1.縦の計算 (1.整式の加減 3.展開) 二次式あるいは三次式を加減乗除する問題、3 乗やら 4 乗がやたらに出てき て、計算間違いで苦い想いをした人が多いであろう。 これは、降べきの整理と、係数だけの縦の計算を使えば、圧倒的にミスが 減少する。 ①降べきとは 3X2Y3―2X4Y+X5-Y5-4X3Y2+XY4 を X5-2X4Y-4X3Y2+3X2Y3+XY4-Y5 と言うように 一般的には X の次数の高いものから、低い物の順に並べ直す事である。 良く見ると、X の次数は5・4・3・2・1と減って行くに従って Y の次 数は逆に0・1・2・3・4と増えて行くことに気がつく。 これを「X は左から、Y は右から降べき」と覚えよう。このように整理され た形で見る習慣がついていれば、この式は、X・Y の5次式で 1-2-4+3+1-1 「X5」と係数だけで表現できる。 「X5」は先頭の項が X5であることの覚書、これをふまえると 縦の計算ができる。 ②縦の計算 はじめに難しい方から (3X3-2X2Y+XY2-2Y3)×(2X2+3XY-Y2) などという奴 前の括弧内が(3-2+1-2)で表わされ後ろは(2+3-1)だ これを縦の掛け算の形で計算する 3 -2 +1 -2 「X3」 2 +3 -1 「X2」 6 -4 +2 -4 +9 -6 +3 -6 -3 +2 -1 +2 6 +5 -7 +1 -7 +2 「X5」 普通に知っている掛け算は、掛ける数を後ろの列に合わせるが、前の列に 合わせて書くことが違うし、繰り上がりをせず、一桁ずつ符号をつけて書く ことが相違点だが、むしろ繰り上がりのない分普通の掛け算より楽であろう。 最後に文字式に戻す時に X5を先頭に左から、Y5を先頭に右から文字を書き加 えれば、 6X5+5X4Y-7X3Y2+X2Y3-7XY4+2Y5 と書けばよい。 わずらわしい次数の表記から開放され、圧倒的にミスが減る。 もっとも計算の結果、3-2+0-4 などのように途中に0が出てきたとき 3X3-2X2Y 0XY2-4Y3 とせず、3X3-2X2Y -4Y3 とやるのは 1X と書いてはいけないのと同じ理由だ。 また、掛ける式が 3X2-4Y2 であれば(3 -4)ではなく、 あるはずの0XY を考えて(3 +0 -4)とやるのが大事なコツだ。 さて、易しい方とは何だろう、それは A=3X2-4X+5 B=2X2+3X-1 のとき、 2A(A-B) を求めよ。 なんて問題、掛け算と引き算があるが、括弧の中 を優先すると、次のように書ける。 A = 3 -4 +5 ―B = -2 -3 +1 A-B = +1 -7 +6 ×2A = 6 -8 +10 6 -42 +36 -8 +56-48 +10-70+60 2A(A―B)= 6-50+92-118+60 なので 4 3 2 2 =6X -50X Y+92X Y -118XY3+60Y4 とやる 早くて正確でしょう。日頃から降べきに整理する習慣をつけよう。 私の方法では、解の公式を使う場面が多いから 5X2-3XY+Y2-5X+4Y-2 などという式は (5)X2+(-3Y-5)X+(Y2+4Y-2) と整理するのが習慣になっている 二次式の係数5に括弧をつける必要は無いが、A、B、C を決めるのには、こ の方がよい。 2 2.単項式の乗法 (-2X3Y2)3(-XY3)2÷(-3X2Y2) というやつ +-の符号と、係数の数字、それぞれの文字 という具合に整理しなければな らないのだが、一度整理したはずの符号を掛け算の途中でもう一度掛けてしまっ たり、プレッシャーのためにミスが続出する問題だ。 ① 手順 符号の処理は最初にやり、後は手を触れない。係数の数字は分数で計算、 文字は、各文字ごとに②の方法で計算 符号の処理、+を掛けても符号は変わらない、-を掛けると符号が変わり -で割っても符号がかわる。よって、掛け算・割り算に関わらず、-が何個あ るかが符号の決め手。この問題の場合、最初の( )は3乗だから3個、次の ( )は2乗で2個、割っている( )にも一つあり合計6個、偶数なので+ 係数の数字は、掛け算は分数の分子、割り算は分母に次数の個数だけ書く 2⋅2⋅2 8 = もちろん約分できればこのときにする 3 3 ② 指数の計算は X2×X3=X5 なので,「掛け算は+」(かけざんはぷらす) X7÷X3=X4 なので、「割り算はー」(わりざんはまいなす) (X3)2 =X6 なので、「( )は×」 (かっこはかける) 1 X3÷X5=X-2= 2 なので、特に「-乗は分母」 (まいなすじょうはぶんぼ) X と覚える。すると X については 3×3+1×2-2=9 で9乗 Y については 2×3+3×2-2=10 で 10 乗 計算表記はこんな具合 (-2X3Y2)3(-XY3)2÷(-3X2Y2) =+ = 2 ⋅ 2 ⋅ 2 3×3+ 2− 2 2×3+ 3×2− 2 X Y 3 8 9 10 X Y 3 3 4.パスカルの三角形 (A+B)の累乗を、1.の降べきの順に整理し係数だけ書いた物がパスカルの 三角形だ。これは(2X-3Y)7 なんて計算に役に立つ。 まず覚え方、基本の(A+B)を1乗 (A+B)1= 1 +1 で表わす すると (A+B)1 1+1 2 (A+B) 1+2+1 3 (A+B) 1+3+3+1 4 (A+B) 1+4+6+4+1 5 (A+B) 1+5+10+10+5+1 6 (A+B) 1+6+15+20+15+6+1 (A+B)7 1+7+21+35+35+21+7+1 8 (A+B) 両サイドを1として、途中の数字は全て直ぐ上の数字の左右の合計になっている。 これは、数Ⅱで学ぶ、二項定理の係数nCrによるのだが、ここでは、そこまで 考える必要は無いだろう。8 乗については自分で試すと良い。ページ末に解答し ておく。 また(A-B)nについては、数字は同じで符号が先頭から+-+-+-…と 交互になるといわれている。 (A-B)7=A7-7A6B+21A5B2-35A4B3+35A3B4-21A2B5+7AB6―B7 だ これを踏まえて、この問題は A=2X、B=3Y なので 7 A の項は X は X7 だが、係数は 27=128 が加わる。 21A5B2 の項は 21×25×32X5Y2 だ。 全ての項にこれをやると A7 = 2 7X7 = 128X7 -7A6B = -7・26・3X6Y = ―1344X6Y +21A5B2 = 21・25・32X5Y2 = +6048X5Y2 -35A4B3 = -35・24・33X4Y3 = ―15120X4Y3 +35A3B4 = +35・23・34X3Y4 = +22680X3Y4 -21A2B5 = -21・22・35X2Y5 = ―20412X2Y5 +7AB6 = +7・2・36XY6 = +10206XY6 ―B7 = ―37Y7 = ―2187Y7 と計算し、これらを横に並べて解答する。用紙の都合上このように表記したが、 実際の計算もこの書き方のほうが良いようだ。 8乗解答(1+8+28+56+70+56+28+8+1) 4 5.因数分解 5 ポイント 8 パターン 因数分解は塊の数で考えよ 因数分解は塊の数 因数分解最大の武器は、解の公式だが、共通因数を無視すると言う弱点がある。 解の公式は 2X2-4X+8=0 のように共通因数があっても、それを無視 して答えてしまう特徴があるので、因数分解を4つのパターンで把握しておく必 要がある。ここで一緒に解説しておこう。 ポイント1 とにかく最初に共通因数を考える。 共通因数で括ると言う事は、共通部分を先に書き、( )を用意し、残っ た部分を書き込むと言う事だ。 例えば 6a2X3Y-4a3X2Y4 を解く場合、多くの生徒はいきなり答え を書こうとし悩む。 大事なのは急所の素因数分解を書く事。 与式=2・3・aaXXXY-2・2aaaXXYYYY とすることである 数字は2・3と23で意味が異なるので、×を表す中点を入れたが、文字は書 かなくても良い。このように書いてみると、両項に共通なのが2aaXXYであ ることが判明する。これを( )の外に出して、残りを( )の中に書くと 教えると、納得が早い。 与式=2a2X2Y(3X-2aY3) と計算できる。 ただし、共通因数の抜出には有名な問題が有り、陥りやすい。 それは、A-X と X-A が仲間であると気付きにくい事。 A-X はー1でくくると、-(-A+X)=-(X-A) である 2X+2A=2(X+A) は気付いても、上の式が盲点でAX-X-A+1 などと言うのが、因数分解しづらい。答え(A-1)(X-1) である。 ポイント2 共通因数で括り終わったら、次は項数で判断する番だ。 その1 項数が2個の場合。 累乗公式で解く。聞き慣れない公式だ。 2 2 A -B =(A+B)(A-B) A3+B3=(A+B)(A2-AB+B2) A3-B3=(A-B)(A2+AB+B2) An+Bn=(A+B A+B)(A A+B An-1-An-2B+An-3B2―・・・・・Bn-1) これは 次の形で使う場合が多い Xn+1=(X+1)(Xn-1-Xn-2+Xn―3-Xn-4+・・・・+X-1) Xn―1=(X―1)(Xn-1+Xn-2+Xn―3+Xn-4+・・・・+X+1) 和の公式は最初の( )の中が+で、後の( )は+-+-が交互に 差の公式は最初の( )の中がーで、後の( )は全て+、係数は皆1 5 になる。私はこれを「累乗公式 累乗公式」と呼ぶ。 (一般的ではないが、重要だと思う) 累乗公式 こういう見方をすると、実は、和と差の積の公式・3乗公式も、 全て累乗公式の一部である事が分かる。 この問題は、共通因数と併合して出題される事が多い 例えば、54X5-16X2Y6 などと言う問題。 共通因数2X2に気付かないと、手も足も出ない問題。それに気付けば 与式=2X2(27X3-8Y6) となり、 ( )の中の左項は 3Xの3乗、右項は2Y2の3乗である。よって 与式=2X2{(3X)3-(2Y2)3} =2X2(3X-2Y2){(3X)2+(3X)(2Y2)+(2Y2)2} と出来るようになる。 =2X2(3X-2Y2)(9X2+6XY2+4Y4) 最初からそういう風に教えてくれればいいのにね。 その2 項数が3個の場合、二次式だから、当然解の公式で答えを出す。 二次方程式を解く時に、公式を使って解く場合と因数分解で解く場合がある。 3X2+4X-4=0 は たすきがけを使って (3X-2)(X+2)=0 から 2 X+2=0よりX=-2 3X-2=0より X= 、 3 − 2 ± 4 + 12 − 2 + 4 − 2 − 4 2 = , = ,−2 と同じ答えが出る 3 3 3 3 (3X-2)のXの係数3は分数の分母、2の符号は移項したので、当然逆にな る。このことを考えると、お経「分母はXに付き+-取り替える 分母はXに付き+-取り替える」を使えば 分母はXに付き+-取り替える −2 4 解が , と出れば、因数(5X+2)と(3X-4) となるので 5 3 15X2-14X-8=(5X+2)(3X-4) と因数分解できる。 解の公式でもX= これは文字式を含む因数分解でも同じ。例えば 2Y − 3 − Y − 2 解が X = , であれば 2 3 (2X-2Y+3)(3X+Y+2) と因数分解できるのである。 この例題の場合、元の式は 6X2-4XY-2Y2+13X-Y+6 だ これを解の公式で解くのだから、( )X2+( )X+( )と言う枠を 用意して整理をする。こうなる 6 (6)X2+(-4Y+13)X+(-2Y2-Y+6) 符号はいじらない方が良い。 A=6 B=-4Y+13 C=-2Y2-Y+6 X= 4Y − 13 ± (4Y − 13)2 − 4 • 6 • (− 2Y 2 − Y + 6 ) 2•6 を代入すると になる。√の中の計算が大 変そうだ。必ず二乗の形になるので、別の場所にメモして計算する。 (うっかり、イコールを使わないこと) (4Y-13)2-4・6・(-2Y2-Y+6) =16Y2-104Y+169+48Y2+24Y-144 何かすごそうに見える。でも大丈夫。整理すると やっぱり凄い。イヤイヤ =64Y2-80Y+25 最初と最後の係数を考えると 64Y2=(8Y)2 25=52だ =(8Y-5)2 のはず。ちょっと展開すれば確認簡単。 因数分解できる以上、必ずルートの中身は二乗になっている。 だから、答えはこのように分離できる。 4Y − 13 + 8Y − 5 4Y − 13 − 8Y + 5 X = , 12 12 12Y − 18 − 4Y − 8 , = 前者は6で後者は4で約分できる 12 12 2Y − 3 − Y − 2 , となり、最初に示した解になる = 2 3 因数分解できる問題であれば、必ずルートは外れるので、使える方法だ。 3 項目なら、解の公式だ。 その3 項数が4個の場合、これは、二組ずつ二つに分けて共通因数を考える と、共通因数が出て来る。 X3+9X2+27X+27 と言うのは、 厳密に言えば三乗展開公式の逆なのだが、4項目あるので、外二つと、中二つを 組み合わせてみる。すると X3+27 +9X2+27X =X3+33 +9X(X+3) 2 =(X+3)(X ―3X+9)+(X+3)(9X) =(X+3)(X2+6X+9) =(X+3)(X+3)2=(X+3)3 と判るという訳だ。 7 二つずつ組み合わせたどちらかが、累乗公式で、共通因数が見えてくるのは、よ くあるパターンだ。 その4項数が5個以上の場合、この場合は5次式では無くて、 変数がXとYなど二種類以上の場合だが、これは前述した通り、解の公式で解く しかない。=ポイント 4、また、それが一番。 ポイント3 項目が3つなのに解の公式に当てはめると D<0になってしまう場合。 これは、X4+X2+1 のように、全部偶数上になっている時。複二次式と言 う。これは真ん中の数が急所 X4+2X2+1 だったら (X2+1)2 と因数分解できるのになぁと思えば解 決。 X4+X2+1=(X2+1)2 -X2 あれ、これは和と差の積だ。」と考えて 2 2 2 =(X +1-X)(X +1+X)=(X -X+1)(X2+X+1) とやる。 全部偶数上になっている時。複二次式と言う。 ポイント 4 最大の武器は解の公式 「2X2-2Y2+3XY+X+7Y-3 を因数分解せよ。」と言う問題。 教科書に出ている類似問題は、Xだけの式(2X2+X-3) またはYだけの式(-2Y2+7Y-3)の部分が、何かの二乗になっている形 で紹介されているが、この問題はそうではない。 因数分解を解の公式で解き慣れていると、この問題は、次のように整理する。 (2)X2+(3Y+1)X―(2Y2-7Y+3) だ(=0) 係数を見ると A=2、B=3Y+1、C=-(2Y2-7Y+3) なので D=B2-4AC=(3Y+1)2+4・2・(2Y2-7Y+3) =9Y2+6Y+1+16Y2-56Y+24 =25Y2―50Y+25 と自動的に計算していく。 8 =(5Y―5)2 因数分解の法則 解は √D=整数 X= = = なので、必ず二乗の形になっている。すると 、 、 、-2Y+1 (2X-Y+3)(X+2Y-1) なので、因数は と因数分解できるのだ。 ここで、解の分母は X の係数、分子の符号を替えると、因数が出来る 「分母は X に付け、±取り替える」と覚える 難しい因数分解が、自動的にできる事にばかり、目が行きがちだが、 解の公式の真価は、Dの計算をしただけで因数分解できるか出来ないかが判る事。 Dの計算をしただけで因数分解できるか出来ないかが判る事。 ポイント5 3乗3種の因数分解 パターン2その 3 の4項目の特殊形。3 乗で作られた問題は、対称式の手法 で考えないと解けない。 2 元の対称式は、X2+Y2 、X3+Y3・・・を X+Y と XY の値で置き換えて 行く手法だね。 使う文字が 3 元の場合、X+Y+Z と XY+YZ+ZX、XYZ で 全てを表して いくのだが、やることは、2 元の時と同じで、とりあえず、基本形 X+Y+Z を二 乗して、余分な所を XY+YZ+ZX、X+Y+Z、XYZ で置き換えて行くものだ X2+Y2+Z2=(X+Y+Z)2-2(XY+YZ+ZX) は、すぐ判ると思う。 3 3 3 X +Y +Z の場合は累乗公式の考え方を使って、考えると X3+Y3+Z3=(X+Y+Z)(X2+Y2+Z2-XY-YZ-ZX)+3XYZ と言う形になる。この最後の項を左辺に移項すると X3+Y3+Z3―3XYZ= =(X+ +Y+ +Z)(X2+Y2+Z2-XY- -YZ- -ZX) となり、右辺は因数分解の形だ。これを3乗3種の公式 3乗3種の公式と名付けたい。 3乗3種の公式 しかし、今までの例を見ると、この形は 3 種類そのものの形では出題されず 例えば X3+Y3+6XY-8 を因数分解せよなどと出題される X、Y 二つしか無いから、因数定理で答えが出そうな気がするが、それはもう 9 大変な時間が掛かる X+Y=2 を発見しなければならないからだ。 しかし、ここで言う 3 乗 3 種の形だと見ると -8=(-2)3 だから、 3 乗 3 種の公式の、Z=-2 の場合だと気づくと X3+Y3+6XY-8=(X+Y-2)(X2+Y2-XY+2X+2Y) と因数分解する。勿論、二次の因数は、解の公式の D を使って、これ以上因数分 解できない事は、確認しておく必要がある。 これら、5パターン、全9種類の分類で、因数分解は必ず解ける。 さて、説明が長くなったが、問題を解いてみよう。 例 1) 3X2+5XY-2Y2-X+5Y-2 これは共通因数、特になく、項数 6 つだから、解の公式の出番 ( )X2+( )X+( )の形に整理すると A=3 B=5Y―1 C=―2Y2+5Y-2 B2= 25Y2―10Y+1 ―4AC=+24Y2―60Y+24 49Y2-70Y+25=(7Y-5)2 よって √D=7Y-5 X= 「分母は X に付け、±取り替える」の原理により (X+ +2Y- -1) )(3X- -Y+ +2) となる 例 2) は項数 4 だからポイント ポイント 2 のその 3 (a2b+ac)-(ab2+bc) と考え、共通因数を探す すると a(ab+c)-b(ab+c) ほらね、共通因数で括った残りが共通因数に成るでしょう 答え (a―b a―b)(ab+c +c) a―b +c 10 どの組み合わせでも、必ず共通因数が見つかるよ。問題だから、解けるように作 られているのだ。 例 3) は項目が多いね。であれば解の公式 輪かんの順で、abcの立場は同じ、a=Xと考えよう ( )a2+( )a+( )を作る 2 2 2 2 2 (b+c)a +(b +c +2bc)a+(b c+bc ) おや、これは共通因数があるね (b+c)a2+(b+c)2a+bc(b+c) なので 2 (b+c){a +(b+c)a+bc} おやこれも解の公式借りるまでも無い (b+c)(a+b)(a+c) となった。輪かんの順になっているね 答え(a+b が良いでしょう 答え a+b)(b+c a+b b+c)(c+a b+c c+a) c+a 例 4) (X+1)(X+2)(X+3)(X+4)+1 これは数字に意図があるので、外同士、中同士を掛ける (X+1)(X+2)(X+3)(X+4)+1 =(X2+5X+4)(X2+5X+6)+1 X2+5X が共通だね、=W と置き換えると (W+4)(W+6)+1=W2+10W+25 =(W+5)2 ここで元に戻して (X2+5X+5)2 が更に因数分解できるか考えると 解の公式手法で D=25-20=5 となり、√が取れないのでこれ以上因数分解出来ないと判る。 答え (X X2+5X+ X+5) X+ 2 例 5)X4+3X2+4 4と3が逆なら簡単なのに。 これは式が偶数乗で出来ているのでポイント ポイント 3、複二次式 、複二次式だなと判る。 、複二次式 2 2 4 2 定数 4 が出て来るのは (X +2) =X +4X +4 なので 2 2 2 与式=(X +2) -X =(X2+2+X)(X2+2-X) =(X2+X+2)(X2-X+2) 11 解の公式のDはどちらもーになるので これ以上の分解は出来ない 答え (X X2+X+2)(X +X+ X2-X+2) -X+ 因数分解は、5 因数分解は、 ポイント 8 パターンで必ず解けるので 解の公式を使う手法をマスターしよう 12 6.循環小数 黒ぽっちを付ける、変な少数として覚えているだろう。 2 = 0.285714285714285714・・・・・ 7 ・ ・ =0.285714 と言うやつ 分数から少数にするのは、実際に分子÷分母を縦の計算をして、同じあまり が出てきたら、以降繰り返しだから、繰り返しの両端の数字の上に黒丸を付け ればよい。 ・ ・ 大変なのは 2.0372 を分数に直せと言うやつ。 教科書では、100倍して両式を引き算して・・・とやるから難解。 繰り返しは9999と覚える。 ・ ・ ・ ・ 23 3458 0.3548= だ。 0.23= 99 9999 2 285714 の場合 のはずだが、これは約分をしていないからだ。 7 999999 約分のコツは素因数分解を参照されたい。 しかし、これは、繰り返しの数字が小数点の隣から始まる時しか使えない でも覚えやすい。「使えないなら使えるように工夫しよう」と言うのが熊先 生流だ。 ・ ・ 2.0372の場合、繰り返している部分と、そうでない部分が混在し なおかつ小数第二位からの繰り返しだ。「おまけを足し算」と覚える。 ・ ・ ・ ・ 2.0372=2+0.0372 さらに 1 10 372 19980 + 372 20352 3392 =2+ = = = となる 9990 9990 9990 1665 結構大変だと言われるが、もともと面倒な問題なのだ。 ただし、□の部分。ちょっと工夫あり。それは 0 の付け方。 999を分母にするのは、小数点の隣から始まったときと言ったが、そうで ない場合も、小数点の右の0の数だけ0を補えばいいのだ。つまり ・ ・ 273 35.00273= 35 + とやる。あとは通分・約分だけ 99900 これだけは練習してもらいたい。 ・ ・ =2+(0.372)× 13 7.絶対値 絶対値問題は場合わけ。それも「絶対値の中身が0」になる場所が、転換点。 「右から+-+-・・・」と覚えておこう 問題 |X-3|+|2X+5| の値を求めよ。 何てやつ 教科書では X=2 の時、何て具体的数字が与えられているから、+かーかの判 断は簡単。そう教科書は判らせるために作ってある。 この場合、数値は何でも良いので、決められない→当然場合わけ。 ではどうする お経「絶対値の中身=0」とあった。とりあえず X-3=0 → X=3 これは簡単。 5 2X+5=0 → X=- =-2.5 2 数直線を考えれば、この2点で3つの範囲に分けられる。 ① 3≦X では 両方とも+ 与式=X-3+2X+5 ② -2.5<X<3 では 3 より左の X-3だけー よって 与式=-X+3+2X+5 ③ X≦-2.5 では 両方ともー 与式=-X+3-2X-5 とやって、後は項別に整理するだけ。 -の場所に入ったら、全ての項の+とーを変えるだけ。 これはー1を掛けた事になる。簡単でしょう。 絶対値の中身が二次式三次式になっても「右から+-+-」を使えば同じこと 例えば |X2-X-6| は X2-X-6=0 を解けば、解の公式で X=3,-2.右から+だから ① 3≦X の時(+) 与式= X2-X-6 ②-2<X<3 の時(-) 与式=―X2+X+6 ③ X≦-2 の時(+) 与式= X2-X-6 とやればよい。 等号がついている所といない所があって、気になるだろうが、=の付く場所は 両方の転換点で、どちらの式に値を入れても同じ値になるので、どちらの式に= をつけても良いのだ。しかし、両方につけると、重複していると言う理由で、減 点されるので、私は+の時に=をつけ、交互に付けない付けるとやる習慣にして いる。結局+は付けるーはつけないということ。 絶対値問題は、絶対値記号さえ外れてしまえば、単純な問題なので、美味しい かも知れない。 14 8.有理化 分母に√があった場合、適当な数字や式を分子分母に掛けて、分母のルートを 無くしましょうというやつ。 1 2 = 2 2 などというのは、結構有名。分母にあるのが√2だけだから、 √は2個掛ければ二乗で取れるので、√2を分子分母に掛けることに気づく。 2 教科書でも などと言うのは出てくる。 「和と差の積の公式」と言うのが 5− 3 有って、(A+B)(A-B)=A2-B2 だから二つ同時に二乗になるからだ。 与式の場合 5 − 3 で差の方が与えられているから、残りの和の方( 5 + 3 )を分 子分母に掛ける事になる。すると 2 5− 3 = ( ( 2 5+ 3 5− 3 )( ) 5+ 3 ) = ( ) ( ) 2 5+ 3 2 5+ 3 = = 5+ 3 5−3 2 と言う計算になる。もっともこれだって、入試問題では 2 と与えてわなを仕掛ける。何がワナか判るかな? 3+ 5 うっかり 3 − 5 を分子分母に掛ける何てやるでしょう。そうすると分母も分 子もマイナスの値になって、最終的にー÷―で元に戻るのだけれど、頭が真っ白 で緊張している時には、ミスるものなのだ。もちろんこれは 5 − 3 を掛けるの だね。大―小を掛けるのがいいのだ。 入試問題といえば、上のような問題は出来て当たり前の問題。問題として意識 して出題されるなら、項が 3 つ、それもひとつは整数。こんな問題。 4 などと言うやつ。和と差の積でしか解けないから(それで良いのだが) 3− 7 +2 7 + 3 を掛けちゃったりする。2を忘れている。それでは√が取れるどころか 7 、 3 に加えて、 21 まで出現し大変なことになる。 少し落ち着いて 7 と 3 を一まとめと考え( 3 ― 7 ―2)を掛ければ、3と 7 15 は消えて、希望が出てくる。しかしこんな形だ。 4 3− 7 +2 = = ( 4 3− 7 −2 ( 3− 7 +2 ( )( 4 3− 7 −2 6 − 2 21 ) 3− 7 −2 ) = ( 4 3− 7 −2 ) ( 3− 7 ) 2 ) = 4( −4 3− 7 −2 ) 3 − 2 21 + 7 − 4 となり 2 で約分し、もう一度 3 + 21 を掛けていくのである。結構大変。 しかし、こんな問題にもコツがある。それは最初に与えられた分母の 2 を 2=√4 と考えるのである。すると、分母に現れてくる√は3と7と4、 この内3+4=7だから、7を異質と考えて 元の分母を 与式= = ( ( ) 3 + 2 − 7 と考え 4 3 +2+ 7 ( 3+2− 7 )( ( 4 3+2+ 7 4 3 ) 3+2+ ) = 3+ 2 ( ) 3+2 + 7 ( 7 ) ( 3 + 2) = 4 3+2+ 7 3 + 21 3 2 −7 を掛けるのである。すると ) = 4( 3 +2+ 7 ) 3+ 4 3 + 4−7 が最終の答えである。 二度目の有理化が、大変楽になる。 足して同じになるグループわけが急所だ。 2- 2 ― 3 + 5 が分母だった場合 ( 4 - 3 )+( 5 - 2 ) 2を 4 と考えて と扱うので 分子分母に掛ける式は( 4 - 3 )―( 5 - 2 )= 4 ― 3 ― 5 + 2 これが有理化のコツ 16 だ 9.対称式 X3+Y3 や X2-XY+Y2 のように、X と Y を入れ替えても、元の式と 同じになる式を、係数だけ抜き出した形が左右対称になるので、対称式という。 この形の式は、どんなに次数が大きくなっても、必ず X+Y と X×Y=XY で置 き換えることが出来るので、一見複雑な形の問題が作られる。しかし、必ず段階 を追って出題されるので、コツを覚えれば優しい問題である。 易しそうに見えて難しいのは、X-Y を出すことである。これは入れ替えると 符号が変わるので、対称式ではないが二乗すると X2-2XY+Y2と言う対称式に なる。よって一旦二乗の式の値を求めて、平方根を求めるのである。解答を一つ にしぼる為に、X,Y に条件が付くのが普通でこれに気をつける。 2 2 具体的な例題 X= Y= の時 X2+Y2 の値を求めよ。 5− 3 5+ 3 と言う奴。X と Y の形が似ている。求める式が対称式。となれば ① X+Y を出す ② XY を出す ③ X+Y を何乗かして XY で調整 の手順で解く。 4 2 2 最も 1 題だけの出題なら X2= = 、Y= 5 − 2 15 + 3 4 − 15 4 + 15 3 3 とやって通分しても良いが、普通は他にも X +Y を出せなどと言うのが付随 しているので、昔からの決まり技に軍配が上がるようだ。 X、Y を有理化してから計算しようとする人が多いが、X+Y、XY を出す過程 で自然に有理化されるので、そのまま足すのが良い。 手順:X+Y お互いの分母が足りないので通分する。 ( 2 5+ 3 ) + ( 2 5− 3 ( 5 − 3 )( 5 + 3 ) ( 5 + 3 )( 2( 5 + 3 + 5 − 3 ) =2 5 = X+Y= ) 5+ 3 ) 5−3 XY を求める。掛け算するわけだが、分母に X+Y を求めた時の分母が 出てくるので、そのまま使えば 2× 2 X×Y= =2 となる。以降全ての場面で使うので、 2 X+Y=2√5 XY=2 と書き出しておく。 さていよいよ X2+Y2 に取りかかる。X の次数に着目すると2次だから ① (X+Y)を二乗してみる。(X+Y)2=X2+Y2+2XY だ。 これは求めたい X2+Y2 より2XY 多い。だからその分、調整と考えれば。 17 X2+Y2=(X+Y)2―2XY となる。 それぞれの値はあらかじめ求めてあるので、代入すれば ( ) 2 = 2 5 − 2 × 2 =20-4=16 となる。 普通は更に X3+Y3 を求めよと発展していくのだが 同様に考えて (X+Y)3=X3+3X2Y+3XY2+Y3 と置いて、 X3+Y3=(X+Y)3-3X2Y-3XY2 としたまま考え込んでしま う生徒がいる。解の公式で困ったように、問題を難しくするのは共通因数である ことに気付くと、後半部分がー3XY が共通因数であることに気付く。 よって X3+Y3=(X+Y)3-3XY(X+Y) である。 ここまで書くと、X+Y、XY で置き換えられる事に気付き、解答に至る。 X3+Y3=40√5-3×2×2√5 =28√5となる。 もう少し慣れてくると3次式は2次式×1次式なので (X2+Y2)(X+Y)=X3+X2Y+XY2+Y3 =X3+Y3+XY(X+Y) なので X3+Y3=(X2+Y2)(X+Y)―XY(X+Y) =16×2√5-2×2√5 より =28√5 とやれるようになる。 さて難問だが X―Y の出し方を書いておこう。この例のように X、Y が個別に 与えられていれば、引けばよいので簡単だが、X+Y=5、XY=3 などと与えら れている場合。定番で次のように解く。(X<Y などの条件が必ず付く) ① 対称式にするために (X-Y)2を考える。 (X-Y)2=X2-2XY+Y2 これと比較するために(X+Y)2を出す。 (X+Y)2=X2+2XY+Y2 2XY の部分が違うだけだから、 調整すると (X-Y)2=(X+Y)2-4XY=25-12=13 となる だから X-Y= ± 13 だが、ここで条件が生きて、X-Y はマイナスだから X-Y=- 13 と決定するのである。 この問題は一次式をわざわざ二次式にして解の個数を増やし、もとに戻すので盲 点になる問題である。 18 10.二重根号 二重根号とは√の中に更に√があるものの、外側の√を外す問題。 完全に√が無くならないといけないと勘違いしている人が多い。 この問題は(A+B)2=A2+2AB+B2 の公式から派生する。 もっとも私は、この公式は (A+B)2=A2+B2+2AB の形で覚えようと主張 している。(A-B)2=A2+B2-2AB だ。この形は変わらない部分と、違いに分 けられている。この公式が頭に入っていると。 ( A+ B ) 2 = A + B + 2 AB 、 ( A− B ) 2 = A + B − 2 AB が判かるだろう。 変わらない部分は A+B で足し算、2数の+かーにより2√の所が+かーにな るが、√の中身は AB で掛け算だ。 だから 5 + 3 − 2 5×3 = ( よって 8 − 2 15 = 5 − 3 5− 3 ) 2 と変形できるのである。 と変形できる。これを二重根号を外すと言う。 このままの形で出題されれば簡単だが、実際問題はこの形では出題されない 2√の2を隠す方法に2つある。 ① 11 + 6 2 の形、余計な数字を掛けて2を隠すタイプ。 これは、6=2×3であるから、余計な3を√の中に入れてやる。勿論√か ら出る数字は2つ揃って2乗になったら出られるのだから、中に入るときは2 乗される。 11 + 6 2 = 11 + 2 2 × 3 × 3 = 11 + 2 18 だ。 掛けて18足して11になる数字は9と2だから(大きいものが必ず前) 11 + 6 2 = ( 9+ 2 ) 2 = 9 + 2 = 3+ 2 と言う具合に答えを出す。 ② 3 + 5 の形√の外に2そのものが無い。隠れている訳ではない。 無ければ無理やり作る。それが熊先流。有理化の手法を使って、分数化し 分子分母に 2 を掛ける。 6+2 5 5+ 1 。まず分子だけ考える。 と二重根 2 2 号が外れる。この場合は最後に有理化する必要がある。もう一度 2 を掛けて 10 + 2 2 と答える。こんな感じ。 19 11.不等式 不等式の計算は等式と同じように両辺に同じ事をすれば、足しても引いても 掛けても割っても、殆ど同じようなことが出来る。 しかし、マイナスの数字を掛けたり割ったりした時のみ、不等号の向きが変 わる。これが、数学苦手な人のミスを呼ぶ。マイナスを足しても向きが変わる のなら覚えられるが、掛け算割り算のみの特徴と言うのが覚え難いらしい。 もちろん素直に納得できる人には必要の無い配慮だが、失敗した覚えのある 人は次の手順でマイナスの数で掛けたり割ったりしないように気をつければ ミスは無くなる。 ①不等号の向きをいつも右が大きくなるように入れ替える。 ②求める X の係数がマイナスに成らない側に X を集める。 ③X の残る方から邪魔な定数を削除する。 ④X の係数で割って X のみの範囲にする。 例えてみればこうだ。 ①向きを変える。 ②③整理 整理の結果 ④係数で約分 3X-4≧-2X+6 -2X+6≦ 3X-4 +2X+4 +2X+4 10≦ 5X 5 5 答え 今までの習慣で 方向が良い。 20 2 X≧2 ≦ X の場合 整理する項の下に書く 同じものを両辺に ラインは計算の合図 こうやる とやりたがる人がいるが数直線で考える以上この さて、二次不等式にも、この考え方を応用して、大切な要諦。X2の係数を必 ずプラスに変更してから計算するのがコツ。また、X の項が集まった側により 答えの方向が決まる。(左側に集まれば2解の内側。右側なら2解の外)と覚え る。例えばこうだ。 の場合 -2X2-3X+5>-2X-1 2 ①向きを変える -2X-1<-2X -3X+5 2 ②整理 +2X +3X-5 +2X2+3X-5 結果 2X2+X-6<0 左側に集まった(2解の内側) ③解の公式で、2解を出す。A=2 B=1 C=-6 − 1 m 1 − 4 × 2 × (− 6) − 1 m 1 + 48 = 2×2 4 −1− 7 −1+ 7 3 3 , = −2, = となり 2解がー2と と判った。 4 4 2 2 3 となるのである。 よって 答えは − 2 < X < 2 変形して、 0≦X2-X-6 と成った場合 X の項が、右側にあり、2解はー2と3であり、不等号にイコールが付い ているので、答えは2解の外側。 X≦-2 ,3≦X と成るのである。 X= 21 12.解を持つ条件 ①実数解を持つ。②接する。③共有点の個数。④常に正である。などの言葉が 出たら、必ず使う判別式D。これがどうして、指導要領から削られなければ成ら ないのか判らない。 二次方程式の解は、AX2+BX+C=0の形にさえ成っていれば、複二次式 − B ± B 2 − 4 AC を除いて、解の公式で答えが出る。 X = 2A この事は、頂点のX座標 は覚えたはず。 B 2 − 4 AC −B を中心に左右対称に、同じ距離 だけ、離 2A 2A れた処に、X切片が有ると言うことだ。 当然のこととして、ルートの中身がマイナスか、ゼロか、プラスかによって、 解が無くなったり、重複したり、二つになったりする。 そこでルートの中身であるB2-4ACを「決める」と言う英語「Define」の 頭文字をとってD=B2-4AC を判別式と呼ぶ。これが何故生徒を惑わせる ことになるのか判らない。Dはまた解の公式に出てくる定数A、B、Cに次ぐ文 字だから、覚えにくい訳が無い。最も係数Bが偶数で、倍数公式が使える場合 AX2+2bX+C=0 の場合、判別式もDD=b2-AC で良い。 この程度が紛らわしいと言うのなら、倍数公式を使わなければ良い。しかし入 試はかなりな確率で倍数公式だから、相当時間の損を覚悟しなければならない。 さて、冒頭のそれぞれの場合、どのように使うのだろうか。 Dには3つの範囲がある Ⅰ.D>0 の場合・・・答えが二つ → 2実数解 Ⅱ.D=0 の場合・・・答えが一つ → 1重解 Ⅲ.D<0 の場合・・・答えが無い → 実数解0 である。 二乗してマイナスになる数は実数の範囲には存在しないから。 ①の場合、実数解があるか無いかと聞いているので、ⅠでもⅡでも良い事になる よって使うのはD≧0になる。Ⅰ・Ⅱの合体だ 例えば 「12X2-kX+3=0が、実数解を持つkの範囲を答えよ」など と出題される。もっとも、解の公式の形であることを隠すために 2X2+3=kXがなどと変形してある場合がある。 二次式→AX2+BX+C=0が反射的にひらめくとよいのだけれどね。 さて、この問題の場合D=k2-144 だね、 だから k2-144≧0 を解くのだけれど、答えはk≦-12、12≦k 22 だね、しかし、自分が何をやっているのか考えない生徒は、やたらに不等号・ 等号を書きたがり、D≧k2-144 なんて書いてみたりして×になる。 これは、意味を考えればわかるはずだ。Dが0以上なのであって、k以下はそ のDを置き換えただけだ。つまり、=を使うべき。その値が≧0なのだ。 正しくは D=k2-144≧0 でなければいけない。 ミスはこんな所に転がっている。数学はミスらなければ誰でも100点だ。 ②の場合 二つの関数Y=f(x)とY=g(x)が接するとき。と言う奴。何かこ んな文字式にすると難しそうだが、接すると言うことは共有点が一つ。つまりⅡ のパターンと言うことだ。 例えば 「放物線Y=2X2-3 と直線Y=2X+k が接するときの、接 点の座標を答えよ」何て奴。普通は最初にkを求める小問題があって、それを使 って接点の座標なのだが、意地の悪い問題はいきなり接点と来る。 いずれにしても、Ⅱ、D=0 だ と言うことは AX2+BX+C=0 を 作らなければ成らない。問題文を見ると 2 つのY=がある。これを利用すれば 2X2-3=2X+k だね。=0を作るために、右辺の項を全て右に移項すれ ば、2X2-2X-3―k=0 だ A=2、B=-3、C=-3-k なので D=4+12+4k なのだ。 16+4k=0 従ってk=-4 となる。 あれ?座標は? あわて無いあわて無い。ルートの中身が0なのだから当然 −B 2 1 X= = = その時 Y=2X-4 (k=-4だからね) 2A 2×2 2 1 よってY=-3 接点の座標は( ,-3)となる。こんなもんだ。 2 いきなり接点と言われても、まずkを出すのがポイント。 ③の場合はこの項目の最初に書いたとおり。Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの場合分けがそのまま答え。 ④の場合はX2の係数が正か負かによって2パターンある。 それは二次の係数A>0であれば、関数のグラフは下に凸だから、交点が無い Ⅲのパターンの場合、Yの値が全て正になるのである。逆に二次の係数A<0だ と、Ⅲのパターンの場合、関数が上に凸で全てがX軸の下になる。つまりYは全 て負という問題。 例えば 「全ての実数Xについて、2X2-kX+1>0となるkの範囲」など という奴。二次の係数2>0だから、迷わず判別式。 D=k2―8 より k2―8<0 を解いて -2√2<k<2√2 である 23 13.一つの解が* これはもうX=* を代入するしかない。まさに「解=X」そのままだから 例えば、 「2X2―aX+1=0 の一つの解が1の時、もう一つの解を答えよ」 と言う奴。当然X=1を代入する。すると3-a=0 だから a=3 だ。 これで求める X が判らない。二次方程式解は二つあるのに。 そう今判ったaを代入すれば 2X2―3X+1=0 これは解の公式で簡単 に解けなければ困る。X= 3± 9 −8 1 = 1, 4 2 だ、1は始めに与えられているから 1 と答えて欲しい。 2 もっとも1.縦の計算のできる人は 2X2―3X+1をX-1で割り算して 2-1 1-1)2-3+1 2-2 -1+1 -1+1 0 1 2X-1=0より、X= を出しても良い。 2 解=Xなので、とにかく代入だ。次の項もそれと同じ もう一つの解は 14.点(2、-3)を通る。 実は座標は何でも構わないのだが、文字で書くとそれだけで難しいと勘違いす る人がいるのでこう書いた。 座標は本当は(X,Y)=(2,-3) と書くよね。しかしこのように書いたら X=2、Y=-3が見え見えだ、と出題者は考えるから、(X,Y)を省くのだ。 と言うことは、X=2、Y=-3を代入すればそれだけで答えが出ると言う事。 15.公約数・公倍数 の考え方 「どちらも割り切れる・・・」という言葉が出てきたら、公約数の問題、たい ていは最大公約数。しかし、これが、「どちらでも・・・」となったら、公倍 数の問題だ。両方セットで理解するしかない。 最大公約数(GCM)、最小公倍数(LCM)と言うが、何だかGの方がLより大 きく見えて、勘違いする人が多い。素因数分解を必ずするのだが、最大公約数 24 は共通部分の最大なのである。それに対して、公倍数は足りない部分を全て補 うと言うことだ。具体的な例で考えよう。授業で習うときは、二つの数字の公 約数・公倍数しか扱わないので、3つの数字の場合で考えよう。 1080、336、450 の公約数・公倍数を考える。素因数分解すると、 33235 、3・247、322・52だから 共通部分を考えると公約数が出てくる。 GCM=3×2=6 だ。1、2、3は公約数(最大ではない) 5については 336 の因数ではない、7は 336 のみだから論外。 足りない部分を補う(最大次数にあわせる)と公倍数になる。 LCM=3324527=75600 である。 昔からの方法で、3個同時に素因数分解していく書き方があるが、個別に素因 数分解し、上のように比較する方法に勝るものは無い。 16.整数問題 「~な整数 X、Y を求めよ」と言う整数問題。公式は無い。工夫し考えなけれ ばならない。多くは時間稼ぎの問題であるから、最初から取り組むべき問題では ない。しかし、できるべき問題を解いてしまった後、アタックするなら整数問題 がよいだろう。きっかけは、素数の素因数分解である。例で示そう。 「XY-2X+5Y-13=0 である整数 X、Y の組み合わせを答えよ」と言 う問題。 整数=整数×整数の考え方を使う。 XY があるので(X+A)(Y+B)の形に因数分解できそうなことが分かる。 ―2X、+5Y があるので、A=5、B=-2らしいなと考えられればしめたも の。(X+5)(Y-2)=XY-2X+5Y-10 と問題式を比べればー3の違いだ。 XY-2X+5Y-13=(X+5)(Y-2)-3 だね。見えるかな? (X+5)(Y-2)-3=0 より (X+5)(Y-2)=3 を作るのが要。 3は素数なので、1×3か3×1、(-1)×(-3)、(-3)×(-1)しかない。 Ⅹ+5=1なら Y-2=3 → (X,Y)=(-4,5) Ⅹ+5=3なら Y-2=1 → (X,Y)=(-2,3) Ⅹ+5=―1なら Y-2=―3 → (X,Y)=(-6,-1) Ⅹ+5=―3なら Y-2=―1 → (X,Y)=(-8,1) と言う具合にやる。最終的に個別に数え上げるために因数分解の形を作ると考え よう。 整数問題は、新指導要領で領域化されたので、和算の九去数の手法・中国式剰 余定理(ユークリッドの互除法)を、巻末に加筆した。 25 17.グラフを書く 「グラフを書きなさい」とあれば当然だが、関数の問題は、グラフを書けと書 いていない場合、略図でもよいからグラフさえ書けば答えが見つかる場合が多い。 よって、どんな場合でもすぐにグラフが書けるようにすると良い。 数Ⅰ数Ⅱを通してグラフと言ったら①直線②二次関数③円④三次関数である。 ① 直線 Y=aX+b これは傾きa、Y切片bと習う。 Y切片とはY軸(X=0)を通る点のY座標がbであると言うことは分かりや すい。一方傾きaとはX方向に1進んだ時、Y方向にaすすむのであって、 aが分数である時分かりにくいと言うが 2 −2 Y= − X + 2 などと言う場合、a= なので、X方向に3進んだ時Y 3 3 方向は2下がる(-2)と解釈するのである。 数Ⅱでは将来(X,Y,Z)立体空間での拡張を考えて、 直線の式を、AX+BY+C=0 の形を基本形と教える。この式をこの形 に変形すると、2X+3Y-6=0 だ しかし、グラフを書く時は、AX+BY=-C の形に留めて置いた方が良い 2X+3Y=6 を観ると何か感じるだろうか? 私はY切片に対してX切片と教えている。 この形ならX=0ならY=2、Y=0ならX=3 はすぐに見えるだろう。 グラフを書く時はX切片(3,0)、Y切片(0,2)を取り、2点を定規で結べば 良いのだ。これが直線の描き方。 ② 二次関数は、放物線になる、頂点を中心に左右対称に増えていく。 まず、頂点の求め方。平方完成と言う手法を習うだろう Y=AX2+BX+C=A(X-P)2+Q と言う形に変形すると 頂点の座標は(P,Q)となると言うもの。だからこの形の変形は大事。平方完 成と呼ばれる手法である。Aで括って、Xの係数の半分で・・とややこしい。 しかし、解の公式を知っていると±の前までがPと言えばすぐ分かる。 例えば Y=3X2-12X+1 の場合 − B − (− 12 ) P= = = 2 なので Y=3(X-2)2+Q はすぐ分かる 2A 2×3 Aはどちらの式にも共通なので変化しないが、こう書くとQが書いてないじ ゃないかと言われる。実はQはもっと簡単だ。 Qは頂点のY座標。つまりX=Pの時のYの値だから、元の式に今出た2 を代入すればよいのである。Q=3×22-12×2+1=-11 だ よって頂点は(2,-11)、平方式は Y=3(X-2)2-11。 26 この問題はAが分数になると際立つ。 3 1 なんてのをやって見ると良い。平方完成の大変さが判る Y= X 2 − 3 X + 2 2 3 3 3 1 解の公式ならこうだ 2A= × 2 = 3 、P= = 1 、Q= − 3 + = −1 2 3 2 2 3 2 だから 頂点(1,-1) 平方式 Y= ( X − 1) − 1 だ。 2 頂点を決めてもそれだけでグラフが書けるわけではない。 そこで活躍するのが二次の係数Aだ。これは一次式でも傾き(X1増えた時の Yの増分)を教えてくれた。二次式でもYの増分を教えてくれる。 例えばY=2(X-1)2+3なら頂点(1,3)を中心に、Xが±1増えるたびに (2,5),(3,11),(4,21),(5,35),……(0,5),(-1,11),(-2,21),(-3,35),…..である。 Y 座標は左右対称なので当然同じ、その増え方を見てみると 2、6、10、14、・・・と増えていくのに気付く。 では、Y=-2(X+2)2-5ならどうか。頂点(-2,-5)を中心に 増分だけ見ると -2、-6、-10、-14 あれ?-付いただけで、さっきと同じだぞ じゃあ Y=3(X―2)2+1 では、頂点(2,1) その増分は 3、9、15、21、・・・だ、残念同じじゃないや いやちょっと待て、この数字係数 A で割ったら、みんな同じ 1、3、5、7、・・・じゃないか、この後 9、11、13、・・・ 奇数じゃないか。・・・その通り。これが決まり! Y=2(X-3)2-5 のグラフは、次のように点を取って行きながら描く 頂点 (3,-5) 2×1= 2 (4,-3)、(2、-3) -5 +2=-3 2×3= 6 (5, 3)、(1, 3) -3 +6= 3 2×5=10 (6,13)、(0,13) 3+10=13 あとは滑らかな線で結べばよい。 こうすれば、二次関数のグラフも 素早く書くことができる。 頂点と、Yの増分である。 1、3、5、7、9・・である 27 ③ 円のグラフ これは、中心のみで位置が決まり形はみな同じだから、簡単に 書かなければいけない。中心は次の項目「18.平行移動」を考えれば理解 できるはず。(X-3)2+(Y―2)2=42の円は中心(3,2)、半径4である。 (3,2)を中心に上下左右4離れた所 に4つの点を取る。更にその間の角度 4×0.7=2.8離れた点を4つ取る。 右のように8個の基準点が決められる。 あとは滑らかに結ぶだけ ④ 三次関数 4分割法に勝るものは無い。 関数のグラフは、本来、X~Yの表を作って、0、1、2・・・と代入して 出来た座標の点をグラフ上に記入していく(プロット)のが最も良い。 しかし、代表的な点をいくつか取って、滑らかな線で結ぶのは、全体像が つかめて、効果的な場合が多い。 数Ⅱでは微分の集大成として、微分係数0の点(極値)を二つ求め、その前後 の関数の増減表を作り、グラフの略図を作ろうと言うもの。一見理にかなっ ているが、極値を見れば微分係数の正負を調べなくとも、増減は当然。2点 しか取らないので、雑な略図になる。問題解法になどとても使えない。 予備校の手法、4分割を使うと5つの点をプロットできる。また最大値最 小値を考える重要な手がかりになる。紹介しよう。 例えばY=X3-3X+1 の場合、Y‘=0となる2つのXを求めて、極値 2箇所を決める。ここまでは教科書どおり Y‘=3X2-3=0 → X=±1 極値(-1,2)、(1,-2)となり 教科書では、次のような増減表を作る 極大 極小 X -1 1 Y‘ + 0 ― 0 + Y 3 -1 これだけの情報でグラフを作れと言う。無茶苦茶だ 4分割法はこうだ。5プロットもあれば増減の矢印は不要だ 左点 極大 中点 極小 右点 X -2 -1 0 1 2 Y‘ 0 中 0 Y -1 3 1 -1 3 28 中点・左点・右点などと言う言葉が出てきて、何だ?と思うだろう。 しかし、分かってみれば簡単。 中点は、文字通り極大値・極小値の中点。Xも足して2で割り、Yも足し て2で割る。必ずこの点を通る。計算してみると良い。極大・中点・極小の X座標の間隔は 1 ずつ均等である。 この間隔1が大切 左点は極大値からこの間隔1だけ左の場所、 Y座標は極小値と同じ。 右点は極小値からこの間隔1だけ右の場所、 Y座標は極大値と同じ。 5つの点を滑らかに結び、延長すれば終わり。 ほぼ正確な図が誰でも書ける。 18.平行移動 数学の手法の中で、 「X方向に3平行移動した」と言われたら「X→X-3」 に置き換えると言うことだ。これはYにも言える。 Y方向にー2と言われたら「Y→Y+2」だ。変換理論と言う。 この考え方を使えば、点(2、3)を通る、傾き4の直線 と言うのは Y=4X のグラフを原点(0,0)→(2,3)に平行移動と考え Y-3=4(X-2) カッコを外してY=4X-5 とやる。 17.で出てきた平方式も、実は平行移動だ Y=AX2 のグラフを頂点(P,Q)まで平行移動すれば (Y-Q)=A(X-P)2 → Y=A(X-P)2+Q 同じく円も 原点中心の円 X2+Y2=r2 を(A,B)に平行移動 (X-A)2+(Y-B)2=r2 が円の一般形になる。 2平行移動はー2、-3平行移動は+3である。 この手法を知らないと 「Y=2X2+3X-1 のグラフを、X方向2、Y方向-1平行移動した関 数を答えよ。」などと言うやつを、平方完成して頂点求め、頂点を平行移動 して、平方式を出し、カッコを外して答えを出す。いやはや大変。 変換理論ではこうだ。 X→X-2、Y→Y+1 Y+1=2(X-2)2+3(X-2)-1 カッコを外せば 2 Y+1=2X -8X+8+3X-6-1 整理して 2 Y=2X -5X たった2行で終わりだ 29 19.対称移動 同じ移動でも、対称移動は符号が変わる。X軸対称の場合、Yの符号が変わ る。Y→ ―Y だ。多くの場合、Y軸対称だから、X→-Xの変換をする。 Y=3X2-2X+1 をY軸対称移動すれば Y=3(-X)2-2(-X)+1=3X2+2X+1 だ。 原点対称と言うのは、X軸にもY軸にも対称という事だから、XもYも符号を 変えるのである。この問題の例であれば -Y=3(-X)2-2(-X)+1 なので 2 Y=-3X -2X-1 である。 平行移動も含めて、移動は「変換」と心がけよう。 20.最大値・最小値 入試の数学では必ず関数が出題されるのは当然だが、中でも難問が多いのが、最大値・最小値問 題である。 これは、二次関数の頂点を求める手法(平方完成)から派生され、「二乗の残 り」、 「相加相乗平均」、 「三角関数の振幅」 「グラフ問題」の4系統に分類される。 それぞれの複合系などを含めて、9種類の出題パターンがある。 A 二乗の残り、 その1 Y=3X2-12X+5 頂点 の最小値 頂点が、最小値になるので、P,Q の計算だ。 X2の係数マイナスなら最大値に成る、 P= = =2 Y=3(X-2)2-19 Q=Y(p)=3・4-12・3+5=-19 で X=2 のとき 最小値―19 なので、 とやる。 これは頂点の座標だから、視覚的に理解できる。平方完成の問題と呼んでも良 いだろう。 この式を二乗の部分 3(Xー2)2 と その余り -19 と考えれば、二乗の 部分の最小値は0であるから、二乗の残りと言う言い方も納得できるであろう。 30 すると次のパターンが理解できよう。 その2 X2+Y2-2X+4Y+3 2 つ以上の二乗の残り の最小値 これは円・楕円の方程式に出る形 X は X で、Y は Y でまとめて平方完成 (X-1)2―1+(Y+2)2-4+3=(X-1)2+(Y+2)2-2 と変形すれば 二乗の余り・・・-2 だから(X,Y)=(1,-2)の時 とすぐに出る。 最小値―2 更に Z の二乗・・・を含んでいても同じだ。 その3 X2-2XY+2Y2+2X-6Y+6 X,Y 複合形 の最小値 XY の項があると、これを解くには、平方完成より P→Q の解の公式方式に軍 配が上がる。 X2+(-2Y+2)X+(2Y2-6Y+6) X について整理すると と変形 P=Yー1 Q=(Yー1)2+(-2Y+2)(Yー1)+2Y2+2(Yー1)-6Y+6= 更に Y について、平方完成すれば Y=2 答え(X,Y)=(1,2) B X=1 → の時 なので 最小値1 相加相乗平均 本来これは ( 与式=(X-Y+1)2+(Y-2)2+1 )内=0より、まず、Y だけの式から、Y の値が 二乗の余りの原理を使えば( 決まる。 Y2-4Y+5 と答えられる。 公式は ≧ と言うものだが、 )の二乗が正である事から説明される。 従って、本来の形は a>0、b>0 なら a+b≧2 とされるべきだ。 実際の問題を解くときもこの形で使われる。 その1 一般形 の最小値。 31 これは X2≧0が隠れ範囲としてあるので、 X≠0なら( )>0 なので 相加相乗平均より の時、つまり その2 = ≧2 X=± のとき、最小値 分母で相加相乗平均 となり と答える。 (X>0) の場合の最大値 分数の形で最小・最大は、相加相乗平均でしか解けない。 そこで式の形を見ると。分子の X2≠0に注目し、分子分母をこれで割る。 すると 与式= の形になる。 相加相乗平均より ≧2 分子は定数なので、分母だけ考えると =4 なので X= つまり X=2(X>0)の時、分母は最小値4になる。 分母が大きくなるほど、分数の値は小さくなる。従って全体は X=2 C の時、最大値 と言う解答を得る。 三角関数の振幅 Y=Sinθ や Y=Cosθは 振動関数なので、その振幅が最大・最小となり、 ほぼ自動的に、最大値・最小値の対象になる。気をつけるべきは、 Sin はθ=90°で最大値1、θ=270°で最小値―1 Cos はθ=0°、360°で最大値1、θ=180°で最小値―1 厄介なのは数Ⅰだ。θの範囲が0°≦θ<180°の限定がある。 32 となる事。 この場合、Sin は、θ=90°で最大値1は同じだが、最小値はθ=180°で 0 と限定される。 Cos はそのまま、0°と180°が最大値・最小値だ。これが問題。 数Ⅱまで履修し、数Ⅰのみで受験する者が引っかかる。要注意 要注意 その1 基本形 2Cos(θ―30°)-1 の最小値と、最大値。 -1は全くの定数。2は振幅だから、最大最小に影響するのは Cos の部分。 これは θ―30°=0°または360°の時、最大値1 この問題の場合、390°は範囲外、よってθ=30°の時最大値1 θ―30°=180°の時、つまりθ=210°で最小値―1 よって全体としては振幅の2を掛けて定数―1を足すので 答え θ=30°で最大値1、θ=210°で最小値―3 となる。 2Sinθ+3Cos(90°―θ)なんて奴も、変換すればこの形 その2 単振動の合成形 +Cosθ の最大値・最小値 一つの式の中に Sin と Cos の両方はいっていると、大変そうだが、Sin Cos 両方あれば単振動の合成。 与式=2Sin(θ+30°)と成るから、答え 0°で最小値―2 その3 θ=60°で最大値2、θ=24 は簡単だろう。 二次関数との複合形 2Sin2θ+2Cosθ+3 の場合 二次と一次の三角関数は、一次に合わせて統一する。 三角関数最重要公式 Sin2θ+Cos2θ=1 は Sin2θ=1-Cos2θ、Cos2θ=1-Sin2θ Sin2と Cos2 この場合 と変形できるので はいつでも交換できる。この変換は、よく問題に使われる。 この変換は、よく問題に使われる。 与式=2(1-Cos2θ)+2Cosθ+3 と変形でき 33 Cosθ=X と置き換えれば 与式=-2X2+2X+5 となって、頂点を持つ二次関数になる。 よし!A<0だから頂点が最大値になるな・・・・と思ったら、問題作者の術 中にはまった。 Cos を X に置き換えているので、 実はこの問題には「隠れ範囲」がある。(-1≦X≦1)を忘れてはいけない。それ を押さえて頂点を出せば P= Q= 範囲がある二次関数では、頂点から遠いほうの範囲が、逆の最○値 左端(X=-1)の方が P より遠い。Y(ー1)=1 やったぁー、X= で 最大値 、 X=-1で なので 最小値1とやると、再びはまっ た そう、この問題はθで出題されている。答えもθで答える。 X=Cosθ= より よって本当の答えは D θ=60°、X=Cosθ=-1 よりθ=180° θ=60°で最大値 、θ=180°で最小値1 となる。 グラフ化問題 「X+Y の最大値を求めよ。」と言われたら、九分九厘これ。勿論、最小値も同じ 手法で求められる。 必ず条件として「範囲付きの関数」が与えられる。二つの例を示すが、手法として は同じなので 1 種類として数えた。 34 その 1 「X2+Y2=4 の時、X+Y の最大値・最小値を求めよ。」 前半は円の方程式だ。 X+Y はヒントだから、 そのまままは使わない。 X+Y=k と置き、Y=-X+k と変形する。 グラフとして考えれば、この式は、傾きー1の直線が、 Y 切片kによって、上下に自由に移動する形だ よって、右のようなグラフを書いて、上に接する式と 下に接する式を、探せば、答えが判る。傾きー1は、135°の事だから、45° の交点 (√2、√2)と(-√2、-√2)を代入して答えを求めれば 最大値 2√2 その 2 、最小値―2√2 が容易に求められる。 話が三次式に成ると範囲が必要だ Y=3X3―4X―1 5X-Y=k (0≦X≦2)の時、5X-Y と置いて、Y=2X-k の最大値を求めよ。と言う問題 と置くのは同じだが、Y 切片kが、-kに なっている事に注目。 kの最大値は、Y 切片の最小値になるのです。 三次関数のグラフは、極値を求めて 4 分割に勝る ものはありません。やってみましょう。 Y’=9X2-4=0 X2 = → X= ですから、Y= に代入して Y( )= ≒―2.8、Y( )= ≒0.8 35 極大・ 中点・ 極小・ 左点・ 右点 を取って ( 、0.8)( 、―2.8)(0、-1)( 、-2.8)( 、0.8) この5点を通るので前図に成る。 この図の範囲で傾き 2 の直線が下に接する点を探す・・・・難しそうだね いえいえ、極値を出す為に、微分係数の式が出てるでしょう 9X2-4X=5 なんです。 解の公式で解いて では X=1 9X2-4X―2=0 とでるけれど、 (0≦X≦2)の範囲 のみ よって、Y=3―4―1=―2 なり →X= →5X-Y=5+2=4 直線=Y=5X-7 と 答え 最大値7 最大値・最小値と言うキーワードが出てきたら、この 4 系統 9 種類に間違いない。 自信を持ってアタックしよう。 この分類は、「隠れ範囲」「使いづらい数値の置き換え」「公式の導入」など、演 算テクニックの宝庫だ。 何度も繰り返し練習しよう。 36 21.関数の決定 基本形は、一次関数なら Y=aX+b 二次関数なら Y=AX2+BX+C または Y=A(X-P)2+Q であり 関数を決定するとは、この定数 A、B、C、P、Q を、ヒントの条件から決定 するという事だ。使われる用語に次のようなものがある。 傾き=a、Y 切片=b、X方向1増えるとYは○増える ○=a 対称の軸がX=2→P=2、頂点の座標(2,3)→P=2、Q=3 最大値が4→Q=4、(3、-1)を通る→X=3、Y=-1を代入。 二次関数の場合、3点の座標が与えられた以外は Y=A(X-P)2+Q に代 入するのが最も良い。しかし、この場合最後に Y=AX2+BX+C の形に直 す事を忘れてはいけない。カッコを外せと言うことだ。 3点の座標が与えられたら、Y=AX2+BX+C に代入し、3つの一次式を 作り、連立方程式を解くのだが、3つの場合などやった事が無いと言う。 現実は3つではないのに、やる前から知らないと言って諦める。数学の求め るものは、目の前に見せられないものを、頭の中でシミュレーションできる能 力だ。やった事が無いと諦める者に、数学は習得できない。やってみれば誰で もできる。数学が出来るか出来ないかは、やってみるか諦めるかの違いだ。 実際にやってみよう 3点(1,0)、(2,3)、(-1、6)を通る場合。 AX2+BX+C=Y と書くのが急所 (1、0)→ A +B +C=0 ① (2、3)→ 4A+2B +C=3 ② (-1、6)→ A -B +C=6 ③ こうして3つ並べてみると、Cの係数が全て1なのが判る。考えてみれば当 然だ。元の式ではCは定数項だからXに関係ない。加減法を使えば ②-① → 3A +B = 3 ④ ②-③ → 3A+3B =―3 ⑤ となり普通の連立だ Cの係数は全て1である以上、みな二元連立方程式になる。必ず解ける。 これが関数決定のパターンだ。 37
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