すべてのモノは二度つくられる

7つの習慣をマスターする
第
二
の
習
慣
目
的
を
第
も
っ
て
始
め
二
の
習
慣
目
的
を
も
っ
て
始
め
る
る
演習
すべてのモノは二度つくられる
「すべてのモノは二度つくられる」という原則について考えてみよう。この世の中に何かが誕生するとき、まず人
の心の中で創造が行われ、その後に物理的な作業へと進む。就活においても同じことがいえる。
就活の設計図をつくる
あなたの持つ能力を最大限に発揮し、価値観に合った会社に入社するためには、どのような設計図を描
けばいいのか。ひょっとして、設計図もなしに、ひたすら行動を起こしてはいないだろうか。ここで、就
活においての「第一の創造」を考えてみよう。
第一の創造と第二の創造
z あなたの望む結果を具体的に書きましょう。単に就職先が決まることだけでは満足いく結果とはなら
ますか? 見せかけや上辺だけで職業を考えているとし
ない場合もあります。
例:会社に自分のITスキルを評価され、メインの技術者として、採用される
たら、目標実現のためのはしごを掛け違えてしまうかも
第二の習慣である「目的をもって始める」ためには、
しれません。成功へのはしごを一生懸命登っているつも
想像力が必要です。夢を思い描く力、可能性を見いだす
りでも、てっぺんに登り詰めたときに、そのはしごが間
力、目には見えないものを心で想像し、つくり上げてい
違った場所に掛けられていたことに気づくかもしれない
く力が必要となります。これは、すべてのモノは二度つ
のです。憧れの会社も、入社して初めて、中身が違って
くられるという原則に基づいています。第一の知的創造
いたことに気づくかもしれません。
x あなたの就活について定義してみましょう。定義とは、「何を」「どこで」「いつまでに」を決めること
です。
例:2007年4月までに、ITメーカーに就職する
が先行し、第二に物的創造が続きます。
これはモノづくりを考えれば簡単にわかります。家を
人生のガイドラインを決める
建てる場合、各間取りの設計図があり、それらを組み合
わせた全体の設計図があります。設計図に基づいて部材
が加工され、すべてが統合されて家は完成します。
こうしたはしごの掛け違いを避けるためには、就活で
もすべてのモノは二度つくられるという原則を適用する
顧客ニーズに応えるためにどの要素を重視しデザイン
必要があります。自分が何を最も大切しているのか、人
するか、まず頭の中で検討され、それが確定してから設
生で何を求めているのかを意識的に考えなければ、他人
計図が描かれます(第一の創造)。この作業がすべて終わる
や環境に自分の人生を左右されてしまいかねません。
c なぜその結果を望んでいるのでしょうか? 「なぜ」を考えることはあなたの価値観を振り返ること
になります。具体的に記入してみましょう。
大切なことは、自分自身を深く見つめ、そして自分の
v 書いた内容をもう一度振り返りましょう。ここでのイメージは本当にあなたの望むことでしょうか。
そうでなければ第二の物的創造において、想像していた
個性を発揮するために、人生のガイドラインを決めるこ
「いやもう少し、違う可能性もあるかもしれない」とか「本当に望んでいる姿とは異なるかもしれない」
ものと違う建築物ができ上がってしまうからです。
とです。そのためには、子どもの頃の夢を思い出し、な
までは建築(第二の創造)にとりかかることはありません。
ぜそう考えたのかを振り返ることも有効です。
はしごの掛け違いを避ける
といった疑問が湧いてくるかもしれません。今はあせることはありません。他に可能性を少しでも感じ
ることがあれば記入しましょう。
あなたが最も大切にしていること、価値観、原則は何
かをよく考えてみてください。これは新たに考え出すと
子どもの頃、あなたは何になりたいと思っていました
いうより、地底の奥深くに眠っている鉱脈を掘り当てる
か? 男の子であればミュージシャンやサッカー選手、女
作業と似ています。たとえば、何に惹かれているのか、子
b 書いた内容を目に見えることころに貼っておきましょう。そして、何か新しく思いついたら、すぐに
の子であれば女優やスチュワーデスなど、いろいろ思い
どもの頃、何をするのが好きだったのか、心から充実し
書き直します。自分自身で「これだ!」と思うまで、ブラッシュアップを続けましょう。
描いたことでしょう。そのときなりのビジョンに基づい
ていると感じることは何なのか、何が得意なのか、など
て夢を見ていたに違いありません。
を考えていくうちに、あなたの鉱脈にたどり着きます。
では、就活に奔走しているあなたのビジョンは何でし
ょうか。そのビジョンに基づいて職業や会社を探してい
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このように、まずビジョンを発見し、それから会社を選
べば、はしごの掛け違いを避けられるはずです。
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