事業報告書 〔名月観能会@LA〕 2014 年 9 月 株式会社エリアプロモーションジャパン 【事業名】 名月観能会@LA 【企画・主催】 株式会社エリアプロモーションジャパン ロサンゼルス名月観能会実行委員会 Japanese American Cultural & Community Center 【後援・協賛・協力等】 京都文化交流コンベンションビューロー 月桂冠株式会社 日本能楽協会 下鴨基督教会 【日時】※ロサンゼルス現地時間 平成 26 年 9 月 7 日 18:30~21:30 【場所】 ロサンゼルス 社団法人日米文化会館 【入場者数】 200 名 【事業内容】 ロサンゼルス市内の日米文化会館内に於いて、㈱エリアプロモーションジャパン企画、ロ サンゼルス名月観能会実行委員会の主催で、 “能”の上演を行った。日米文化会館内の日本庭 園にて、新作能「五月花(The Mayflower・メイフラワー) 」を含めた能 2 作品を上演。満 月と日本酒というエッセンスを加味し、多数のアメリカ人に日本文化を大いに味わってもら った。 このイベントは、実行委員会のメンバーである岸本喜樹朗・桃山学院大学教授(キッシー 教授®)が、日米友好の更なる発展を祈願し、現地の方々が日本の伝統的な文化に接するこ とで、より関心・理解が促進できるよう、とことんこだわってプロデュースしたものである。 そのこだわりの一つが、前述の新作能「五月花(The Mayflower・メイフラワー) 」である。 これまで、能をはじめとする日本の伝統文化は数多く海を渡っている。が、 “広く興味を持っ てもらう” “少しでも理解してもらう”ために、アメリカ人にとって身近な題材である「メイ フラワー号」を題材に自ら書き下ろした完全オリジナルの作品なのである。1993 年メイフラ ワー号のレプリカを現地で視察したキッシー教授®が、ずっと温めてきた構想を基に創作、 盟友であり共に能楽のグローバル化を目指す観世流能楽師シテ方梅若基徳師の協力・参道・ 補綴・作曲を得て完成した作品である。 その内容は、≪季節は秋。1620 年にメイフラワー号がアメリカへ渡航した時期。場所は、 マサチューセッツ州ボストン南郊の港町プリモスの浜辺。ゆかりの地プリモスの教会の神父 (ワキ)が港を眺めつつメイフラワー号の偉業を回想している。そこへ、メイフラワー号船 長の精霊(シテ)が現れ、問答の後、精霊はメイフラワー号の奇瑞を称え、アメリカの国土 安穏と民心平安とを願い、祝意を込めて舞納める≫といったものだ。 そしてもう一つが演出である。日米文化会館・芸術監督の小阪博一氏と協働のもと、会館 内にある屋外の日本庭園に特設舞台を設定。本物の老松が背景となり、満月との共演を実現 させるという詩趣に富んだ演出を施した。そこから醸し出されるオリエンタルな雰囲気は、 魅力的なパフォーマンスとして観客の心を掴んだのである。 更に演舞の合間には、月桂冠株式会社様にご協賛いただいた樽酒の鏡開きを行い、観客全 員に日本酒を振る舞った。 今回のプロジェクトは、 「能のグローバル化」を共通目標としているキッシー教授®と梅若 基徳師にとって、まさしく国際化への第一歩として大変大きな足跡を残したと言える。 補足として、今回のイベントの最後にはキッシー教授®と梅若基徳師に対し、ロサンゼル ス名誉市民としての賞状が授与された。これまでの日米友好のための取り組みが認められ たもので、 表彰式では、 今後の更なる日米友好の進展を決意するコメントが発せられていた。 【今後の展開】 今回のロサンゼルス・イベントの成功を契機に、今後更なる日米友好の発展に繋がるプロ ジェクトを次々と計画している。 先ずは終戦 70 周年を向かえる 2015 年。ロサンゼルス公演の“凱旋お披露目”として、東 京・大阪・神奈川・京都など各地で計画している。このタイミングで計画する理由は、われ われの終戦の捉え方によるものである。終戦とは悲観的な一面もあるのは事実であるが、そ の一方、 それまで対峙していた両者が手を取り合いパートナーとしてお互いを認め合う起点、 という側面があると考えている。つまり、日米友好関係再構築の起点は 70 年前にあると捉 え、それを記念した日米友好の深化に繋がるプロジェクトを推進してゆくのである。 そして 2020 年。この年はメイフラワー号渡来 400 年に当たる。そこで、400 年を記念し て、メイフラワー号を基軸に据えた世界平和と民生安定を祈る“メイフラワー・アートフェ スティバル(仮称) ”をアメリカ(ボストン・ニューヨークなど)で開催するプロジェクトも 進行中である。 また、日米友好の証となる新たなオリジナル能の創作にも意欲的に取り組んでいる。例え ば 1853 年(嘉永 6 年) 、代将マシュー・ペリーが率いるアメリカ合衆国海軍東インド艦隊の 蒸気船 4 隻が浦賀沖に姿を現した、いわゆる「黒船来航」だ。翌年、日米和親条約が締結さ れ、これを機にいよいよ日本は開国への道を進むこととなり、文明開化の幕が開かれる。ま さしく、日米両国の関係性を考える上でのターニングポイントとなる事象である。この契機 となった大きな事件を題材にした新作能の構想も既に進行している。完成の暁には、現在に 蘇る黒船のごとく浦賀沿岸に舞台を設け、時代絵巻さながらに上演することに思いを馳せて いる。 【補足】 公演翌日は、関係者全員でロサンゼルス市役所を表敬訪問。目標とする日米友好の発展へ の思いを新たに強く決意した。 【参考】 ■岸本喜樹朗(キッシー教授®) 桃山学院大学教授。京都観光おもてなし大使、名誉利酒師酒匠など、様々な社会的役割 を背景にグローバルエンタテインメントプロデューサーとして、引っ張りだこの超多忙人。 ニックネーム「キッシー教授®」は登録商標。主な研究領域は、エンタテインメント・ビジ ネス論。主な著書に『キッシー教授®のエンタテインメント・ビジネス論』 (編著、㈱エリア プロモーションジャパン、2012 年) 、 『J-POP マーケティング―IT 時代の音楽産業』 (共著、 中央経済社、2002 年)他多数。新著『能のグローバル化(仮称) 』も近日出来。 ■梅若基徳(うめわかもとのり) 本名同じ。観世流シテ方。重要無形文化財総合指定保持者。中世より続く梅若家に生まれ、 初舞台 3 歳より関西を中心に舞台活動を始める。また、フランス・イギリス・スイス・イタ リア・オランダ・ギリシャなど海外公演にも多数参加。キッシー教授®と能楽をベースにコ ラボを実践中。 他の古典邦楽や現代演劇・音楽などとのコラボレーションも積極的に模索し、 日本の伝統芸能だけとしてでなく、世界に通じる演劇としての評価を高めるために精力的に 活動する。 ■ロサンゼルス名月観能会実行委員会メンバー(五十音順・敬称略) ・梅若基徳(※前述) ・岸本喜樹朗(※前述) ・小阪博一(㈳日米文化会館芸術監督) ・杉葉子(女優: 「青い山脈」等出演、2005 年度文化庁文化交流使、ロサンゼルス在住) ・高橋英史(エンタテインメントプロデューサー) ・藤村滋弘(㈱802 メディアワークス・エフエム COCOLO 社長) ・Ms.Leslie A.Ito(㈳日米文化会館理事長) ・渡辺美津恵(ロサンゼルス日系アメリカ人博物館事業部長) ・横山典明(日本事務局長、㈱エリアプロモーションジャパン) 【画像】 [日米文化会館庭園] [観客席] [パンフレット] [特設舞台] [開演前・ライトアップ] [台本(日本語版・英訳版) ] [能 羽衣] [能 五月花 & 満月] [ロサンゼルス市役所] [鏡開き・乾杯] [LA名誉市民表彰] [ロサンゼルス市役所表敬訪問] 株式会社エリアプロモーションジャパン 〒618-0071 京都府乙訓郡大山崎町尻江 5-2 TEL:075-200-6901 FAX:075-201-6900 Mail:[email protected]
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