~育もう養おう 秋月中で育てる食の力~ 輝け!『お弁当の日』NO.5 『お弁当の日』は2001年に香川県の滝宮小学校で当時の竹下和男校長の『子どもが作る“弁当 の日“』から始まり、昨年(2015)12月現在、全国で1795校の実践校があります。県内では 今年度3回の『お弁当の日』を終えて、みなさんは何を学び、何を得ることができたでしょうか? 山口市、柳井市、周南市など9市町の小中高校と大学など28校が取り組んでいます。学校によって 献立を考えることも、買い出しも、調理も、弁当箱に詰めるのも、片づけも全部、自分ですることが 『お弁当の日』の回数や方法はさまざまですが、献立作りから買い物、調理、片づけまでをすべて自 大変だったと感じた人、楽しかったと感じた人、面倒だったと感じた人、感想はさまざまなことでし 分でやり遂げる決まりがあります。 ょう。けれども『お弁当の日』はただ自分でお弁当を作り、学校に持ってきて食べることが目的では ◇周南市立住吉中学校 1 年生 6月 おにぎり弁当を作ろう 10 月 おかずを作ろう 2月 家庭の味で好きなものを作ろう くれる人に感謝の気持ちをもったりと、将来の自分の『自立』に向けて様々な力を身につけることが 2 年生 3 年生 野菜メインのおかずを作ろう 彩りを考えて作ろう 栄養バランスを考えて作ろう 旬の食材を使おう 地域の食材を使って作ろう 家族に食べてもらいたい弁当を作ろう 目的です。『第3回お弁当の日』のエピソードカードからは自分でお弁当を作ったことを振り返り、 ◇周南市立福川中学校 10 月 季節を感じるお弁当 まごはやさしいお弁当 いろどり弁当 3月 テーマは未定 ありません。この経験をとおして調理をすることの大変さや喜びを知ったり、買い物をすることで金 銭感覚を身につけたり、家族とコミュニケーションをとることの大切さを知ったり、日頃調理をして さまざまな感想が寄せられています。 「誰かのために作ることは素敵なことだと思った。 」 「手際良く、 短時間でお弁当を作り上げるお母さんはすごいと思った。 」 「今度は“うまいね”と言わせて家族をび っくりさせたい。 」 「食べ物を残さないようにしよう。 」など、自分で作ったことにより実感したこと を、これからの自分のために前向きに活かそうとすることが今のみなさんにとって、もっとも大切な ことなのです。何かを思い感じた時、その人はもう前にすすみ始めています。このタイミングこそが 『自立への第一歩』なのです。今年度の『お弁当の日』はもう終わりましたが、この経験を3回の『お 弁当の日』だけにすまさずに今後も持続させましょう。日頃の生活をあらためて振り返り、 「このお 1 年生 2 年生 3 年生 6月 おにぎりだけのお弁当でも OK 自分で作ってみよう! ◇周南市立周陽中学校 11 月 1 年生 2 年生 3 年生 彩りを工夫して作ろう ◇周南市立周東中学校 かずおいしいね。いつもありがとう。片付け手伝うよ。」など、自分でできることから『自立への第 一歩』をはじめてみましょう。 何をつくろうかな・・ 買い物をすることで 6月 おにぎりコース おにぎり弁当を 作ろう 全学年 調理をすることで 10 月 ひとりだちコース 家庭の味で好き な物を作ろう 11 月 ステップコース 野菜のおかずを 詰めよう 12 月(1 回目) チャレンジコース 地域の食材を使 って作ろう 完成することで 子ども 思考力 金銭感覚や食材の知識 火や包丁の使い方、家族との会話 食材の工夫 12 月(2 回目) ありがとうコース 思いを込めて、感 謝弁当を作ろう 達成感や喜び、作る大変さ 保護者 ・脳のはたらきが活発になり学力 UP ・将来に向けての生活力 UP ・家族とのコミュニケーション UP ・自分に自信をもち、ヤル気力 UP ・調理をしてくれる人に感謝の気持ち UP ・子どもとの会話が増える ・子どもの気持ちがわかる ・子どもの成長が見えてくる 『共食』 食に関する体験を共にする 心が安定する 食への感謝の心 お世話をしてくれる人に感謝の心 子どもの成長を認める 食への感謝・食材の工夫 喜び・達成感 ・誰かのために作ることは素敵なことだと思った。 ・人に料理を作る喜びを感じることができた。 ・お父さんに「おいしい!また作ってくれ。」と言われてうれしい。 ・ほめられると作りがいがあるなぁ、と初めて思った。 ・ 「ありがとう。」と言ってくれたその響きがとても気持ち良かった。 ・空のお弁当箱が戻ってきた時は、感謝の気持ちが伝わった気がしてうれしかった。 ・お弁当ができた時の達成感や、食べてもらっている時の笑顔がうれしくて、また作りたいと思った。 ・お礼を言われると、がんばって作ってよかった、と思った。 ・家族が喜んでくれて、大変だったけれど料理を作る喜びを感じることができた。 ・1,2 回目の「お弁当の日」は失敗もたくさんしたけれど、今回は気をつけて計画を立てたので、「お いしい」と言ってもらえた。 ・祖母から教わった「秘伝のから揚げ」を褒められて、一生懸命作った甲斐があった。 ・母が「大好きな料理が入っていて元気が出たよ!これでお仕事がんばれる。」と言ってくれた。うれし かった。 ・普段はめったに褒めてくれないお父さんが、「おいしかったよ。」と言ってくれたのがうれしかった。 ・お母さんに「おいしそう!」と感謝された。感謝されることはとても気持ちいいと思った。 ・お姉ちゃんに渡したらとても喜んでくれて、自分もうれしい気持ちになった。 ・味にうるさいお兄ちゃんに、「母さんのよりおいしい。」と言われてとてもうれしかった。 ・気持ちを込めてお弁当を作るのは大変だけれど、だれかのために作ってあげるのはやっぱりいいな、と 思った。 ・お父さんがメッセージのプリントに「 (お弁当を食べたから)これで仕事もがんばれる!」と書いてく れた。 ・お母さんが「卵焼きがお母さんより上手にできていてびっくりした。 」と言ってくれて、うれしかった。 ・「すごいね、一人で作ったん、がんばったね、おいしかったよ。」と、普段こんなに褒めてもらえること はないので嬉しかった。 ・ 「最初の頃に比べたら卵焼きもめっちゃ上手くなっているよ。」と言ってくれて、すごくうれしかった。 家族へ感謝の気持ち ・手際良く、短時間でお弁当を作り上げるお母さんはすごいと思った。 ・お母さんの日頃の大変さに気付いた。これまで以上に親へ感謝の心がもてた。「お母さん、いつもあり がとう♡」 ・毎日お父さんのお弁当を作っているお母さんを本当に尊敬したいと思った。 ・普段、塾の送迎でお世話になっているので「感謝弁当」で気持ちを伝えることができて良かった。 ・日頃は恥ずかしくて伝えることができないことを、お弁当と手紙で伝えることができてよかった。 ・いつもは伝えられない気持ちが、お弁当をとおして伝えられるきっかけになった。 ・1 年間で 3 回のお弁当作りをして、作れるようになった料理も多くなったし、親の大変さを感じること ができた。 ・毎日、父や姉など、家族のお弁当を作る母の大変さがとてもよくわかった。 ・3 人分のお弁当を作ってみて、いつも料理してくれるお母さんの大変さを知った。 ・全てを自分でする大変さを身をもって感じ、改めてお母さんに感謝の気持ちがもてた。 ・どのように作ったらきれいに仕上がるのか、たくさん調べた。 ・運動部でがんばる姉のために、スタミナがたっぷりのお弁当を作った。 ・お母さんが「助かる!」と言ってくれた。これからは自分も残さずに食のありがたみをもって食べたい。 ・今回は今まで作ったことのない新しい料理に挑戦し上手くいった。これでまた作れる料理が増えた。 ・次回は明るい色の食材を使ってみようと思った。 ・父から、父が子供の頃に私の祖母に作ってもらっていたおにぎりの作り方を教えてもらった。 ・今回のお弁当は前回の経験を活かして、すき間がないように心がけた。 ・できた料理がおばあちゃんの味に似ていてなつかしかった。 ・今度は彩りに気をつけようと思った。 ・うす味に気をつけて作った。 ・調理実習で失敗したことを活かして「岩国蓮根の照り焼きつくね」をグレードアップして完成させた。 家族との会話・コミュニケーシ ・家族が「もっとこうしたらいいよ!」などいろいろなアドバイスや感想を言ってくれた。 ・私の作ったお弁当を見に、父や母や妹まで、みんなが集まって注目してくれてうれしかった。 ・ 「お弁当美味しかったよ。」とさりげなく言われた。いつもは話さないお父さんとの会話が増えた。 ・料理を教わったおばあちゃんが料理の出来ばえを心配して電話をかけてきてくれた。 ・家族に「これからも朝、お弁当作ってよ。」と言われた。 ・「どれもおいしかったけれど、特におにぎらずがおいしくて幸せになったよ。」と、妹が最高の笑顔で言 ってくれた。 ・お母さんが「もったいないから写真撮るね。」と言って印刷したものをメモ帳に貼ってくれた。 ・笑顔で「ありがとね。」と言ってくれたお母さんの顔が今でも思い出せるぐらい、とても喜んでくれた。 ・お弁当を見てお母さんが涙ぐんでいた。 ・普段私とケンカばかりしている姉も、お弁当を食べている時は笑顔だった。 今後に向けて ・はじめはめんどくさいと思っていたけれど「おいしい」と言われてやる気がでた。また作りたい。 ・今まであまり褒められたことがなかったから、うれしくてまた作りたいと思った。 ・今度は「うまいね。」と言わせて家族をびっくりさせたい。 ・母は毎日大変だと思った。これからは私も早起きして母の手伝いを率先的にしていきたいと思った。 ・たくさん褒められたので来年はもっとレベルアップしたい。 ・4 人分作るのは大変だったけれど、全部食べてくれた。妹と今度お弁当を一緒に作る約束をした。 ・たまには家族にお弁当や朝食を作るのもいいかな、と思った。 ・家族が「おいしい!」と言ってくれた言葉に自信がついたので今度は夕食を作って家族を喜ばしたい。 ・まだお母さんみたいに効率よく料理はできないけれど、時間がある時は手伝いをして将来、お母さんみ たいなお母さんになりたい。 ・4 月に高校生になってお弁当を持って行く時に、一緒にお弁当作りをしてお母さんの手伝いをしたい。 ・家族においしいと言われてうれしかったけれど、あまり計画的に作れなかったので、今度は計画的に作 りたい。
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