研究資料 No.2 相似

2 相似
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相似
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2.1
相似の位置
定理 2.1(三角形の射影)
△ ABC と △DEF があり、A と D、B と E、C と F はそれぞれ異なる。このとき、
AB//DE ∧ BC//EF ∧ CA//FD
⇔ AB//DE ∧ BC//EF∧(AD と BE と CF は 1 点で交わる)
定義 2.1(相似の位置・相似の中心・相似比)
二つの図形 X と Y 上のそれぞれの異なる 3 点 A,B,C と D,E,F が各々三角形をつくるとする。こ
のとき、A,B,C を定めたときに、どのような所に A,B,C があっても三角形の射影を満たして以下
の比 a : b が一定になるように D,E,F を定められるとき、2 つの図形 X と Y は相似の位置にある
という。また、AD と BE と CF の交点 O を相似の中心といい、以下の比 a : b を相似比という。
OA : AD = OB : BE = OC : CF =a : b
O
A B
C
X
D
E
F
Y
補足 2.1 相似の位置の置き方には 2 種類あると考えられる。そのうち、上のように直線 OA におい
て O に関して A と D が同じ側にあるときの点 O を相似の外心といい、同じ側にないときの相似の中
心を相似の内心という。
問題 2.1 相似の内心を図で示せ。
問題 2.2 相似の位置にある ABCD と EFGH があり、ABCD の内部に点 P、線分 EF 上に点
Q をとった。AP//EQ でないことを示せ。
問題 2.3 相似の位置にある ABCD と EFGH があり、BC と FG を a : b に内分した点をそれぞ
れ P,Q とする。さらに、AP と EQ を c : d に内分した点をそれぞれ R,S とする。相似の中心を O と
したとき、OA:AE=OR:RS を示せ。
研究資料 No.2
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2.2
相似条件
定義 2.2(相似)
二つの図形 X と Y を動かしたときに相似の位置にあるようにできるとき、この二つの図形は相
似であるといい、X ∽ Y で表す。
補足 2.2 合同の時と同じように対応する頂点, 辺, 角を定義できる。また、書く際にはその順番にも
気をつける。
問題 2.4 △ ABC があり、辺 AB と AC 上の端点以外のところに各々点 D,E をおく。DE//BC のと
き、以下を示せ。
(1) AB : AD = AC : AE = BC : DE
(2) △ ABC ∽ △ ADE
問題 2.4 の逆が以下の定理である。
定理 2.2(相似三角形の性質)
△ ABC ∽ △DEF であるこの 2 つの三角形は以下を満たす。
∠A = ∠D ∧ ∠B = ∠E ∧ ∠C = ∠F ∧ AB : DE = BC : EF = CA : FD
問題 2.5 上の定理 (相似三角形の性質) を示せ。
相似条件には、いくつかある。
定理 2.3(二角相等)
2 つの角の大きさが等しい 2 つの三角形は相似である。
問題 2.6 上の定理 (二角相等) を示せ。
定理 2.4(二辺比夾角相等)
2 つの辺の比が等しく、その夾角の大きさが等しい 2 つの三角形は相似である。
問題 2.7 上の定理 (二辺比夾角相等) を示せ。
定理 2.5(三辺比相等)
3 つの辺の比が等しい三角形は相似である。
問題 2.8 上の定理 (三辺比相等) を示せ。
2 相似
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定理 2.6(直角三角形の斜辺と他の一辺比相等)
直角三角形の斜辺とその他の一辺の比が等しい 2 つの三角形は相似である。
問題 2.9 上の定理 (直角三角形の斜辺と他の一辺比相等) を示せ。
問題 2.10 一点 O で交わる 3 つの直線と、平行な直線 l, m がある。l は 3 つの直線と左から点 A,B,C
で交わり、m は左から点 D,E,F で交わる。このとき、AB:BC=DE:EF を示せ。
問題 2.11 平行な直線 l, m があり、l 上に左から点 A,B,C が、m 上に左から点 D,E,F がある。この
とき、AB:BC=DE:EF であり、3 直線が平行でないならこれらが 1 点で交わることを示せ。
問題 2.12 △ ABC があり、辺 AC の延長線上と辺 AB 上の端点以外の所に BF=EC となるように
点 E,F を定めた。EF と BC の交点を D としたとき BD:DC=AE:AF を示せ。
問題 2.13 AD//BC である台形 ABCD があり、AC と BD の交点 O を通り AD に平行な直線と辺
AB,DC の交点をそれぞれ E,F としたとき、O は線分 EF の中点であることを示せ。
問題 2.14 △ ABC があり、内部に点 O がある。AB と CO、AC と BO の交点を各々E,D とすると、
BC//ED のとき線分 ED の中線は直線 AO であることを示せ。
問題 2.15 線分 BD があり、その上に点 C がある。また、直線 BD に関して A と E は同じ側にあ
る。∠ ABC と ∠ EDC は直角で、AB=8,BC=6,CD=12,DE=9 である。B から AC への垂線と D か
ら EC への垂線の交点を J とするとき、E,J,A は一直線上にあることを示せ。
問題 2.16 △ ABC があり、AB=12、BC=7、CA=9 である。このとき、∠ ABC:∠ ACB を求めよ。
問題 2.17 ∠ ABC=∠ ACB である △ ABC があり、辺 BC の中点を M とする。AB 上に P、AC 上
に Q を ∠ PMQ=∠ ABC となるようにとる。このとき、MP は ∠ BPQ を二等分することを示せ。
問題 2.18(オイラー線の定理) すべての三角形の垂心、重心、外心は一直線上にあることを示せ。
問題 2.19 平行四辺形 ABCD の頂点 A から、2 辺 BC、CD の中点に引いた 2 つの直線は、対角線
BD を 3 等分することを示せ。
問題 2.20 △ ABC のオイラー線が頂点を通るなら、△ ABC は二等辺三角形か直角三角形であるこ
とを示せ。
問題 2.21 一辺 3 の ABCD がある。AB を 2:1 に内分する点を P とし、CD を 1:2,2:1 に内分する
点を各々Q,R とし、DA を 1:2,2:1 に内分する点を各々S,T とする。直線 PR と直線 QT の交点を U と
し、直線 SU と直線 BC の交点を V とするとき、BV の長さを求めよ。
2.3
相似比と面積比
定義 2.3(面積比)
2 つの図形の面積の比を面積比という。
定理 2.7(相似比と面積比の関係)
相似比が a : b の 2 つの図形の面積比は a2 : b2 である。
問題 2.22 上の定理 (相似比と面積比の関係) を示せ。
問題 2.23 AB=AC=14 である △ ABC がある。この三角形の内部に AP=10 となる点 P をとった
ところ、∠ PBC = ∠ ACP となった。△ PBC=18 のとき、△ ABC の面積を求めよ。
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研究資料 No.2
問題 2.24 一辺 12 の正三角形がある。辺 AC 上に点 D をおき、辺 AB を 3:1 に内分する点を E と
する。線分 DE を折り目にして A が直線 BC に関してもとの位置と逆側に来るように折ったときに A
が移った点を F とする。また、線分 EF,DF と BC の交点を G,H とする。GF=2 のとき、EGHD の
面積と △ ABC の面積の比を求めよ。
問題 2.25 平行四辺形 ABCD があり、BC と CD の中点を各々E,F とし、対角線 BD と AE,EF との
交点を各々G,H とする。このとき、△ ACP:GEFH:△ FEC を求めよ。