地質の科学

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地質の科学
Research
Interests
地層や岩石,化石から
46億 年 に わ た る 地 球 の
営みと歴史を探求する
1)
層序・古生物学
過去の生物の遺骸である化石は,微小なプランクト
ン(放散虫など)から,巨大な恐竜までと多種多様
です。野外調査を通じて,化石を含む地層や岩石の
性質,化石の産状などを調べ,電子顕微鏡や画像解
析ソフトなどを用いて分析することで,生物の進
化,古環境や層序の復元などを行います。
■研究内容
私たちが取り組んでいる研究テーマのキーワードは
「地球史」です。ここでの「地球史」とは,地表や
地下に露出する地層や岩石中に残された,地球の営
みの痕跡すべてを指します。すなわち,日本のみな
らず世界各地に足を伸ばして,過去の生物の化石は
もちろん,地震やプレート運動で生じた断層岩,地
下で高温・高圧を受けた変成岩などを対象に,野外
調査と室内実験を進めています。これらの総合的な
研究から,現在,手の届かない地下深部でのできご
とや,地球の歩んできた4 6 億年の歴史が明らかに
なってきます。
2)
構造地質学
固い岩石も,地下深部では壊れて地震を発生させた
り,ゆっくり流動したりします。このような岩石の
研究から,地下深部の温度・圧力や岩石の流動速度
を推定したり,過去のプレート運動の様子を復元し
たりしています。また,地表表層で生じる斜面崩壊
を対象に,岩盤の破壊過程の解明を進めています。
斜面災害の発生履歴や,災害前
に斜面内で生じている岩盤の変
形現象を,地質学的手法を用い
て研究しています。また,その
成果を,ハザードマップなどを
用いて,社会に還元する試みを
始めています。
収束プレート境界
( 海 溝 )
大陸プレート
土砂の堆積
大洋底にたまったプランクトンの化石が,日本列
島の各地から産出します。私たちは,放散虫とい
う微化石を用いて,日本列島のみならず東アジア
全域を対象に,生層序や古環境の解析,東アジア
の形成史の解読を進めています。
発散プレート境界
(中央海嶺)
大洋プレート
チャートの堆積
旧
プレートの
運動向き
大洋プレートと一緒に沈み込んだ地層は,地下深
くの高温高圧の下で変化して,また地表に戻って
くることがあります。このような岩石の研究か
ら,地下深くの様子を探る研究を進めています。
大洋+大陸プレート
旧
新
大洋地殻
形成場 プレートの
運動向き
恐竜が生息していた頃,日本列島はアジア大陸の
一部でした。その頃の地層の断片から産出する恐
竜化石を用いて,恐竜の歩行や食性などの生態を
解明する研究を進めています。
■担当教員:大藤 茂・柏木健司
マメ知識
日本列島の土台には,大洋の底に積もった地層が多く含まれます。大洋底をつくるプレートの運動とともに大
陸に近づき,大陸の縁に付け加わった地層です。最近,私たちは,中央アジアのモンゴルでも,同じような地
層を発見しました。かつて,モンゴル付近を境に,アジア大陸が分裂していた証拠です。
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