井・若田・土井・野口・星出・古川の順
に、成果を上げてきました。今年は油井(彼は防衛大学校出身・航空自衛隊所属でした)、
来年は大西、そして、再来年はいよいよ金井です。ちなみに、若田宇宙飛行士以降、合計
6回のミッションに携わった日本人宇宙飛行士の健康管理の総責任者は、当時、JAXA(独
立行政法人宇宙航空研究開発機構)所属であった、立花 正一(たちばな しょういち)君
です。彼は、我が母校の同期で、青森県八戸市の出身、航空自衛隊医官でした。現在、彼
は、母校の防衛医学研究センター異常環境衛生研究部門の教授になっています。ここ最近は
、スケベそうなチョビ髭を生やしています。(「詐欺師まがいで、見た目が悪いので、髭は
やめろ!」と言っていますが。)
医療の話から、脱線してしまいましたが、今年も、さらに頑張って、診療に励みます。
よろしく、お願いします。四代目のご披露は、もう少し先になりますが。
以上
(注記1)…「2025年問題」
今から10年後の、平成37年(2025年)は、「団塊の世代」が、全て70歳
以上の「高齢者」になってしまう年。少子高齢化に拍車がかかり、日本の年
齢人口構成が、完全な「逆ピラミッド」型になってしまい、医療・福祉・介護
にかかる費用が、大膨張してしまうと予測される問題。
(注記2)…「自由診療」
公的医療保険を利用せず、患者・医療者の意思のまま、自由な内容の診療
のことをさす。自由度が増す一方、患者の負担額は、現在の額より、一桁から
二桁くらいまで跳ね上がり、実質、「青天井」状態になる。自由意志の医療
なので、医療事故などは、全て自己責任となる。