いつまでも健康な体でどこまでも けん しょう かい 健翔会だより 41 発 行 所 香川県坂出市川津町 号 (〒762-0025)3329-14 医療法人社団 健翔会 堀 2015・6 月 1 日 焦らずに、 じっくり治しましょう。 ◎本紙に関するご意見、ご質問がありましたら お気軽にどうぞ❢ TEL 口 医 院 0877-45-8686 <担当>高橋,青北 TEL 0877-45-8686 FAX 0877-45-8883 HP http://www.horiguchi-hp.jp 「いやぁ、何かしていた方が、気が紛れるから・・」という言 葉です。しかしそれは治療する姿勢ではありません。厳しく言 えば治療を放棄しています。自己防御力を回復して癌を治すに は、大変な努力と時間がかかります。どうか粘り強く取り組ん で下さい。 堀口 裕 先生 癌の三大療法を使うべきかどうか? 癌を治す抗がん剤はないものか? 「あの抗がん剤は、効果がなかった。この抗がん剤も、あまり効 いていない。もっと私に効く抗がん剤はないものか?」大抵のが ん患者さんは、そう思っています。そりゃ、当然のことです。何 といっても相手は強敵、癌!なのですから。しかし、もしがん患 者さんが自分の癌を完全に治したいと思っているなら、まず考え を改めるべきです。残念ながら“とても切れ味が良くて、ほれぼ れするような、魅惑的な抗がん剤”など存在しないのです。それ は抗がん剤という薬がダメなのではありません。抗がん剤は癌そ のものをやっつけますので、とても良い薬です。その意味では、 立派に目的を果たしています。しかし、抗がん剤は癌という病気 を治す薬ではないのです。癌を治す手助けをするだけです。癌を 治すための主戦力は、患者さん自身の力なのです。丁度、インフ ルエンザに罹って高熱でうなされたとき、解熱鎮痛剤で身体を楽 な状態にしておいて、その間に一生懸命水分を摂りながら、モリ モリ食べる。そして体力の回復を図る。そうすると身体からウイ ルスを完全に排除できて治ります。癌の場合も、それと全く同じ ことなのです。 癌を治すには、まず“日にち薬” 癌が治るかどうかは自分次第、自分の力次第なのです。このよう な力のことを“自己防御力(じこぼうぎょりょく)”と言います。 ところが、自己防御力を回復するために最も必要なことは“十分 に時間をかけ、ゆっくり、そしてじっくりと行う治療”です。い わゆる“日にち薬”というやつです。これは全く目立たず、華や かさに欠け、絶対に最先端医療と呼ばれることのない、控えめに 見られる医療です。しかしひとたび盤石な自己防御力がつけば、 そう簡単に癌の再発は起こりません。そもそも考えてみると、癌 になる素地ができ、それから明らかな癌と診断されるまでに数十 年はかかります。ゆっくりと十分な時間をかけながら起こったの です。それならば癌を治すときだって、それに匹敵するような年 数がかかっても当然のことではないでしょうか。 手術は癌の病巣を切って取り除きます。また、抗がん剤は癌の 増殖を抑えるものです。簡単には、癌をやっつけるものです。 さらに放射線治療は直に癌を消滅させる治療です。これらが “癌の三大療法”です。そこに明らかに癌が見える以上、手術 や抗がん剤、そして放射線治療は行うべきです。しかし、これ らの治療法は癌を治すための治療ではありません。目に見えて いる癌の塊を消すだけの治療です。癌の素地はそのまま残って いますので、再び発生する可能性が高いです。ですから、これ らの三大療法を実施しているときに、同時に自分で癌を防ぐ力 (自己防御力)を自分の努力で高めておく必要があります。 抗がん剤を永久に使わない理由 癌がすっかり治ってしまえば、もう抗がん剤を使う必要はあり ません。永久的に使う理由は全くありません。また現在のとこ ろ、抗がん剤は癌の予防薬になっていませんので、日常的に使 うことはありません。より重要なことは、抗がん剤の多くは、 自己防御力を低下させる可能性があることです。特に細胞の新 陳代謝を低下させたり、免疫力(正確には免疫バランス)を低 下させます。いわゆる副作用のために、使いたくても使えない のです。もともと癌の発生は、自己防御力の低下状態から起こ ったものです。ですから、もし抗がん剤の使用によって、さら に自己防御力が低下する場合には、癌の再発が起こり易いと考 えられます。これが抗がん剤を永久的に使わない、あるいは使 えない本当の理由です。 癌を治すには、治したいという気持ちが大事 癌を治すことに徹する! 癌を治すためには、粘り強く闘う力が必要です。それには癌を 治したいという強い気持ち(モチベーション)が必要です。癌 患者さんの“つまづき”は、このモチベーションの低下、また は欠落にあります。それでは癌を治したいというモチベーショ ンを高めるためには、どうすればよいでしょうか。最善の解決 策はありませんが、出来るだけ自然に触れること、人と話すこ とがお勧めです。手軽には、毎日の散歩で外の空気や景色を満 喫して下さい。場合によっては、ちょっとした森林浴に出かけ 決してがん患者さんばかりではないのですが、自分が病気である と分かっているのに、何ら自覚症状がなければ、今は体調がいい と言って、沢山無理をします。会社の仕事に、田畑の仕事、自治 会の仕事、家事や家族の世話、趣味の釣りとゴルフ三昧、しまい には世界一周の旅と、到底治療中とは思えないような振る舞いで す。それで癌が治りますか?もしがん患者さんが、心から癌を治 したと思うなら、治療に専念するべきです。時おり聞かれるのは、 るのも良いです。また人と話しているうちに、心のモヤモヤ感 が晴れることもあります。ときには“がんの皆さんのサークル” に参加するのも良いでしょう。共通の悩みを明かすことが、お 互いのモチベーションを高めることになります。頑張りたいと いう気持ちが、ほんの少し芽生えれば、そこからどんどん生き ていたいという気持ちが強くなってきます。そして気がつけ ば、真剣に癌と向き合う自分がいることでしょう。 いろいろ豆知識 効果的なウォーキングをするには ①美しい姿勢を意識して歩きましょう ★頭の上から吊るされるような気持ちで、背筋を伸ば ウォーキング 約2500年前のギリシャの人物で「医学の父」と呼ばれる ヒポクラテスは、歩くことを「人間にとって最良の薬」と言 ったそうです。また、「わたしには二人の医者がいる。左足 し、お腹を引き締めます。 ★腕を伸ばし、体と平行に後ろに振るように意識しま す。 ★足に合った靴を履き、かかとからスッと着地します。 と右足である」と言って、歩くことが薬のように作用すると 述べたということです。 ②「ややきつい」が目標 この言葉のとおり、歩くことが健康にいいことは昔から知ら ウォーキングを通じてある程度の効果を実感するに れていました。実際に近年の研究において、ウォーキングが は「ややきつい」と感じる程度で歩くと良いでしょ アンチエイジング効果など、心身に多種多様な効果を及ぼす う。 ことが実証されてきています。その多岐にわたる効果は、ま 呼吸が少しはずみ、軽く汗ばむ程度です。 さに「魔法の薬」とも言えるでしょう。これからの健康のた めに、ウォーキングを始めてみませんか。 ※効果的に有酸素運動を行う目標心拍数は次のとおり です。 ウォーキングの様々な効果 目標心拍数 ={220-(年齢)}×0.6~0.75 ☆血行が良くなり、免疫力アップが期待できる 血液を心臓へと送り返すポンプの役割があるために、第2 の心臓とも言われる足。その足を使うことで、体中の血液 年齢 持久力運動中の 望ましい心拍数の範囲 をスムーズに循環させることができます。同時に、活動を 40歳 108~135拍 促された心臓は次第に効率よく血液を送り出すようにな 50歳 102~128拍 ります。こうして、免疫力のアップが期待できます。 60歳 96~120拍 70歳 90~113拍 80歳 84~105拍 ☆生活習慣病を予防できる ウォーキングにより、体脂肪を減らして肥満を予防したり 改善したりできます。血液の循環が良くなり、悪玉コレス ③1日合計30分以上の運動を テロールを減らせるため、動脈硬化を予防することができ 1回につき10分以上、1日合計30分以上の運動を ます。そのほか、血行が良くなり、脳卒中や心臓病の予防 行いましょう。できれば連続30分以上が目標ですが、 にもつながります。 つらいようでしたら1回10分を3回行うことから始 めましょう。 ☆ロコモティブシンドロームの防止になる 足腰の筋肉が鍛えられます。同時に、骨にも刺激が加わり、 ④週3回くらいから始めましょう カルシウムが吸収されやすくなるため、骨が強くなりま 毎日行った場合と、1日おきに行った場合では、ほと す。 んど効果に差がないという報告があります。まずは、 筋肉・骨の両面から足腰が鍛えられ、活動的な状態を維持 週3回くらいのペースからスタートしましょう。 することができます。 普段あるく習慣がない方にとって、いきなり負担のか かる運動を始めるというのは腰が重いものです。 ☆脳が活性化され、認知症の予防につながる ウォーキングと散歩を比較すると、ウォーキングのほ ウォーキングは、脳に酸素をたくさん取り込めるため、脳 うが負担をかける分、消費カロリーなどが高いのは確 の働きが活発になります。ウォーキングなどの適度な運動 かですが、通常の散歩でもカロリーは消費されますし、 を続けることでアルツハイマー病の進行を遅らせること 血液の循環も良くなります。 が、判明しています。 まずはご自宅の近くなど、いつもは車で通り過ぎてし まうような何気ない場所を、散策してみるのはいかが ☆老化防止の効果がある 歩くことにより、全身の筋肉を鍛えられるほか、血行が良 でしょうか。 歩くことで、新しい発見があるかも知れません。 くなって新陳代謝もさかんになります。老廃物が排泄さ れ、古い細胞から新しい細胞へと生まれ変わるため、老化 防止効果があります。また、持久力が高まり、疲れにくい 体をつくることができます。 出典:株式会社ビイ・エス・ティ「春散歩」
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