相模原市立総合学習センター 学習情報班 昨年 10 月には利用者が世界で 5 億人を突破するなど、利用者が急増している無料通話・メールサービ ス「LINE」。LINE は、利用者同士の音声通話やチャットなどのリアルタイムコミュニケーションをパ ケット料金※のみで利用できるスマホ向けのアプリですが、利用者の急増とともに LINE を舞台にしたト ラブルも増えています。LINE の特徴や使用する際の注意事項について紹介します。 ※パケット料金…インターネットやメールを行う際、データをやりとりするときにかかる通信料のこと。 1.LINE の主な機能について コミュニケーションをとる相手は、 「友だち」として登録しているユーザーです。初期設定では、自分 のスマホのアドレス帳に電話番号が登録してあり、かつ LINE を利用している人を自動で LINE 上の「友 だち」として登録するため、1回1回“友だち申請”などの手間もなく、すぐに「友だち」とやりとり が始められるのが特徴です。ここでは、主な機能を紹介します。 ①トーク………………いわゆるメールやチャット。会話スタイルでリアルタイムにテンポよくメッセ ージを送受信できます。また、イラストで描かれた多彩な「スタンプ」で、今 の気持ちを表現したり、伝えたいことをスタンプのキャラクターに託して、簡 単に送ることが可能です。 ②電話…………………LINE ユーザー同士で無料通話が行えます。 ③グループトーク……複数の友だちとトークできる機能です。グループ名を設定して友だちを招待し、 複数の友だちとグループ内でのトークが行えます。また、グループ内で写真を 投稿して共有できる掲示板「グループボード」という機能もついています。 ④タイムライン・ホーム…友だち全員に対して自分の近況などを投稿して知らせ、さらにそれを見た友だち がいいねやコメントを付けてリアクションできる機能です。 Twitter などの SNS (ソーシャルネットワークサービス) のように使える機能で、 友だちごとに公開するか否かの設定もできます。 その他にも有名人や企業などと友だちになったりできる「公式アカウント」 、各種コンテンツを提供す る「LINE Channel」 、LINE と連動して遊べるゲーム「LINE Game」などがあります。 2.LINE の特徴とトラブルについて ① LINE の基本はクローズドコミュニケーションなため会話(トーク・グループトーク)の内容を当事者以外 は見ることができません。 →悪口や人の秘密などを書いても第三者から見られないので、エスカレートする可能性があります。 ※総合学習センターで行っているネットパトロールでも LINE の内容を見ることはできません。 ②トークにはその人がいつメールを読んだかを相手に教える機能がついています。(既読) →既読と表示されているのに返信がないことがきっかけでトラブルに発展した事例があります。 ③初期設定では、友だち登録について、お互いにアドレス帳に登録していれば、自動的に友だちに追加する ようになっています。友だちに LINE を始めたことを知らせる機能もついています。 →自分が望まない相手でも、勝手に自分の友だちに登録をしてしまうことや勝手に相手の友だちに登録 されてしまうことなどから、いじめなどのトラブルに発展する可能性があります。 ④LINE ID は、LINE サービス上でその人を特定するもので、LINE ID を検索することで電話番号が分 からない相手でも友だちに追加することができます。 →LINE ID を公開する専用の掲示板(非公式)があり、その掲示板を通して知らない相手と簡単に知 り合うことができ、様々なトラブルに発展する可能性があります。 ※規制が進み、現在、18 歳未満の LINE ID 検索機能は利用することができません。 ⑤グループトークは、誰かを招待することや退会させることがグループのメンバーの誰でも個人(一人)の 判断でできます。 →グループ内の一人が勝手な判断で招待したりや退会させたりできるので、新たなトラブル・いじめ につながっている事例があります。また、特定の人を外したグループ作成をするなどのトラブルも あります。 3.子どもが安全に LINE を使用するためのポイント(保護者向け) ※子ども向けには 【LINE 安全・安心ガイド http://line.me/safety/ja/】 1.「友だち自動追加」・「友だちへの追加を許可」・「IDの検索を許可」を OFF に設定させる。 →望まない相手・知らない人からのコンタクトを防ぐ。 2.ネット上で知り合った人と会うことの危険性を話し、会わせない。 →ネット上で中学生と言っていても本当に中学生とは限らない。会うことで深刻なトラブルに発 展する事例を話し、危険性を理解させる。 3.相手の気持ちを考えた使い方をさせる。 →既読なのに返事がこないことにイライラする、けんかをしたから友だちとグループトークから 外すなど、これらは自分勝手な考え方であることを話し、相手の気持ちを考えた使い方をさせる。 4.メールアドレスや写真などの個人情報を安易に書き込ませない。 →ネット上にアップした情報は一旦広まると全てを回収することは不可能であることを伝え、個人 情報の扱いには十分注意させる。 コミュニケーションツールは正しく使えば、有益で楽しいツールである一方で、一歩間違うと深刻な トラブルに発展する可能性もあります。こうした危険は、LINE に限らず、不特定多数とコミュニケーシ ョンできるSNS全般に共通することです。保護者としては子どものSNS利用に注意を払い、新しい サービスの利用にあたっては、あらかじめ子どもを守る設定を行い、事前に利用ルールを話し合って決 めることが大切です。 <総合学習センターが行っている活動> ・ネットパトロールだより……月1回発行。携帯電話やスマートフォンを使用する際の注意点や保護者が子 どもを指導する際のポイントなどを掲載しています。 ・情報モラルハンドブック…情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方や態度を身につけるこ とを目的に作られた冊子。この冊子を活用し、相模原の子どもたちは9年 間で継続的・系統的に情報モラルの授業を受けます。 ※2 つの資料は総合学習センターのHPに掲載しています。学校や家庭における情報モラルについて の指導に積極的にご活用ください。
© Copyright 2024 Paperzz