「エリザベス・タウン」

立ち読み映画劇場
2005年12月4日
土田一宏
先日の集まりで話のあった先週見た映画の感想を送ります。
私の最近の映画鑑賞は日ごろからヤフーの映画検索を見て渋谷
地区を検索し 面白そうな映画を探して予告編も見て決めて時間が
あったときフラットで出掛けるというスタイルをとっています。
新聞の広告欄や映画評などもよくみています。ニューヨークの
郊外で駐在員生活を送ったこともあり アメリカの一般の市民生活
やアメリカ人の心を描いた作品は務めて見るようにしています。
先週見た「エリザベス・タウン」もそれに該当したので見ました
ので紹介します。
「エリザベス・タウン」
ストーリーはドリュー青年(「ロード・オブ・ザ・リングス」のオーランド・ブルー
ムー好演)が スニーカー・メーカーのデザイナーとして会社の総力を挙げて売り出した
彼の商品が 空前の欠陥商品となり 返品の山となり会社に1000億円を超える損害を与
え 社長から呼ばれ直接解雇を宣告されところから物語は始まる。
青年は失意のあま
り自殺を図ろうとするが その寸前にオレゴンの姉から電話があり父の訃報が告げられ 長
男として父の滞在先の故郷のケンタッキーのエ
リザベス・タウンに すぐに駆けつけるよう言わ
れる。
同僚の恋人とも別れ 傷心の旅の機内で乗
務員のヒロイン(キルステイン・ダンストー知
的な美人)に出会い 親切にしてもらう。
エ
リザベス・タウンはケンタッキー州ルイ・ヴィ
ル空港から さらに60キロ以上も離れた 中西
部に典型的な田舎町であった。 ここでお葬式
があるまでの6日間に起こった
田舎町の親戚や近所の人たちのとの交流を通じて 人との絆を強めていき 傷心から立ち
直っていく様子を暖かく描いている 。
傷心の青年は ヒロインの女性に救いを求める電話をしたところ 彼が滞在しているホテ
ルにかけつけてくれ 青年の心を癒してくれる。
ホテルでのお別れの会をにぎやかに盛
り上げるために 楽団まで登場する。母(スーザン・サランドン)の送別の言葉は ユウモ
アにとみ人を感動させる。
1950年代の東京のエレベーターの中で ウェウト・ポイント陸軍士官学校出身の陸
軍大尉だった彼と出会い、互いのフィアンセをふりきって結婚し、ケンタッキーから未知
のカリフォルニアへの移住を 懐かしく語る。
最後の落ちには訪れた夫の友人が 彼女を慰めのハグした際 勃起していたと皆を笑わ
せる。
彼女が用意してくれたマニュアルに従って 郷里への長距離ドライブに出発す
る。途中ミシシッピ河に 父の遺灰をまく。 ジャズの大家が よく出入りしていたバーに
も寄る。マルチン・ルーサー・キング師が 死の直前宿泊していたホテルの部屋も訪れ
る。 ファーマーズ・マーケットで待ち受けていた彼女と再会し 結婚を決意するところで
映画は終わる。
ストーリーとしては単純であるが 監督のキャメロン・クロウはアメリカの心を詩情豊
かに描いている。バックの音楽も なじみのあるすばらしいものになっている。 田舎町
の光景、家のたたずまい、日常生活のパターンは 私が1970年代後半に過ごしてアメ
立ち読み映画劇場
2005年12月4日
土田一宏
リカの生活と ほとんど変わらず日本の生活が様変わりしているのと好対照である。
ホーム・パーティーの雰囲気も 昔近所の米国人のお宅で経験したものとまったく同じで
あった。
主演のオーランド・ブルームは「ロード・オブ・ザ・リングス」でこれまでに何度も
みたが、今回の現代劇でも 素晴らしい演技を示している。 この作品は9・11、アフガ
ン、イラクで アメリカ人の心がすさんでおり アメリカ社会に古きよきアメリカのへ郷愁
を誘う 素晴らしいプレゼントとなっておりアカデミー候補になっているのも大いにうな
ずける 。 それにしても 私が行った平日の午後の映画館は 全部で20名足らずの観客で
閑散としていた。このような地味な作品は なかなか興行がなかなか難しいようである。
アカデミーをとると このような地味な映画でもその後は満員になるのが日本の映画ファ
ンの常であるようだ。
12月は面白そうな映画がおおいので期待している。
今回の感想文は初回で漫然と長くなりましたが、次回からもう少し要領よくまとめて行
きたいと思います。 完