Leadership Series Gender Balance In The WorkforceAttracting Female Professionals To Japan’s Workplace 専門性の高い女性の労働力を生かす springjapan.com 進展が遅い日本の女性活用 1 先進諸国に比べ、日本では女性の社会参画が遅れている。 企業に求められるダイバーシティ・マネジメントと、女性活用の取り組みについてリポートする。 現在、日本企業ではダイバーシティ・マネジメントの取 が 女 性で あり、 女 性 の 視 点 が 必 要 なこと、 また、 労 働 力 り組みが急務となっている。ダイバーシティは「多様性」を 不 足を補うた め にこれまで 以上 に 女 性 の 労 働 力を生 か す 意 味し、 ビジネス社 会で は、 性 別、 国 籍、 年 齢 などのさ 必要があることなどが、その理由である。 まざまな 違 いを受 容し活用することをダイバーシティ・ マ それでは、日本での女性活用はどのくらい進んでいるの ネジメントという。これはマイノリティの処遇改善策として だろうか。 結 論 からいうと、 日本 の 女 性 活 用 は 他 国 に 比 アメリカで生まれた考え方である。 当初は、 人権を守る意 べて進 展 が 遅 い。 例えば 世 界 経 済フォーラム( WEF )が 発 味 合 い が 強 かった が、 近 年 は 経 営 戦 略 の 一 つとして重 要 表した 2013 年 の「 男 女 格 差 報 告 」によると、 日本 はジェン 視されるようになった。 ダ ー・ ギャップ(男 女 平 等)指 数 が 136 カ国 中 105 位。 前 回 ダイバーシティ・ マネジメントが 重 視されるようになっ の 101 位よりランクダウンし、 過去最低の順位となった。 た 理由は、 企 業 のグローバ ル 化と消 費 者 ニーズ の 多 様 化 また 図 1 からわ かるように、日本 は 就 業 者 に占める女 性 だ。 少 子 化 による人 口 減 少 が 進 む日本で は、 国 内 市 場も 比 率 が 低 い。 図 2 は 女 性 の 年 齢 別 就 労 状 況 を 示している 縮小に向かう。生き残りをかけて海外に販路を広げる日本 が、 日 本 は 30 ∼ 34 歳 の 労 働 力 率 が 低く、 出 産 や 育 児 を 企 業も増え、グロー バ ル 化 は 避 けられ な い。また 縮 小 す 機 に 退 職 する女 性 が 多 いことが 分 かる。 近 年 は 出 産 後も る市 場で 競 争 優 位 性を保 つ に は、 企 業 はこれまで 以上 に 仕 事を続 ける女 性 が 増えており、 2012 年 の 調 査で は 10 年 付 加 価 値 の 高 い 商 品 や サービスを投 入 する必 要 がある。 前と比 較して、この「 M 字 」カ ーブ が ゆる や か に なって い 従 来 のような 画 一 的 な 制 度・ 考え方を脱して多 様 な 人 材 るが、 先 進 諸 国と比 べると依 然 深 いままだ。 他 国 に 比 べ を活 用 することが、 変 化 に対 応しイノベーションを起こす て出 産 や 育 児 が 仕 事 の 妨 げ に なっている傾 向 は ぬぐえな ためのカギとなる。 い。また キャリアが 中 断 すると昇 進しにくくなるの は 当 然 ダイバーシティ・マネジメントのなかでも、日本で特に の 成り行きで、 管 理 職 に 昇 進 する女 性 の 数 が 少 な い のも 求 められているの は 女 性 活 用 だ。 購 買 意 思 決 定 者 の 多く 日本の現状だ(図 1 )。 図1 60 % 図2 就業者および管理的職業従事者における女性割合 女性の年齢階級別労働力率 90 ■ 就業者 ■ 管理的職業従事者 50 スウェーデン アメリカ % 80 70 40 60 30 50 40 20 30 マレーシア Spring Professional Leadership Series フィリピン 出典:内閣府男女共同参画局「男女共同参画白書 平成25年版」 韓国 シンガポール オーストラリア ドイツ イギリス アメリカ スウェーデン 10 ノルウェー 0 フランス 20 日本 10 日本 20 12年 20 1 1年 2002年 0 15〜 20〜 25〜 30〜 35〜 40〜 45〜 50〜 55〜 60〜 65歳 19歳 24歳 29歳 34歳 39歳 44歳 49歳 54歳 59歳 64歳 以上 出典:厚生労働省「平成24年版 働く女性の実情」 平成24年男女共同参画白書 Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace 2 女性活用推進のために国や企業ができること 女性活用推進のための、政府や企業の取り組みについて見ていく。 また、女性が組織で活躍するための政策作りを推進してきた昭和女子大学学長の坂東眞理子さんに話を聞いた。 日本 の 女 性 の 就 業 率、 管 理 職比 率 の 低さは 先 述 の 通り 「 待 機 児 童 を 5 年で ゼ ロ」に するなどの 子 育て支 援 強 化、 だ。ゴ ー ルドマン・ サックス・グ ル ープ が 発 表した「ウー 「上場企業に女性役員を 1 最長 3 年までの育児休暇の要請、 マノミクス( 女 性 経 済 学 )3.0 」リポ ートで は、 優 秀 な 女 性 人 登 用 する」などの 施 策を打ち出している。また、 子 育て の 就 業 率を男性 並 み に上 げ れ ば、日本 の 労 働 人 口 は 820 中 の 女 性 の 求 職 窓 口であるマ ザ ーズ ハローワークを全 国 万 人 増 加し、 国 内 総 生 産( GDP )も 15 %アップ すると試 算 に拡充するなど再就職支援にも力を入れる。 内 閣 府 男 女 共 同 参 画 局 が 2003 年 から提 言してい た「社 している。 「日本経済復活のカギは女性の活用だ」という指摘を国内 会のあらゆる分野において、 2020 年までに、 指導的地位 外 から受 け、 安 倍 晋 三 首 相 は「 女 性 の 社 会 進 出 はもは や に 女 性 が占 める割 合 が、 少 なくとも 30 % 程 度 に なるよう 選択肢ではなく急務」であり、 「ウーマノミクスなしにアベノ 期待する」という政府目標を達成するため、 各企業にポジ ミクスの 成 功 は な い」と公 言。 女 性 活 用を政 策 の 柱とし、 ティブ・アクション(男女労働者の差を解消しようとする積 20 年近く続く不況から脱却する方針を示した。具体的には 極的な取り組み)を促している。 Interview 企業が「期待」し、 「 機会」を与え、 「 鍛える」。 女性の活躍には、3 つの き が不可欠です。 私は 1970 年代から、 女性が社会で活躍 「 この 仕 事 は す。 1 つ 目 は「 期 待 の き 」。 気 配りをせ ず、 上 司 から難しい 仕 事を依 で きるた め の 政 策 作りに 携 わってきまし 女性には難しい」などと決めつけがちです 頼されたら、 「 私には無理」 と遠慮せず、自 分に可能性のある分野ならチャレンジして た。あれから約 40 年、女性が職場で活躍 が、 女性にもっと期待してほしい。 2 つ目 できるインフラは整ったのでしょうか。 結 は「機 会 の き 」。これを女 性 にも平 等 に みるべきです。自分がパイオニアになるリ 論 からいうと、 仕 事と家 事・ 育 児を両 立 与えることが 必 要で す。 3 つ目は「鍛える スクを恐れないでほしいですね。 させるための「ワークライフ・バランス」の の き 」。 男性と同じように女 性も鍛えな 側面はかなり充実してきました。しかし、 ければ伸びません。 女性が男性同様に能力を発揮して活躍する 例えば女性を1 人だけ重要な職務に抜擢 「機会均等」と 「ダイバーシティ」は二の次 しても、その人が力を発揮できないと 「だ になっているのが現状だと思います。 から女性は駄目だ」 と、女性への門戸を閉 な ぜ日本で は 女 性 が 活 躍できな い の ざしてしまうケースがあります。そこで私 か。 最大の要因は、 いまだに多くの日本 は、女性を登用するときは 3 人以上を同時 企業が長期勤続した男性を信頼し重用す に選出してほしいとも呼びかけています。 る傾向があるからだと思います。しかしこ 女 性 が 管 理 職 に なるキャリアパスが 見え れからは、 女性や外国人など多様な人材 れば、若い女性も「自分たちは期待されて を登用しない限り、 多様な意見を吸い上 いる」と認 識し、 モチベーションが 高まり げることができず、 付 加 価 値 の 高 いビジ ます。 ネスモデルに転換することはできません。 一方で女性従業員には「目先のことに惑 そこで私は企業の方に、 女性活用には わされず、長期的な視点を持ってキャリア 「3 つ の き 」が 重 要 で す、 といって い ま 形成してほしい」と思います。また過剰な Spring Professional Leadership Series 昭和女子大学 学長 坂東眞理子 さん 東京大学卒業後、1969年に総理府入省。75年総理府 婦人問題担当室に参加。80年よりハーバード大学へ 留学する。95年埼玉県副知事、98年ブリスベン総 領事、内閣府男女共同参画局長等を経て、2007年 より現職。14年4月より理事長となり学長を兼務。 Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace 3 I T 業界における女性活用 ここでは、IT 業界における女性活用について見ていく。 また、女性活用に積極的に取り組む企業の人事担当者 に話を聞いた。 IT 業 界 に目を向 けると、日本 は 海 外 諸 国 に比 べ 女 性 技 術 者 の 数も少 な い の が 現 状 だ。 IT 業 界 に限らな い が、日 本 の 女 性 研 究 者 数 は 約 12 万 3200 人と、 研 究 者 全 体 の わ ず か 13.8 %( 2011 年 3 月末 時 点 )、 先 進 国 の な かで は 最 低 の 数 値である。 独 立 行 政 法 人 情 報 処 理 推 進 機 構 が IT 関 連 業 界 団 体 に 加 入 する企 業 を 中 心 に 行った 調 査「 IT 人 材 白 書 2011 」によると、 企業内の IT 人材における女性の割合が 「 0.1 ∼ 10 % 未 「 10 ∼ 20 % 未 満 」と答えた 企 業 は 39.8 %、 満 」が 24.4 %、 そして「 0 %」と回 答した 企 業 が 6.9 % にも 及び、 全体で 70 %以上の企業で女性比率が 20 %未満とい う結果となった。 IT 業 界 の 女 性 の 管 理 職 比 率 はさらに 低く、 実 に 49.2 % の 企 業 が「 女 性 管 理 職 は ゼ ロ」と回 答。 「 0.1 ∼ 10 % 未 満 」 の企業も28.9 %と、 極めて少ないことがわかった。 前 出 機 関 が IT 産 業 に 従 事 す る 300 人 の 女 性 を 対 象 に 行った 調 査 によると、 「 今 後、 現 在 の 仕 事 を 辞 めるタイミ ングとしてもっとも可 能 性 が 高 い 」ものとして、 「仕事に疲 「 1 人目の 子どもの 出 産」24.5 %、 「結 婚」 れ たとき」27.6 %、 「 2 人目以上 の 子どもの 出 産」10.2 %となり、 家 庭 20.4 %、 との 両 立 や 長 時 間 労 働 に関 する問 題 が 仕 事を継 続 する障 害 に なっている現 実 が 浮き彫りに なった。また「再 び 働く 際 に必 要 だと思うもの」という問 い か けに対し、 「企 業 側 の 制度整備」 ( 66.3 %)との回答が一番多いことがわかった。 このことから、 IT 企 業 側 が 両 立 を 支 援 する制 度 を 拡 充 し、 そ れ を 活 用 することに 理 解 を 示 せ ば、 女 性 就 業 率 は 上 昇 すると思わ れる。 現 に「 IT 業 界 は 他 業 種と比 較して女 性が活躍している」という問いかけに対して、 「あてはまる」 と答えた 人 が 過 半 数を超えた。 最 近で は 女 性 技 術 者 向 け のポジティブ・アクションも重視され、ダイバーシティの取 り組みを推進するIT 企業も増えている。 Spring Professional Leadership Series Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace 4 女性技術者のリーダーシップとキャリアパス 女性技術者がキャリア形成をするために必要なものは何か。 情報処理分野のパイオニアとして活躍する芝浦工業大学学長補佐の國井秀子さんに話を聞いた。 優 秀 な 理 系 女 子を獲 得した い ― 。 政 府、 企 業、 大 学 少ないことが挙げられる。ある大学関係者によると、 特に は 今、 女 性 技 術 者 の 獲 得 に注 力している。 内 閣 府 男女 共 機 械 系と電 子 工 学 系 の 学 生 数 が 少 なく、 各 学 科とも女 性 同 参 画 局 は 全 国 各 地で 理 系 女 子 の た め の キャリアイベン の比率は 5 %程度だという。このままでは、 技術開発の現 トを開催。 企業側の活動も活発で、 例えば KDDI は新卒技 場 が い つまでも「男 性 社 会」のままで、 発 想を多 様 化 する 術職の女性比率 20 %を目指すと明言。日立製作所、 京セ ことは 難しい。 女 性 技 術 者 を 採 用した い 企 業も少 な い 母 ラ、 本 田 技 研 工 業 などは 理 系 女 子 学 生 の た め の セミナー 集団から人材を選ばざるをえず、 選択肢が少ない。 を開 催 するなど、 採 用 に 力を入 れている。また、 東 京 大 理 系 女 子 の 争 奪 戦 が 激 化 すると同 時 に、 各 企 業 は 女 性 学 が 女 子 中 高 生を対 象 に理 数 系 へ の 関 心を促 すイベント 技 術 者 のリテンション( 人 材 の 維 持 )にも力 を 注ぐように を行うなど、 大学も学生の獲得に余念がない。 なった。 仕 事と生 活 の 両 立を支 援 する制 度 の 整 備 だ けで その 背 景として、日本で は 女 性 技 術 者 の 数 が 圧 倒 的 に なく、 早期にリーダーに抜擢する試みも増えている。 Interview 数値目標を持ち、今行うべき施策を考える。 企業の自主的な取り組みが不可欠です。 女性技術者が活躍するためには、女性 せん。このような事態を防ぐためアメリカ 管理職比率の数値目標の設定など個々の では、マネジャー業務をワークシェアする 取り組みを行っています。 「 午前リーダー」 企業の自主的な取り組み「ポジティブ・ア 芝浦工業大学 学長補佐 男女共同参画推進室長 大学院 工学マネジメント 研究科 教授 クション」が絶対に必要だと思います。で 「午 後リーダー」のように、 短 時 間 勤 務 の もこういうと、 「 実 力 の な い 女 性 に 下 駄を リーダー同士が業務と情報をシェアして一 履かせるのか」と反対する人も多いのが現 つ の 役 割を担うので す。もちろん収 入 は 状です。しかし、昇進という面では、これ 半 分 ず つで すが、 お 互 いスキルとキャリ までむしろ男性のほうが社会的に「下駄を アを保てる利点があります。 履いてきた」のではないでしょうか。 数値 一方、 変化が激しい IT 業界で女性技術 目標を持てば、 目標 から逆 算して、 今 何 者が働き続けるためには、 たとえ育休中 をすべきかの施策を考えることができます。 でもスキル の 更 新を怠らぬよう情 報 収 集 IT 業界に関しては、多忙なプロジェクト をすること、他社の技術者との交流などで マネジャー(プロマネ)になる時期に育児 情報交換を欠かさないことが重要です。 できません。 女 性 技 術 者 に は、こうした などとの両立が困難になり、キャリアの継 同じカルチャーで育った同僚とだけ交流し 向上心も忘れずに働き続けていただきた 続を諦める女性が多いのが残念でなりま ているので は、 多 様 な 発 想をすることが いと思います。 Column 國井秀子 さん お茶の水女子大学理学部卒業後、テキサス大学に てPh.D.取 得。1982年 〜 2008年 リ コ ー に て ソ フ ト ウェア分野の研究開発責任者として活躍した後、 リコー ITソリューションズ会長。内閣府男女共同 参画推進連携会議議員なども務める。 女性技術者が情報収集を行うネットワーク 女性技術者・研究者は絶対数が少ないからこそ、 つながりを強化して互いに支え合うことが、キャ リア継続や次世代の意識向上に役立つ。女性技術 者のネットワーク組織としては、「日本女性技術者 フォーラム(JWEF)」と「女性技術士の会」の歴 電気・電子分野の世界最大の学会IEEEにおける日 本支部の女性技術者・研究者支援の団体「IEEE JC WIE」も「女性が拓く未来のテクノロジー」など各 種イベントを開催しているので要注目だ。 最近では有志のIT研究者による「女子部」などの 史が長く、会員数も多い。両者は「国際女性技術 者・科学者ネットワーク」も運営している。また、 集いも多く、連帯は女性技術者のキーワードになり つつあるようだ。 Spring Professional Leadership Series 日本女性技術者フォーラム(JWEF) www.jwef.jp/ 女性技術士の会 www.pej-lady.org/ 国際女性技術者・科学者ネットワーク www.inwes-japan.org/ Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace 5 活躍する女性技術者たち ああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 絶対数は少ないが、子育てをしながら活躍する女性技術者は存在する。 その数を増やすために必要なこと、 国や企業ができることとは何だろうか。 あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ Case Study 会社の制度だけでなく、上司や仲間の存在が 子育てとの両立を支えてくれています。 私は入社以来、 次世代の太陽電池とい のです。妊娠中は、研究論文の執筆に注 携 わっており、 現 在 は、 次 世 代を担う研 載してもらうこともできました。 赤ちゃん われる「色素増感太陽電池」の研究開発に 力し、 出産後には権威ある学術雑誌に掲 究開発テーマを探索する業務を行ってい と論 文と二 つ の 大 作を一 気 に生んだよう の組み合わせの原理を突き詰め、世界最 世界最高効率の達成に立ち合いたいと ます。この電池を高効率化する色素増感 高 効 率を達 成したことで 社 内 のMVP賞を 獲得しました。 研究が佳境に入る頃に子どもを授かりま したが、 化学実験は危険な薬品を使うた め、 妊 娠 中 は 研 究 室 に入ることができま せん。 そん なときに 助 けてくれ た の が 研 も心から感謝しています。 ソニー株式会社 で、うれしかったですね。 いう思いから、産休からわずか4カ月で復 先端マテリアル研究所 新機能材料研究部 係長 帰しました。その日に限って子どもが熱を 出したと保 育 園 から連 絡 が 入った ので す 小倉麗子 が、同じ会社に勤める夫が迎えに行ってく さん れたため、 実験結果を出す瞬間を同僚と 共有することができました。仕事と子育て 究所の同僚たちでした。 溶液の調合比率 を両立できているのは、 夫や同僚の協力 同 僚 に実 験 の 継 続を引き受 けてもらった 一人ひとりの貢献を認め、若いうちから責 などの理論はすでに確立していたので、 任ある業 務を任 せてくれ た会社や上司に があったからこそだと思います。また社員 理学研究科化学専攻、 修士課程修了後、 2002年ソ ニーに入社。 先端マテリアル研究所にて色素増感太 陽電池の研究開発に従事。 基礎研究の成果が認めら れ、 社内の表彰制度にて「Sony MVP2010」を獲得し た。 The Future I T・エンジニアリング分野における女性活用の展望 IT ・ エンジ ニアリング 分 野で は、 女 性 の 数 が 圧 倒 的 に まうのはもったいない。日本の M 字カーブを緩やかにする 少ないことが最も大きな課題といえる。 企業が理系の女子 ためには、 短時間勤務制度や育休などの制度の拡充に加 の 採 用 に積 極 的 な の は 先 に伝えた 通りだ が、 その 前 段 階 え、 そ れらを 運 用しや す い 風 土 作りも欠 か せ な い。 そ の である大 学・ 学 部 選 び の 段 階で 理 系を選 ぶ 女 性 はまだま た め に はトップ が 責 任 を 持って女 性 活 用 に 関 わる姿 勢 が だ 少 な い。 前出の芝浦工業大学の國井秀子教授は、早期 必要だろう。そして今後は、 在宅勤務や役職のワークシェ 教育の重要性をこう指摘する。 「日本では男性は仕事、女性 アリング、あるいは育児期に一度会社を辞めても復職でき は家庭という男女分業論の思想がいまだ根深い。こうした るといった「柔軟な働き方」の推進が期待される。 意識を変える教育が必要ではないでしょうか。幼児の頃か 実は「 IT ・エンジニアリング 業 界 の女 性 不 足」はアメリカ ら理化学的な発想が鍛えられる玩具で遊ばせるといった働 でも問 題 になっている。アメリカのコンピュータ業 界で は きかけも求められると思います」。教育だけでなく、企業に 2000 年初頭から女性が減り続け、幹部クラスまで出世する もできることはある。女子中高生に向け、技術職の面白さ 女 性 は 10 % 以下というデ ータもある。アメリカでも、優 秀 を伝えるイベントを開 催 するなど、社 会 貢 献 の 一 環として な 女 性 の 流 出を食 い 止 める方 法 は「柔 軟 な 働き方」を認 め 積極的に取り組んでいくべきだろう。 ることだという結 論 に 達しつ つある。日本でも、その 検 討 技 術 職 の 女 性 を 採 用しても、 出 産・ 育 児で 退 職してし が待たれているといえよう。 Spring Professional Leadership Series Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace ああああああああああああああああ Corporate information 会社概要 ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ Japan Spring Professional Japan Spring Professional Japan 住 所 〒 106-6120 東京都港区六本木 6-10-1 六本木ヒルズ 森タワー 20F お 問 い 合 わ せ Tel : 03-4520-6130 Fax : 03-4520-6140 Email : [email protected] 会 名 Spring Professional Japan 株式会社 立 2014 年 1 月 6 日 金 3,500万円(資本準備金3,500万円 アデコグループ 100%出資) 社 設 資 本 代表取締役社長 Lanis Yarzab 事 IT・エンジニアリング分野における有料職業紹介事業 業 内 容 グ ル ー プ 会 社 アデコ株式会社、株式会社 VSN アジアのネットワーク Hong Kong、Korea、Malaysia、Shanghai、 Beijing、Singapore、Taiwan、Thailand Spring Professional Leadership Series Gender Balance In The Workforce-Attracting Female Professionals To Japan’s Workplace springjapan.com
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