マンション標準管理規約

難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H21−27
チェック
(使用細則)
問 148 ベランダ等の共用部分での禁煙を細則で定めることを検討している理
事会における各理事の次の発言のうち、標準管理規約の規定によれば、適切でない
ものはどれか。
1 禁煙に違反した専有部分の賃借人やその同居人に対しては、理事会の決議を経
れば、理事長から警告することができます。
2 共用部分である管理事務室や集会所も禁煙の対象となりますので、毎月、集会
所で開かれる理事会も禁煙となります。
3 専有部分の賃借人については、賃貸借契約書で、専用使用部分は賃借人が自由
に使用できるとされていても、今後、ベランダでは禁煙です。
4 共用部分は禁煙となりますので、マンションの敷地も共用部分として禁煙区域
に含まれます。
解 説
1 適切である。専有部分の賃借人やその同居人が、使用細則に違反したときは、
理事長は、理事会の決議を経て、その違反者に対し、その是正等のため必要な勧
告又は指示もしくは警告を行うことができる(標準管理規約(単棟型)67条1項)。
2 適切である。共用部分での禁煙を使用細則で定めた場合には、共用部分である
管理事務室や集会所も、当然に禁煙の対象となる。また、集会所で開かれる理事
会も、禁煙の対象である集会所を使用する以上、当然に禁煙となる。
3 適切である。区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、使用
細則に定める事項をその第三者に遵守させなければならない。また、区分所有者
は、その貸与に係る契約に使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定めると
ともに、契約の相手方に使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組合
に提出させなければならない(19条)
。したがって、
専有部分の賃借人も、今後は、
ベランダでは禁煙となる。
4 適切でない。
「共用部分」とは、区分所有法2条4項の共用部分をいい、
「敷地」
とは、区分所有法2条5項の建物の敷地をいう。このように両者は区別されてい
るので、マンションの敷地を共用部分に含めて禁煙の対象にすることはできない
(2条5号・6号)
。
正解
216
4
難易度
標準管理規約
Rank
★★☆ H22−25改
チェック
(規約の改正)
問 149 標準管理規約を採用している管理組合の業務について、当該規約を改
正しなければ行うことのできないものは、次のうちどれか。
標準管理規約
1 空きがでてきた駐車場を専有部分の賃借人に賃貸することができるようにする
こと。
2 第三者が屋上に広告塔を設置することを認めること。
3 管理組合が共用部分である給水管の本管と専有部分である枝管とを一体として
取替える工事を行うこと。
4 共用部分である開口部につき、防犯等の住宅の性能の向上に資するための工事
を、管理組合が計画修繕として速やかに実施できないときに、一定の要件に基づ
き区分所有者がその責任と負担において実施できるようにすること。
解 説
1 規約の改正が必要である。管理組合は、駐車場を、特定の区分所有者に駐車場
使用契約により使用させることができる。そして、区分所有者がその所有する専
有部分を第三者に貸与したときは、その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失
う(標準管理規約(単棟型)15条1項・3項)
。したがって、空きがでてきた駐
車場を専有部分の賃借人に賃貸することができるようにするためには、規約の改
正が必要である。なお、駐車場の需要が減少し、空き区画が生じているケースで
は、組合員以外の者に使用料を徴収して使用させることも考えられる(コメント
15条関係①)
。
2 規約の改正は不要である。管理組合は、総会の決議を経て、敷地及び共用部分
等の一部を、第三者に使用させることができる(16条2項)。したがって、第三
者が屋上に広告塔を設置することを認める場合に、規約を改正する必要はない。
3 規約の改正は不要である。専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体と
なった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組
合がこれを行うことができる(21条2項)
。したがって、管理組合が共用部分で
ある給水管の本管と専有部分である枝管とを一体として取り替える工事を行う場
合に、規約を改正する必要はない。
4 規約の改正は不要である。共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、
玄関扉その他の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の
性能の向上等に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計
画修繕としてこれを実施する。そして、管理組合が上記の工事を速やかに実施で
きない場合には、区分所有者は、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を
受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施するこ
とができる(22条1項・2項)
。したがって、規約の改正は不要である。
正解
1
217
難易度
標準管理規約
(専有部分の修繕等)
Rank
★☆☆
H25−30
チェック
問 150 住居専用の甲マンションの区分所有者Aから、自己の専有部分(3
LDK・60㎡)を簡単な壁で小さな空間に区切り12室に改造した上で、入居者の募
集を行い、多人数に貸し出したいとして『専有部分修繕等工事申請書』が理事長あ
て提出された。この件に対する対応についての理事会におけるA∼Dの各理事の意
見のうち、区分所有法及び民法の規定並びに標準管理規約によれば、適切でないも
のは、次のうちどれか。
1 A理事「こうした改造は、窓がない、天井高の不足など建築基準法に適合しな
い改造である可能性があり、また、間仕切り壁が燃えやすい材料でできているな
ど火災や安全面でも大きな問題があるので、専門的知識を有する者の意見を求め
るべきでしょう。
」
2 B理事「
『専有部分修繕等工事申請書』を見ると、専有部分の修繕等に係る共
用部分の工事を行う旨記載されているが、当該共用部分の工事が共用部分の形状
又は効用の著しい変更を伴う場合は、理事会決議だけで理事長が承認することは
できませんので、集会での決議が必要です。
」
3 C理事「Aが理事長の承認を受けないで工事を行った場合は、理事会の決議を
経て、理事長は、管理組合を代表して、その差止め、排除又は原状回復のための
必要な措置の請求に関し、訴訟その他法的措置をとることができます。」
4 D理事「管理組合がこうした改造について、どう対応するかですが、専有部分
は、その所有権を有する区分所有者が自由に使用、収益及び処分できるはずなの
で、管理組合としてこうした改造を制限するための規定を規約に定めることはで
きません。
」
218
解 説
正解
4
219
標準管理規約
1 適切である。区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物
に定着する物件の取付けもしくは取替え(修繕等)であって共用部分又は他の専
有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理
事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならない(標準管理規約
(単棟型)17条1項)
。そして、承認を行うに当たっては、専門的な判断が必要と
なる場合も考えられることから、専門的知識を有する者(建築士、建築設備の専
門家等)の意見を聴く等により専門家の協力を得ることを考慮する(コメント17
条関係⑤)
。
2 適切である。専有部分の修繕等に関する承認があったときは、区分所有者は、
承認の範囲内において、専有部分の修繕等に係る共用部分の工事を行うことがで
きる(標準管理規約(単棟型)17条4項)
。もっとも、区分所有法17条1項の共
用部分の変更(重大変更)に該当する場合は、理事会の決議のみで行うことはで
きず、集会の特別決議を経ることが必要となる場合もあることに留意する必要が
ある(コメント17条関係④)
。
3 適切である。理事会の決議を経た理事長の承認を受けないで、専有部分の修繕
等の工事を行った場合には、標準管理規約(単棟型)67条の規定により、理事長
は、その是正等のため必要な勧告又は指示もしくは警告を行うか、その差止め、
排除又は原状回復のための必要な措置等をとることができる(コメント17条関係
⑬)
。
4 適切でない。専有部分は、原則として、その所有権を有する区分所有者が自由
に使用、収益及び処分できるが、他の区分所有者に対する影響もあるため、管理
組合として改造を制限するための規定を規約に定めることもできる(コメント6
条関係参照)
。
難易度
標準管理規約
(専有部分等の修繕)
Rank
★★☆ H24−27改
チェック
問 151 地震により、足場の固定が不完全であった専有部分内の貯湯式電気温
水器(この問いにおいて「温水器」という。
)が転倒し、給水管(枝管)との接合
部分の破断により漏水事故が発生した。この場合における管理組合の対応と費用の
負担を検討する理事会での各理事の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切
なものはどれか。なお、災害等により総会の開催が困難である場合には該当しない
ものとする。
1 今後の地震対策として、管理組合で全住戸の温水器の設置状況を調査し、足場
の固定が不完全な温水器は、管理組合の負担で足場をアンカーボルトで固定する
必要があります。
2 転倒した温水器と給水管との破断した接合部分の取替えに要する費用につい
て、修繕積立金から支弁してほしいとの要望があります。理事会の決議を経れば
これには応じることができます。
3 漏水事故については、温水器の足場の固定が不完全であったことは管理組合の
管理に瑕疵があったことになりますので、漏水の被害者への損害賠償金を管理費
で負担しなくてはなりません。
4 給・排水管については、管理組合で本管のみではなく枝管も含めて点検し、必
要に応じて、取替えを行う予定です。温水器に接続している部分の給水管を取り
替えた場合、その費用は各組合員に負担してもらいます。
220
解 説
正解
4
221
標準管理規約
1 適切でない。理事長又はその指定を受けた者は、専有部分の修繕等の施行に必
要な範囲内において、修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができる
(標準管理規約(単棟型)17条5項・1項)
。ただし、専有部分の専用に供される
設備のうち共用部分内にある部分以外のものは、専有部分である(7条3項)
。
よって、本問の温水器及び給水管の枝管は、専有部分であり、足場の固定にかか
る費用は、各区分所有者の負担とすべきである。
2 適切でない。積み立てた修繕積立金は、不測の事故その他特別の事由により必
要となる修繕など特別の管理に要する経費に充当する場合に限って、取り崩すこ
とができる(28条1項2号)
。そして、特別の管理の実施並びにそれに充てるた
めの資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについては、総会の決議を経なければ
ならない(48条6号)
。したがって、少なくとも理事会の決議だけで行うことは
できない。
3 適切でない。管理組合がその責任と負担において管理を行うのは、敷地及び共
用部分等についてである(21条1項)。そして、肢1で述べたように、本問の温
水器は専有部分であるから、その管理の責任と負担は、当該専有部分の区分所有
者にある。よって、管理組合の管理に瑕疵があったわけではないため、漏水の被
害者への損害賠償金を管理費で負担すべきではない。
4 適切である。専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の
管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行
うことができる(21条2項)。そしてこの際、配管の清掃等に要する費用につい
ては、
「共用設備の保守維持費」として管理費を充当することが可能であるが、
配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係るものについては、各区分所有
者が実費に応じて負担すべきものである(コメント21条関係⑧)。したがって、
管理組合がまとめて専有部分である枝管と共用部分である本管を点検し、必要に
応じて取り替えることができるが、その場合でも、枝管に係る費用は、各組合員
の負担となる。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−26
チェック
(専有部分)
問 152 区分所有者が専有部分の売買又は賃貸借を行う場合における管理組合
の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
1 駐輪場を使用する者は使用料を管理組合に支払わなければならない旨が売買契
約以前の総会で決議されていた場合において、
規約に駐輪場使用料の規定がなく、
売買契約時に駐輪場使用料に係る説明を受けなかった場合でも、買主である新区
分所有者は、駐輪場を使用するときは、管理組合に駐輪場使用料を支払わなけれ
ばならない。
2 管理費の滞納がある区分所有者が専有部分を売却する場合において、売買契約
書に売主側が売買代金から滞納管理費を支払う旨の定めがあるときは、管理組合
は、買主である新区分所有者に対し、滞納管理費の支払を請求することはできな
い。
3 組合員が専有部分を賃貸した場合において、当該組合員が総会招集通知のあて
先の届出をしなかったときは、招集通知の内容をマンション内の掲示板に掲示す
れば足りる。
4 組合員が専有部分を賃貸するに際し、専有部分の模様替えについての承認申請
があった場合に、承認の判断に際し調査等により特別な費用がかかるときは、申
請者に費用の負担を求めることができる。
解 説
1 適切である。規約及び総会の決議は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人
に対しても、
その効力を有する(標準管理規約(単棟型)5条1項)
。したがって、
総会の決議があれば、たとえ規約に規定がなく、売買契約時に説明を受けなかっ
た場合でも、買主は、駐輪場使用料を支払わなければならない。
2 適切でない。管理組合が管理費等について有する債権は、区分所有者の特定承
継人に対しても行うことができる(26条)
。したがって、売買契約の当事者間で、
売主側が売却代金から滞納管理費を支払う旨の定めがあっても、第三者である管
理組合の債権の行使を制限しない。
3 適切である。集会招集の通知は、対象物件内に居住する組合員及び通知すべき
場所の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示すること
をもって、これに代えることができる(43条3項)
。
4 適切である。専有部分の修繕等の承認の判断に際して、調査等により特別な費
用がかかる場合には、申請者に負担させることが適当である(コメント17条関係
⑥)
。
正解 2
222
難易度
標準管理規約
(専有部分)
Rank
★★☆ H26−28改
チェック
問 153 組合員に対する管理組合の対応方法を検討する理事会での理事長の次
の発言のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。
223
標準管理規約
1 組合員Aから、自宅の窓ガラスを二重サッシにするための改良工事をA自身で
行いたい旨の申請がなされていますが、これは本年度に実施する計画修繕で全戸
一斉に行う予定となっておりますので、Aの申請は認めないものとします。
2 組合員Bから、専有部分の床フローリング工事を実施する予定であるとの相談
がありましたので、Bに対し、設計図、仕様書を添付した工事の申請書を提出し、
承認後には速やかに工程表を提出しなければならないことを伝えることとしま
す。
3 組合員Cが、管理費を3ヵ月滞納しているので、理事長として管理組合を代表
し法的措置によりその回収を図ることとしますが、これには総会決議が必要なの
で、次期通常総会での議案の一つといたします。
4 組合員Dから、専有部分を第三者Eに賃貸する旨の相談がありましたので、D
に対し、管理規約及び使用細則に定める事項をEに遵守させる旨をDが誓約する
書面を作成し、提出しなければならないことを伝えることとします。
解 説
1 適切である。共用部分のうち各住戸に附属する窓枠、窓ガラス、玄関扉その他
の開口部に係る改良工事であって、防犯、防音又は断熱等の住宅の性能の向上等
に資するものについては、管理組合がその責任と負担において、計画修繕として
これを実施するものとする(標準管理規約(単棟型)22条1項)。しかし、区分
所有者は、管理組合が上記の工事を速やかに実施できない場合には、あらかじめ
理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有
者の責任と負担において実施することができる(同条2項)。この2項は、開口
部の改良工事については、治安上の問題を踏まえた防犯性能の向上や、結露から
発生したカビやダニによるいわゆるシックハウス問題を改善するための断熱性の
向上等、一棟全戸ではなく一部の住戸において緊急かつ重大な必要性が生じる場
合もあり得ることに鑑み、計画修繕によりただちに開口部の改良を行うことが困
難な場合には、専有部分の修繕等における手続と同様の手続により、各区分所有
者の責任と負担において工事を行うことができるよう規定したものである(コメ
ント22条関係④)。本肢では、本年度の計画修繕工事において窓ガラスを二重サ
ッシにする改良工事の実施が予定されており、
「計画修繕によりただちに開口部
の改良を行うことが困難な場合」とはいえないので、本肢の組合員Aの申請を認
めない旨の発言は、適切である。
2 適切でない。区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物
に定着する物件の取付けもしくは取替えであって共用部分又は他の専有部分に影
響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその
旨を申請し、書面による承認を受けなければならない(17条1項)
。この場合に
おいて、区分所有者は、設計図、仕様書及び工程表を添付した申請書を理事長に
提出しなければならない(同条2項)
。承認を受けるにあたって工程表等の添付
が求められているのであって、承認後に工程表の提出をするのではない。
3 適切でない。理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の
決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる
(60条4項)
。総会の決議は不要である。
4 適切でない。区分所有者が、その専有部分を第三者に貸与する場合には、区分
所有者は、その貸与に係る契約にこの規約及び使用細則に定める事項を遵守する
旨の条項を定めるとともに、契約の相手方にこの規約及び使用細則に定める事項
を遵守する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない(19条2項)。し
たがって、管理規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書は、貸主D
ではなく借主Eが提出すべきものである。
正解
224
1
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H21−28
チェック
(専有部分)
問 154 区分所有者Aが、その専有部分を第三者Bに貸与しようとする場合に
関する次の記述のうち、標準管理規約の規定によれば、適切でないものはどれか。
標準管理規約
1 Aは、Bに管理規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管理組
合に提出させなければならない。
2 Aは、Bとの契約において、管理規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨
の条項を定めなければならない。
3 Aは、管理組合と駐車場使用契約を締結しAが使用している駐車場を、引き続
きBに使用させることができる。
4 Aは、Bの同居人が共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、その是正等の
ために必要な措置を講じなければならない。
解 説
1 適切である。区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、その
貸与を受けた者に管理規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の誓約書を管
理組合に提出させなければならない(標準管理規約(単棟型)19条2項)。
2 適切である。区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、その
貸与に係る契約に管理規約及び使用細則に定める事項を遵守する旨の条項を定め
なければならない(19条2項)。
3 適切でない。区分所有者が、
その所有する専有部分を第三者に貸与したときは、
その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う(15条3項)。したがって、Aは、
管理組合と駐車場使用契約を締結してAが使用している駐車場を、引き続き、専
有部分の貸与を受けたBに使用させることはできない。
4 適切である。区分所有者は、その所有する専有部分の貸与を受けた者の同居人
が、対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行った場合には、その是正
等のため必要な措置を講じなければならない(67条2項)。
正解
3
225
難易度
標準管理規約
(使用細則)
Rank
★☆☆
H21−29
チェック
問 155 マンションの集会室利用細則の制定につき相談を受けたマンション管
理士が、相談に対する回答等として行った次の発言のうち、標準管理規約の規定に
よれば、適切なものはどれか。
1 集会室を区分所有者や占有者以外の第三者への使用を予定している場合には、
集会室利用細則にあらかじめ第三者の使用を認める旨規定しておくべきです。そ
のような定めがないと、第三者に使用させるたびごとに総会決議が必要となりま
す。
2 集会室を区分所有者や占有者のみが使用することを予定している場合には、使
用料を徴収することはできませんので、集会室利用細則中に使用料の徴収手続等
に関する規定を設けることはできません。
3 集会室利用細則の制定に当たっては、理事会で細則案を作成し、組合員のアン
ケートを実施したほうがいいでしょう。そうすれば、総会決議事項とする総会で
の取決めがない限り、理事会の決議のみでも細則を制定することができます。
4 一部の区分所有者が倉庫代わりに集会室の一部を独占的に使用していた場合で
も、集会室利用細則中に、集会室以外での目的の利用を禁止しておかないと、規
約違反行為として警告等をすることができません。
226
解 説
正解
1
227
標準管理規約
1 適切である。管理組合は、総会の決議を経て、敷地及び共用部分等の一部につ
いて、第三者に使用させることができる(標準管理規約(単棟型)16条2項、18
条)。したがって、集会室を第三者に使用させることを予定している場合には、
集会室利用細則にあらかじめ第三者の使用を認める旨を規定しておくべきであ
り、そのような規定がないときは、第三者に使用させるたびごとに総会の決議が
必要となる。
2 適切でない。使用細則で定めることが考えられる事項としては、駐車場、倉庫
等の使用方法、使用料等敷地、共用部分の使用方法や対価等に関する事項も挙げ
られる(コメント18条関係①)
。したがって、集会室を区分所有者や占有者のみ
が使用することを予定している場合にも、使用料を徴収することができる。
3 適切でない。規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止に関する「案」は、理
事会の決議で作成する。しかし、規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止につ
いては、必ず、総会の決議を経なければならず、理事会の決議のみで細則を制定
することはできない(54条1項2号、48条4号)
。
4 適切でない。区分所有者は、敷地及び共用部分等をそれぞれの通常の用法に従
って使用しなければならず、一部の区分所有者が倉庫代わりに集会室の一部を独
占的に使用することは、当然に規約違反行為となる。したがって、集会室利用細
則中に、集会室以外での目的の利用を禁止しておかなくても、当該一部の区分所
有者に対し、規約違反行為として警告等をすることができる(13条、67条1項)。
難易度
標準管理規約
(立ち入り)
Rank
★★☆ H21−30改
チェック
問 156 理事長等が専有部分又は専用使用部分へ立ち入ろうとする場合におい
て、区分所有者が正当な理由がない限りこれを拒否できないものは、標準管理規約
の規定によれば、次のうちどれか。ただし、災害等の緊急時ではないものとする。
1 通常の使用に伴うバルコニーの保存行為について、理事長がその状況を調査す
るために専有部分及びバルコニーへの立入りを請求した場合
2 専有部分のユニットバス設置工事の実施について、理事長の指定するマンショ
ン管理士がその状況を調査するために設置工事等の箇所への立入りを請求した場
合
3 区分所有者が設置した共用部分の設備と関係のない住宅用火災警報器につい
て、理事長がその状況を調査するために専有部分への立入りを請求した場合
4 理事長の是正勧告を受けて区分所有者がピアノへ取り付けた消音装置につい
て、理事長がその状況を調査するために専有部分への立入りを請求した場合
228
解 説
正解
2
229
標準管理規約
1 拒否できる。バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うものについて
は、専用使用権を有する者(区分所有者)が、その責任と負担においてこれを行
わなければならないのであり、管理組合が保存行為を行うのではない(標準管理
規約(単棟型)14条1項、21条1項ただし書)。したがって、通常の使用に伴う
バルコニーの保存行為について、理事長がその状況を調査するために専有部分及
びバルコニーへの立入りを請求した場合には、区分所有者は、正当な理由がなく
ても、これを拒むことができる(23条1項・2項参照)。
2 拒否できない。区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建
物に定着する物件の取付け若しくは取替え(
「修繕等」という。)であって共用部
分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あ
らかじめ、
理事長にその旨を申請し、
書面による承認を受けなければならない(17
条1項)
。そして、修繕等のうち、承認を必要とするものは、「共用部分又は他の
専有部分に影響を与えるおそれのある」ものであり、具体例としては、床のフロ
ーリング、ユニットバスの設置、主要構造部に直接取り付けるエアコンの設置、
配管(配線)の枝管(枝線)の取付け・取替え、間取りの変更等がある(コメン
ト17条関係②)
。また、
理事長又はその指定を受けた者は、必要な範囲内において、
修繕等の箇所に立ち入り、必要な調査を行うことができ、この場合において、区
分所有者は、正当な理由がなければこれを拒否してはならない(17条5項)。
3 拒否できる。専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の
管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がその管理
を行う。そして、管理組合は、この管理を行うために必要な範囲内において、他
の者が管理する専有部分への立入りを請求することができるが、立入りを請求さ
れた者は、正当な理由がなければ、これを拒否できない(21条2項、23条1項・
2項)。しかし、本肢の場合は、共用部分の設備と関係のない住宅用火災警報器
についての調査であるため、区分所有者は、正当な理由がなくても、立入りを拒
むことができる。
4 拒否できる。本肢の場合に、区分所有者が正当な理由がない限り立入りを拒否
できなくなる旨の規定は、存在しない。したがって、区分所有者は、正当な理由
がなくても、立入りを拒むことができる。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−26
チェック
(大規模修繕)
問 157 大規模修繕工事を行う予定の管理組合から相談を受けたマンション管
理士が、3年後の大規模修繕工事の実施に向けて説明した次の内容のうち、標準管
理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 大規模修繕工事の実施に当たっては、修繕委員会を設置し、専門家の参加を求
めて特定の課題を調査検討させ、その結果を総会に具申させるという方法をとる
ことができます。
2 大規模修繕工事に要する費用については、修繕積立金では不足することから、
必要な範囲の借入金で賄うことになりますが、その場合は、組合員総数及び議決
3
権総数のそれぞれ 以上の総会の決議が必要となります。
4
3 大規模修繕工事において、共用部分の配管と構造上一体となった専有部分の配
管の取替えが必要となった場合の専有部分に係る費用については、各区分所有者
が実費に応じて負担することとなります。
4 大規模修繕工事に際し、専有部分への必要な範囲内での立入りが避けられない
場合がありますが、立入りをした箇所の原状復旧については、各区分所有者に行
っていただきます。
解 説
1 適切でない。大規模修繕工事の実施に当たっては、修繕委員会(専門委員会)
を設置し、専門家の参加を求めて特定の課題を調査検討させることができる(標
準管理規約(単棟型)55条、コメント55条関係)。しかし、専門委員会は、調査
又は検討した結果を理事会に具申するのであり、総会に具申するのではない。
2 適切でない。大規模修繕工事に要する費用について、資金の借入れ及び修繕積
立金の取崩しを行う場合には、
出席組合員の議決権の過半数による総会の決議(普
通決議)が必要となる(48条6号、47条2項)
。
3 適切である。専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の
管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行
うことができる。この場合、配管の取替え等に要する費用のうち専有部分に係る
ものについては、
各区分所有者が実費に応じて負担すべきものである(21条2項、
コメント21条関係⑧)
。
4 適切でない。大規模修繕工事に際し、必要な範囲内において他の者が管理する
専有部分へ立入りをした者は、速やかに立入りをした箇所を原状に復さなければ
ならない(23条5項)。したがって、立入りを受けた区分所有者が、原状復旧を
行うのではない。
正解 3
230
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H23−27
チェック
(長期修繕計画)
問 158 長期修繕計画の見直しを行う場合の手続きに関する次の記述につい
て、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
解 説
1 適切である。長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、
劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある(標準管理規約(単
棟型)32条3号、コメント32条関係③)
。
2 適切でない。長期修繕計画の作成又は変更は、総会の決議を経なければならな
い(48条5号)
。これは、修繕積立金の額及び支払方法に変更を及ぼさない場合
であっても、同様である。
3 適切でない。総会の議事は、出席組合員の「議決権」の過半数で決する(47条
2項)
。したがって、出席組合員数の過半数の決議ではない。
4 適切でない。長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作
成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の
財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる(32条3号、
コメント32条関係④)
。
正解
1
231
標準管理規約
1 長期修繕計画の見直しを行う前提として、
管理組合として劣化診断(建物診断)
を併せて行う必要がある。
2 長期修繕計画の見直しが修繕積立金の額及び支払方法に変更を及ぼさない場合
は、理事会で新たな長期修繕計画を決議し、通常総会で報告すればよい。
3 長期修繕計画の見直しに伴い修繕積立金の額を変更する場合には、総会におい
て、出席組合員数の過半数の決議による。
4 長期修繕計画の見直しに要する経費の充当については、修繕積立金から取り崩
さなければならない。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆ H23−26改
チェック
(管理組合の業務)
問 159 管理組合の防災活動について、助言を求められたマンション管理士の
理事会での次の発言のうち、マンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理
規約」という。
)の規定によれば、適切でないものはどれか。
1 火災や震災などの災害から住民の生命、身体、財産を守ることも管理組合の重
要な役割の一つであり、
防災に関する業務は管理組合の業務として認められます。
2 防災対応としてのコミュニティ形成活動を行うための費用を管理費から拠出す
ることは、常にできません。
3 各階のいくつかの住戸のバルコニーに設置されている非常用避難口は、区分所
有者の専用使用権が設定されている部分にありますが、管理組合がその責任と負
担において管理を行わなければなりません。
4 防災に関する専門家に対し、マンション全体の防災体制や管理組合の運営等に
関する相談や、助言、指導を得る際には、管理費から費用を拠出することができ
ます。
解 説
1 適切である。防災に関する業務は、管理組合の業務である(標準管理規約(単
棟型)32条12号)
。
2 適切でない。管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称
して行われていたもののうち、例えば、防災・防犯活動等で、その経費に見合っ
たマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法3条に
定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲
内において行われる限りにおいて可能である。したがって、そのための通常の管
理に要する経費に、管理費を充当することができる(27条11号、32条12号、コメ
ント32条関係⑧、コメント27条関係②)
。
3 適切である。敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負
担において行う。ただし、バルコニー等の保存行為のうち、通常の使用に伴うも
のについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなけ
ればならない(21条1項)。ここで、本肢の非常用避難口は、たとえ専用使用権
が設定されている部分にある場合でも、その性質上、専用使用権を有する者のみ
が独占的に使用すべきものではないので、その管理は通常の使用に伴うものとは
いえず、管理組合がその責任と負担において管理を行う。
4 適切である。管理組合は、マンション管理士その他マンション管理に関する各
分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に
関し、相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる(34条)。
そして、このような専門的知識を有する者の活用に要する費用に対しても、管理
費から支出することができる(27条9号)
。
正解
232
2
難易度
標準管理規約
Rank
★★☆ H24−31改
チェック
(理事の選任等)
問 160 甲マンション管理組合のA理事が死亡し、同居する配偶者B及び甲マ
ンション以外に居住する子CがAの区分所有権を共同相続した場合の理事の選任等
に関する次の記述のうち、民法の規定及び標準管理規約によれば、誤っているのは
どれか。
標準管理規約
1 同居していたBは、総会で選任されない限り、Aの相続人としてその地位を引
き継ぎ理事になることはない。
2 規約に「組合員である理事が死亡等により任期途中で欠けた場合、組合員から
補欠の役員を理事会の決議で選任することができる。」との定めがあれば、理事
会決議でBを理事に選任することができる。
3 規約に「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一
親等の親族に限り、代理出席を認める。」との定めがあれば、B又はCは理事会
に出席することができる。
4 規約に別段の定めを置かなくても、総会で甲マンション以外に居住するCを理
事に選任することができる。
解 説
1 正しい。理事等の地位は、その性質上相続されない。したがって、A理事と同
居していたBは、総会で理事として選任されない限り、その地位を引き継いで理
事となることはない。
2 正しい。組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた
場合には、組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規
約に規定することもできる(標準管理規約(単棟型)コメント36条関係④)。
3 誤り。理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親
等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる(コメント53
条関係③)
。もっとも、理事が死亡した場合は管理組合との委任関係は終了する
ため、当該理事との関係で係る規約の定めが適用される余地はない。本問では理
事Aは死亡しているため、当該規約の定めがあったとしても、B又はCが理事会
に代理出席することはできない。
4 正しい。理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する(35条2項)。
ここでは、理事等は、マンションに現に居住する組合員に限られない。したがっ
て、甲マンション以外に居住するCを理事に選任することができる。
正解
3
233
難易度
標準管理規約
(役員)
Rank
★★☆ H26−29改
チェック
問 161 管理組合の理事長から、役員の取扱いに関する相談を受けたマンショ
ン管理士が行った次の回答のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。
1 管理組合と管理組合の理事長が代表者である会社との間で修繕工事請負契約を
締結する場合には管理組合の代表者は誰になるのかと問われたので、
「監事が管
理組合を代表しなければならないので、契約書には管理組合の代表者として監事
の名を記載してください。
」と回答した。
2 新たに会計担当理事を設置しようとする管理組合において、会計担当理事の職
務内容を問われたので、「会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出
等の会計業務を行うとともに、毎会計年度の収支決算案を通常総会に報告し、そ
の承認を得なければなりません。
」と回答した。
3 任期途中で理事長が自宅を売却し転出した場合の対応について問われたので、
「区分所有者でなくなれば役員としての地位を失いますので、速やかに次の理事
長の選任を行う必要がありますが、次の理事長が選任されるまでの間は、前任の
理事長が引き続きその職務を行います。
」と回答した。
4 任期途中で組合員である理事が死亡した場合に、理事会の決議により残任期間
を任期とする新しい理事を組合員から選任することができるかと問われたので、
「規約で、組合員である役員が欠けたときには理事会決議で補欠の役員を組合員
から選任できると定めていれば可能です。
」と回答した。
234
解 説
正解
4
235
標準管理規約
1 適切でない。管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、
代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合
を代表する(標準管理規約(単棟型)38条6項)。したがって、理事長以外の理
事も、管理組合を代表することができる。なお、区分所有法上、管理組合が法人
である場合には、「管理組合法人と理事との利益が相反する事項について、監事
が管理組合法人を代表する」旨の規定があるが、これと混同しないように注意す
る必要がある。
2 適切でない。会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業
務を行う(40条3項)
。しかし、毎会計年度の収支決算案を通常総会に報告し、
その承認を得なければならないとされるのは理事長であり、会計担当理事ではな
い(59条)
。
3 適切でない。任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任
するまでの間引き続きその職務を行う(36条3項)
。もっとも、この職務継続義
務は、退任後も組合員であることを前提としており、役員が組合員でなくなった
場合には、その役員はその地位を失う(同条4項)
。
4 適切である。組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠
けた場合には、
組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、
規約に規定することもできる(コメント36条関係④)
。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−29
チェック
(役員)
問 162 管理組合の役員の選任に関する次の記述のうち、標準管理規約の規定
によれば、適切なものはどれか。
1 30階建てマンションの役員の選任について、役員選任細則で「1階から10階、
11階から20階、21階から30階の三層ごとの組合員から、それぞれ推薦により選出
された役員候補を総会で選任する。
」と定めることができる。
2 役員が任期中に欠けた場合には、理事会が決定した補欠役員候補者について賛
否を問う回覧板を回し、反対者がいても組合員数の過半数の賛成があれば補欠の
役員とすることができる。
3 総会では、その合計人数に相当する役員を、役員の職務を決めずに選任し、そ
の役員の互選により理事長、会計担当理事、理事及び監事を決定することができ
る。
4 総会で、定員より多い役員候補者を被選挙人として、各組合員一票の選挙を行
い、得票数の多い者から順に定員に達するまで、比較多数を得た者を役員として
選任することができる。
解 説
1 適切である。役員選出方法については、別に細則を定めることができる(標準
管理規約(単棟型)70条、コメント70条関係)
。そして、役員選任細則で本肢の
ように定めることは、役員の選任について、各層の組合員の意思を反映されるも
のであるので、適切である。
2 適切でない。組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠
けた場合には、
組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、
規約に規定することもできる(コメント36条関係④)
。したがって、理事会が決
定した補欠役員候補者について賛否を問う回覧板を回し、組合員数の過半数の賛
成で補欠の役員を選任することは、適切でない。
3 適切でない。理事及び監事は、
組合員のうちから、
総会で選任する(35条2項)。
また、理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任す
る
(同条3項)
。したがって、
監事は理事及び理事会から独立した立場であるため、
直接総会で選任する必要があり、役員の互選で決定するのは適切ではない。
4 適切でない。役員の選任は、総会の普通決議(出席組合員の議決権の過半数の
賛成による決議)で行う(48条13号、47条2項)
。したがって、投票数の多い者
から順に定員に達するまで、比較多数を得た者を役員として選任することは、適
切ではない。
正解 1
236
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−27
チェック
(監事)
問 163 監事に関する次の記述のうち、標準管理規約及び民法の規定によれば、
適切なものはどれか。
標準管理規約
1 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、監査結果について監
査報告書を作成し、組合員に配布しなければならない。
2 監事を複数名選任している場合には、その複数名で協議のうえ、代表者を決め
て監査結果を報告しなければならない。
3 監事は、管理組合の財産の状況又は業務の執行について、著しく不当な事項が
あると認めるときは、臨時総会を招集し報告することができる。
4 総会で理事及び監事の合計人数分の役員を選任し、選任された役員の互選によ
り理事長、副理事長及び監事を選任することができる。
解 説
1 適切でない。監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結
果を総会に報告しなければならない(標準管理規約(単棟型)41条1項)。しかし、
監査結果について監査報告書を作成し、組合員に配布しなければならない旨の規
定はない。
2 適切でない。監事を複数名選任している場合に、その複数名で協議して、代表
者を決めて監査結果を報告すべき旨の規定はない(41条参照、区分所有法50条3
項参照)
。
3 適切である。監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があ
ると認めるときは、臨時総会を招集することができる(標準管理規約41条3項)。
4 適切でない。理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。そして、
理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する(35
条2項・3項)
。したがって、
監事については、
必ず総会で選任しなければならず、
選任された役員の互選によって選任することは認められない。
正解
3
237
難易度
標準管理規約
(総会の招集)
Rank
★★☆
H25−28
チェック
問 164 管理組合の総会の招集に関する次の記述のうち、マンション標準管理
規約(単棟型)及びマンション標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはど
れか。
1
1
1 組合員が組合員総数の 以上及び議決権総数の 以上に当たる組合員の同意を
5
5
得て総会の招集を請求した場合には、理事長は、会議の目的が建替え決議である
ときは、2週間以内にその請求があった日から2ヶ月と2週間以内の日を会日と
する臨時総会の招集通知を発しなければならない。
1
2 理事長は、総会招集の通知をする場合には、会議の目的が建物の価格の 以下
2
の部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧のときは、議案の要領をも通知
しなければならない。
3 団地管理組合(区分所有法第65条に規定する団体をいう。)では、理事長が、
毎年1回団地総会(通常総会)を招集するほか、棟総会を毎年1回招集しなけれ
ばならない。
1
4 棟総会は、その棟の区分所有者が当該棟の区分所有者総数が 以上及び議決権
5
1
総数の 以上に当たる区分所有者の同意を得て、毎年1回招集しなければならな
5
い。
238
解 説
正解
1
239
標準管理規約
1 適切である。組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以
上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合
には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の
目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは、2か月と2週間以
内の日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない(標準管理
規約(単棟型)44条1項)
。
2 適切でない。集会の招集通知において、会議の目的が①規約の制定、変更又は
廃止、②敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わない
もの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律25条2項に基づく認定を受けた建
物の耐震改修を除く)、③建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の
滅失した共用部分の復旧の決議又は④建替え決議もしくはマンション敷地売却決
議であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない(43条4項、47条
3項)
。したがって、会議の目的が建物価格の2分の1以下の部分が滅失した場
合の滅失した共用部分の復旧であるときは、議案の要領の通知は不要である。
3 適切でない。団地管理組合では、理事長は、団地総会(通常総会)を、毎年1
回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならない(標準管理規約(団
地型)44条3項)。もっとも、理事長が棟総会を毎年1回招集しなければならな
い旨の規定はない(68条2項参照)
。
4 適切でない。棟総会は、その棟の区分所有者が当該棟の区分所有者総数の5分
の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集
する(68条2項)
。もっとも、毎年1回招集しなければならない旨の規定はない。
難易度
標準管理規約
(出席資格)
Rank
★☆☆ H22−28改
チェック
問 165 組合員ではないA∼Dが、事前の連絡もなく総会会場へ来て、総会へ
の出席を求めてきた場合において、出席を認めなければならないものは、標準管理
規約の規定によれば、次のうちいくつあるか。ただし、A∼Dは、理事会において
総会に出席する必要があると認められた者ではないものとし、総会の招集手続きに
瑕疵はないものとする。
ア 組合員甲の代理人として、甲の配偶者Dが、甲からの委任状を理事長に提出し
て出席を求めてきた場合
イ 管理費の増額を議案とする総会において、当該増額により賃借料の値上げを余
儀なくされるとする専有部分の賃借人Bが、意見を述べたいとして出席を求めて
きた場合
ウ 組合員から、総会での発言と議決権の行使を依頼された近隣に居住する弁護士
Cが、委任状を理事長に示して、代理人として出席を求めてきた場合
エ 区分所有者ではなくなったにもかかわらずその旨の届け出を出していないA
が、届出を出していない以上出席資格があるとして出席を求めてきた場合
1 一つ 2 二つ 3 三つ 4 四つ
240
解 説
以上により、出席を認めなければならないものは、アのみであり、正解は肢1と
なる。
正解
1
241
標準管理規約
ア 認めなければならない。組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使する
ことができる(標準管理規約(単棟型)46条4項)。そして、その組合員の配偶
者は、この代理人になることができる(同条5項1号)
。したがって、Dを代理
人にすることはできる。また、組合員又は代理人は、代理権を証する書面(委任
状)を理事長に提出しなければならないとされている(同条6項)が、Dはかか
る条件も満たしている。以上から、Dの出席を認めなければならない。
イ 認める必要はない。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の
目的につき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができ
る(45条2項)
。しかし、管理費の増額によって賃借料の値上げを余儀なくされ
るとしても、それは間接的な影響にすぎないから、ここでいう「利害関係」には
該当しない。したがって、Bの出席を認める必要はない。
ウ 認める必要はない。組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合にお
いて、その代理人は、①その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実
上婚姻関係と同様の事情にある者を含む)又は一親等の親族、②その組合員の住
戸に同居する親族、
③他の組合員、
でなければならない(46条5項)。したがって、
Cは代理人になることができず、Cの出席を認める必要はない。
エ 認める必要はない。組合員の資格は、
区分所有者でなくなったときに喪失する。
そして、組合員の資格を喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届
け出なければならない(30条、31条)。しかし、この届出をしていなくても、区
分所有者でなくなったときに組合員の資格を喪失するから、Aの出席を認める必
要はない。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H25−27
チェック
(総会の議決)
問 166 総会における委任状及び議決権行使書に関する次の記述のうち、民法
の規定及び標準管理規約によれば、
議案に賛成として取り扱うことができるものは、
次のうちどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
1 提出された議決権行使書の議案の賛成欄に丸印はついているが、本人の署名及
び部屋番号の記載しかなく、押印がない場合
2 隣戸の組合員から代理権を委任された組合員がその委任状を理事長に提出した
が、当日、委任された組合員が体調不良で総会を欠席した場合
3 組合員が議長を代理人とする旨理事長に電話連絡してきたが、総会までに、当
該組合員から委任状の提出がなかった場合
4 提出された議決権行使書に部屋番号及び氏名の記載並びに押印はあるが、議案
の賛否欄には「棄権」と記載している場合
解 説
1 取り扱うことができる。議決権行使書について、押印がなければ有効とは認め
ない旨の規定はない。したがって、議決権行使者及び賛否が明らかになるもので
あれば、当該議決権行使書は有効である。よって、本肢の議決権行使書は議案に
賛成として取り扱うことができる。
2 取り扱うことができない。委任状が提出されているとしても、受任者が総会当
日に欠席している以上、議決権行使をしたと扱うことはできない。したがって、
議案に賛成として取り扱うことはできない。
3 取り扱うことができない。組合員又は代理人は、代理権を証する書面を理事長
に提出しなければならない(標準管理規約(単棟型)46条6項)
。書面提出が要
求されているため、電話連絡では足りない。したがって、議案に賛成として取り
扱うことはできない。
4 取り扱うことができない。書面による議決権の行使とは、総会には出席しない
で、
総会の開催前に各議案ごとの賛否を記載した書面(いわゆる「議決権行使書」)
を総会の招集者に提出することである(コメント46条関係⑥)
。したがって、賛
否欄に棄権と記載している以上、議案に賛成として取り扱うことはできない。
正解
242
1
難易度
標準管理規約・民法
(総会の議決権)
Rank
★★☆
H23−29
チェック
問 167 理事会の決議を経て通常総会に提出された議案について、理事長と監
事が反対している場合において、理事長には受任者を理事長とした委任状が、監事
には受任者を監事とした委任状が提出されているときの取扱いに関する次の記述の
うち、標準管理規約及び民法の規定によれば、適切でないものはどれか。
標準管理規約
1 理事長は、役員を辞任すれば、自分の1票を反対票として使うことができる。
2 監事は、自分の1票と委任状を反対票として使うことができる。
3 理事長は、自分の1票と委任状を賛成票として使わなければならない。
4 監事は、委任状を総会出席者の賛否の比率に応じて分けて使うことができる。
解 説
組合員は、
総会の決議において「代理人による議決権の行使」ができる。その際、
委任状による場合は、賛否の意思決定を代理人に委ねる。つまり、委任状(代理権
を証する書面)によって、組合員本人から授権を受けた代理人が総会に出席して議
決権を行使することになる(標準管理規約(単棟型)コメント46条関係⑥)。
1 適切である。理事長は、理事会の一員(役員)として理事会の決議に拘束され
るので、理事長である限りは、理事会の決議を経て提出された議案に対して、反
対することはできない。しかし、役員を辞任したのであれば、一組合員として自
由に議決権を行使できるので、自分の1票を反対票として使うことができる。
2 適切である。監事は理事会の構成員ではないので、理事会の決議には拘束され
ない(35条1項・2項参照)
。したがって、監事は、自由に議決権を行使できる
ので、自分の1票と委任状を反対票として使うことができる。
3 適切である。委任状による場合は、賛否の意思決定は代理人(受任者)に委ね
られる(コメント46条関係⑥)
。そして、肢1で述べたように、理事長は、理事
会の決議に拘束されるので、自分の1票と委任状を賛成票として使わなければな
らない。
4 適切でない。委任状による場合は、賛否の意思決定は代理人(受任者)に委ね
られる(コメント46条関係⑥)
。そして、議決権の行使においては自己矛盾する
ような使い方は、信義則上すべきではなく、賛成・反対は統一して行使すべきで
ある(民法1条2項)。したがって、委任状を賛否の比率に応じて分けて使うこ
とはできない。
正解
4
243
難易度
標準管理規約
(理事長の権限等)
Rank
★☆☆
H26−25
チェック
問 168 規約の変更に関する次の記述のうち、区分所有法及び民法の規定並び
にマンション標準管理規約(単棟型)(以下「標準管理規約」という。)によれば、
適切なものはどれか。
1 ペットの飼育を容認する旨変更し、ペットの飼育をする区分所有者及び占有者
に対し、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、当該区分所有者
及び占有者が改善勧告に従わない場合には、理事会が飼育禁止を含む措置をとる
ことができる旨定めた。
2 敷地の共有持分割合を、専有部分の床面積割合から各住戸毎に均等へと変更し
た。
3 理事長は、マンションの敷地及び共用部分である集会室を管理所有する旨変更
した。
4 理事長は、集会に代えて、文書により毎年1回一定の時期にその事務に関する
報告を行うことができる旨変更した。
244
解 説
正解
1
245
標準管理規約
1 適切である。犬、猫等のペットの飼育に関しては、それを認める、認めない等
の規定は規約で定めるべき事項である。なお、飼育を認める場合には、動物等の
種類及び数等の限定、管理組合への届出又は登録等による飼育動物の把握、専有
部分における飼育方法並びに共用部分の利用方法及びふん尿の処理等の飼育者の
守るべき事項、飼育に起因する被害等に対する責任、違反者に対する措置等の規
定を定める必要がある(標準管理規約(単棟型)コメント18条関係②)。そして、
ペット飼育を容認する場合の規約例として、
「ペット飼育を希望する区分所有者
及び占有者は、
使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。
ただし、他の区分所有者又は占有者からの苦情の申し出があり、改善勧告に従わ
ない場合には、理事会は、飼育禁止を含む措置をとることができる。」との例が
挙げられており、このような内容の規約を定めることが適切であることが前提と
なっている。
2 適切でない。敷地及び附属施設の共有持分は、規約で定まるものではなく、分
譲契約等によって定まるものである(コメント10条関係②)
。したがって、規約
で敷地の共有持分割合を変更することはできない。
3 適切でない。標準管理規約において、理事長は、区分所有法に定める管理者と
されている(38条2項)。そして、管理者は、規約に特別の定めがあるときは、
共用部分を所有することができる(区分所有法27条1項)。管理所有の対象は共
用部分に限定されているため、敷地は対象とならない。
4 適切でない。標準管理規約において、理事長は、区分所有法に定める管理者と
されている(標準管理規約(単棟型)38条2項)
。そして、管理者は、集会にお
いて、毎年1回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない(区
分所有法43条)
。この報告について、規約で別段の定めは認められていないため、
本肢のような規約変更は許されない。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H25−31
チェック
(理事長の権限)
問 169 理事長の管理組合での業務執行上の行為に関する次の記述のうち、標
準管理規約によれば、適切なものはどれか。
1 理事長が、理事会の承認を得て、総会における事務報告の一部を会計担当理事
に委任し、報告させた。
2 理事長が、監事が組合員でなくなったことからその地位を失ったところ、次期
役員が選任される通常総会まであと2ヵ月の時期に、理事の一人を監事に交替さ
せた。
3 理事長が、役員の活動経費や報酬に関する定めがないにもかかわらず、理事長
としての活動に応ずる必要経費及び報酬を受領した。
4 理事長が、管理組合が雇用している職員を、理事会の承認を得ることなく解雇
した。
解 説
1 適切である。理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度におけ
る管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない(標準管理規約(単
棟型)38条3項)。もっとも、理事長は、理事会の承認を受けて、他の理事に、
その職務の一部を委任することができる(同条5項)
。
2 適切でない。監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結
果を総会に報告する役割を有する(41条1項)。したがって、その性質上、理事
と兼任することはできず、また、兼任していなくとも、自己が理事としてした業
務執行を監事の立場で監査することも認められない。
3 適切でない。役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必
要経費の支払と報酬を受けることができる(37条2項)
。したがって、少なくと
も報酬の受領には「別に定め」があることが必要である。
4 適切でない。理事長は、
「理事会の承認を得て」
、職員を採用し、又は解雇する
ことができる(38条1項2号)
。
正解
246
1
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H24−29
チェック
(理事長の権限)
問 170 総会の決議によらず、理事長が理事会の承認又は決議のみで行うこと
ができる事項は、標準管理規約によれば、次のうちいくつあるか。
標準管理規約
ア 職員の採用又は解雇を行うこと。
イ 監事の選任を行うこと。
ウ 役員活動費の支払方法を決定すること。
エ 修繕積立金の運用方法を変更すること。
オ 未納の管理費の請求に関し管理組合を代表して訴訟を追行すること。
カ 使用細則を変更すること。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
解 説
ア 行うことができる。職員を採用し、又は解雇することは、理事長が、理事会の
承認を得るのみで行うことができるものである(標準管理規約(単棟型)38条1
項2号)
。
イ 行うことができない。役員の選任及び解任は、総会の決議を経なければならな
い(48条13号)
。
ウ 行うことができない。役員活動費の額及び支払方法は、総会の決議を経なけれ
ばならない(48条13号)
。
エ 行うことができない。修繕積立金の保管及び運用方法は、総会の決議を経なけ
ればならない(48条8号)
。
オ 行うことができる。未納の管理費等及び使用料の請求に関する訴訟その他法的
措置の追行は、理事会の決議事項である。そして、理事長は、未納の管理費等及
び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その
他法的措置を追行することができる(54条1項7号、60条4項)。
カ 行うことができない。規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止は、総会の決
議を経なければならない(48条4号)
。
以上により、理事長が、理事会の承認又は決議のみで行うことができる事項は、
アとオの二つであるので、正解は肢2となる。
正解 2
247
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−30
チェック
(総会の決議)
問 171 分譲後20年以上経過した甲マンションでは、高齢化等により利用者が
少なくなったこともあり、老朽化した機械式立体駐車場を撤去しそこに平面駐車場
を設ける計画がある。この場合の問題点に関するマンション管理士の理事会におけ
る次の発言のうち、標準管理規約の規定によれば、適切でないものはどれか。ただ
し、機械式立体駐車場は、敷地上にあり、組合員の共有に属するものとする。
1 駐車場としては同じですが、機械式立体駐車場から平面駐車場への変更につい
ては、大規模で著しい加工を伴いますので、総会で組合員総数及び議決権総数の
3
各 以上の決議が必要です。
4
2 機械式立体駐車場使用料は、駐車場会計として独立した会計処理が行われてい
ましたが、平面駐車場使用料については、その管理に要する費用に充てた残額は、
修繕積立金として積み立てることにします。
3 機械式立体駐車場利用細則を廃止するとともに、平面駐車場の管理方法、使用
料等に関する平面駐車場利用細則を制定する場合には、それぞれ総会の決議によ
ることとなります。
4 機械式立体駐車場から平面駐車場への変更については、専門家を加えた専門委
員会を設置し検討することとし、
同委員会の運営細則を理事会で制定すべきです。
解 説
1 適切である。駐車場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うも
のは、総会の特別多数決議(組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の多数
による決議)により、実施可能と考えられる(標準管理規約(単棟型)47条3項
2号、コメント47条関係⑤カ)
。
2 適切である。駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それ
らの管理に要する費用に充てるほか、修繕積立金として積み立てる。なお、機械
式駐車場を有する場合は、その維持及び修繕に多額の費用を要することから、管
理費及び修繕積立金とは区分して経理することもできる(29条、コメント29条関
係)
。
3 適切である。規約及び使用細則等の制定、変更又は廃止は、総会の決議により
行わなければならない(48条4号)
。
4 適切でない。運営細則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決
議が必要となる。そして、運営細則の制定も、総会の決議により行わなければな
らない(48条4号、コメント55条関係①)
。
正解
248
4
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H26−27
チェック
(駐車場)
問 172 マンションにおける平面式駐車場の使用契約に関する次の記述のう
ち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
解 説
1 適切である。駐車場使用細則、駐車場使用契約等に、管理費、修繕積立金の滞
納等の規約違反の場合は、契約を解除できるか又は次回の選定時の参加資格をは
く奪することができる旨の規定を定めることもできる(標準管理規約(単棟型)
コメント15条関係⑥)
。
2 適切である。区分所有者がその所有する専有部分を、他の区分所有者又は第三
者に譲渡又は貸与したときは、
その区分所有者の駐車場使用契約は効力を失う(15
条3項)
。
3 適切である。駐車場を使用している者は、別に定めるところにより、管理組合
に駐車場使用料を納入しなければならない(15条2項)
。そして、駐車場使用料
その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それらの管理に要する費用に充て
るほか、修繕積立金として積み立てる(29条)
。
4 適切でない。敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負
担においてこれを行うものとする(21条1項)。そして、駐車場の管理は、管理
組合がその責任と負担で行う(コメント21条関係②)
。
正解
4
249
標準管理規約
1 駐車場使用契約には、管理費、修繕積立金の滞納等の規約違反の場合は、次回
の選定時の参加資格をはく奪することができる旨の規定を設けることができる。
2 管理組合と駐車場使用契約を締結している区分所有者が、その所有する専有部
分を第三者に貸与したときは、その区分所有者が契約している駐車場使用契約は
効力を失う。
3 駐車場使用契約により駐車場を使用している区分所有者は、駐車場使用細則等
で定められている使用料を管理組合に納入しなければならず、管理組合は、当該
使用料を駐車場の管理に要する費用に充てるほか、
修繕積立金として積み立てる。
4 駐車場の管理については、駐車場使用契約を締結し駐車場を使用する区分所有
者が、その責任と負担で行わなければならない。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−28
チェック
(総会)
問 173 管理組合の理事長から、総会の運営に関する助言を求められたマンシ
ョン管理士が行った次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはど
れか。
1 総会での会議の目的につき専有部分の賃借人が利害関係を有する場合には、賃
借人にも総会招集通知を発し、遅滞なくその通知の内容を所定の掲示場所に掲示
しなければなりません。
2 委任状は、理事長に提出することになっていますが、組合員本人からも代理人
からも提出することができます。
3 建替え決議を目的とする総会を招集する場合には、少なくとも総会開催日の1
ヵ月前までに、招集の際に通知すべき事項について、組合員に対し、説明会を開
催する必要があります。
3
4 組合員総数及び議決権総数の各 以上で決する決議において組合員総数を計算
4
する場合、一人の組合員が複数の住戸を所有しているときも、数人の組合員が一
戸の住戸を共有しているときも、組合員は1人と計算します。
解 説
1 適切でない。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的に
つき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる(標
準管理規約(単棟型)45条2項)
。そして、この場合には、集会招集の通知を(組
合員に)発した後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなけれ
ばならない(43条8項)
。したがって、
この場合でも、
専有部分の占有者(賃借人)
に対して、総会招集通知を発する必要はない。
2 適切である。組合員又は代理人は、代理権を証する書面(委任状)を理事長に
提出しなければならない(46条6項)。したがって、委任状は、組合員本人から
も代理人からも提出することができる。
3 適切である。建替え決議又はマンション敷地売却決議を目的とする総会を招集
する場合、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、当該招集の際に通知すべ
き事項について組合員に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない
(43条7項)
。
4 適切である。1人の組合員が複数の住戸を所有している場合でも、組合員は1
人と計算する。また、住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使につ
いては、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす(46条2項)。
正解
250
1
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−30
チェック
(理事会)
問 174 管理組合の理事会の運営等に関する次の記述のうち、標準管理規約に
よれば、適切でないものはどれか。
解 説
1 適切でない。理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことがで
きず、
その議事は出席理事の過半数で決する(標準管理規約(単棟型)53条1項)
。
理事会では、総会と異なり「書面による決議」は、原則として、認められない。
なお、専有部分の修繕等の承認又は不承認(17条)
、敷地及び共用部分等の保存
行為の承認又は不承認(21条)
、窓ガラス等の改良の承認又は不承認(22条)に
限っては、理事の過半数の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議に
よることができる(53条2項、54条1項5号)
。
2 適切である。理事会の招集手続については、
総会の招集手続の規定である43条
(建
替え決議又はマンション敷地売却決議を会議の目的とする場合の1項及び4項から
8項までを除く)の規定が準用される。したがって、2週間前までに通知を発する
のが原則である。
ただし、
理事会において別段の定めをすることができる
(52条4項)
。
3 適切である。理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置
し、特定の課題を調査又は検討させることができる(55条1項)。そして、専門
委員会の検討対象が理事会の責任と権限を越える事項である場合や、理事会活動
に認められている経費以上の費用が専門委員会の検討に必要となる場合、運営細
則の制定が必要な場合等は、専門委員会の設置に総会の決議が必要となる(コメ
ント第55条関係①)
。
4 適切である。理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による
請求があったときは、
議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、
閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる(53条4項、(ア)49
条3項、
(イ)49条5項)
。専有部分の賃借人は、利害関係人に当たる。
正解 1
251
標準管理規約
1 収支決算案及び収支予算案を理事会において決議すべき場合において、理事全
員の承諾があるときは、
理事会を開催せずに書面による決議をすることができる。
2 理事会の招集通知(建替え決議を会議の目的とする場合を除く。)は、理事会
の1週間前までに理事長が発する旨を理事会で定めることができる。
3 専門委員会での検討に、理事会活動に認められている経費以上の費用が必要と
なる場合には、専門委員会の設置に総会の決議が必要である。
4 理事長は、専有部分の賃借人から書面による理事会議事録の閲覧請求があった
ときは、これを閲覧させなければならない。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆ H21−31改
チェック
(理事会)
問 175 理事会に関する次の記述のうち、標準管理規約(電磁的方法が利用可
能でない場合とする。
)の規定によれば、適切なものはどれか。
1 理事の一人が一定数以上の理事の同意を得て理事長に対し、理事会の招集を請
求したにもかかわらず、理事長が招集しない場合でも、その請求をした理事が理
事会を招集することはできない。
2 理事会において定める理事会の開催通知に必要な期間は、総会の招集手続に関
する規約の規定が準用されるので、緊急を要する場合であっても、5日間を下回
ることはできない。
3 監事から出席する旨の通知のあった理事会において、理事の半数以上は出席し
ていたが監事がやむを得ず欠席していた場合には、その日の理事会は成立せず、
その理事会でなされた決議は無効である。
4 理事長は、理事会の議事録を作成して保管し、組合員から媒介の依頼を受けた
宅地建物取引業者から書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなけ
ればならない。
解 説
1 適切でない。理事が一定数以上の理事の同意を得て理事会の招集を請求した場
合には、理事長は速やかに理事会を招集しなければならない(標準管理規約(単
棟型)52条2項)
。そして、この招集請求があった場合に、理事長が一定の期間
内に理事会を招集しないときは、招集請求をした理事が理事会を招集することが
できる(同条3項)
。
2 適切でない。理事会の招集手続については、総会の招集手続に関する一定の規
定が準用されているが、この点については、理事会において別段の定めをするこ
ともできる(52条4項、43条9項)。したがって、理事会において定める理事会
の開催通知に必要な期間は、理事会において別段の定めをすれば、5日間を下回
ることができる。
3 適切でない。理事会の会議は、理事の半数以上が出席すれば、開くことができ
る
(53条1項)
。したがって、
監事から出席する旨の通知があった理事会において、
当該監事が欠席した場合でも、理事の半数以上が出席していれば、その理事会は
成立し、その理事会でなされた決議は有効である(コメント41条関係②)。
4 適切である。理事長は、理事会の議事録を作成して保管し、利害関係人の書面
による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。そして、こ
こで言う「利害関係人」には、組合員から媒介の依頼を受けた宅建業者も含まれ
る(53条(ア)4項、49条(ア)1項・3項、コメント49条関係①)。
正解 4
252
難易度
標準管理規約
Rank
★★☆
H25−26
チェック
(普通決議)
問 176 管理費等に余剰又は不足が生じた場合の取扱いについて、総会の普通
決議で行うことができるものは、標準管理規約によれば、次のうちどれか。
標準管理規約
1 管理費に余剰が生じた場合に、これを修繕積立金に振り替えること。
2 管理費に不足が生じた場合に、修繕積立金の一部を管理費に振り替えること。
3 管理費に余剰が生じ修繕積立金が不足する場合に、管理費を引き下げ、修繕積
立金を引き上げること。
4 管理費に不足が生じ修繕積立金に余剰がある場合に、共用設備の保守維持費の
支払に充てるため、修繕積立金を取り崩すこと。
解 説
1 普通決議で行うことはできない。収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合
には、余剰は翌年度における管理費に充当する(標準管理規約(単棟型)61条1
項)
。したがって、余剰を修繕積立に振り替えるには、規約変更の特別決議が必
要である。
2 普通決議で行うことはできない。修繕積立金は、原則として、①一定年数の経
過ごとに計画的に行う修繕、②不測の事故その他特別の事由により必要となる修
繕、③敷地及び共用部分等の変更、④建物の建替え及びマンション敷地売却に係
る合意形成に必要となる事項の調査、
⑤その他敷地及び共用部分等の管理に関し、
区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理に要する経費に充当する場
合に限って取り崩すことができる(28条1項)
。したがって、管理費に振り替え
るには、規約変更の特別決議が必要である。
3 普通決議で行うことができる。規約に金額が明記されていない限り、管理費の
引き下げ及び修繕積立金の引き上げは、規約の変更に該当しない。したがって、
普通決議で行うことができる。
4 普通決議で行うことはできない。前述のとおり、修繕積立金を取り崩すことの
できる事項は限定されており、共用設備の保守維持費は、これに該当しない。し
たがって、これを行うためには、規約変更の特別決議が必要である。なお、共用
設備の保守維持費は、通常の管理に要する経費として管理費を充当すべき項目と
されている(27条3号)
。
正解
3
253
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−29
チェック
(総会の決議)
問 177 管理組合で行う次のア∼キの各工事のうち、標準管理規約によれば、
3
総会で組合員総数及び議決総数の各 以上の決議が必要なものはいくつあるか。
4
ア 防犯カメラの設置工事
イ 集会室の延べ床面積を2倍に増築する工事
ウ 不要となった高置水槽の撤去工事
エ 耐震改修工事に関し、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻き付けて補修する
工事
オ 玄関扉の一斉交換工事
カ バリアフリー化工事に関し、階段室部分を改造し、エレベーターを新たに設置
する工事
キ 計画修繕工事で行う給水管更生・更新工事
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
解 説
次の各号に掲げる事項に関する総会の議事は、組合員総数の4分の3以上及び議
決権総数の4分の3以上で決する(標準管理規約(単棟型)47条3項)。
規約の制定、変更又は廃止
敷地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの
及び建築物の耐震改修の促進に関する法律25条2項に基づく認定を受けた建物
の耐震改修を除く)
区分所有法58条1項、59条1項又は60条1項の訴えの提起(=義務違反者に
対する措置)
建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復
旧
その他総会において本項の方法により決議することとした事項
本問の各記述は、上記 に該当するかどうかが問題となる。
ア 必要でない。防犯化工事に関し、オートロック設備を設置する際、配線を、空
き管路内に通したり、建物の外周に敷設したりするなど共用部分の加工の程度が
小さい場合の工事や、防犯カメラ、防犯灯の設置工事は、普通決議により、実施
可能と考えられる(標準管理規約コメント47条関係⑤ウ)。
254
よって、総会で組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の決議が必要なもの
はイとカの二つであり、正解は肢2となる。
正解
2
255
標準管理規約
イ 必要である。集会室、駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著
しい加工を伴うものは、特別多数決議により、実施可能と考えられる(コメント
47条関係⑤カ)
。
ウ 必要でない。既に不要となったダストボックスや高置水槽等の撤去工事は、普
通決議により、実施可能と考えられる(コメント47条関係⑤カ)。
エ 必要でない。耐震改修工事に関し、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻き付
けて補修する工事や、構造躯体に壁や筋かいなどの耐震部材を設置する工事で基
本的構造部分への加工が小さいものは、普通決議により、実施可能と考えられる
(コメント47条関係⑤イ)
。
オ 必要でない。窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事は、普通決議により、
実施可能と考えられる(コメント47条関係⑤カ)
。
カ 必要である。バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す
等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議
により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレ
ベーターを新たに設置する工事は、特別多数決議により、実施可能と考えられる
(コメント47条関係⑤ア)
。
キ 必要でない。計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水
工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター
設備の更新工事は、
普通決議で、
実施可能と考えられる(コメント47条関係⑤オ)。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H21−32
チェック
(総会の決議)
問 178 管理組合の運営と総会の普通決議(出席組合員の議決権の過半数で決
する決議をいう。この問において以下同じ。)に関する次の記述のうち、標準管理
規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 各組合員の共用部分の共有持分は同一ではないが、管理費の赤字を補填するた
め、総会の普通決議により、
「組合員に各戸一律5万円を負担してもらう。」こと
とした。
2 理事会の出席率が悪いので、総会の普通決議により、「理事と同居する親族は、
理事を代理して理事会に出席することができる。
」との理事会運用細則を制定す
ることとした。
3 総会での普通決議により、管理会社を変更し、併せて、「変更後の管理会社と
の委託業務費の決定については、予算の範囲内であれば、理事会に一任する。
」
こととした。
4 総会の普通決議事項について、総会において、複数の案から1案を選択するべ
く決議を行ったが、どの案も過半数に達しなかったので、「比較多数を得た案に
決定する。
」こととした。
解 説
1 適切でない。管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して共
用部分の共有持分の割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができ
る(標準管理規約(単棟型)61条2項、25条2項)。したがって、各組合員の共
用部分の共有持分が同一でないのに、組合員に各戸一律5万円を負担させること
は、適切でない。
2 適切でない。理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又
は一親等の親族に限り、
代理出席を認める旨を「規約に」定めることもできる(コ
メント53条関係③)
。したがって、理事会の出席率が悪いことを理由に、総会の
普通決議により、
「理事と同居する親族が、理事を代理して理事会に出席できる」
旨の理事会運用細則を制定することは、適切でない。
3 適切である。組合管理部分に関する管理委託契約の締結(管理会社の変更)に
ついては、総会の普通決議が必要である。また、理事会は、総会から付託された
事項を決議することができるので、変更後の管理会社との委託業務費の決定につ
いては、予算の範囲内であれば、理事会に一任することができる(48条14号、47
条2項、54条1項9号)
。
4 適切でない。総会の議事は、
出席組合員の議決権の過半数で決する(47条2項)。
したがって、総会の普通決議事項について、複数の案から1案を選択する決議を
行い、どの案も過半数に達しなかったときは、決議は成立せず、比較多数を得た
案に決定することはできない。
正解
256
3
難易度
標準管理規約
(総合の決議)
Rank
★☆☆
H26−31
チェック
問 179 甲マンション
(専有部分の総数は20戸、
各専有部分の床面積は等しい。
)
は、組合員Aが4戸、組合員Bが3戸、組合員Cが2戸、その他に11人の組合員
が各1戸を所有している。この場合における管理組合の総会における決議に関する
次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。ただし、総会には
全組合員が出席しているものとし、各組合員の議決権は、共有持分の割合によるも
のとする。
257
標準管理規約
1 甲マンションの建替えは、B及びCが反対しても、それ以外の組合員が賛成で
あれば、実施することができる。
2 計画修繕工事に関し、外壁補修工事、給水管更新工事及びエレベーター設備更
新工事は、A、B及びCが反対しても、それ以外の組合員が賛成であれば、実施
することができる。
3 バリアフリー化工事に関し、階段部分を改造しエレベーターを新たに設置する
工事は、A及びCが反対しても、それ以外の組合員が賛成であれば、実施するこ
とができる。
4 窓枠、玄関扉の一斉交換工事は、A、B、C及びその他の組合員のうち2人の
計5人が反対しても、それ以外の組合員が賛成であれば、実施することができる。
解 説
甲マンションでは、専有部分の総数は20戸で、各専有部分の床面積は等しく、各
組合員の議決権は共有持分の割合によるものとされている。したがって、議決権総
数は20である。また、総戸数20戸のうち、組合員Aが4戸、組合員Bが3戸、組合
員Cが2戸を所有し、その他に11人の組合員が各1戸を所有していることから、組
合員総数は14人である。以上を前提に、各肢を検討する。
1 適切でない。建替えの実施には、組合員総数及び議決権総数の各5分の4以上
の多数の決議が必要であるため(標準管理規約(単棟型)47条4項)
、組合員の
12以上及び議決権の16以上の賛成が必要となる。B及びCが反対し、それ以外の
組合員は賛成している場合、賛成の組合員数は12であるが、議決権数は15である
ため、建替えは実施できない。
2 適切である。計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水
工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター
設備の更新工事は、普通決議で実施可能と考えられる(コメント47条関係⑤オ)。
そして、標準管理規約における普通決議は、出席組合員の議決権の過半数で決す
る(47条2項)
。本問では、総会に全組合員が出席しているため、議決権総数20
の過半数である11以上の賛成が必要となるところ、A、B及びCが反対し、それ
以外の組合員が賛成している場合、賛成の議決権数は11であり、本肢の工事を実
施することができる。
3 適切でない。バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す
等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議
により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレ
ベーターを新たに設置する工事は特別多数決議により実施可能と考えられる(コ
メント47条関係⑤ア)。したがって、組合員総数及び議決権総数の各4分の3以
上の賛成が必要である(47条3項2号)。本問では、組合員については11以上、
議決権については15以上の賛成が必要となるところ、A及びCが反対し、それ以
外の組合員が賛成している場合、賛成の組合員数は12であるが、議決権数は14で
あるため、本肢の工事を実施することはできない。
4 適切でない。窓枠、窓ガラス、玄関扉等の一斉交換工事、既に不要となったダ
ストボックスや高置水槽等の撤去工事は普通決議により、実施可能と考えられる
(コメント47条関係⑤カ)
。そして、標準管理規約における普通決議は、出席組合
員の議決権の過半数で決する(47条2項)
。本問では、総会に全組合員が出席し
ているため、議決権総数20の過半数である11以上の賛成が必要となるところ、A、
B、C及びその他の組合員のうち2名が反対している場合、賛成の議決権数は9
であるため、本肢の工事を実施することはできない。
正解
258
2
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H25−25
チェック
(管理組合の運営)
問 180 管理組合の総会及び理事会の運営に関する次の記述のうち、マンショ
ン標準管理規約(単棟型)
(以下「標準管理規約」という。)によれば、適切でない
ものはどれか。ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
解 説
1 適切でない。理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による
請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない(標準管理規約(単
棟型)
(ア)49条3項)
。この規定は、
理事会議事録についても準用されている(53
条(ア)4項)
。
2 適切である。管理規約の変更は、総会では、組合員総数の4分の3以上及び議
決権総数の4分の3以上で決する(47条3項1号)
。これに対し、理事会での議
事は、出席理事の過半数で決する(53条1項)。理事会での議決要件は、決議内
容によって差異は設けられていない。
3 適切である。総会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議す
ることができる
(47条10項)。これに対し、
理事会は機動性が重視されているため、
このような規制がない。したがって、理事会の場合、必要があれば、理事会当日
にその場で提案された事項についても決議できる。
4 適切である。監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があ
ると認めるときは、臨時総会を招集することができる(41条3項)。
正解
1
259
標準管理規約
1 理事長は、専有部分の賃借人の書面による議事録の閲覧請求があったときは、
総会議事録については閲覧をさせなければならないが、理事会議事録については
閲覧をさせる必要はない。
3
3
2 管理規約の変更は、総会では組合員総数の 以上及び議決権総数の 以上で決
4
4
するが、総会に提案する規約変更案を理事会で決定する場合は、出席理事の過半
数で決する。
3 総会では、招集通知によりあらかじめ通知した事項以外を決議することはでき
ないが、理事会ではそのような制限はなく、必要があれば、理事会当日にその場
で提案された事項についても決議をすることができる。
4 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めると
きは、臨時総会を招集することができる。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H25−29
チェック
(管理組合の運営)
問 181 管理組合の運営等に関する書類の保管及び閲覧に係る次の記述のう
ち、標準管理規約によれば、適切なものはどれか。ただし、電磁的方法が利用可能
ではない場合とする。
1 総会議事録及び理事会議事録は、理事長が保管し、かつ、所定の掲示場所に、
保管場所を掲示しなければならない。
2 長期修繕計画書及び修繕履歴情報は、理事長が保管し、かつ、所定の掲示場所
に、保管場所を掲示しなければならない。
3 規約原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人から書面による閲覧
請求があった場合において、書面に閲覧理由が記載されていないときは、閲覧を
拒むことができる。
4 組合員名簿は、理事長が保管し、組合員又は利害関係人から書面による閲覧請
求があった場合において、書面に閲覧理由が記載されていないときは、閲覧を拒
むことができる。
解 説
1 適切でない。理事長は、総会議事録を保管し、所定の掲示場所に、議事録の保
管場所を掲示しなければならない(標準管理規約(単棟型)
(ア)49条3項・4項)。
これに対し、理事会議事録については、理事長が保管する必要はあるものの、保
管場所の掲示が必要である旨の規定はない(53条(ア)4項)。
2 適切でない。長期修繕計画書及び修繕履歴情報は、理事長が保管すべき書類と
されている(64条2項、32条3号・6号、コメント32条関係⑦)。しかし、保管
場所の掲示が必要である旨の規定はない。
3 適切でない。規約原本は、理事長が保管し、区分所有者又は利害関係人の書面
による請求があったときは、規約原本の閲覧をさせなければならない(標準管理
規約(単棟型)
(ア)72条2項)。閲覧理由の記載は要件とされていない。
4 適切である。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳
票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求が
あったときは、これらを閲覧させなければならない(
(ア)64条1項)。請求には
閲覧理由の記載が要件とされているため、これが記載されていない場合には、閲
覧を拒むことができる。
正解
260
4
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−27
チェック
(管理組合の運営)
問 182 管理組合の運営等に係る各種書類の作成、保管等に関する次の記述の
うち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
解 説
1 適切でない。総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならな
い。そして、組合員から招集された臨時総会においては、議長は、総会に出席し
た組合員の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する。したがって、役
員以外の組合員から選任された議長が、議事録を作成するのではない。また、総
会の議事録は、議長ではなく、理事長が保管しなければならない(標準管理規約
(単棟型)
(ア)49条1項、44条(ア)3項、
(ア)49条3項)。
2 適切でない。理事会の議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、
議長及び議長の指名する2名の理事会に出席した理事が、これに署名押印しなけ
ればならない(53条(ア)4項、
(ア)49条2項)
。
3 適切である。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳
票類を作成し、保管しなければならない(
(ア)64条1項)。したがって、会計担
当理事がいる場合であっても、会計帳簿や什器備品台帳は、理事長が作成し、保
管しなければならない。
4 適切でない。
規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、
理事長は、1通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規
約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名押印した上
で、この書面を保管する(
(ア)72条3項)。したがって、本肢の記述は適切でな
い。
正解 3
261
標準管理規約
1
1 組合員から組合員総数及び議決権総数の 以上に当たる組合員の同意を得て、
5
会議の目的を示して招集された臨時総会の議事録は、その総会で、役員以外の組
合員から選任された議長が、議事録を作成し、保管することになる。
2 理事会議事録には、議事の経過の要領及び結果を記載し、議長である理事長と、
理事会に出席した理事で議長が指名した者1人及び監事1人がそれぞれ署名押印
しなければならない。
3 会計帳簿や什器備品台帳は、会計担当理事がいる場合であっても、理事長が作
成し、保管しなければならない。
4 規約が規約原本の内容から総会決議により変更されたときは、当該規約の変更
に係る総会の議事録を変更前の規約原本に添付することにより、新たな規約原本
とすることができる。
難易度
標準管理規約
Rank
★★★
H26−32
チェック
(管理組合の書類等)
問 183 理事長が保管する書類について閲覧等の請求があった場合の理事長の
対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはどれか。
ただし、電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
1 組合員が、理事会の議事録について、書面による閲覧及び謄写の請求をしてき
た場合には、閲覧のみを認め、謄写は拒むことができる。
2 組合員から媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者が、総会及び理事会の議事録
について、書面による閲覧請求をしてきた場合には、総会の議事録のみを認め、
理事会の議事録は拒むことができる。
3 組合員が、会計帳簿及び什器備品台帳について、書面による閲覧請求をしてき
た場合には、書面に閲覧理由が記載されていないときは、閲覧を拒むことができる。
4 組合員から専有部分を賃借している者が、総会の議事録について、書面による
閲覧請求をしてきた場合には、閲覧につき、相当の日時及び場所を指定すること
ができる。
解 説
1 適切である。理事会の議事録には、総会の議事録の規定が準用されている。し
たがって、理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求
があったときは、
議事録の閲覧をさせなければならない(標準管理規約(単棟型)
53条(ア)4項、
(ア)49条3項)。もっとも、閲覧に関する規定はあるが、謄写
をさせるべき旨の規定はないため、謄写については拒むことができる。なお、理
事長は、理事会の議事録に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由
を付した書面による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書
面を交付することができる(
(ア)64条3項)
。
2 適切でない。理事会の議事録については、総会の議事録の規定が準用されてい
る。したがって、理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面によ
る請求があったときは、
議事録の閲覧をさせなければならない(53条(ア)4項、
(ア)49条3項)
。そのため、利害関係人である宅建業者が、総会及び理事会の議
事録について、書面による閲覧請求をしてきた場合、いずれの議事録も閲覧を拒
むことはできない。
3 適切である。理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳
票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の「理由を付した」書面による請
求があったときは、これらを閲覧させなければならない((ア)64条1項)。した
がって、書面に理由が記載されていないときは、閲覧を拒むことができる。
4 適切である。理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による
請求があったときは、
議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、
閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる((ア)49条3項)。
正解
262
2
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H24−30
チェック
(議事録)
問 184 通常総会の議事録に関する次の記述のうち、標準管理規約(電磁的方
法が利用可能ではない場合とする。)によれば、誤った取扱いとならないのは、次
のうちどれか。
解 説
議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する
2名の総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない(標準管理規約
(単棟型)
(ア)49条2項)
。
1 正しい。総会の議長は、理事長が務める(42条5項)
。したがって、理事長の
肩書を記した上で自分の氏名を署名し、自分の個人印ではなく理事長印を押した
ことは、
「議長」の署名押印がなされたものといえ、誤った取扱いではない。
2 誤り。署名と押印の両方が必要なので、押印欄を削除し、署名のみで足りると
することはできない。
3 誤り。署名押印する「総会に出席した組合員」に関しては、法的に出席と「み
なされる」者ではなく、実際に出席した者が署名押印する必要がある。
4 誤り。署名押印するのは、議長の指名する「2名」の総会に出席した組合員で
なければならないので、1名の署名押印では足りない。
正解
1
263
標準管理規約
1 議長が総会議事録の議長署名押印欄に理事長の肩書きを記したうえで自分の氏
名を署名し、自分の個人印でなく理事長印を押した。
2 総会議事録の署名押印欄のうち押印欄を削除し、
署名のみで足りることとした。
3 総会議事録の組合員署名押印欄に、委任状を提出し当日欠席していたが、出席
者とみなされた組合員が署名押印した。
4 総会議事録の組合員の署名押印を一人とし、当日出席していた組合員の中から
議長の指名する組合員一人が署名押印した。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H23−28
チェック
(理事長の情報提供)
問 185 理事長が区分所有者等に対して行う情報提供の在り方に係る次の記述
のうち、標準管理規約の規定によれば、適切なものはどれか。
1 理事長は、組合員からの要請があれば、その都度、その組合員に対し、管理組
合の業務の執行に関する報告をしなければならない。
2 理事長は、会計担当理事をして、広報誌等により、組合員に対し、毎月、管理
費等の収納状況を報告させなければならない。
3 理事長は、共用部分等について生じた損害賠償の請求につき、区分所有者のた
めに訴訟において被告となったときは、遅滞なく、区分所有者に対しその旨を通
知しなければならない。
4 理事長は、理事会の議事録を保管し、所定の掲示場所に議事録の保管場所を掲
示して、区分所有者又は利害関係人からの閲覧請求があれば、閲覧させなければ
ならない。
解 説
1 適切でない。理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度におけ
る管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない(標準管理規約(単
棟型)38条3項)
。しかし、組合員からの要請がある都度、報告をしなければな
らないという規定はない。
2 適切でない。会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業
務を行う(40条3項)
。しかし、本肢のような、理事長が、会計担当理事に、毎月、
管理費の収納状況を報告させなければならない旨の規定はない。
3 適切である。理事長は、理事会の決議を経て、敷地及び共用部分等について生
じた損害賠償金又は不当利得による返還金の請求又は受領に関し、区分所有者の
ために、訴訟において原告又は被告となること、その他法的措置をとることがで
きる。理事長は、この規定に基づき、区分所有者のために、原告又は被告となっ
たときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない(67条3項
2号・6項)
。
4 適切でない。理事長は、「総会」の議事録を保管し、組合員又は利害関係人の
書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。また、
理事長は、
所定の掲示場所に、
議事録の保管場所を掲示しなければならない((ア)
49条3項・4項、
(イ)49条5項・6項)
。しかし、
「理事会」の議事録に関しては、
保管場所の掲示に関する規定はない(53条(ア)
(イ)4項参照)。
正解
264
3
難易度
標準管理規約・区分所有法
(管理費等の滞納)
Rank
★☆☆
H23−32
チェック
問 186 管理費等を滞納している区分所有者に対する管理組合の対応につい
て、理事長が総会で行った次の説明等のうち、標準管理規約、区分所有法及び民法
の規定によれば、適切なものはどれか。
265
標準管理規約
1 滞納している区分所有者が所有している住戸が賃貸に供されている場合には、
その住戸の賃借人に対して、直接、滞納管理費等を請求することとします。
2 理事会決議により、理事長が、管理組合を代表して、滞納管理費等の請求に関
して滞納者に対して少額訴訟を提起したので、その状況、当該滞納者の氏名に代
わる符号、その滞納額、滞納状況等を報告します。
3 管理費等の滞納は、共同の利益に反する行為に該当するので、滞納しているす
べての区分所有者に対して、区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することと
します。
4 現に駐車場を使用している滞納者に対しては、駐車場使用細則を改正し管理費
等の滞納があれば駐車場使用契約を解除できるという条項を新たに設け、駐車場
使用期間中であっても駐車場使用契約を解除することとします。
解 説
1 適切でない。区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てる
ため、管理費等を管理組合に納入しなければならない(標準管理規約(単棟型)
25条1項)
。したがって、
納付する法的義務を負っているのは、区分所有者であり、
賃借人は、原則として納付義務を負わない。
2 適切である。理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の
決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる
(60条4項、54条1項7号)
。そして、理事長は、これにより原告又は被告となっ
たときは、遅滞なく、区分所有者にその旨を通知しなければならない(区分所有
法26条5項、標準規約38条2項)
。その際、具体的な状況等を報告することが望
ましい(民法645条参照)
。
3 適切でない。区分所有者等が建物の管理・使用に関し区分所有者の共同の利益
に反する行為をした場合等には、区分所有法57条から60条までの規定に基づき必
要な措置をとることができる(標準管理規約66条)
。しかし、管理費の滞納は、
直ちに「共同の利益に反する行為」にあたるわけではなく、滞納が極めて長期、
多額で、今後生じる管理費等についても支払う意思がないため、建物の修繕に重
大な支障が生じるような状況に至っているような場合に、初めて該当する。した
がって、滞納しているすべての区分所有者に対して、競売の請求等を行うのは適
切ではない。
4 適切でない。駐車場使用細則、駐車場使用契約等に、管理費、修繕積立金の滞
納等の規約違反の場合は、契約を解除できるか又は次回の選定時の参加資格をは
く奪することができる旨の規定を定めることもできる(コメント15条関係⑥)
。
しかし、この規定が適用されるのは、駐車場使用契約を結んだ時点で、既に改正
された使用細則が発効している場合に限られる。
正解
266
2
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−32
チェック
(理事長の勧告及び指示等)
問 187 施設担当の理事が、大規模修繕工事を行うため建物の事前調査を実施
ふさ
していたところ、ある専有部分に面するバルコニーにおいて、避難ハッチを塞ぐよ
うなかたちで大型物置が設置されているのを見つけた。それに対する管理組合の対
応を協議するための理事会におけるマンション管理士の次の発言のうち、標準管理
規約の規定によれば、適切でないものはどれか。
標準管理規約
1 使用細則には「バルコニーに大型の物件等を設置してはならない。」という明
文の規定がありませんが、大型物置の撤去を請求することができます。
2 賃貸人である区分所有者に無断で、専有部分の賃借人が大型物置を設置した場
合は、賃貸人である区分所有者に対しては責任を問うことはできません。
3 大型物置の撤去に関するマンション管理士への相談料については、管理費から
支出することができます。
4 大型物置の設置の撤去を求める法的措置を行う場合、それに要する弁護士費用
については、違約金として相手方に請求することができます。
解 説
1 適切である。専用使用権は、その対象が敷地又は共用部分等の一部であること
から、それぞれの通常の用法に従って使用しなければならない。したがって、バ
ルコニーにおいて、
避難ハッチを塞ぐようなかたちで大型物置を設置することは、
使用細則にこれを禁止する旨の明文の規定がなくても、規約違反となるので、当
該大型物置の撤去を請求することができる(標準管理規約(単棟型)コメント14
条関係②、67条3項1号)
。
2 適切でない。区分所有者は、その専有部分の貸与を受けた者が規約に違反した
場合には、その是正等のため必要な措置を講じなければならない(67条2項)。
したがって、当該賃貸人である区分所有者に対しても、責任を問うことができる。
3 適切である。専門的知識を有する者の活用に要する費用は、管理費から支出す
る(27条9号)。したがって、マンション管理士への相談料については、管理費
から支出することができる。
4 適切である。規約違反の行為を排除するために法的措置を行う場合には、理事
長は、請求の相手方に対し、違約金としての弁護士費用を請求することができる
(67条4項)
。
正解
2
267
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H22−31
チェック
(理事長の勧告及び指示等)
問 188 理事長がその職務を行うに当たって、理事会の決議を経て行わなけれ
ばならないものは、標準管理規約の規定によれば、次のうちどれか。
1
1 組合員が理事長に対し、組合員総数及び議決権総数の 以上に当たる組合員の
5
同意を得て、監事の解任を目的とする総会の招集を請求した場合において、総会
招集通知を発すること。
2 第三者である運転者の過失による自動車事故により、マンションの外壁に損害
が生じた場合において、原状回復のための必要な措置の請求に関し、当該運転者
に対して訴訟その他法的措置をとること。
3 落雷により共用部分である電気設備について生じた損害について、管理組合が
締結していた損害保険契約に基づき保険金額を請求し、受領すること。
4 専有部分の賃借人から、理由を付した書面により組合員名簿の閲覧請求があっ
た場合において、請求された書面を閲覧に供すること。
解 説
1 理事会の決議は不要である。組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総
数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集
を請求した場合には、理事長は、2週間以内に臨時総会の招集の通知を発しなけ
ればならない(標準管理規約(単棟型)44条1項)。そして、この臨時総会の招
集の通知を発する場合には、理事会の決議は不要である。
2 理事会の決議が必要である。第三者が敷地及び共用部分等において不法行為を
行ったときは、理事長は、「理事会の決議」を経て、原状回復のための必要な措
置の請求に関し、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することがで
きる(67条3項1号、54条1項8号)
。
3 理事会の決議は不要である。共用部分等に関し、管理組合が火災保険、地震保
険その他の損害保険の契約を締結した場合には、理事長は、その契約に基づく保
険金額の請求及び受領について、区分所有者を代理する(24条2項)
。そして、
この場合には、理事会の決議は不要である。
4 理事会の決議は不要である。理事長は、組合員又は利害関係人の理由を付した
書面による請求があったときは、組合員名簿を閲覧させなければならない((ア)
64条1項)
。そして、この場合には、理事会の決議は不要である。
正解
268
2
難易度
標準管理規約
(団地型)
Rank
★☆☆
H27−32
チェック
問 189 専有部分のある建物であるA棟∼D棟(専有部分の床面積は同一でな
いものとする。
)からなる団地の管理に要する費用と団地総会の普通決議(出席組
合員の議決権の過半数による決議をいう。
)に関する次の記述のうち、マンション
標準管理規約(団地型)によれば、適切なものはどれか。
標準管理規約
1 施設損害賠償保険の更新に伴い、保険料が15%アップするため一括払いにする
こととし、団地総会の普通決議により、団地修繕積立金を取り崩した。
2 地震で損傷したA棟及びD棟の外壁並びにB棟にある団地管理事務所のフロー
リング床を補修するため、団地総会の普通決議により、それぞれの棟の修繕積立
金を取り崩した。
3 今後の消費税増税に対処するため、団地総会の普通決議により、各棟の管理に
相当する管理費に係る各組合員の額を一律に現在の額に1,000円を加えた額に値
上げした。
4 C棟にある団地集会所に係る電気料金の値上げに備え、団地総会の普通決議に
より、各団地建物所有者の土地の共有持分に応じて管理費を値上げした。
269
解 説
1 適切でない。共用部分等に係る火災保険料、
地震保険料その他の損害保険料は、
通常の管理に要する経費として、管理費から充当する(標準管理規約(団地型)
27条5号)
。団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、一定の特
別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができるが、損害保
険料は取り崩しが認められる項目に含まれていない(28条1項)
。
2 適切でない。土地、附属施設及び団地共用部分の不測の事故その他特別の事由
により必要となる修繕については、特別の管理に要する経費として、団地修繕積
立金から取り崩す(28条1項2号)
。これに対して、それぞれの棟の共用部分の
不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕については、特別の管理に要
する経費として、各棟修繕積立金から取り崩す(29条1項2号)
。したがって、
地震で損傷したA棟及びD棟の外壁を補修するため、各棟修繕積立金から取り崩
した点は適切である。しかし、B棟にある団地管理事務所は団地の附属施設であ
るから、そのフローリング床を補修するためには、団地修繕積立金から取り崩さ
なければならない。
3 適切でない。管理費の額については、棟の管理に相当する額はそれぞれの棟の
各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じて算出する(25条2項)。したが
って、専有部分の床面積が同一でない本問において、各棟の管理に相当する管理
費の額を一律に値上げすることは適切ではない。また、各棟の管理費の額を一律
に値上げするには団地規約の改正が必要となるため、団地総会の特別決議(各4
分の3以上)が必要であり、
団地総会の普通決議でこれをすることはできない(49
条3項1号)
。
4 適切である。管理費の額については、棟の管理に相当する額はそれぞれの棟の
各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じ、
「棟の管理以外の管理に相当す
る額」は各団地建物所有者の「土地の共有持分」に応じて算出する(25条2項)。
そして、管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法については、団地総会の決
議(普通決議)で決する必要がある(50条3号、49条2項)。
正解
270
4
難易度
標準管理規約
(団地型)
Rank
★★★
H26−33
チェック
問 190 甲マンション団地管理組合の理事長から、棟総会の開催等について相
談を受けたマンション管理士が行った次の回答のうち、区分所有法の規定及びマン
ション標準管理規約(団地型)によれば、適切でないものはどれか。ただし、電磁
的方法が利用可能ではない場合とする。
標準管理規約
1 A棟の区分所有者が、バルコニーに無断で温室を設置している場合に、区分所
有法第57条第2項の規定に基づき温室の撤去を求める法的措置を講じるには、A
棟で棟総会を開催し、訴えの提起と訴えを提起すべき者の選任を決議しなければ
なりません。
2 棟総会を開催した場合は、棟総会の議事録は理事長が保管し、その棟の区分所
有者や利害関係人からの閲覧請求に対応する必要があります。
3 団地管理規約において、組合員の団地総会の招集請求に際し必要とされる組合
1
1
員の定数を から に減ずる規約の変更をする場合には、団地管理組合の総会で
5
10
の決議の前に、各棟の棟総会で、それぞれ規約の変更の決議を得る必要がありま
す。
4 棟総会は、理事長が招集することはできないので、その棟の区分所有者が当該
1
1
棟の区分所有者総数の 以上及び議決権総数の 以上に当たる区分所有者の同意
5
5
を得て招集します。
271
解 説
1 適切である。義務違反者に対する行為の停止等の請求に関する訴えの提起及び
これらの訴えを提起すべき者の選任については、棟総会の決議を経なければなら
ない(標準管理規約(団地型)72条2号)
。
2 適切である。理事長は、棟総会の議事録を保管し、その棟の区分所有者又は利
害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならな
い(
(ア)74条4項)
。
3 適切でない。組合員が組合員総数の5分の1以上及び議決権総数の5分の1以
上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示して総会の招集を請求した場合
には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の
目的が建替え承認決議又は一括建替え決議であるときは、2か月と2週間以内の
日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない(46条1項)。
この定数は、団地規約で減ずることができ(区分所有法66条、34条3項)、団地
管理組合の総会での決議の前に、各棟の棟総会で、それぞれ規約の変更の決議を
得る必要はない。
4 適切である。棟総会は、その棟の区分所有者が当該棟の区分所有者総数の5分
の1以上及び議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集
する(標準管理規約(団地型)68条2項)
。
正解
272
3
難易度
標準管理規約(団地型)
(費用の負担)
Rank
★☆☆
H24−32
チェック
問 191 甲マンション団地管理組合の理事会における費用の負担等についての
理事長の次の発言のうち、マンション標準管理規約(団地型)の規定によれば、適
切なものはどれか。
273
標準管理規約
1 団地全体で一つの町内会を形成している当団地においては、管理組合が実質的
に町内会活動を行っている実態がありますので、各居住者が任意に加入している
町内会費については、地域のコミュニティの維持・育成のための費用として、加
入者分全額を管理費から支出することとします。
2 棟の管理に相当する管理費の額及び各棟修繕積立金の額については、それぞれ
の棟の各区分所有者の棟の共有部分の共有持分に応じて算出します。また、棟の
管理に相当するもの以外の管理費の額及び団地修繕積立金の額については、各団
地建物所有者の土地の共有持分に応じて算出します。
3 来年に予定されている一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕では、附属施設
である自転車置場、ごみ集積所、外灯設備の修繕も含まれています。その費用は、
団地修繕積立金でなく、各棟修繕積立金から支出することとします。
4 駐車場使用料は、駐車場の管理に要する費用に充てるほか、各棟修繕積立金と
して積み立てることとされていますが、今後、団地共有部分等の修繕に多額の費
用が見込まれるので、次の団地総会で出席組合員の議決権の過半数で決議し団地
修繕積立金として積み立てることに変更します。
解 説
1 適切でない。管理組合は、区分所有法第65条に基づき、団地建物所有者全員で
構成される強制加入の団体であり、
居住者が任意加入する地縁団体である自治会、
町内会等とは異なる性格の団体であることから、管理組合と自治会、町内会等と
の活動を混同することのないよう注意する必要がある。各居住者が各自の判断で
自治会又は町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費又は町内会費等
は、地域住民相互の親睦や福祉、助け合い等を図るために居住者が任意に負担す
るものであり、マンションを維持・管理していくための費用である管理費等とは
別のものである。自治会費又は町内会費等を管理費等と一体で徴収している場合
には、以下の点に留意すべきである。
ア 自治会又は町内会等への加入を強制するものとならないようにすること。
イ 自治会又は町内会等への加入を希望しない者から自治会費又は町内会費等
の徴収を行わないこと。
ウ 自治会費又は町内会費等を管理費とは区分経理すること。
エ 管理組合による自治会費又は町内会費等の代行徴収に係る負担について整
理すること。
(標準管理規約(団地型)コメント27条関係③)
2 適切である。管理費の額については、棟の管理に相当する額はそれぞれの棟の
各区分所有者の棟の共用部分の共有持分に応じ、それ以外の管理に相当する額及
び団地修繕積立金の額は各団地建物所有者の土地の共有持分に応じて算出する
(標準管理規約(団地型)25条2項∼4項)
。
3 適切でない。団地修繕積立金は、土地、附属施設及び団地共用部分の、一定年
数の経過ごとに計画的に行う修繕など、特別の管理に要する経費に充当する場合
に限って、
取り崩すことができる(28条1項)
。これに対して、各棟修繕積立金は、
それぞれの棟の共用部分の、特別の管理に要する経費に充当する場合に限って、
取り崩すことができる(29条1項)
。従って、自転車置場、外灯設備、ごみ集積
所などの附属施設の計画的な修繕費用は、団地修繕積立金から支出しなければな
らない。
4 適切でない。駐車場使用料は、それらの管理に要する費用に充てるほか、団地
建物所有者の土地の共有持分に応じて棟ごとに各棟修繕積立金として積み立てる
(31条)
。ただし、棟の共用部分の修繕費用の方が団地共用部分等の修繕費用より
相対的に多額になることが想定されることを考慮して、使用料はそれらの管理に
要する費用に充てるほか、各棟修繕積立金として積み立てることとしているが、
団地共用部分等の修繕に多額の費用が見込まれる場合には、団地修繕積立金とし
て積み立てることが適当である(コメント31条関係②)
。そして、規約の制定、
変更又は廃止に関する団地総会の議事は、組合員総数の4分の3以上及び議決権
総数の4分の3以上で決する(49条3項1号)。出席組合員の議決権の過半数で
は足りない。
正解
274
2
難易度
標準管理規約
Rank
★★☆
H23−30
チェック
(規約の改正と保管)
問 192 総会決議により規約が改正された場合において、規約原本のほかに理
事長が保管すべき書面は、標準管理規約の規定によれば、次のうちどれか。ただし、
電磁的方法が利用可能ではない場合とする。
解 説
規約が規約原本の内容から総会決議により変更されているときは、理事長は、1
通の書面に、現に有効な規約の内容と、その内容が規約原本及び規約変更を決議し
た総会の議事録の内容と相違ないことを記載し、署名押印した上で、この書面を保
管する(標準管理規約(単棟型)
(ア)72条3項)
。
以上により、肢3が理事長が保管すべき書面である。
正解
3
275
標準管理規約
1 改正後の規約(全文)を1通の書面とし、それが現に有効な規約である旨を記
載した理事長の署名押印のほか、他の区分所有者全員が記名押印したもの。
2 規約原本(全文)の写しに改正された規約の条文を添付して1通の書面とし、
それが現に有効な規約である旨を記載し、理事長が署名押印したもの。
3 改正後の規約(全文)を1通の書面とし、理事長が、その内容が規約原本及び
規約変更を決議した総会の議事録の内容と相違ない旨を記載し、署名押印したも
の。
4 改正後の規約(全文)に規約変更を決議した総会の議事録を添付して1通の書
面とし、それが現に有効な規約である旨を記載して議長及び議事録署名人が署名
押印したもの。
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H26−30
チェック
(単棟型・複合用途型)
問 193 管理組合の総会招集手続に関する次の記述のうち、区分所有法の規定
並びにマンション標準管理規約(単棟型)及びマンション標準管理規約(複合用途
型)によれば、適切なものはどれか。
1 総会招集通知に、会議の目的を「管理組合を法人化する件」として組合員に通
知したが、議案の要領は通知しなかった。
2 理事長は、緊急を要する場合だったので、理事会の承認を得た上で、総会招集
通知を開催日の4日前に組合員に通知した。
3 店舗部分で賃借人が営業している場合において、店舗の業種制限に関する規約
の変更の総会招集通知を組合員に対し発送したが、その通知内容を所定の場所に
掲示しなかった。
4 理事長は、新会計年度開始後3ヵ月してから通常総会を招集した。
解 説
1 適切である。集会(総会)の招集通知をする場合において、特別決議事項のう
ちの一定のもの(共用部分の重大変更、規約の設定・変更・廃止、大規模滅失の
復旧、建替え等)については、その議案の要領をも通知しなければならない(区
分所有法35条5項、標準管理規約(単棟型)43条4項、標準管理規約(複合用途
型)47条4項)
。しかし、
「管理組合の法人化」については、議案の要領の通知が
必要な事項に含まれていない。
2 適切でない。総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議
の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは2か月前)までに、
会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない(単
棟型43条1項、複合用途型47条1項)。もっとも、緊急を要する場合には、理事
長は、理事会の承認を得て、5日間を下回らない範囲において、総会の招集期間
を短縮することができる(単棟型43条9項、複合用途型47条9項)。したがって、
緊急を要する場合であっても、4日前の通知では、適切とはいえない。
3 適切でない。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的に
つき利害関係を有する場合には総会に出席して意見を述べることができる(複合
用途型49条2項)
。この場合、総会の招集通知を発した後遅滞なく、その通知の
内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならない(47条8項)
。
4 適切でない。理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後「2か月以
内」に招集しなければならない(単棟型42条3項、複合用途型46条3項)。
正解
276
1
難易度
標準管理規約
Rank
★☆☆
H27−33
チェック
(複合用途型)
問 194 複合用途型マンションの管理組合に関する次の記述のうち、マンショ
ン標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。
標準管理規約
1 収支決算を行った結果、全体管理費、住宅一部管理費、店舗一部管理費に余剰
が生じた場合には、その余剰は翌年度におけるそれぞれの費用に充当する。
2 店舗のための看板等の設置については、内容、手続等について、店舗部会にお
いて、使用細則を定める。
3 規約を変更しようとする場合には、総会の決議に加え、住宅部会及び店舗部会
でのそれぞれの承認決議を必要とする。
4 敷地上にある店舗用駐車場の使用料は、駐車場の管理に要する費用に充てるほ
か、店舗一部修繕積立金として積み立てられる。
解 説
1 適切である。収支決算の結果、全体管理費、住宅一部管理費又は店舗一部管理
費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度におけるそれぞれの費用に充当す
る(標準管理規約(複合用途型)66条1項)
。
2 適切でない。規約及び「使用細則」等の制定、変更又は廃止については、
「総
会の決議」を経なければならない(52条4号)
。この場合、店舗部会において定
めるものではない。
3 適切でない。規約の制定、変更又は廃止に関する総会の議事は、組合員総数の
4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する(51条3項1号)。総会の
決議だけで足り、住宅部会及び店舗部会でのそれぞれの承認決議は必要ない。
4 適切でない。駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料は、それ
らの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる(33条)。
店舗一部修繕積立金として積み立てられるのではない。
正解
1
277
難易度
標準管理規約
(複合用途型)
Rank
★☆☆
H24−33
チェック
問 195 複合用途型のマンションにおいて、規約で店舗の営業時間は24時まで
と定められているにもかかわらず、24時以降も営業している105号室の区分所有者
A等への対応を検討している理事会における各理事の次の発言のうち、区分所有法
の規定及びマンション標準管理規約(複合用途型)によれば、適切なものはどれか。
1 理事B「営業時間等は共有部分の管理にはあたらないから、規約中の24時まで
しか営業できないとする規定は無効であり、規約違反行為であるとすることはで
きない。
」
2 理事C「Aは最近売買で105号室を取得しているが、売買契約の時点では売主
からそのような制約はないものと聞いていたと言っているので、規約違反行為で
あるとすることはできない。
」
3 理事D「24時以降の営業行為の差止めにつき訴訟を提起する場合には、総会決
議が必要で、かつ、その総会の場でAに弁明の機会を与える必要がある。」
4 理事E「24時以降の営業行為に対する是正のための勧告や警告は、理事会で決
議すれば、Aのみならず実際に規約違反行為を行っている店長に対しても行える
はずだ。
」
278
解 説
正解
4
279
標準管理規約
1 適切でない。最初に管理規約を制定する際には、店舗部分に関する駐車場、店
舗前スペース等専用使用部分に関すること、看板に関すること、店舗の業種や営
業時間等について、各マンションの実態に応じて細かい規定を制定することが、
後のトラブル発生を回避する観点から重要である(標準管理規約(複合用途型)
コメント全般関係⑧)。従って、店舗の営業時間についても、規約に規定するこ
とができ、A等の行為は、規約違反行為となる可能性がある。
2 適切でない。規約及び総会の決議は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人
に対しても、その効力を有する(5条1項)
。従って、Aのような特定承継人(買
主)にも、規約の効力は及ぶ。これは、売買契約の際に当該規約を知らなかった
場合でも、同様である。
3 適切でない。区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管
理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為
をするおそれがある場合には、区分所有法57条から60条までの規定に基づき必要
な措置をとることができる(71条)
。そして、区分所有者が共同の利益に反する
行為をした場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の
共同の利益のため、その行為の停止等を請求することができる。この訴訟を提起
するには、集会の決議によらなければならない(区分所有法57条1項・2項)
。
しかし、このような行為の停止等の請求の場合は、使用禁止の請求や区分所有権
の競売の請求のときとは異なり、当該区分所有者に対し、弁明する機会を与える
必要はない。
4 適切である。区分所有者、その同居人、店舗勤務者、専有部分の貸与を受けた
者(同居人・店舗勤務者)が、法令、規約又は使用細則等に違反したとき、又は
対象物件内における共同生活の秩序を乱す行為を行ったときは、理事長は、理事
会の決議を経てその区分所有者等に対し、その是正等のため必要な勧告又は指示
若しくは警告を行うことができる(標準管理規約(複合用途型)72条1項)
。理
事長は、理事会で決議すれば、区分所有者のAのみならず、実際に規約違反行為
を行っている店長に対しても、勧告や警告を行うことができる。
難易度
標準管理規約
(複合用途型)
Rank
★☆☆
H23−33
チェック
問 196 住居・店舗併用のマンションにおける店舗の営業時間の制限と住宅一
部共用部分であるエレベーターの更新を決議する総会の場に、理事会の要請により
出席していたマンション管理士が、議長である理事長からの求めに応じて助言した
次の記述のうち、マンション標準管理規約(複合用途型)の規定によれば、適切で
ないものはどれか。
1 区分所有者から専有部分を賃借して営業している賃借人が、事前の通知もなく
総会に出席して店舗の営業時間の制限について、意見を述べようとしたので、
「事
前の通知がない以上、意見を述べさせる必要はありません。もちろん決議に加わ
ることもできません。
」と助言した。
2 数人の共有に属している店舗につき、あらかじめ届け出があった議決権行使者
以外の共有者が店舗の営業時間を制限する議案について議決権を行使したので、
「共有者である以上、有効な議決権の行使として取り扱ってください。」と助言し
た。
3 住戸の区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベーターの更新について
は、住戸部分の区分所有者のみで構成する団体の集会で決議すべきではないかと
意見があったので、「当該エレベーターについては、規約の対象となる物件とな
っているので、当総会で決議することとなります。
」と助言した。
4 総会の場において、ある区分所有者から、住宅一部共用部分であるエレベータ
ーの利用細則が利用の実態に合っていないとして、改正案を提示して同案を決議
するよう求められたので、
「あらかじめ招集通知で通知していた事項ではないの
で、決議はしないでください。
」と助言した。
280
解 説
正解
2
281
標準管理規約
1 適切である。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的に
つき利害関係を有する場合には、総会に出席して意見を述べることができる。こ
の場合において、総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長
にその旨を通知しなければならない(標準管理規約(複合用途型)49条2項)。
2 適切でない。住戸又は店舗1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使に
ついては、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開
会までに理事長に届け出なければならない(50条2項・3項)。従って、議決権
行使者以外の共有者の議決権行使を有効に扱うことはできない。
3 適切である。住宅一部共用部分は、
住戸部分の区分所有者のみの共有とする(9
条2項)
。一部共用部分の管理のうち、区分所有者全員の利害に関係するもの又
は規約に定めがあるものは区分所有者全員で、その他のものはこれを共用すべき
区分所有者のみで行う(区分所有法16条)
。従って、規約の対象となる物件であ
れば、総会の決議の対象となる。
4 適切である。総会を招集するには、
少なくとも会議を開く日の2週間前までに、
会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない(標
準管理規約(複合用途型)47条1項)。そして、総会においては、あらかじめ通
知した事項についてのみ、決議することができる(51条11項)
。
難易度
区分所有法・標準管理規約
(団地型・複合用途型)
Rank
★★☆
H22−33
チェック
問 197 住居・店舗併用の単棟型マンション(この問いにおいて「複合用途型」
という。
)及び住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンション(この問い
において「団地型」という。)に関する次の記述のうち、区分所有法、マンション
標準管理規約(複合用途型)及びマンション標準管理規約(団地型)の規定によれ
ば、誤っているものはどれか。ただし、一部共用部分は、ないものとする。
1 団地型において、区分所有法第57条に基づき共同利益背反行為の停止請求の訴
訟を提起するとともに訴えを提起すべき区分所有者を選任する場合、停止請求の
対象となる者の居住する棟の総会の決議による。
2 複合用途型において、店舗部分の区分所有者で組織される店舗部会も、住宅部分
の区分所有者で組織される住宅部会も、いずれも区分所有法に定める集会である。
1
3 団地型において、棟の建物の価格の を超える部分が滅失した場合の滅失した
2
共用部分を復旧する決議は、当該棟の総会において、組合員総数及び議決権総数
3
の各 以上で決する。
4
4 複合用途型において、店舗部分の利用に関する規約を制定する場合、総会にお
3
いて、組合員総数及び議決権総数の各 以上の決議を得なければならない。
4
解 説
1 正しい。共同利益背反行為の停止は、当該棟で解決すべき問題だから、共同利
益背反行為の停止請求の訴訟を提起するとともに訴えを提起すべき区分所有者を
選任する場合には、団地総会の決議は不要であり、停止請求の対象となる者の居
住する棟の総会の決議が必要である(標準管理規約(団地型)72条2号、区分所
有法57条2項・3項)
。
2 誤り。複合用途型の規約は、一部の区分所有者の共有物である一部共用部分に
ついても全体で一元的に管理するものとし、管理組合は全体のものを規定し、一
部管理組合は特に規定していない。また、本問では、
「一部共用部分は、ないも
のとする。
」という記述があるので、一部管理組合は存在しない。従って、店舗
部会も、住宅部会も、いずれも区分所有法に定める集会ではない(標準管理規約
(複合用途型)コメント全般関係⑤、区分所有法3条)
。
3 正しい。建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分
の復旧は、当該棟で解決すべき問題だから、当該共用部分の復旧につき、団地総会の
決議は不要であり、当該棟の総会において、組合員総数及び議決権総数の各4分の
3以上で決する(標準管理規約(団地型)72条3号、73条1項、区分所有法61条5項)
。
4 正しい。規約の制定、変更又は廃止は、総会において、組合員総数及び議決権
総数の各4分の3以上の決議を得なければならない(標準管理規約(複合用途型)
51条3項1号)
。
正解 2
282
難易度
標準管理規約
(収支予算)
Rank
★☆☆ H25−34改
チェック
問 198 通常総会を5月に開催している甲マンション管理組合の収支予算(会
計期間は4月1日から翌年3月31日までとする。)に関する次の記述のうち、標準
管理規約によれば、適切でないものはどれか。
283
標準管理規約
1 会計年度の開始後、通常総会で収支予算案の承認を得るまでの間に支出するこ
とがやむを得ないと認められる経常的経費については、4月に開催した理事会で
承認を得た上で支出し、通常総会において、収支予算案の承認を得た。
2 大規模修繕工事に要する費用に充てるため、金融機関から資金の借入を予定し
ているが、今年8月から始まる借入に伴う償還については、修繕積立金をもって
充てることとし、今年度の収支予算において、修繕積立金会計に所要の額を計上
している。
3 今年度の収支予算において、経常的な補修費については管理費会計に、建物の
建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査費については修繕積立金会計に、
それぞれ計上している。
4 今年7月に盗難事件が発生し、組合員から防犯カメラの早期設置の要望が高ま
ったため、同年10月の理事会において、同年12月に設置することを決定した。こ
れに伴う防犯カメラ3台の購入費等の予算確保について予備費では賄いきれない
ため、前期繰越資金の範囲内で同年11月の理事会で収支予算の変更を行った。
解 説
1 適切である。理事長は、会計年度の開始後、通常総会で収取予算案の承認を得
るまでの間に、通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、承認を得
る前に支出することがやむを得ないと認められる経費の支出が必要となった場合
には、
理事会の承認を得てその支出を行うことができる(標準管理規約(単棟型)
58条1項・3項1号)。そして、その支出は、通常総会において、その収支予算
案の承認を得たときは、当該収支予算案による支出とみなされる(同条4項)。
2 適切である。管理組合は、大規模修繕工事に要する費用に充てるため、金融機
関から資金の借入れをしたときは、修繕積立金をもってその償還に充てることが
できる(28条4項)。したがって、借入れに伴う償還が生ずる場合には、収支予
算において、修繕積立金会計に所要の額を計上する必要がある。
3 適切である。経常的な補修費は、管理費充当項目であるため(27条6号)、管
理費会計に計上する必要がある。また、建物の建替えに係る合意形成に必要とな
る事項の調査費については、修繕積立金充当項目であるため(28条1項4号)、
修繕積立金会計に計上する必要がある。
4 適切でない。収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総
会に提出し、その承認を得なければならない(58条2項)。したがって、予備費
で賄いきれない場合には、前期繰越資金の範囲内であったとしても、理事会のみ
で収支予算の変更を行うことは認められない。
正解
284
4
難易度
標準管理規約
(管理組合の会計)
Rank
★☆☆ H27−31改
チェック
問 199 甲マンション(会計年度は4月∼翌年3月)の理事会では、5月末に
開催予定の通常総会までの新年度の経費の支出について協議している。この場合に
関するA∼Dの各理事の次の発言のうち、標準管理規約によれば、適切でないもの
はどれか。
標準管理規約
1 A理事「理事長は、4月から新年度の収支予算案について通常総会で承認を得
るまでの間、理事会の承認を得て、経常的であり、かつ、通常総会の承認を得る
前に支出することがやむを得ないと認められる経費の支出を行うことができま
す。
」
2 B理事「理事会の承認を得て通常総会の承認を得る前に支出することがやむを
得ないと認められる経常的な経費は、前年度の同経費の支出額のおよその範囲内
であることが必要です。
」
3 C理事「総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事で年度を
跨ることがやむを得ない工事に係る経費については、工事全体について総会の承
認を得ているので、改めて新年度の経費の支出について理事会の承認は必要あり
ません。
」
4 D理事「新年度の収支予算案について通常総会で承認を得るまでに支出した経
費の支出は、当該通常総会において、収支予算案の承認を得たときは、当該収支
予算案による支出とみなします。
」
285
解 説
1 適切である。理事長は、会計年度の開始後、収支予算案の通常総会の承認を得
るまでの間に、①通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、総会の
承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの、②総会の承認を
得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、総会の承認
を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの、の支出が必要となっ
た場合には、
理事会の承認を得てその支出を行うことができる(標準管理規約(単
棟型)58条3項)
。
2 適切である。肢1で述べた①の経費とは、通常の管理に要する経費のうち、経
常的であり、かつ、総会の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認めら
れるものであることから、前年の会計年度における同経費の支出額のおよその範
囲内であることが必要である(コメント58条関係②)
。
3 適切でない。理事長は、会計年度の開始後、収支予算案の通常総会の承認を得
るまでの間に、①通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、総会の
承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの、②総会の承認を
得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、総会の承認
を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの、の支出が必要となっ
た場合には、
「理事会の承認を得て」その支出を行うことができる(58条3項)
。
したがって、既に総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事で
年度を跨ることがやむを得ない工事にかかる経費であっても、新年度の経費の支
出については、改めて理事会の承認を得ることが必要となる。
4 適切である。理事長が、肢1で述べた通常総会における収支予算案の承認を得
る前に行った一定の支出は、通常総会において収支予算案の承認を得たときは、
当該収支予算案による支出とみなされる(58条4項)
。
正解
286
3