のびたんの三木山自然歳時記 「 芒 種 」

「自然はおもしろい
不思議がいっぱい!」(第5回)
のびたんの三木山自然歳時記
「 芒 種 」
6月6日から、二十四節気では「芒種(ぼうしゅ)」です。芒種の芒(のぎ)とは、稲な
どの穂の先についているトゲのようなもののことで、この芒がある稲をまく頃という意味
です。昔の田植えは、現在よりやや遅いこの時期でした。芒種の頃に、西日本では梅雨(つ
ゆ)に入ります。
気象庁は5月 28 日、近畿地方が梅雨入りしたとみられると発表しました。今年は平年より 10 日早い
とのことで、統計を取り始めた 1951 年以来、史上3番目に早い梅雨入りとなったそうです。
梅雨になるとアジサイが話題になります。アジサイは、梅雨時のど
んよりした空模様の中、花の色が次々と変わることから七変化(ひち
へんげ)とも言われます。特に、六甲山系にはアジサイが多く、六甲
山系のアジサイの花は、「日本一きれい」との声を聞きますが、これは
六甲山の花こう岩の酸性土壌(どじょう)に含まれるアルミニウムが、
アジサイの赤の色素と結びつき、美しい青色になるからだそうです。
この季節、三木山森林公園での私の好きな植物は、もみじ谷などで
見られるタツナミソウです。シソ科の植物で、地下茎から直立して (青紫の花が波のように見える立浪草)
20cm程の背丈で、青紫色の花が打ち寄せる波のように見えるので「立浪草」と書きます。
(とっておきの話題)
タンポポの「立つ」「倒れる」「起きる」運動
5月には、野原一面タンポポの花が咲いていましたが、今花は綿毛になり、風にゆれる綿毛がとてもき
れいです。今回は、
「タンポポの茎の不思議」についての話題です。タンポポの茎は、他の植物には見
られない「立つ」
「倒れる」
「起きる」の運動をします。何のためにこのような運動をするのでしょうか。
タンポポの花は、「舌状花」(ぜつじょうか)と呼ばれる 100 個
ほどの小さな花の集まりで、その一つ一つが咲き終わると、綿毛
のついた実になります。咲き続けている間、花の茎はまっすぐ上
に立ったままですが、咲き終わると茎を横に倒して後に咲く花に
場所をゆずります。こうしてタンポポの花は、次々と咲くことが
できます。倒れた茎は、地面から熱を受け、その熱を利用して実
を熟させます。それぞれの花が実(種)になるころには、茎を伸ば
して起き上がります。そして、綿毛のついた実をより高い位置か
(倒れた茎が起きて綿毛ができるまで)
ら風に乗せて遠くへ飛ばすことができるのです。
いろんな生き物クイズQ&A(第3回)
質問Q :梅雨が大好きなカタツムリ。どんなときに出てくるの?
A :① 雨がやむと、出てくる。
② 雨が降る前に、出てくる。
③ 雨が降っている時に、出てくる。
※解答は、次回6月 21 日頃発行予定の「夏至編」で。お楽しみに!