第8節 避難収容計画

【震災】 第 2 章 災害予防計画 第 8 節 避難収容計画
第8節 避難収容計画
担当部署
消防本部 教育委員会 市民課 建設課 能生事務所 青海事務所
関連機関
1 計画の方針
大地震及び津波による災害は、火災などの二次災害と相まって大規模かつ広域的なものとな
るおそれがあるため、あらかじめ住民の避難に関する適切な計画を定めておく必要がある。
市は、この計画に基づきあらかじめ避難場所(施設)を住民に周知する。
2 避難場所・避難施設の指定と事前周知
市は、都市公園、グラウンド、体育館、公民館、学校、公共的施設等を対象に、その管理者
(設置者)の同意を得て避難場所(施設)として指定し地域防災計画に定めておくものとする。
(資料10-1、10-2)
(1) 用語の定義
ア 「避難場所」・・・ 災害による危険から避難してきた住民等が集合し、危険が去るまで又
は他の避難場所(施設)へ移動するまでの間、一時的に滞在するための
屋外のオープンスペースをいう。
イ 「避難施設」・・・ 避難してきた住民等を収容する建物をいう。
(2) 避難場所(施設)の指定
市は、避難場所(施設)の指定にあたっては次の条件を満たすことを目標とするが、全て
の地域に適切な施設があるとは限らない。このため、公共施設を基本として指定するととも
に、災害の種類・状況に応じた避難ができるよう明示する。
ア 地区別に指定し、高齢者・幼児・障害者等でも歩いて避難できる程度の近傍に確保する
こと。また、沿岸部においては津波の危険性を考慮し、短時間で十分な標高の位置に避難
できるよう配慮すること。また、津波避難ビルの指定など高台まで避難できない避難者の
対策について検討する。
イ 避難者の誘致面積及び人口に見合った面積を確保すること。
(参考:消防庁震災対策指導室編「市町村地域防災計画(震災対策編)検討委員会報告
書」では、屋外の避難場所については1人当たり1㎡、避難施設については屋内の避難
所(施設)については3.3㎡当たり2人を目安とするとしている。)
ウ 避難施設は十分な耐震強度を確保すること。浸水・延焼・地すべり等の危険がないこと。
エ 都市公園等避難場所の指定にあたっては、火災の輻射熱を考慮した広さを確保すること。
オ 危険物を取り扱う施設などが周辺にないよう配慮する。
カ 放送設備等、避難者への情報伝達に必要な設備を有するものであること。
キ 一旦避難した避難場所(施設)に更に危険が迫った場合に、他の避難場所(施設)への
移動が容易に行えること。
ク 人員・物資の輸送用車両が直接乗り入れられるよう、広幅員の道路に面するか、十分な
幅員のアプローチを確保するよう努めるものとする。
ケ 避難施設においては、停電・断水・ガスの供給停止・電話の不通等の事態に耐えられる
施設の整備に努めるものとする。
コ 避難施設においては、避難者の長期滞在に備え、必要な環境整備に努めるものとする。
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(3) 避難路の安全確保
市は、避難場所(施設)への避難路の安全を確保するため、次のことに留意する。
ア 避難場所(施設)へ至る主な経路となることが予想される複数の道路について、避難に
あたっての要注意箇所の把握、十分な幅員の確保、延焼防止、がけ崩れ等のための施設整
備に努めるものとする。
イ 道路に面する構造物等が避難時に支障とならないよう、沿道の土地所有者や施設管理者
に対し啓発及び指導を行う。
(4) 避難場所(施設)及び避難方法の事前周知
市は、避難場所(施設)を指定したときは、次の方法等により住民にその位置及び避難に
あたっての注意事項等の周知徹底を図るものとする。
ア 標識、誘導標等の設置による周知
イ 広報紙、チラシ配布などによる周知
ウ 防災訓練等の実施による周知
3 避難準備情報及び避難勧告・指示(解除)の基準
市は、災害時に適切な避難準備情報及び避難勧告・指示(解除)ができるようあらかじめ実
施責任者等を明確に定めておき、災害発生時に迅速かつ的確に対応するものとする。
(1) 避難準備情報及び避難勧告・指示の基準
市長は、地震により引き起こされた浸水、崖崩れ等地盤災害、火災の延焼などにより、住
民等の安全のため必要があると認めるときは、当該地域の住民に対し避難の「勧告」を行い、
避難を促すものとする。また、危険の切迫度及び避難の状況等により急を要するときは避難
の「指示」を行うものとする。
なお、避難勧告を行う前にその予兆を察知したときは、避難のための準備の喚起と、避難
行動に時間を要する災害時要援護者等が早めに避難を開始するための「避難準備情報」を発
信するものとする。
(2) 避難準備情報の発信及び避難勧告・指示の実施及び解除
準備情報発信・勧告・指示(解除)にあたっては、次のことに留意するものとする。
ア 避難準備情報・勧告・指示
(ア) 災害の的確な情報収集、早期の避難の勧告・指示及び迅速な伝達
(特に視聴覚障害者への確実な情報伝達について十分に配慮し、地域の実情及び視聴
覚障害者の居住状況に合わせた伝達方法を工夫すること。)
(イ) 被害状況に応じた適切な避難場所への誘導と避難誘導員等の指定
(ウ) 障害者、寝たきり者、幼児、高齢者、旅行者等への配慮と避難介助
(エ) 迅速な避難誘導のための自主防災組織等の指導育成
(オ) 避難場所の安全確認のための職員の指定
(カ) 避難場所の設営及び運営のための職員の指定
(キ) 避難勧告・指示を行った場合の知事への報告
イ 避難勧告・指示の解除
(ア) 適切な避難勧告解除と伝達方法
(イ) 避難勧告解除の公示
(ウ) 知事への報告
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4 施設・設備・資機材の整備
(1) 避難場所(施設)・避難路の整備
市は、避難場所(施設)・避難路について、その管理者(設置者)と十分調整を図り、次
のとおり施設・設備の整備に努めるものとする。
ア 避難路・避難場所(施設)の耐震化の推進
イ 断水時でも使用可能なトイレ、停電時でも使用可能な構内放送・照明設備、電話不通時
や輻輳時にも使用可能な通信機器等避難の実施に必要な施設・設備の整備
ウ 食糧・水(給水用機材)・照明設備(非常用電源)・常備薬・炊出し用具(燃料)・毛
布等避難生活に必要な物資のほか積雪期・寒冷期を考慮した暖房器具の配備
エ 緊急物資、救急・救助・医療・防疫用資機材等の備蓄倉庫、備蓄場所の整備又は救援物
資の一時集積場所の確保
オ 災害時要援護者等に配慮した避難場所への誘導標識の整備と避難施設の環境整備
(2) 避難誘導等資機材の整備
市は、災害時の適切な避難誘導のため、次の避難誘導、応急対策のための資機材等の整備
に努めるものとする。
ア 災害時の的確な情報収集と適切な伝達のための防災行政無線等(移動系・同報系・地域
系等)
イ 応急対策のための救助工作車、救急車、照明車両等の救急救助資機材
5 防災上特に注意を要する施設の避難計画
(1) 災害時要援護者が多数利用・所在する施設
学校、幼稚園、保育園、病院、社会福祉施設の管理者は、次の事項を考慮し避難計画を策
定しておくものとする。
ア 地域の実情に応じた避難場所(市指定の避難場所等)、誘導及びその指示伝達の方法
イ 入院患者、自力避難が困難な災害時要援護者等の避難誘導方法及び近隣住民、事業所等
の協力体制
ウ 集団的に避難する場合の避難場所(施設)の確保、保健衛生、給食の実施方法
エ 保護者等への安否の連絡及び引き渡し方法
(2) 不特定多数の者が利用する施設
高層建築物、百貨店等大規模小売店、興業場、ホテル、旅館その他の施設の設置者又は管
理者は、次の事項を考慮し避難計画を策定しておくものとする。
ア 施設外の状況について、利用者への的確な伝達
イ 利用者の施設外への安全な避難誘導
(3) 海岸に近接した施設
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海岸又は海岸近傍に立地した施設の管理者は、次の事項を考慮し、津波の襲来が予想される
場合の施設利用者の避難・誘導計画を策定しておくものとする。
ア 津波警報等の利用者への迅速・的確な伝達
イ 津波の襲来までに時間がないときの緊急避難場所の確保
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