DVD『塩野真人の卓球』解説

DVD『塩野真人の卓球』解説
卓球王国
※ 太字は字幕以外にコメントとして話されている部分
●冒頭あいさつ
今回、私の DVD を作ることになりました
簡単なトレーニング方法や練習方法、技術を紹介していきます
ご参考になればうれしいです
【コンテンツ1】
●ウォーミングアップと体幹トレーニング
私が行っているウォーミングアップは主に 3 つです
ひとつは肩甲骨周りの筋肉をほぐすこと
—卓球を始めたきっかけは?
父親の影響が大きいですね。
最初は遊びでペンホルダーで始めたんですけど
二つ目が大臀筋、おしりの筋肉を強化すること
カットマンをやるかと言われて
兄とぼくがカットマンになりました
普段は 30 回を 1 セットで背中周りの筋肉をほぐしています
やってみたらカットは難しくて
何で(カットって)入るんだろうと興味が湧いてきました
三つ目が体幹を鍛えることです
次はこのチューブを使って大臀筋、おしりの筋肉の強化やケガの予防を紹介します
普段は横の動きを 10 回、3 セットやっています
とにかく試合が好きな少年でした
練習よりも試合で強くなる
注意点は、上下運動をあまりさせないこと
足のかかとから動くことが大事です
その試合で出た課題を練習する
週末は試合に出て、 練習している感じでした
これをすることでおしりの筋肉を鍛え
打球する時に体の使い方が良くなり、ボールの威力が上がります
—活躍するまで時間がかかりましたね
土台を作るまで時間がかかりました
あまり粘りもなく攻撃もそこまで、という感じで中途半端でした
どちらかというと粘るカットのほうが多かった
次に体幹トレーニング紹介します
体幹を鍛えることで腰のケガ予防になり、とても大事なトレーニングです
普段はこの 3 種類の体幹トレーニングを 30 秒ずつ行い
ウォーミングアップをしています
—憧れた選手は?
やはり松下浩二さん、渋谷浩さんですね
ビデオを見たり試合を観に行ったりしてました
● 10kg 体重が落ちました
マックス(最大)の時の体重は 70.8 とか 70.9kg で
今は 60kg くらいです
前に 70kg あった時には腰を痛めていて、
動きも悪かったし重かった
何が原因なんだろうと考えたら
おなかのお肉が腰を負担をかけていた
じゃ、やせよう、絞ろうと。
試合にも負けたし、体を見直そうと
頑張って 10kg 落として、プレーに変化が出てきて
体も軽くなって取れないボールが取れるようになったり
ケガも治ったので、良いことだらけです
—どうやって体重を落としたんだろう?
有酸素運動などのトレーニングや食事制限の二つですね
1 年間で徐々に落として
10kg(減)ですね
周りからも 「別人ですか」と言われます
【コンテンツ 2】
●フォアハンドカット
スイングの際、腰をひねり左肩がやや前に出る
バックスイングは耳のあたりから両足の間にラケットを振り下ろすイメージ
スタンスは左足を前にして、右足を下げます
【コンテンツ 3】
●バックハンドカット
腰をひねり左肩を引きバックスイング
耳のあたりから両足の間に振り下ろすイメージです
自分の打ったボールがネットを越える前に
すばやく戻ることが重要です
【コンテンツ 4】
●ツッツキ
足を動かして最適な位置で、前腕を中心にスイングします
ツッツキは相手の強打を防ぐ重要な技術です
【コンテンツ 5】
●フォアカットとバックカットの切り替え
切り替えの注意点は戻りの速さ。ただ戻るのではなく
しっかりと打球してから戻るのがポイントです。
足の切り替えもしっかり行うと良い態勢でカットができます
【コンテンツ 6】
●フォアカットの打球点の使い分け
高い打球点と低い打球点のカットの使い分けが実戦では必要です
試合では同じ打球点で打つことは難しいためこの練習が必要です
高い打球点でとらえた時には上から振り下ろすイメージです
【コンテンツ 7】
●フォアカットの前後フットワーク
ストップ処理の時には微調整して歩幅を合わせて右足を踏み込みます
同時に踏み込み足で床を強く蹴り、すばやく戻ることがポイントです
【コンテンツ 8】
●バックカットの打球点使い分け
バック粒高ラバーでは前に出てショートスイングでもカットができ、
前で振り切ってもカットができます。
いろいろなカットを身につけることが大切です
【コンテンツ 9】
●バックカットの前後フットワーク
カットマンは前後に揺さぶられることが多いので
前後のフットワーク練習は重要です
注意点はカットした後の足の微調整と
ストップ処理した後の戻りを早くします
【コンテンツ10】
●フォアカットの左右フットワーク
フォアの半面にランダム(不規則)で打ってもらい、
カットで返球
練習の目的は半面にランダムで打ってもらうことで
より実戦的になり、反応の速さが要求されます
すばやく戻ることで時間的な余裕を作ること
ミドル処理の強化にもなります
【コンテンツ11】
●バックカットの左右フットワーク
バックの半面にランダム(不規則)で打ってもらい、
カットで返球
【コンテンツ12】
●多球練習によるフットワーク
多球練習の目的は感覚を磨き、切れのある動きを身につけること
常に次のボールの準備を行い、ボールコントロールを高めること
【コンテンツ13】
● N 字フットワーク
N 字フットワークはカットの仕上げの練習です
前後左右のすべての動きが入っています
フォアカットをストレートに打つ時のボールコントロールに注意します
一球練習が難しい場合は多球練習で行います
【コンテンツ14】
●フォアハンド攻撃
カットマンにとっての攻撃は目的は得点を狙い、
相手に落ち着いてカット打ちをさせないこと
攻撃選手より弾まないラケットを使っているのでミートを強くして打球します
攻撃練習する時には
自分が攻撃選手になったつもりで練習します
カットにある程度自信がついた段階で
攻撃を取り入れます
【コンテンツ15】
●ミドル処理
カットマンのミドルは相手が狙ってくるところです
弱点だと思わない。自然と変化がつき得点に結びつくこともあります
ミドルをフォアカットで処理する時には
右足を引き半身の姿勢を作り自分の空間にボールを呼び込みます バックで処理する時にはショートスイングで打球したり、
ボールの右横をとらえて返球します
【コンテンツ16】
●スマッシュ処理
守備範囲を広げ、台との距離感をつかむための練習です
ミートを強くしてボールを飛ばすことが重要です
【コンテンツ18】
●浅いループ処理
カット打ちのうまい選手はこの浅いループドライブをよく使ってきます
上体を前傾しすぎないように下半身を沈み込ませボールをとらえます
上体が前のめりになると
ボールがうまくコントロールできません
カットマンにとって弱点にもなりますが
うまく返球するとカットに変化がつき得点にもなります
またこの技術は下半身の筋力を使います
主におしりと太ももの裏の筋肉を使います
【コンテンツ19】
●サービスからの攻撃
カットマンといえどもサービスからの 3 球目攻撃は重要です
直接得点を狙うことと、
相手にプレッシャーを与え安心してレシーブをさせない目的があります
3 球目攻撃をするためにはサービスに変化をつけることが重要です
また、サービスを出した後の足の微調整にも気をつけます
【コンテンツ 20】
●レシーブからの攻撃
レシーブからの攻撃は相手にプレッシャーを与え、
3 球目をさせない戦術です
相手のサービスパターンを読み、レシーブに変化をつけていきます
【コンテンツ 22】
●カーブロングからの攻撃
カーブロングには二つの目的があります
ひとつは、相手のラケット角度を狂わすこと
もうひとつは十分な体勢でカットできない時のしのぎの技術です
●反転粒高カットからの反撃 これは私の得点パターンのひとつです
反転して粒高でカットして相手のストップを狙います
粒高カットが切れていて相手のストップも微妙に変化するので
足を微調整してタイミングを計ります
前に行く力を利用しながら攻撃しますが、オーバーミスに気をつけます
●バックハンド攻撃
カットマンのバック攻撃は意外性のある技術です
チャンスと見たらしっかり振り抜いて打球することが大切です
【コンテンツ 24】
● フォアカットの変化
カットで得点を狙うことは常に意識します
切るカットはボールを薄くとらえます
飛んでいくボールの頂点をネット手前の
自分のコートに持っていくことをイメージします
切らないナックルカットはボールを厚くとらえ、ボールを送り出すイメージです
相手によって変化を使い分けます
相手のボールの回転を利用してまず入れることを考えます
相手が打ちあぐんだら次のボールはカウンターを狙います
初対面の相手には切るカットで様子を見ます
カット打ちのうまい選手にはナックルカットが有効な場合があります
*カーブロング
相手のフォアへのドライブに対して相手の回転を利用して
上回転と横回転の入ったロングボール(前進回転系ボール)で返す技術
相手コートに入ってから曲がったり伸びたりするボールが変化します
ただカットするのは嫌なんです
あまり意味のないことだと思います
【コンテンツ 23】
●カットからの反撃
自分が良いカットをして相手がつないでくると予測した時に
カウンターアタックを狙います
相手にプレッシャーを与えることができます
難易度の高い技術ですが練習を繰り返すことでカウンターの精度を高めましょう
1 球 1 球得点を狙えるカットをしたいと常に思っています
フォアだったらこういう変化がいいんじゃないか、
バックだったら打球点が一番いいんじゃないか、
と考えてやっています
受け身で守るのではなく
アグレッシブに粘ることが大切です
【コンテンツ 26】
●用具について
用具は一番はバランスですね
第一印象で、これはいけるな、
これなら攻撃とカット、穴のないスタイルを作れる
というものを選びます
高校 3 年までは(両面)裏ソフトでフォーム作りをしていて
大学 1 年になって強いボールを押さえるために粒高に変えました
一番は回転力、前に飛ばすのも大事だけど
卓球は回転が左右するスポーツなので、回転のかかるラバーとラケットを選んで
います
【コンテンツ 27】
●これからの塩野の卓球
(2013 年の)ジャパンオープンでの優勝が
ぼくの人生のターニングポイントです
やはり勝つためには
どういう練習をしたら良いのか
勝ったら自信になって、
次につながるジャパンオープンでした
—これからの塩野真人の卓球とは?
粘りといってもまだ粘れていないと思うので
そこをレベルアップさせたい
攻撃のバリエーション(幅)がまだまだ少ない
バックドライブなど、バック系の攻撃が少ないし、
もっとフォアの威力をつけなきゃいけない
そういう意味では全然完成されていない卓球なので
自分自身課題を突き詰めていきたい
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カットマンでもここまで勝てたり、世界でも
もっと活躍しているカットマンもいるので
この DVD を見て、カットマンになる人が増えて、
その人が世界で活躍してもらえたらうれしい
その役に立てたと思うので
今回は有意義な時間でした
= END =