・発表タイトル 「日本語授業において媒介語は必要か―トルコの大学での調査をもとに―」 ・発表者/所属 朽方 修一(Shuichi KUCHIKATA) エルジェス大学(トルコ)・テュービンゲン大学 新谷 知佳(Chika SHINTANI) エルジェス大学(トルコ) ニハン カラ(Nihan KARA) エルジェス大学(トルコ) ・Abstract 本発表は、トルコの大学での日本語授業における使用言語に関する調査報告である。 主専攻として日本語を学んでいる 1 年生から 4 年生までの 76 名を対象に、授業におけ る使用言語について、学生がどう感じているのかをアンケートにより調査した。調査の 結果、日本人教師による授業では、76 人中 58 人(76%)の学生が、日本語のみによる授 業が望ましいと感じていることがわかった。また、トルコ人教師による授業でも、76 人中 11 人(14%)の学生が日本語のみによる授業が、76 人中 22 人(29%)の学生がトルコ 語と日本語両方を使用した授業が望ましいと感じていることがわかった。 日本人教師およびトルコ人教師による授業で、日本語のみによる授業を希望する理由 としては、授業外で日本語に触れる機会があまりないから、日本語の上達が早くなるか ら、日本人教師が他の言語を使う必要がないからなどが挙げられた。トルコ人教師によ る授業で、トルコ語と日本語の両方を使用した授業を希望する理由としては、翻訳の必 要があるときはトルコ語での説明もあったほうがいいから、日本語だけではわからない ことをトルコ語で確認したいからなどが挙げられた。 また、アンケートでは各授業において日本人教師とトルコ人教師のどちらが望ましい と思うかについても調査した。例えば、調査を行った大学では、1、2 年生の文法の授 業で、①「新しい文法項目を学ぶ授業」と②「習った文法項目を復習・練習する授業」 という 2 つの文法の授業がある。日本人教師の媒介語使用を希望しない学生に比べて、 媒介語使用を希望する学生の方が①②両方の授業においてトルコ人教師のみの授業を 望んでいる割合が高く、媒介語使用を望む学生は言語学習において、目標言語によるイ ンプットよりも、母語でその体系を学ぶことを強く望んでいる傾向が見受けられた。ま た、日本人教師による授業で媒介語使用を希望しない学生も①の授業はトルコ人教師に よる授業を望んでいる割合が高いことも明らかになった。 ・発表タイトル 「反転授業で文法を教える(実践報告)」 ・発表者/所属 アネテ・ハンゼン(Annette HANSEN) ボーフム大学 ・Abstract 大人数を対象にする文法授業は講義の形で行う以外にも方法があるのでしょうか。最 近話題になっている「反転授業」が一つの解決法です。 「反転授業」というのは、学習内容のインプットをビデオにして、自宅学習の教材と して提供し、授業時間をさらにインタラクティブな活動に使うという授業形式です。 発表者はこの反転授業の形で15年の冬学期にボーフム大学で日本語文法の授業を行 いました。この実践報告では、ビデオの作成から対面授業の活動までの具体例を紹介 したいと思います。
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