アプリケーション ・ ブリーフ FlexRay物理層評価試験

アプリケーション・ブリーフ
FlexRay物理層評価試験
(LAB_FLX102J)
FlexRay は、FlexRay コンソーシ
アムによって開発中の新しい車
載ネットワーク通信プロトコル
です。
その特徴は以下の通りです:
z 高データ信号速度(10M ビッ
ト/秒)
z タイム・トリガ処理
z 冗長性、安全性とフォール
ト・トレランス
このアプリケーションで記述さ
れる物理層テストは、FlexRay コ
ンソーシアムの以下の文書を参
照しています。
z Electrical Physical Layer
Specification 2.1.a
z FlexRay Physical Layer
Conformance Test
Specification 2.1.a
z FlexRay Electrical
Physical Layer Application
Notes 2.1.b
一般の情報
FlexRay バスから信号をピックア
図1
ップするには差動プローブ
(AP033、AP034、AP305)を推奨
します。シングル・エンド・プロー
ブを使う場合には、演算機能 F1
∼F8 で減算を行い、差動信号を得
なければなりません。(図 1)
のサンプリング・レイトを推薦し
ます。これは、規格が 800Ms/s 以
上のサンプリング・レイトを推奨
しているのと符合します。
FlexRay 信号の立ち上がり時間は、
10∼20 ns の範囲にあります。よ
りよい再現性のために、タイミン
グ・パラメタ計測には1GS/s 以上
FlexRay 規格の中では、どの BSS
を用いなければならないかが明
確に記載されていません。しかし、
絵からは、BSS の直前のデータが
伝播遅延
図 2:FlexRay 電気物理層仕様 2.1.a で定める仕様
図3
レクロイのウェブサイトには、この他にも無料でダウンロードできる最新技術資料があります。
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FlexRay 規格の中では、どの BSS
を用いなければならないかが明
確に記載されていません。しかし、
絵からは、BSS の直前のデータが
0001 になっており、これは TSS( 3
∼15 ビット) 、FSS( 1 ビット) 、
BSS の順出力されるフレームの初
めに起きるものなので、TSS の直
後の BSS で計測することを想定し
ています。
フレームの始まりで安定してト
リガーをかけるために、パルス幅
トリガーで 10μs 以上の幅( ス
レッショールド・レベルは 25%)を
図 4:FlexRay 電気物理層仕様 2.1.a で定める仕様
持つ正のパルスでトリガをかけ
るようにしています。(図 5)
P1 は、F2 の立ち下りエッジから
0001 になっており、これは TSS( 3 非対称遅延
F4 の立ち下り負のエッジまでの
∼15 ビット) 、FSS( 1 ビット) 、
遅延時間です。
BSS の順出力されるフレームの初 経路の非対称性は、FlexRay 信号
P2 は、F2 の立ち上がりエッジか
めに起きるものなので、TSS の直 をデコードするのに非常に重要
ら F4 の立ち上がりエッジへまで
後の BSS で計測することを想定し なパ ラメータで す 。物理 層の
の遅延時間です。
各々の構成要素(例えば送信器、
ています。
P3 は、P2 と P2 の差、つまり
フレームの始まりで安定してト アクティブ・スター結線、受信器)
dAsymmetricDelayM,N を示してい
リガーをかけるために、パルス幅 は非対称性を引き起こすかもし
ます。
トリガーで 10μs 以上の幅( ス れませんが、受動的なネットワー
レッショールド・レベルは 25%)を クの構成要素(例えば受動的なバ
持つ正のパルスでトリガをかけ ス、スター結線、コネクタ、ESD
保護回路など)もまたその原因と
るようにしています。(図 3)
なります。
2 信号の間のタイミングを計測す
る理想的なパラメータは、
dTime@level です。パラメータの
測定には、対象の立ち下りエッジ
を画面の中心になるように、各波
形を BSS の立ち下りエッジを画面
に中心として拡大したズーム・ト
レースを利用することを勧めま
す。P1 に dTime@level を設定し、
各波形の立ち下りエッジの 50%レ
ベルに設定してください。測定の
対象を画面の中心のエッジだけ
に限定するために測定ゲートを
使います。
図5
トランケーション
トランケーション時間 dTSSM を測
るために、F2 をズームに設定し、
TxD の FSS とアイドル近辺の拡大
波形を表示します。
(図 7)使われ
るパラメータは width ですが、利
用できるならば width@level がよ
り便利です。アイドルから FSS ま
での時間の計測をするように、ア
イドルの後の最初の立ち上がり
から最初の立ち下がりまでを挟
むように測定ゲートを設定して
ください。dTTN の測定は、同じよ
うに RxD のズームを F4 で行い、
P2 で時間の計測をしてください。
P3 は、TruncationM,N = dTSSM−
dTSSN と し て 計 算 さ れ た
TruncationM,N です:
図 6:FlexRay 電気物理層仕様 2.1.a で定める仕様
ジッタ
安定したトリガーを得るために、
1μs 以上に設定してドロップア
ウト・トリガーを使うことができ
ます。(図 9)
F1 と F2 をズームに設定し、F1 を
フレームの最後の BSS の拡大、F2
は FES の拡大に設定します。
P1 は dTime@level に設定し、F1
の立下りエッジから F2 の立ち上
がりエッジまでの時間を計測し
ます。
図7
図 8:FlexRay 電気物理層仕様 2.1.a で定める仕様
図9
アイパターン
オシロスコープの帯域幅制限を
20MHz に設定してください。
立ち上がりエッジでトリガーを
かけ、遅れ時間を-8μs に設定し
てください。フレームの最初の立
ち上がりエッジでトリガをかけ
なければなりません。
フレームの全てを(2μs/div の時
間軸設定)捕捉してください。
図 10:FlexRay 電気物理層仕様 2.1.a で定める仕様
F2 をズームに設定し、中心を 11
μs、水平軸を 950ns/div に設定
してください。画面の最後が、フ
レームの終了の 500ns 前になるは
ずです。(図 11)
SDM( シリアル・データ・メジャメ
ント)機能の入力として、F2 を選
択してください。クロック・レー
ト 10Mbit 固定にし、PLL の使用を
停止します。
(図 12)
図 11
図 12
レクロイのウェブサイトには、この他にも無料でダウンロードできる最新技術資料があります。
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