日本語 - 在タイ日本国大使館

プラティープ・ウンソンタム・秦氏(ドゥアン・プラティープ財団創設者/理事長)への
平成26年度外務大臣表彰授与式における佐藤大使スピーチ(仮訳)
(平成26年9月19日、於:大使公邸)
プラティープ・ウンソンタム・秦様、日本国外務大臣表彰の受賞おめでとうございます。ま
た、ご列席の皆様におかれましては、日本国外務大臣表彰状の授与式にご出席頂きまして誠に
有り難うございます。
受賞に先立ち、今回プラティープ様がなぜ日本国外務大臣表彰を受賞されるに至ったのかを
簡単にご披露させて頂きたいと思います。
プラティープ様は、幼い頃から貧しい子供たちへの支援活動を積極的に行ってこられました。
16歳でお姉様と共にクロントイ・スラムで子供たちのための「1日1バーツ学校」を設立し、
小学校に通えないスラムの子供たちに読み書きを教える活動を開始されました。そうした努力
が国際的にも認められ、1978年には26歳で「アジアのノーベル賞」といわれるラモン・
マグサイサイ賞を受賞されました。その受賞の際の副賞をもとに、ドゥアン・プラティープ財
団を設立され、今日まで貧しい子供たちの支援を続けてこられました。
プラティープ様の活動への支援者は、タイのみならず、世界各国にいらっしゃいます。中で
も、日本からの支援は大きいと聞いており、在タイ日本国大使館もこれまで草の根無償資金協
力等を通じて、プラティープ様の活動を支援して参りました。また、ドゥアン・プラティープ
財団では過去30年間にわたり、年間1500人から2000人の我が国からの視察やボラン
ティアを受け入れ、日本人関係者が貧困者支援の実態、課題等への理解を深めることに寄与さ
れてこられました。さらに、2011年の東日本大震災の際には、プラティープ様は被災地の
支援のためにスラムで募金を行い、約40万バーツを被災地に寄付なさいました。
こうした両国間の支援の実態をプラティープ様はタイ国内及び国際社会の様々な場で積極
的に発信してこられ、両国の友好関係の強化及び我が国の支援に対する国際的な理解の促進に
貢献されてこられました。こうしたプラティープ様の長年に亘る偉大な功績を称え、今回我が
国はプラティープ様に外務大臣表彰を授与することを決定致しました。
我が国は、現在、安倍総理の強いリーダーシップの下で、
「女性が輝く社会」を合い言葉に、
女性の活躍の場を広げる様々な取り組みを行っており、
「女性が輝く社会に向けた国際シンポ
ジウム」を東京で開催致しました。タイでは、プラティープ様を始め、多くの女性が社会で活
躍されており、
「女性が輝く社会」の実現に向けて日本がタイから学ぶことは多いかもしれま
せん。
最後に、プラティープ様が、長年にわたる日本の友人として、日タイの相互理解の促進にご
尽力頂いたことに改めて敬意を表しますとともに、今後の益々の御健勝と御活躍を祈念いたし
ます。有り難うございました。