血漿及び血清中(1→3)-β-D-グルカンの測定

体外診断用医薬品
血漿及び血清中(1→3)-β-D-グルカンの測定
深在性真菌感染症の検査
《治療法の選択》
《治療効果の判定》
保険適用
区分「D 012」
感染症血清反応
●In Vitro Diagnostics
(1→3)-β- D -Glucan Determination Reagents
表紙及び本頁の写真:
Candida albicans の電子顕微鏡写真(日本女子大学 大隅正子教授のご厚意による)
深在性真菌感染症の
治療法の選択、
治療効果の判定に。
深在性真菌感染症は免疫能低下等を伴う多くの基礎疾患をもつ
易感染性患者に発生する日和見感染症のひとつでもあり、
その発生頻度は増加しつつあります。
深在性真菌感染症は、極めて重篤な症状を呈するため、
たとえ診断がつかなくても抗真菌剤の投与が行われることがありました。
これらのことから、抗真菌剤の投与に際し、
その適切な開始時期並びに終了時期を判定する方法が
求められておりました。
ファンギテックGテストMKは
真菌全般に共通して存在する菌体成分である
(1→3)-β-D-グルカンと特異的に反応し、
深在性真菌感染症の迅速かつ高感度検査を可能とし、
深在性真菌感染症が疑われる患者に対する治療法の選択、
深在性真菌感染症に対する治療効果の判定に使用できます。
DATA :
1
血漿及び血清中
(1→3)-β-D-グルカンの測定
DATA :
2
治療法の選択
DATA :
3
治療効果の判定
FUNGITEC
1
DATA :
1
血漿及び血清中
(1→3)-β-D-グルカンの測定
■健常人ならびに疾患別
(1→3)-β-D-グルカン値の分布14)
●
入院患者発熱エピソード202例において
患者群別に (1→3)-β-D-グルカン値を測
●
定した例(ファンギテックGテスト)
1000
●
●
血漿中(1→3)-β-D-グルカン(pg/mL)
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
100
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
20
●
●
●
●
●
●
●
●
●
10
1
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
▲
健
常
人
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●測定結果の判定法
▲
真
菌
血
症
真
菌
血
症
+
細
菌
血
症
▲
真
菌
性
カ
テ
熱
▲
真
菌
性
髄
膜
炎
▲
そ
の
他
の
真
菌
感
染
症
▲
全
身
性
細
菌
感
染
症
●
●
●
●
●
●
●
▲
深
在
性
真
菌
症
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
▲
細
菌
血
症
細
菌
性
カ
テ
熱
▲
そ
の
他
の
細
菌
感
染
症
●
▲
非
真
菌
非
細
菌
性
感
染
症
●
●
▲
腫
瘍
熱
膠
原
病
▲
原
因
不
明
の
発
熱
20pg/mL を超えるもの:治療法の選択対象
10∼20pg/mL :経過観察期間
10pg/mL以下 :健常人の値
●診断効率等(ファンギテックGテスト)
(標準的 cut off 値 20pg/mL)
有病正診率 90.2%(37/41)
無病正診率 100%(85/85)
診断効率 96.8%(122/126)
2
患者の年齢構成 40才未満 25%
40∼60才 50%
70才以上 25%
基礎疾患の内訳
白血病、悪性リンパ腫 70%
脳血管障害 10%
固形癌、結核、膠原病 20%
発熱エピソード
真菌性発熱群 剖検または細胞学的検査により真菌の関与
が確認されたもの。
非真菌性発熱群 細菌性感染症、腫瘍熱、膠原病など真菌感
染症以外に発熱の原因を特定できたもの。
不明発熱 細菌学的にも臨床的にも発熱の原因を特定
出来なかったもの。
FUNGITEC
■深在性真菌感染症の抗真菌剤
適応症分類
適応症 抗真菌剤
ファンギテック
GテストMK
フルコナゾール イトラコナゾール ミコナゾール アムホテリシンB フルシトシン
(トリアゾール系) (トリアゾール系) (イミダゾール系) (ポリエン系) (フルオロピリミジン系)
真菌血症
真菌性髄膜炎
呼吸器真菌症
●陽性となった深在性真菌感染症例
・真菌性敗血症 ・カンジダ敗血症 ・真菌性肺炎
・肺カンジダ症 ・アスペルギルス肺炎 ・慢性壊死性肺アスペルギルス症
・アスペルギルス膿胸 ・肺ムコール症 ・アスペルギルス縦隔炎
・真菌性心外膜炎 ・真菌性脳髄膜炎 ・カンジダカテ熱
傷病分類 疾患名 事例の有無 傷病分類 疾患名 事例の有無
1. 感染症及び寄生虫症
肺結核
腹腔内膿瘍
A I D S
5. 精神障害
6. 神経系及び感覚器の疾患
パ−キンソン病
7. 循環系の疾患
2. 新生物
リウマチ
胃癌
慢性心不全
肝癌
脳出血
肝内胆管癌
脳梗塞
肺癌
硬膜下血腫術後
多発性骨髄腫
胸部大動脈瘤術後
白血病
■深在性真菌感染症併発
(基礎)疾患分類
(ファンギテックGテストの臨床試験)
8. 呼吸系の疾患
悪性リンパ腫
誤嚥性肺炎
A T L
肺線維症
A M L
9. 消化系の疾患
A P L
総胆管結石
A L L
10. 泌尿生殖系の疾患
悪性血液疾患
11. 妊婦、分娩及び産褥の合併症
3. 内分泌、栄養及び代謝疾患並びに免疫障害
12. 皮膚及び皮下組織の疾患
糖尿病
13. 筋骨格系及び結合組織の疾患
4. 血液及び造血器の疾患
14. 先天異常
再生不良性貧血
15. 周産期に発生した主要病態
M D S
不応性貧血
D I C
自己免疫性溶血性貧血
3
DATA :
2
■深在性真菌感染症の原因菌分類
深在性真菌感染症が疑われる
患者に対する治療法の選択
菌種 抗真菌剤
ファンギテック
GテストMK
フルコナゾール イトラコナゾール ミコナゾール アムホテリシンB フルシトシン
(トリアゾール系) (トリアゾール系) (イミダゾール系) (ポリエン系) (フルオロピリミジン系)
カンジダ属
アスペルギルス属
クリプトコックス属
●陽性となった病原性真菌(属)検出例
1. Candida albicans
4. Candida tropicalis
7. Aspergillus flavus
10. Mucor sp.
2. Candida glabrata
5. Candida guilliermondii
8. Aspergillus niger
11. Trichosporon beigelii
3. Candida parapsilosis
6. Aspergillus fumigatus
9. Cryptococcus neoformans
■抗真菌剤投与患者年齢
累積%
100
100
90
80
73.8
70
64.3
60
50
45.7
40
30.2
30
20
10.0
10
1.7
3.7
5.2
0
0∼1歳 1∼4歳 5∼11歳
4
12∼19歳 20∼29歳
30∼39歳 40∼54歳 55∼64歳
65歳以上
FUNGITEC
■治療法の選択例R11)
治療法の選択にあたり
血中 (1→3)-β-D-グルカン値を導入した一例
抗緑膿菌作用
のある
β-ラクタム剤+
アミノ配糖体
8日目治療
●
●
●
▼
(米国感染症学会におけるガイドライン)
3日後判定
●●●●●●●●●●●●●
●
●
●
●
●
▼
発熱なし
●●●●●●●
●
●
●
●
●
▼
●●●●●●●
●
●
●
●
●
▼
なし
▼
全身状態悪化
▼
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
●
あり
3日後判定
▼
発熱あり
●●●●●●●
●
●
●
●
●
▼
●●●●●●●●●●●●●
●
●
●
●
●
継続
●
●
●
▼
▼
その他
他のβ-ラクタム剤、イミペネム、
モノバクタム剤に変更
アゾ−ル系抗真菌剤を追加
▼
β-グルカン高値
●
●
●
●
●
●
エンドトキシン高値
●
●
●
●
●
●
抗生物質を変更
または追加
(第4ないし第5病日)
●
●
●
●
●
●
▼
バンコマイシンを追加
●
●
●
▼
1週間後も
発熱あり
●
●
●
▼
アムホテリシンB
点滴開始
5
DATA :
3
■深在性真菌感染症症例 (1) 8)
抗真菌剤による治療に際し
その治療効果の判定
▼クリプトコックス感染例(ファンギテックGテスト)
患者:59歳 男性
日付 1987年11月 12月
患者は59歳男性で、自己免疫性溶血性貧血で
1
サイクロフォスファマイドとプレドニゾロンの
5
10
抗生物質
●
15
●
ピペラシリンナトリウム
セフォペラゾンナトリウム
経口投与中に発熱した。
抗真菌剤
初期血液培養は陰性であるが、血漿β-グルカン
20
●
25
30
10
15
20
25
30
ゲンタマイシン
フルシトシン
ミコナゾール
アムホテリシン B
値は発熱を起こす3日前に高値(525.6 pg/mL)
体温
(C) 39
を示した。ピペラシリンの経験的投与を行ったが
38
解熱しなかった。血液培養再検の結果Cryptococcus
37
neoformans 陽性となったため、ミコナゾールと
5-フルオロシトシン投与を開始したが解熱せず、
患者は頭痛を訴え始めた。 髄液中に墨汁法によ
5
イミペネム / シラスタチンナトリウム
525.6
(1→3)-β- D -グルカン
(pg mL ー1) 100
るC. neoformans の存在が確認されたため、アム
459.2
50
ホテリシン Bを静注した。7日後体温が正常に戻
った。抗真菌剤が奏効し、臨床症状の改善による
0
血液培養
(−)
(+)
(−)
クリプトコックス ネオフォルマンス
血漿β-グルカン値は穏やかに減少し、一ヵ月後
には顕著な低下を認めた。
髄液培養
墨汁法
自治医科大学臨床病理 大林民典先生
C-反応性蛋白 (mg dL−1)
■深在性真菌感染症症例 (2) 8)
(+) (−) (−) (−) (−) (−)
(+) (+) (+) (+) (+) (−)
3.8
7.9
4.4
10.4 10.1 10.7
2.2
0.2
0.9
0.7
▼真菌症敗血症が疑われた例(ファンギテックGテスト)
日付 1987年3月 4月 5月
10
患者:52歳 男性
抗生物質
15
20
25
30 1
5
10
15
20
25
30 1
セフタジジム ミノサイクリン
ゲンタマイシン アミカシン
ピペラシリンナトリウム
●
患者は52歳男性で、急性リンパ性白血病で
●
●
Pseudomonas aeruginosa による敗血症の治療
抗真菌剤
に抗生物質の多剤投与を受け奏効したかに見え
体温
たが、その治療中に血漿β-グルカン値が突発的
に上昇(76.5 pg/mL)し、次いで発熱した。真
菌性敗血症の重感染が強く疑われ、ミコナゾー
ル投与により、解熱と共に血漿β-グルカン値は
ミコナゾール
(C) 39
38
37
(1→3)-β-グルカン
(pg mL ー1) 100
76.5
80
60
40
20
0
低下した。
自治医科大学臨床病理 大林民典先生
(+)
(−) (−)
シュードモナス アエルギノーザ
血液培養
C-反応性蛋白
(mg dL−1)
赤血球枕降速度
(mm h−1)
6
スルバクタムナトリウム / セフォペラゾンナトリウム
セフスロジンナトリウム
0.0
6
0.9
12.1
8.2 5.1
3.1
0.4
0.3 0.2 0.1 0.2
0.0
99
107 102
94
50
32
10
31 17
5
FUNGITEC
■深在性真菌感染症症例 (3)
▼急性リンパ性白血病において真菌感染症が疑われた例(ファンギテックGテストMK)
患者:12歳 女児
5月 日付 1
5
10
15
患者は12歳 女児 平成7年2月発症の急性
リンパ性白血病 (L2, Ph1, 陽性)。
HL-4プロトコールの Extremely high risk group
抗真菌剤
抗生物質
38
37
30
硫酸セフピロム 140mg/kg スルバクタムナトリウム・セフォペラゾンナトリウム 100mg/kg
トブラマイシン 6mg/kg
スパルフロキサシン 2T
塩酸クリンダマイシン 30mg/kg
アシクロビル 25mg/kg
●
コハク酸プレドニゾロンナトリウム 30mg
36
身状態の悪化が出現。 そこで抗生物質及び抗真
(1→3)-β- D-グルカン 60
(pg mL ー1)
52.2
34.2
30
25.8
カン値は34.2 pg /mLと治療法の選択対照値 (20
した。
25
メシル酸ガベキサート
その後、骨髄抑制がみられ5月2日から発熱と全
一ヵ月半後には体温、β-グルカン値ともに低下
20
(℃) 40
体温
39
pg /mL)を越えていた為、抗真菌剤の投与を継続。
15
塩酸ドパミン
4月9日から VP-16と Ara-C の投与を開始した。
を変更。その結果発熱改善がみられたがβ-グル
10
フルコナゾール 300mg
●
ピペラシリンナトリウム 200mg/kg
導入療法を施行するも導入が得られないため、
菌剤の経験的投与を行うが解熱せず、 抗真菌剤
5
塩酸ミノサイクリン 100mg
●
骨髄におけるminor-BCR 陰性のため退院。平成
8年1月再発のため入院。HL-4 プロトコールの
30 1
●
セフメタゾ−ル
ナトリウム 140mg/kg
アズトレオナム 140mg/kg
ーとして8月9日骨髄移植を施行。11月20日の
6月 7月
25
スルファメトキサゾール・トリメトプリム 3g/日
アムホテリシンB 200mg
●
として治療を開始。完全寛解に導入後、妹をドナ
20
18.6
0
WBC(μL)
C-反応性蛋白 (mg dL−1)
カンジダ抗原
blast(%)
100 100
2.0 15.8
100
22.6
100
16.2
200 500 1400 1800
23.4 19.4 18.2 20.0
(−) (−) 0
0
0
(−) 0
2
6.0
3500 14,300 18,400 1500
18.6 17.2 2.5
0.3
1800
0.0
1500
0.1
45.0
19.0
14.0
(−)
7.0 20.0
75.0
85.0
16.0
高知医科大学 小児科 岡田 泰助先生
■深在性真菌感染症症例 (4)
患者:55歳 男性
▼肺アスペルギルス症を併発した骨髄異形成症候群(MDS)症例(ファンギテックGテスト)
日付 5月 6月 8月 9月
14
肺アスペルギルス症を併発した骨髄異形成症
候群(MDS)症例。 入院加療中に抗生剤不応の発熱や胸部X線上の
抗真菌剤
20
25
31
5
10
17
12
20
イトラコナゾール 200mg/日
アムホテリシンB 15 20
抗生物質
セファゾリン 4g/日
セフピロム 2g/日
パニペネム/ベタミプロン 2g/日
ァンギテックGテストMKの (1→3)-β-D-グル
●
アズトレオナム 4g/日
●
カン濃度が高値となるなど)が認められたため、
●
セフピロム 4g/日
ミノサイクリン 200mg/日
G-CSF剤 300μg/日 300μg/日 150μg /日 75μg /日
●
ピペラシリンナトリウム 4g/日
レボフロキサシン 300mg/日
イソニアジド 0.3g/日
●
酒石酸メトプロロール 2mg/日
理が可能なまで回復した。同剤の投与終了後、
アミカシン 400mg/日
トブラマイシン 180mg/日
●
●
イソニアジド 400mg/日
酒石酸メトプロロール 2mg/日
イトラコナゾール 200mg /日を投与し、外来管
30
イミペネム/シラスタチン 2g/日
アミカシン 400mg /日
トブラマイシン 160mg/日 塩酸アクラルビシン 20mg/日
トスフロキサシン 400mg/日
20
フルコナゾール 400mg/日
セフポドキシムプロキセチル 400mg/日
アミカシン 400mg/日
10
フルシトシン 6g/日
25 30
フルコナゾール 400mg/日
●
陰影などアスペルギルス肺炎を疑わせる所見 (フ
31
イトラコナゾール 400mg/日
シタラビン 10mg/日
G-CSF剤 300μg /日
発熱と右上肺梗塞像を認め再入院。イトラコナ
ゾールを 400mg /日* に増量し、フルシトシン
体温
(℃) 40
39
を併用する事により症状の改善を得た。
38
再入院後、好中球減少が少し進展した状態が
37
持続したにもかかわらず、イトラコナゾールと
36
フルシトシンの併用により症状の改善を得、退院
後 (1→3)-β-D-グルカン値の低下を認めている。
* 国内の承認用量は 200mg /日までです。
C-反応性蛋白 (mg dL−1) 9.1 9.6
(1→3)-β- D -グルカン
アスペルギルス
18.0 18.1 14.9 11.4 9.2 6.0 5.0
10.7 10.5 16.5 14.1 4 5.6
35.5pg/mL 91.9pg/mL
42.35pg/mL
(−) (−) (−) 11.5
7.9
3.0
0.4
30.43pg/mL
(−)
順天堂大学 血液内科 森 健先生
7
FUNGITEC
■深在性真菌感染症経過観察例 13)
■測定への影響並びに反応特異性
▼カンジダ感染例(ファンギテックGテスト)
抗真菌剤その他併用薬剤投与による影響は次のとおりです。
6/1
6
30 7/14 15 16 21 26 8/2 3
9 17 20 26 9/16 24 29
(1)併用薬の影響 ※
フルコナゾール
フルコナゾール
●
ファンギテック
GテストMK
分類 名称
アムホテリシン B
●
(pg mL-1)
フルシトシン
300
G test
Es
抗悪性腫瘍剤
血液透析
サルファ剤
化学
療法薬
配合剤
抗真菌剤
レンチナン、シゾフィラン((1→3)-β-D-グルカン製剤)
セルロ−ス系透析膜による血液透析施行患者血
有
スルファメチゾール
ST合剤
フルコナゾール
イトラコナゾール
200
G test/Es
アムホテリシン B
ミコナゾール
ペニシリン系
抗
生
セフェム系
物
質
カルバペネム系
アミノグリコシド系
100
ピペラシリンナトリウム
セフォペラゾンナトリウム
セフスロジンナトリウム
イミペネム/シラスタチンナトリウム
硫酸ゲンタマイシン
硫酸アミカシン
グリコペプチド系
抗凝固薬
無
塩酸バンコマイシン
ヘパリンナトリウム注射液
CT
×4
2
C. tropicalis
C. tropicalis
C. tropicalis
C. tropicalis
クエン酸ナトリウム注射液
0
輸液等
生理食塩液
10%塩化ナトリウム注射液
ブドウ糖注射液
リンゲル液
デキストラン40注射液
FCZの予防的投与の中止後にGテスト値の上昇が見られた。
その他
硫酸マグネシウム注射液
前日の血液より後日、Candida tropicalis が検出された。
デヒドロコ−ル酸注射液
AMPH の投与にもかかわらずGテストがさらに上昇したため、
アミドトリゾ酸メグルミン注射液
イソニアジド
再びFCZ に切り換えるとともに 5-FC を併用したところ低下
してきた。Es値は、C. tropicalis の消失した7月21日から一時
若干上昇したが、その後正常化している。カンジテックは、C.
tropicalis の出現とともに陰性化の経過をたどり、Candida 属の
検出の有無と一致しなかった。その他の部位での監視培養では、
7月20日に尿から、7月21日に咽頭粘液から、7月26日に便
から、それぞれ少数のCandida 属が検出された。
※ その他β-グルカンが混入している薬剤等で影響を受ける場合もあります。
(2)反応特異性
真菌多糖
Candida albicans
Aspergillus flavus
Aspergillus fumigatus
Cryptococcus neoformans
Microsporum canis
Trichophyton mentagrophytes
Trichophyton rubrum
Saccharomyces cerevisiae
セルロ−ス系ダイアライザ−洗浄液
リポ多糖(エンドトキシン)
リピド A
8
合成リピドA類縁体
+
+
+
+
+
+
+
+
+
−
−
−
リン脂質
ホスファチジン酸
ホスファチジルグリセロール
ホスファチジルイノシトール
ホスファチジルセリン
ホスファチジルコリン
ホスファチジルエタノールアミン
−
−
−
−
−
−
グラム陽性菌多糖
Staphylococcus epidermidis
Staphylococcus aureus
α-Streptococcus hemolyticus
−
−
−
R
ファンギテック GテストMK の測定方法(測定原理)
ファンギテック GテストMK
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測定方法及び
カイネティック比色法
単位
黄色405nm (対照492nm)、mAbs/min
測定機
マイクロプレートリーダー
反応容器
マイクロプレート
検体前処理法
前処理液を加えて10分間 (37℃) 加温
主反応時間
30分間 (37℃)
測定原理
(1→3)-β-D-グルカン
↓
G因子 →活性型G因子
↓
凝固酵素前駆体 凝固酵素
→
↓
発色合成基質 (Boc-Leu-Gly-Arg-CONH-ρNA)
→ Boc-Leu-Gly-Arg-OH
↓
p NA ( p -ニトロアニリン、黄色)
↓
A405 (吸光度変化率測定)
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開発の経緯及び特徴
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●「ファンギテック GテストMK」の特徴
真菌の細胞壁に共通に存在する構成成分の一つである(1→3)-β-Dグルカンを血漿または血清中より酵素的に検出する高感度測定法が生
ファンギテック GテストMK
化学工業(株)で開発され、1995年に新測定項目として承認され同年
①多検体測定用
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保険適用となりました。この検査薬ファンギテック Gテストは、血漿
②測定幅が広い(3.9pg/mL∼500pg/mL)
または血清中(1→3)-β-D-グルカンを特異的かつ迅速に測定すること
③操作ステップ減少により、操作時間短縮
で深在性真菌感染症が疑われる患者に対する治療法の選択、または深
④検体量(5μL)が少ない
在性真菌感染症に対する治療効果の判定に用いられます。
⑤測定妨害の減少(サルファ剤、ST合剤投与患者血等による反応妨害は
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またファンギテック GテストMKは、カイネティック比色法の採用
ありません)
により、ファンギテック Gテストと測定値の同一性を保ちながら省力
化と測定時間の短縮を図っておりますが、測定に際し専用のマイクロ
特許状況
プレートリーダー(ウェルリーダー)を必要とします。
本品に係わる工業所有権としては、特許第2944709号、特許第308
8120号、特許第3040184号があります。
販 売 名 区 分 承認番号/承認年月日 保険適用
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ファンギテック GテストMK
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体
外
診
断
用
医
薬
品
(08AM)第0735号
(平成8年6月11日)
適
用
前処理試薬に関しては、特許出願中(特開平6-70796)です。
保険適用に関する項目
●区 分
●Fungal Index (FI) 等の取り扱い
免疫学的検査「D012」感染症血清反応「28」
血漿または血清 (1→3)-β-D-グルカンの測定は固有の分子量等を持つ
標準品を用いた測定法として日本で初めて開発され体外診断薬として承認
●解 説
され、平成7年12月1日より保険適用になりました。研究用に検討された
「 28 」の(1→3)-β-グルカンは、発色合成基質法又は比濁時間分析法
Fungal Index (「トキシカラ−値」−「エンドスペシ−値」)とは異なる
により、深在性真菌感染症が疑われる患者に対する治療法の選択又は
測定結果であり、保険適用もFIは対象外ですのでご留意下さい。
深在性真菌感染症に対する治療効果の判定に使用した場合に算定する。
なお、本検査を「19」のカンジダ抗原、「21」の D-アラビニトール、
「 23 」のアスペルギルス抗原、又は「 25 」のクリプトコックス・ネオ
フォルマンス抗原と併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
(平成16年2月27日 保医発 第0227001号)
●平成17年5月現在の保険点数
深在性真菌感染症関連の検査項目(例)一覧
(1) 区分「D012」感染症血清反応(28)
(1→3)-β-D-グルカン 保険点数:250点
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製品名:ファンギテック GテストMK
(2) 区分「D012」感染症血清反応(19)
カンジダ抗原 保険点数:160点
(3) 区分「D012」感染症血清反応(21)
D-アラビニトール 保険点数:180点
(4) 区分「D012」感染症血清反応(23)
アスペルギルス抗原 保険点数:200点
(5) 区分「D012」感染症血清反応(25)
クリプトコックス・ネオフォルマンス抗原
保険点数:220点
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ファンギテック GテストMK 主要文献、参考資料
●主要文献
1. Reiss, E. : Molecular immunology of mycotic and actinomycotic
infections, pp.11-14, Elsevier, New York (1986)
2. 山口英世, ほか:病原真菌学, pp. 79-91, 南山堂 (1987)
3. Saito, H. et al. : Agr. Biol. Chem., 32, 1261-1269 (1968)
4. Obayashi, T. et al. : Clin. Chim. Acta, 147, 55-65 (1985)
5. Obayashi, T. et al. : Infect Immun., 53, 294-297 (1986)
6. Obayashi, T. et al. : Prog. Clin. Biol. Res., 231, 357-369 (1987)
7. 大林民典:臨床検査, 35, 852-853 (1991)
8. Obayashi, T. et al. : J. Med.Vet.Mycol., 30, 275-280 (1992)
9. Miyazaki, T. et al. : J. Clin. Lab. Anal., 6, 315-318 (1992)
10. 大林民典:感染症学雑誌, 67, 384-385 (1993)
11. 加藤秀幸, ほか:日外会誌, 94, 329-333 (1993)
12. Rylander, R. and Goto, H. (eds) (1994) : Third glucan inhalation
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13. 毛塚順子, ほか:臨床検査機器・試薬, 17, 933-942 (1994)
14. Obayashi, T. et al. : Lancet., 345, 17-20 (1995)
15. 安岡 彰:第1回深在性真菌症フォーラム (カンジダ症の診断)
講演集, pp. 127-133 (1994)
16. 河野 茂:第2回深在性真菌症フォーラム (真菌血症) 講演集,
pp. 17-25 (1995)
17. 大林民典:第2回深在性真菌症フォーラム (真菌血症) 講演集,
pp. 27-31 (1995)
18. 池内駿之, ほか:第2回深在性真菌症フォーラム (真菌血症)
講演集, pp. 92-93 (1995)
19. Yasuoka, A. et al. : Clin. Diagn. Lab. Immunol., 3, 197-199
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20. Yoshida, M. : J. Lab. Clin. Med., 128, 103-114 (1996)
21. 田中重則, ほか:第28回毒素シンポジウム予稿集, pp. 7-12
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22. Morita, T. et al. : FEBS Lett., 129, 318-321 (1981)
23. 田中重則:Prog. Med., 7, 1075-1083 (1987)
24. Tanaka, S. et al. : Carbohydr. Res., 218, 167-174 (1991)
25. Aketagawa, J. et al. : J. Biochem., 113, 683-686 (1993)
26. 明田川 純, ほか:防菌防黴, 23, 413-419, (1995)
27. 田村弘志, ほか:医学のあゆみ, 166, 811-812, (1993)
28. Tamura, H. et al. : Clin. Chim. Acta, 226, 109-112 (1994)
29. 田村弘志, ほか:エンドトキシン測定法の進歩, pp. 12-18,
第1回エンドトキシン研究会事務局 (1996)
30. 大林民典:臨床病理, 44, 528-532 (1996)
●参考文献
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Am. Soc. Mycrobiol., pp. 705-706 (1993)
R2. 吉田 稔, ほか:(1→3) -β-D-glucan 測定により診断した深在性
真菌感染症に対するMiconazole の臨床効果. CHEMOTHERPY, 39,
59-65 (1991)
R3. 平成2年度患者調査 厚生省大臣官房統計情報部編 上巻 平成
4年8月21日発行
R4. 奥平雅彦:病理解剖からみた真菌症の現状. 医学のあゆみ, 154,
283-287, (1990)
R5. 奥平雅彦:Opportunistic Fungus Infection の病理. 日病会誌, 74,
61-69, (1985)
R6. 吉田 稔, ほか:血液悪性疾患に合併した深在性真菌症に対する
fluconazole の臨床評価. CHEMOTHERPY, 41, 1027-1032, (1993)
R7. Iwama, A. et al. : Improved survival from fungaemia in patients with
haematological malignancies : Analysis of risk factors for death and
usefulness of early antifungal therapy. Eur. J. Haematol., 51, 156-160
(1993)
R8. Hughes, W. T. et al. : Guidelines for the Use of Antimicrobial Agents
in Neutropenic Patients with Unexplained Fever. J. Infect. Dis., 161,
381-396 (1990)
R9. Debra, K. et al. : Guidelaines for the Use of Antimicrobial Agents in
Neutropenic Patients with Unexplained Fever. J. Infect. Dis., 163,
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R10. Hughes, W. T. et al. : Guidelaines for the Use of Antimicrobial Agents
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163, 202-203 (1991)
R11. 吉田 稔:血液疾患合併感染症の治療. Medicament News, 1392,
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R12. 松永貞一, ほか:抗菌薬療法と好中球の協力作用. Medicament
News, 1392, 4-6 (1993. 1. 25)
R13. 間藤 卓, ほか:薬剤および経管栄養剤に含まれる異常高値の
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R14. Usami, M. et al. : Positive (1→3) -β-D-glucan in blood components
and release of (1→3) -β-D-glucan from depth-type membrane filters
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R15. 吉田耕一郎, ほか:改良アルカリ前処理法を用いた発色合成基
質カイネティック法による血中 (1→3) -β-D-グルカン測定の基
礎的検討. 真菌症フォーラム第6回学術集会抄録集, pp. 43-44
(2005)
R16. 吉田耕一郎, ほか:改良アルカリ前処理法を用いた血中 (1→3)
-β-D-グルカン測定法の基礎的検討. 感染症学雑誌(投稿中)
●文献請求先
生化学工業株式会社 機能化学品営業部 検査試薬・機器ビジネスユニット
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目6-1
Tel. 03-5220-8953 Fax. 03-5220-8956
●製造販売元
生化学工業株式会社
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目6-1
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製造販売元
機能化学品営業部 検査試薬・機器ビジネスユニット
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目6-1
Telephone:03-5220-8953
Facsimile :03-5220-8956
E-mail : [email protected]
URL : http://www.seikagaku.co.jp
2005. 6. 2T(U)