傍(はた)を楽(らく)にするという事

11月所感
傍(はた)を楽(らく)にするという事
狭山市立教育センター
所長
鈴木
浩明
今月の 23 日は「勤労感謝の日」です。勤労感謝の日は、
「働くことを大事にし、作った
ものをみんなで感謝して喜び合う日」です。
形に残る残らないに関係なく、働く人すべてが「なにか」を作っています。農業でした
ら食べ物を作っていますし、工場では機械や日用品を作っています。サービス業の方は、
お客様をおもてなしで快適にする「なにか」を創りあげています。働くことによって生ま
れるものを大切にして、作る人と出来たことに感謝する日です。
勤労感謝の日は、以前は「新嘗祭」
(にいなめさい)という祭日でした。
「新」はその年
に採れた新しい穀物です。「嘗」はご馳走のことを意味します。新稲の収穫を祝い、翌年
の豊稲を祈願する行事でした。収穫の喜びと同時に、生産に携わった人々の苦労や努力が
尊いものであるからこそ、働く人々への感謝と元気で働けることの喜びを合わせて祝う日
になったのです。
私たちが安心して、不自由なく生活できるのは、社会全体で多くの人が働いて、生活に
必要な物を生産してくれているからです。大地震などのとき、全国各地から様々な生活物
資が運ばれてきます。それらをいただいた人たちは、生産に携わった人々の努力の尊さ、
供給してくれたことへの感謝の気持ちを持つことでしょう。
しかし、このような経験がないと、労働の尊さや働く人々への感謝の気持ちなどを肌で
感じることはできないのでしょうか。
いいえ、違うと思います。身近なところでは、家庭でのお手伝いがあります。家庭の中
では、「家事の分担」という立派な仕事があります。買い物、風呂掃除、洗濯、ゴミ捨て
など、数え切れないくらいたくさんの仕事があります。各家庭、様々な状況があると思い
ます。家事の分担は、ある意味家族の一員としての義務といえます。それをこなすことで、
家族みんなの「ありがとう」
「お風呂気持ちよかったよ」
「ご飯おしかったよ」というお互
いの感謝の気持ちを表す言葉が自然と口をついて出てくるのではないでしょうか。
働くというのは、一説によると「傍(はた)」を「楽(らく)」にするというのが語源だそ
うです。自分の為にではなく、傍にいる人を楽にするために働く。そう考えると自然と、
やりがいを感じられますし、自分が働いている事の意味というのが分かってきます。
まずは家族、そして学校、地域へと目を向け、働くことにやりがいを感じてほしいと思
います。