資料№5 ひと ひと ∼『女と男』が支えあうまち∼ はじめに 21 世紀の社会においては、女性も男性も互いにその人権を尊重し、文化的利 益も責任も分かち合い、性別にかかわらず、その個性と能力を十分発揮できる男 女共同参画社会の実現が最重要課題とされています。 しかし、長い間、社会や文化の中で培われてきた「男は仕事、女は家庭」とい う性別による固定的な役割分担意識や地域での慣習・しきたりなどが根強く私た ちの生活の中に浸透しています。このことが、男女がそれぞれ自分の自由な意志 によって社会の様々な活動に参画する機会を狭めているのが実情です。 こうした意識や慣習・しきたりを解消し、男女が性別に関係なく、互いに人権 を尊重しあい、ともに支えあいながら対等なパートナーとしていきいきと暮らす ことのできる男女共同参画社会を形成していくことが私たちの使命であると考え ております。 このような考え方にたち、社会制度や慣習の見直し、性別にとらわれない個性 と能力の尊重、政策・方針決定過程への女性の参画拡大、男女の職場生活と家庭・ 地域生活の両立支援などに視点を置き、当町にふさわしい男女共同参画社会の実 現に向けた効果的な施策を総合的かつ計画的に推進するため「聖籠町男女共同参 画計画」を策定いたしました。 本計画は、行政はもとより、家庭、地域、職場等が一体となって取り組むこと により、はじめて男女共同参画社会が実現されるものと考えております。皆様か らの一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。 最後に、本計画の策定にあたり、聖籠町男女共同参画計画策定委員会の委員各 位から貴重なご意見、ご提言をいただきましたことに対し心から感謝申し上げま す。 平成18年 5 月 聖 籠 町 長 渡 ・ ・ 吉 目 次 第1章 計画の基本的な考え方 1 計画の主旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 計画の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 3 計画の性格 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 4 計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 5 基本理念 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 6 基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 7 計画の体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 第2章 計画の基本目標と取り組み ひと ひと ・・・・・・・・・ 5 基本目標Ⅰ 「女と男」が平等に暮らせるまちづくり (1) 「女と男」が互いに認め、助け合う意識の高揚 ・・・・・・・ 5 (2) まなびの場を通した平等意識の高揚 ・・・・・・・・・・・ 7 (3) 男女平等の視点に立った慣行等の見直し ・・・・・・・・・・ 9 ひと ひと 基本目標Ⅱ 「女と男」が共に参画するまちづくり ・・・・・・・・・・・・ 11 (1) 政策、方針決定への女性の参画促進 ・・・・・・・・・・・・・ 11 (2) 活力あるまちづくりへの女性の参画促進 ・・・・・・・・・ 13 (3) 国際社会への女性の参画促進 ・・・・・・・・・・・・・・ 15 ひと ひと 基本目標Ⅲ 「女と男」の平等が確保され安心して働ける労働環境づくり ・・ 17 (1) 就業機会の均等と労働力環境の整備 ・・・・・・・・・・・・ 17 (2) 職場と家庭の両立実現のための環境整備 ・・・・・・・・・ 19 (3) 農水産業及び商工業者の男女共同参画の確立 ・・・・・・・ 21 基本目標Ⅳ 女性の人権が尊重されるまちづくり ・・・・・・・・・・・・ 23 (1) 生涯を通じて心と体が健やかに暮らせる健康支援 ・・・・・ 23 (2) 女性に対するあれゆる暴力の根絶 ・・・・・・・・・・・・ 25 (3) 人権が尊重された福祉サービスの充実 ・・・・・・・・・・ 27 第3章 計画の推進 1 総合的な推進体制及び機能の充実 ・・・・・・・・・・・・・ 29 【参 考 資 料】 日本国憲法(抄) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 男女共同参画社会基本法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 ・・・・・・ 聖籠町男女共同参画計画策定の経過 ・・・・・・・・・・・・・・ 聖籠町男女共同参画計画策定委員会委員名簿 ・・・・・・・・・・ 32 34 41 51 52 第1章 1 計画の基本的な考え方 計画の主旨 21 世紀の社会においては、女性も男性も互いにその人権を尊重し、文化的利益も 責任も分かち合い、性別にかかわらず、その個性と能力を十分発揮できる男女共同参 画社会の実現が最重要課題とされています。 しかし、長い間、社会や文化の中で培われてきた「男は仕事、女は家庭」という性 別による固定的な役割分担意識や地域での慣習・しきたりなどが根強く私たちの生活 の中に浸透しています。このことが、男女がそれぞれ自分の自由な意志によって社会 の様々な活動に参画する機会を狭めているのが実情です。 こうした意識や慣習・しきたりを解消し、男女が性別にかかわりなく、互いに人権 を尊重しあい、ともに支えあいながら対等なパートナーとしていきいきと暮らすこと のできる男女共同参画社会を形成することが重要であると考え、その実現に向け、効 果ある施策を総合的かつ計画的に推進するため、男女共同参画計画を策定することと しました。 2 計画の背景 (1) 世界と国内の動き 戦後、婦人参政権が実現し、昭和 21 年に制定された日本国憲法で、女性の地位 向上にとって最も基礎的な分野の家族、教育などで男女平等が明記されました。 その後、国際連合は昭和 50 年を「国際婦人年」と定め、「平等、開発、平和」 の3つの目標のもとに女性の自立と地位向上を目的として、世界規模で取り組むこ とを宣言しました。同年、メキシコシティーで第 1 回世界女性会議「国際婦人年世 界会議」が開催され、各国の取るべきガイドライン「世界行動計画」が採択されま した。これを受け、日本政府は国内本部機構として婦人問題企画推進本部を設置し、 昭和 52 年に「国内行動計画」が策定されました。 昭和 54 年の国連総会で女子に対する差別を撤廃し男女平等原則を具体化するた めの条約である「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」が採択さ れ、日本もこの条約を昭和 60 年に批准しました。 昭和 62 年には、「国際婦人の十年」ナイロビ世界会議で採択された「婦人の地 位向上のためのナイロビ将来戦略」を受け、「西暦 2000 年に向けての新国内行動 計画」へと改定されました。 平成 6 年には、国内本部機構の充実強化を図るため、婦人問題企画推進本部を改 組し、内閣総理大臣を本部長、内閣官房長官・女性問題担当大臣を副本部長、全閣 僚を構成員とする男女共同参画推進本部を設置するとともに、内閣総理大臣の諮問 - 1 - 機関として男女共同参画審議会が設置されました。 平成 7 年 9 月、北京で開催された「第 4 回世界女性会議」で採択された「北京 宣言及び行動要領」、平成 8 年 7 月の男女共同参画審議会が答申した「男女共同参 画ビジョン」を踏まえ、平成 8 年 12 月に男女共同参画社会の形成の促進に関する 「男女共同参画 2000 年プラン−男女共同参画社会の形成の促進に関する平成 12 年(西暦 2000 年)度までの国内行動計画」を策定しました。 その後、平成 10 年 11 月に男女共同参画審議会から「男女共同参画社会基本法 について」答申を受け、政府はこの答申を踏まえ、平成 11 年 6 月に男女共同参画 社会基本法を公布・施行し、これに基づく男女共同参画基本計画が策定されました。 また、平成 17 年 12 月にこれまでの取り組みを評価・総括し、新たな男女共同参 画基本計画(第二次)を策定しました。 (2) 新潟県の動き 新潟県では、平成 8 年に「ニューにいがた女性プラン」を策定、同年 8 月には 女性の地位向上と社会参画を進めるための県民活動の拠点として、新潟ユニゾンプ ラザ2階に女性センターの機能を備えた施設を開設し、平成5年に設立した「財団 法人 新潟女性財団」が主体となり活動を展開してきました。 さらに、新潟県長期計画において、男女共同参画の推進を基本姿勢の一つとして、 「男女が共に参画できる社会づくり」を掲げ、新潟県の女性を取り巻く環境の変化 や国の「男女共同参画基本計画」など新たな動きを踏まえ、平成 13 年 3 月「新潟・ 新しい波 男女平等推進プラン」を策定しました。 平成 14 年には、「新潟県男女平等社会の形成の推進に関する条例」を制定し、 条例に基づき「男女平等推進相談室」を新潟ユニゾンプラザ内に開設しました。 (3) 聖籠町の動き 聖籠町では、平成 13 年に策定した第3次総合計画に男女共同参画型社会の推進 が明記され、学校教育や生涯教育の場を通じて男女平等の視点に立った取り組みを 推進してきました。 その後、少子高齢化をはじめとした社会情勢の変化や国・県の動向などに対応し、 取り組みを一層推進するため、平成 16 年 12 月に町民を主体とした委員 18 名で 構成する男女共同参画計画策定委員会を設置し、男女共同参画社会の実現にむけた 推進計画の方向性を取りまとめ、平成 17 年 11 月に同委員会から答申されました。 町はこの答申を受け、平成 18 年5月に「聖籠町男女共同参画計画」を策定しまし た。 - 2 - 3 計画の性格 この計画は、行政はもとより、家庭、地域、職場等が一体となって、男女共同参画 社会を実現するための指針となるものであり、「男女共同参画社会基本法」及び国の 「男女共同参画基本計画」や「新潟県男女共同参画推進条例」との整合を図り、「聖 籠町第3次聖籠町総合計画」の部門計画として位置付けています。 4 計画の期間 計画期間は、平成 18 年度を初年度として平成 22 年度までの 5 年間とします。 また、この計画は社会情勢の変化などに応じて随時見直しを行い、事業の効果的な 推進を図ります。 5 基本理念 ひと ひと ∼「女と男」が支えあうまち∼ 家庭や職場、地域などあらゆる場において、男女の人権が等しく尊重され、利益も 責任も分かち合いながら、その個性と能力が十分に発揮できる男女共同参画社会を実 現するためには、男女平等の意識づくりと男女がともに協力し、支えあう意識を持つ ことが重要であります。 6 基本目標 基本理念を踏まえ、次の4つを基本目標に掲げ効果的な施策を展開します。 ≪基本目標Ⅰ ひと ひと 「女と男」が平等に暮らせるまちづくり≫ ・男女平等の意識をつくりだし、男女がともに協力し、支えあって暮らせるまち づくりを進めます。 ≪基本目標Ⅱ ひと ひと 「女と男」が共に参画するまちづくり≫ ・男女がともに声を出し、その声が反映されるまちづくりを進めます。 ≪基本目標Ⅲ ひと ひと 「女と男」の平等が確保され安心して働ける労働環境づくり≫ ・働く場所において、男女がともに平等で働きやすい環境をつくります。 ≪基本目標Ⅳ 女性の人権が尊重されるまちづくり≫ ・男女がお互いの体と心の特性を理解しあい、生涯にわたり健やかに暮らせるま ちづくりを進めます。 - 3 - 7 計画の体系図 基本 理念 基 本 目 標 重 点 施 策 施 策 の 方 向 ひと ひと Ⅰ「女と男」が平等 1 「女と男」が互いに認 (1)男女平等に対する意識の向上 め、助け合う意識の (2)男女平等に関する情報の収集及び に暮らせるまち 提供 高揚 づくり 2 まなびの場を通した (1)学校・幼稚園・保育園における男女 平等の推進 平等意識の高揚 ﹁ 3 男女平等の視点に立 った慣行等の見直し ひと ひと ひと 女 Ⅱ「女と男」が共に 1 政策、方針決定への 女性の参画促進 参画するまちづ くり と ひと 男 ﹂ 2 活力あるまちづくり への女性の参画促進 が 3 国際社会への女性の 参画促進 ひと ひと 支 え あ Ⅲ「女と男」の平等 1 就業機会の均等と労 働力環境の整備 が確保され安心 して働ける労働 環境づくり 2 職場と家庭の両立実 現のための環境整備 う 3 農水産業及び商工業 者の男女共同参画の 確立 ま ち Ⅳ 女性の人権が尊 重されるまちづ くり 1 生涯を通じて心と体 が健やかに暮らせる 健康支援 2 女性に対するあらゆ る暴力の根絶 3 人権が尊重された福 祉サービスの充実 - 4 - (2)生涯学習における男女平等の推進 (3)教育関係者の意識啓発 (1)慣行等の点検及び見直し (2)広報・啓発活動の推進 (1)審議会等への女性の参画促進 (2)企業・団体等における女性の参画促 進の支援 (3)環境保全分野への男女共同参画の 促進 (1)女性のエンパワーメントの推進 (2)NPO・ボランティア活動等への参 画促進の支援 (1)国際的情報の提供 (2)国際交流・国際協力の推進 (3)外国人が暮らしやすい環境づくり (1)雇用における男女の機会均等と労 働条件の確保 (2)職業意識の向上と能力開発の支援 (3)女性の再就職及び起業への支援 (1)家庭生活における男性の参画促進 (2)子育て支援サービスの充実 (3)育児・介護休業制度の普及・啓発 (1)方針決定過程への女性の参画拡大 の支援 (2)女性の経済的地位の向上と就業条 件の整備 (1)リプロダクティブ・ヘルス/ライツ に関する理解の浸透 (2)生涯を通じた女性の健康の保持増 進 (3)母子保健の充実 (1)DV、セクハラなど人権侵害対策の 推進 (2)メディアにおける人権尊重 (3)被害者保護と支援体制の整備 (1)社会が支える高齢者介護の推進 (2)自立を支える福祉の充実 第2章 計画の基本目標と取り組み ひと ひと 基本目標Ⅰ 「女 と男 」が平等に暮らせるまちづくり 重点施策1 ひと ひと 「女と男」が互いに認め、助け合う意識の高揚 ≪現状と課題≫ 「男は仕事、女は家庭」、「男だから、女だから」などに代表される男女の性別 による固定的な役割分担意識や「女のくせに」とか「女・子どもは黙って男に従 うもの」といった人権に関わる不適切な認識が未だに社会の中に潜在しており、 男性中心、男性優遇のイメージが強い社会とも言えます。 このことが、女性の自由な生き方や仕事の選択を狭めているとともに、男性も 仕事が中心となり、家事、育児や地域活動などへ参加がしにくいといった状況に あります。 男女共同参画社会を実現するうえで、こうした性別による固定的な役割分担意 識をとり除き、町民一人ひとりや社会全体が男女平等に対する意識を高めていく ことが最も重要な課題であるといえます。 <施策の方向> 「女と男」が互いに認め、 (1) 男女平等に対する意識の 助け合う意識の高揚 向上 (2) 男女平等に関する情報の 収集及び提供 (1) 男女平等に対する意識の向上 町民の男女平等に対する意識を高めていくため、男女平等について考え、学 習する機会の提供に努めます。 - 5 - 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 男女平等に関する各種 男女平等に関する町民への理解を深 社会教育課 講座等の開催 めるため、各種講座・教室を開催し ます。 ② 男女平等の意識啓発 広報紙やホームページを活用し、男 総務課 女平等に対する意識啓発に努めま す。 (2) 男女平等に関する情報の収集及び提供 国・県・団体等の男女平等に関する情報や資料を収集し、町の広報紙やホー ムページ等を通じて広く町民に情報提供します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 ① 男女平等に関する情報 男女平等に関する情報の収集を行 総務課 の収集・提供 い、町広報紙やホームページなどを 通じて積極的に町民に情報提供し ます。 ② 男女平等に関する図書 図書館において、男女平等に関する 図書館 の充実 資料や図書の充実を図り、町民に貸 出します。 ③ 男女平等に関する意識 男女平等に関する意識の確認と施 総務課 調査 策への参考とするため、意識調査の 実施に努めます。 - 6 - 課 重点施策2 まなびの場を通した平等意識の高揚 ≪現状と課題≫ 男女平等の意識や価値観は子どもの頃から、家庭・学校・地域社会などで形成さ れるものです。家庭では「男の子だから、女の子だから」や「男らしさ、女らしさ」 というしつけを見直し、個性を伸ばせるよう配慮し、学校などでは人権の尊重を基 本に男女平等の視点から、一人ひとりの持っている個性と能力を尊重した教育を進 めることが大切です。 また、男女平等の学習は学校だけでなく、家庭や地域などあらゆる分野にわたる ため、高齢者までの様々な年代に応じた生涯学習の機会を提供するなど、平等意識 を高める必要があります。 <施策の方向> まなびの場を通した (1) 学校・幼稚園・保育園における 平等意識の高揚 男女平等の推進 (2) 生涯学習における男女平等の 推進 (3) 教育関係者の意識啓発 (1) 学校・幼稚園・保育園における男女平等の推進 ○ 学校教育においては、人権の尊重、男女の相互理解と協力、自らの生き方の 選択、家庭生活の大切さと家族の役割などについて、男女平等の視点に立った 教育を進めます。 ○ 幼児教育においては、子ども一人ひとりの個性を尊重し、固定的な性別役割 分担意識が育つことのないよう配慮します。 ○ 学校運営や PTA 活動などの地域活動において、固定的な性別役割分担意識に よって行われることがないように努めます。 - 7 - 【実施実施】 番号 事 業 名 ① 男女平等教育の推進 ② ③ 事 業 内 容 道徳や総合学習の場において、男女 平等意識に基づいた人権教育を行い ます。 幼児期における意識の 保育園・幼稚園において、様々な機 形成 会を通じて男女平等、人権尊重につ いて子どもの理解を促します。 保護者等への働きかけ 家庭・学校での男女平等意識の醸成 を学校行事や PTA・愛児会を通じて 働きかけ、理解を深めていきます。 担 当 課 学校教育課 学校教育課 保健福祉課 学校教育課 社会教育課 (2) 生涯学習における男女平等の推進 生涯学習においては、男女平等の意識を高める講座等を開催するなど学習機 会の提供に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 男女平等に関する各種 男女平等に関する町民への理解を深 社会教育課 講座等の開催(再掲) めるため、各種講座・教室を開催し ます。 (3) 教育関係者の意識啓発 男女平等教育を推進するため、学習内容や教育活動の研究、教職員・保育士 などへの研修の充実を図り、男女平等についての意識啓発に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 教職員等の研修の充実 事 業 内 容 担 当 課 男女平等に基づく教育を推進するた 学校教育課 め、研修の機会をもち、意識啓発を 図ります。 - 8 - 重点施策3 男女平等の視点に立った慣行等の見直し ≪現状と課題≫ 集落の会合や職場などでのお茶だしは女性が多く、集落や農家組合などの代表は 男性が主体となっています。「男は仕事、女は家庭」に代表される固定的な性別役 割分担が何気ない日常的な慣行の中に根付いており、このことが男女平等を阻害す る要因にもなっています。 こうした私たちを取り巻く慣行などについて、男女平等の視点に立って見直し、 固定的な性別役割分担にとらわれることなく活動できる社会を創ることが必要です。 <施策の方向> 男女平等の視点に立った (1) 慣行等の点検及び見直し 慣行等の見直し (2) 広報・啓発活動の推進 (1) 慣行等の点検及び見直し ○ 職場、家庭、地域等における慣行等について、男女平等の視点で点検し、そ の見直しを働きかけます。 ○ 町が発行する広報紙や刊行物等は、男女の性別によるイメージが固定化しな いよう点検し、男女平等の視点からより豊かなコミュニケーションが創り出さ れるよう表現の適正化に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 職場、家庭、地域等に 職場、家庭、地域等における慣行等 関係各課 おける慣行等の点検・ について洗い出し、男女の社会にお 見直し ける活動の自由な選択を妨げない よう、その見直しを働きかけます。 ② 町広報紙・刊行物等に 広報紙・刊行物等の作成に当たって 関係各課 おける表現の適正化 は男女平等に視点を置き、性別によ る固定観念のイメージとならない ような表現とします。 - 9 - ③ (2) 例規の点検 例規の制定、改廃の審査時に、男女 総務課 共同参画を阻害する規定がないか 点検します。 広報・啓発活動の推進 すべての住民に対し男女平等及び人権尊重の意識を深く根付かせるため、積 極的に広報・啓発活動を推進します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 様々な機会を通じた広 人権週間、農山漁村女性の日、男女 関係各課 報・啓発活動 雇用機会均等月間など様々な機会を 通じ、多様な媒体を活用した広報・ 啓発に努めます。 - 10 - ひと ひと 基本目標Ⅱ 「女 と男 」が共に参画するまちづくり 重点施策1 政策、方針決定への女性の参画促進 ≪現状と課題≫ 本町の政策・方針決定の場である各種審議会・委員会などへの女性の参画が少な いため、女性の視点からの意見が十分に施策に反映されていないのが実情です。ま た、企業や団体等においても、責任ある役職についている女性の割合は低く意思決 定の場に参画する女性は少数です。 男女共同参画社会を実現するためには、あらゆる分野の政策・方針決定の過程に、 男女双方が平等の立場で参画することが必要です。特に、防災、環境保全などの分 野では、町民の暮らしの改善に直接つながるものであり、生活者の視点から多様な 発想と活動の活性化を図ることで新たな発展が期待できることから、これらの分野 を含めたあらゆる分野で、男女双方の意見を政策や方針決定に反映させるため、女 性の参画を拡大する必要があります。 <施策の方向> 政策、方針決定への (1) 審議会等への女性の参画促進 女性の参画促進 (2) 企業・団体等における女性の 参画促進の支援 (3) 環境保全の分野への男女共同 参画の促進 (1) 審議会等への女性の参画促進 町の審議会や委員会へ女性の参画を積極的に進め、より多くの女性の意見を 町政等に反映していきます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 審議会等委員の重複登 より多くの男女が政策・方針決定過 関係各課 用の配慮 程へ参画できるよう、委員の重複し た登用の軽減に努めます。 - 11 - ② ③ 審議会等への女性の参 各種審議会や委員会等への女性の登 関係各課 画促進 用を促進し、平成 22 年度末までに 登用率 30%以上を目指します。 専門職への男性応募の 保育士、看護師、保健師などの専門 総務課 啓発 職への男性の応募が増えるよう啓発 に努めます。 (2) 企業・団体等における女性の参画促進の支援 企業や団体等の方針決定の場へ女性の参画を促進し、ともに責任を担い、 目的に添った活動を進めるため、あらゆる機会を通じて企業や地域団体等へ 女性の参画を働きかけます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 企業・地域団体への女 企業や地域団体の役職に女性の登用 関係各課 性の登用促進 を働きかけます。 (3) 環境保全の分野への男女共同参画の促進 環境保全の分野における政策・方針決定の場等への男女共同参画を促進し ます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① ごみ減量化推進協議会 町内のごみ減量と資源の循環的な利 生活環境課 への男女の参画促進 用促進を図るためのごみ減量化推進 協議会への男女の参画を促進しま す。 ② 地域エコ推進懇談会へ 地球温暖化の進行を防ぎ、町の豊か 生活環境課 の男女の参画促進 な自然を守る「地球温暖化対策推進 計画」の策定にあたり、男女の参画 を促進します。 ③ 循環バス利用者懇談会 エコミニバスの運行について、利用 生活環境課 への男女の参画促進 者の意見を反映させるため、循環バ ス利用者懇談会への男女の参画を促 進します。 - 12 - 重点施策2 活力あるまちづくりへの女性の参画促進 ≪現状と課題≫ これまでの性別による固定的な役割分担意識からくる社会的習慣やしきたりな どにより女性は活動範囲が制限されていました。一方、女性もその習慣やしきたり の中で、自分の責任や役割を担うことに消極的な面もあります。 この社会的習慣やしきたりを見直し、女性も男性も今までの活動分野にとらわれ ず、様々な活動に参画し、責任と役割を担うことができるよう女性の人材育成を図 ることが必要です。 また、活力あるまちづくりを進めるうえで地域コミュニティ活動やNPO※1・ボ ランティア活動などへ女性の積極的な参画を促進する必要があります。 <施策の方向> 活力あるまちづくりへの (1) 女性のエンパワーメント※2 女性の参画促進 の推進 (2) NPO・ボランティア活動 等への参画促進の支援 (1) 女性のエンパワーメントの推進 女性が自らの意思によって、社会のあらゆる分野における活動に参画する力 をつけるため、学習機会の充実と情報提供に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 女性の人材育成 ② 事 業 内 容 担 当 課 あらゆる分野で女性の力が発揮でき 社会教育課 るよう講座等を開催し、人材育成に 努めます。 研修・セミナーの情報 女性の人材育成に係る国・県が行う 総務課 提供 研修・セミナー情報を広報紙を通じ 社会教育課 て提供します。 - 13 - (2) NPO・ボランティア活動等への参画促進の支援 NPO・ボランティア団体などが行う自主的な活動への支援に努めるととも に、女性の参画を促進します。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① ボランティア養成講座 ② 事 業 内 容 担 当 課 会議の進め方のボランティア講座を 社会教育課 開催し、町民参加型の会議の円滑化 を図ります。 NPO・ボランティア NPO・ボランティア団体に対し、 関係各課 活動への支援 情報提供など、活動を支援します。 ※1 NPO 民間非営利組織。行政、企業とは別に社会的活動をする非営利の民間組織のこと。 ※2 エンパワーメント 女性が自らの意識と能力を高め、家庭や地域、職場などあらゆる場で、政治的、経済的、社会的、文化的に力をつけること。そ うした力をもった主体的な存在となり、力を発揮し、行動すること。 - 14 - 重点施策3 国際社会への女性の参画促進 ≪現状と課題≫ 交通機関の発達や情報の整備により国際間の交流は飛躍的に増大し、国際社会の 動向が地域社会に大きく影響を与えている時代となっています。このため、国際社 会の動向について理解と関心を深める必要があります。 また、国際協力やボランティア活動のニーズの高まりから、女性の国際的な活動 が進んでいます。このため、国際的な情報提供と男女共同参画に関する問題や環境 問題などの解決に向けた国際協力活動への女性参画を一層促進することが必要です。 さらに、町に在住する外国人は年々増加の傾向にあります。町民と在住の外国人が 互いに人権を尊重しながら、暮らしやすい地域づくりと地域の一員として参画でき る環境づくりが必要です。 <施策の方向> 国際社会への女性の (1) 国際的情報の提供 参画促進 (2) 国際交流・国際協力の推進 (3) 外国人が暮らしやすい環境 づくり (1) 国際的情報の提供 中国黒龍江省ハルビン市との姉妹交流等はじめとする様々な国際交流の取 り組みや男女平等の視点に立った国際的な取り組みについて、町民の理解を深 めるため情報の提供に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 ① 国際的情報の収集及び 男女平等の視点に立った国際的な 総務課 提供 取り組みについて、町民の理解を深 めるため情報の収集を行い、提供し ます。 - 15 - 課 (2) 国際交流・国際協力の推進 本町の小・中学校とハルビン市の小・中学校との友好交流協定に基づく、 相互派遣交流を推進します。また、様々な機会を通じて、国際協力ができる よう国際理解を深めるための機会の提供に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① ハルビン市児童・生徒 国際友好を深めるため、黒龍江省ハ 総務課 相互派遣交流事業 ルビン市と町の小・中学生による相 学校教育課 互派遣交流を実施していきます。 ② 県費留学生交流事業 黒龍江省等県費留学生と町民との 総務課 交流会(ぶどう狩り・餃子づくりな ど)を通じ国際理解を深めていきま す。 (3) 外国人が暮らしやすい環境づくり 本町に在住する外国人は、ともに地域社会を担う一員として、互いに理解と 協力ができるよう日常的な交流を深め、暮らしやすい環境づくりに努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 ① 公共施設表示板の外国 外国人の利用頻度の高い公共施設の 語標記 利便を図るため、表示板等の外国語 標記に努めます。 ② 在住外国人への情報提 在住外国人が、安全で安心して生活 供 が送れるよう生活情報を提供しま す。 ③ 在住外国人と共生の地 多様な価値観を互いに認め合う意識 域づくり の醸成や交流を深めるための施策を 検討します。 - 16 - 担 当 課 関係各課 総務課 関係各課 総務課 社会教育課 ひと ひと 基本目標Ⅲ 「女 と男 」の平等が確保され安心して働ける労働環境づくり 重点施策1 就業機会の均等と労働力環境の整備 ≪現状と課題≫ 「労働基準法」や「男女雇用機会均等法」の改正等により、制度面においては、 女性の働きやすい条件づくりが整いつつありますが、雇用・待遇・昇進などに関す る男女間の格差は依然として見受けられます。 少子・高齢化の進展等に伴って女性の労働力への期待が高まっており、性別によ る格差のない男女の均等な雇用機会と能力に応じた適正な職務や待遇などの労働 条件が確保されることが必要です。 <施策の方向> 就業機会の均等と労働力 (1) 雇用における男女の機会均等 環境の整備 と労働条件の確保 (2) 職業意識の向上と能力開発の 支援 (3) 女性の再就職及び起業への支援 (1) 雇用における男女の機会均等と労働条件の確保 ○ 働く男女が性別による格差のない均等な雇用機会と職務や能力に応じた適 正な待遇が確保することができるよう、事業者に対する「男女雇用機会均等法」 の周知・啓発に努めます。 ○ 女性の職種・職域の拡大やパート派遣者などの労働条件の向上とフレックス タイム制・再雇用制度・テレワーク(在宅勤務)など多様な働き方が可能とな るよう事業者に対して啓発します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 男女雇用機会均等法の 男女雇用機会均等法の理解を深め 産業観光課 定着促進 るため、男女機会均等月間にあわせ - 17 - ② ③ ④ (2) た法令の周知や、関係機関が実施す る講座・セミナーの情報を広報紙等 により紹介します。 雇用情報の提供 ハローワーク等関係機関と連携し、 産業観光課 就業機会に関する資料や求人情報 を提供します。 事業所への情報提供 商工会等と協力し、平等な労働環境 産業観光課 が確保されるよう各事業所へ情報 を提供します。 町非常勤職員等登録制 町の臨時・パート職員の登録制度を 総務課 度の実施 引き続き実施し、雇用機会の拡大に 努めます。 職業意識の向上と能力開発の支援 職業意識の向上と能力開発のための訓練や教育を関係機関と連携しながら 進めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 職業能力の向上を図る 講習会などへの参加を事業所に働き 産業観光課 講習等の情報提供 かけます。 ② 職業人として資質向上 職業人としての資質向上のため、国 産業観光課 を図る研修会の受講支 県等の機関で行う研修の費用を助成 援 します。 (3) 女性の再就職及び起業への支援 育児・介護等により退職した者の再就職活動のための能力開発の支援と関係 機関等と連携して情報提供や相談体制の充実に努めます。また、起業を目指す 女性に対して支援します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 再就職及び起業への支 再就職や起業を目指す女性に対し 産業観光課 援 て、必要な知識や手法に関する情 報、相談、学習の機会を関係機関と 連携して提供します。 - 18 - 重点施策2 職場と家庭の両立実現のための環境整備 ≪現状と課題≫ 家庭での日常的な男女の役割分担をみると、料理・洗濯・掃除・ゴミ出しなどは 女性が担う割合が高く、「男は仕事、女は家庭」に代表される固定的な性別役割分 担意識が根強く残っています。このことが女性が働き続けるうえで大きな障害とな っています。 そこで、仕事と家庭生活の両立が図られ、ゆとりある生活と安心して働くことが できる環境をつくるためには、特に男性が家庭生活にかかわる事の必要性について 理解を深め、さらに技術習得のための機会の提供が必要であり、働く男女がともに 家庭責任を果たすとともに、育児・介護については社会全体で支援し、その責任を 分かち合って行くことが必要です。 <施策の方向> 職場と家庭の両立実現の (1) 家庭生活における男性の参画 ための環境整備 促進 (2) 子育て支援サービスの充実 (3) 育児・介護休業制度等の 普及・啓発 (1) 家庭生活における男性の参画促進 家庭において、固定的な性別役割分担意識にとらわれず男女が協力して家事、 育児、介護を担う意識を高めることから、家庭生活における男性の能力を高め るための学習機会の提供に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 家事・育児・介護の男 家庭生活への男性の積極的な参画促 社会教育課 性の参画促進 進とその能力を高めるため、家事・ 保健福祉課 育児・介護に関する講座・教室を開 催します。 - 19 - (2) 子育て支援サービスの充実 女性の社会進出の増加や就業形態の多様化などに伴い、子育てをしながら働 きやすい環境づくりを推進するため、子育て支援サービスの充実に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 延長保育等の推進 ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ (3) 事 業 内 容 保護者の就業形態の多様化に合わ せ、延長保育や一時保育の充実を図 ります。 一時保育の推進 一時的に乳幼児を受け入れる一時保 育の充実を図ります。 児童クラブの充実 放課後等、自宅に保護者のいない児 童のため、安心して過ごせる居場所 を提供する児童クラブの充実を図り ます。 子育て支援体制の拡充 聖籠こども園を拠点に、子育て支援 体制の拡充を図ります。 預かり保育事業の充実 子育て者が学習講座などに参加しや すくなるよう実施している一時預か り保育事業の充実を図ります。 子育てバリアフリー 子育て支援のため公共施設の男女ト イレにベビーベット・ベビーチェア −の設置に努めます。 町次世代育成支援特定 町職員が、職場と家庭において子育 事業主行動計画の推進 ての意義について理解を深め、仕事 と子育てが両立きるよう特定事業主 行動計画を推進します。 担 当 課 学校教育課 保健福祉課 学校教育課 保健福祉課 保健福祉課 保健福祉課 社会教育課 関係各課 総務課 育児・介護休業制度等の普及・啓発 家庭での育児・介護について、働く男性も積極的に参加できるよう企業等に 対して育児・介護休業制度等の普及・啓発に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 企業における育児・介 町内の企業に対し、女性だけでなく 産業観光課 護休業制度の普及・啓 男性の育児や介護休暇を取得でき 発 る環境づくりを働きかけます。 - 20 - 重点施策3 農水産業及び商工業者の男女共同参画の確立 ≪現状と課題≫ 農水産業や商工業などの自営業は、生産と生活の場が同じ場合が多く、労働・家 事・育児・介護等の負担が男性より女性のほうが多く担っている現状です。また、 実際の労働では、女性が又は女性も主要な担い手であるにもかかわらず、それが正 当に評価されていないのが現実です。 このため、自営業に従事する女性の労働を適正に評価し、対等なパートナーとし て男性とともに経営及びこれに関連する活動への参画を促進する取り組みが必要 です。 <施策の方向> 農水産業及び商工業者の (1) 方針決定過程への女性の 男女共同参画の確立 参画拡大の支援 (2) 女性の経済的地位の向上と 就業条件の整備 (1) 方針決定過程への女性の参画拡大の支援 農業協同組合、商工会などの運営に女性の意思を反映させるため役員への女 性参画を促進します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 農業・商工団体等への 農業・商工団体や集落営農組織など 産業観光課 女性参画促進 の地域団体への役員等に女性の参画 を促進します。 (2) 女性の経済的地位の向上と就業条件の整備 ○ 対等なパートナーとして女性の社会的地位の明確化と経営への参画を図るた め、家族経営協定※3の締結を促進します。 - 21 - ○ 自営業を担う女性の経営能力を高めるため、知識や技術について学習機会の 提供と情報の提供に努めます。 ○ 農産物等の生産や加工・販売を進める女性グループ等を育成・支援します。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 ① 家族経営協定の締結促 女性の農業及び家事労働を適正に評 進 価し、農業経営への参画を図るため、 家族経営協定の普及と締結の促進に 努めます。 ② 自営業者における男女 農業・商工業の自営業において、男 共同参画の促進 女が対等なパートナーとして事業を 営むことができるよう関係機関と連 携し意識啓発に努めます。 ③ 女性組織の育成支援 農業・商工業の自営業の女性組織の 育成と交流活動を支援します。 担 当 課 農業委員会 産業観光課 産業観光課 ※3 家族経営協定 農業を魅力ある職業として発展させ、後継者が確保されるよう経営への参画、農作業や日常生活の役割分担、就業時間・用件等 を家族内で協議書として文書化するものです。 - 22 - 基本目標Ⅳ 女性の人権が尊重されるまちづくり 重点施策1 生涯を通じて心と体が健やかに暮らせる健康支援 ≪現状と課題≫ 女性は、妊娠、出産、更年期など女性特有の問題を抱えており、男性と異なるさ まざまな健康の維持や管理を生涯にわたって続けていかなければなりません。 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ※4 の概念を社会全体に啓発し、その視点にた って、女性の生涯を通じた心と体の健康づくりを支援していく必要があります。 <施策の方向> 生涯を通じて心と体が (1) リプロダクティブ・ヘルス/ 健やかに暮らせる健康支援 ライツに関する理解の浸透 (2) 生涯を通じた女性の健康の保持 増進 (3) 母子保健の充実 (1) リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する理解の浸透 リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関して、男女が正しい理解と認識を深 めるため普及・啓発に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 「リプロダクティブ・ 「リプロダクティブ・ヘルス/ライ 保健福祉課 ヘルス/ライツ」の普 ツ」の考えを広報紙等により周知し、 及・啓発 社会的な定着に努めます。 (2) 生涯を通じた女性の健康の保持増進 思春期、妊娠・出産期、更年期、高齢期など、女性が生涯を通じて自ら健康 管理できるよう、健康診査、健康教育、健康相談等の充実に努めます。また、 スポーツ活動を通じた健康の保持増進に努めます。 - 23 - 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 女性のがん検診の推進 ② 健康教育の実施 ③ スポーツ活動の推進 事 業 内 容 担 当 課 乳がん・子宮がんの検診受診者を増 保健福祉課 やし死亡者の減少に努めます。 若い時から生活習慣を見直し、健康 保健福祉課 な高齢期を迎えられるように健康教 育に努めます。 女性のニーズにも対応した男女がと 社会教育課 もに楽しめるスポーツ活動を開催 し、女性の生涯にわたる健康保持に 努めます。 (3) 母子保健の充実 妊娠・出産期は、女性の健康支援にとって大きな節目であり、安心して安全 に子どもを産むことができるよう支援します。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① マタニティー教室 事 業 内 容 担 当 課 妊娠中、健康な生活を営み、健康な 保健福祉課 子どもが生まれるように保健指導を 充実させます。 ※4 リプロダクティブ・ヘルス/ライツ 1994 年の国際人口・開発会議において提唱された考え方で、重要な女性の人権の一つとして認識されています。安全な性生活 を営み、子どもをいつ何人産むか、また生まないかなど当事者である女性に幅広い自己決定権を認めようとする考え方で、妊娠、 出産、中絶に関わる女性の生命の安全や健康を重視するといった自分の健康を守る権利。 - 24 - 重点施策2 女性に対するあらゆる暴力の根絶 ≪現状と課題≫ ドメスティック・バイオレンス(DV)※5、セクシュアル・ハラスメント(セク ハラ)※6、ストーカー行為、性犯罪、売買春などの女性に対する暴力は、身体だけ でなく、男性に対する恐怖と不安を与えることによって女性の活動を束縛し、人間 としての尊厳や自信を失わせるなど人権侵害に関わる重大な問題です。 一方、テレビや雑誌、インターネットなどのメディアにおいても、暴力的な表現 や性の商品化※7など、女性の人権を侵害しているケースが多く見受けられます。 こうした人権侵害は、男女共同参画社会を形成していくうえで克服しなければな らない重要課題であり、未然防止に向けた取り組みが必要です。また、被害を受け ている女性に対する保護と支援体制など関係機関が一体となって取り組む必要が あります。 <施策の方向> 女性に対するあらゆる (1) DV、セクハラなど人権侵害 暴力の根絶 対策の推進 (2) メディアにおける人権尊重 (3) 被害者保護と支援体制の整備 (1) DV、セクハラなど人権侵害対策の推進 家庭や職場、学校、地域において女性に対する DV、セクハラなどあらゆる 暴力を許さない環境づくりを進めます。また、広報紙等による未然防止に向け た啓発に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① あらゆる暴力を許さな 女性に対するあらゆる暴力を許さな 関係各課 い社会意識の啓発 い社会をつくるため、広報活動を通 じた意識啓発に努めます。 - 25 - (2) メディアにおける女性の人権尊重 性の商品化防止の働きかけや有害図書の規制など、関係機関・団体等と連携 しながら、メディアにおける女性の人権尊重に取り組みます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 性の商品化防止対策 ② 有害図書等の浄化対策 (3) 事 業 内 容 担 当 課 売買春、出合い系サイトをはじめと 社会教育課 する性の商品化の問題について、町 民や地域に呼びかけるとともに、関 係機関との連携を強化し、その防止 に努めます。 青少年に有害な図書、ビデオの販売 社会教育課 等に関し、書店などへ立ち寄るなど 規制を強化します。 被害者保護と支援体制の整備 DV、ストーカーなどの被害者が相談しやすい環境を整備するとともに、関 係機関等と連携しながら、被害者の保護と支援体制の整備に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 相談・保護対策の推進 事 業 内 容 担 当 課 女性に対する暴力に関して、警察や 町民課 関係機関と連携を図り、被害者の保 保健福祉課 護と相談体制の充実に努めます。 ※5 ドメスティック・バイオレンス(DV) 直訳すると「家庭内暴力」ですが、 「親密な」関係における男性から女性への暴力。夫婦間のことは私的な問題とされる風潮や夫 婦間の経済的な力関係により、表面化しにくかったのですが、今日では解決すべき深刻な問題として、平成 13 年には防止法も 成立しました。 ※6 セクシュアル・ハラスメント(セクハラ) 相手の意に反した性的な性質の言動で、体への不必要な接触、性的関係の強要、性的な噂の流布、誰の目にも触れる場所へのわ いせつ写真の掲示等、様々な態様のものが含まれます. ※7 性の商品化 売買春をはじめ、アダルトビデオやポスター、風俗営業などのように主に女性を性の商品として扱うこと。 - 26 - 重点施策3 人権が尊重された福祉サービスの充実 ≪現状と課題≫ 高齢者等の介護は、女性の役割であるという考え方が根強く残っているため、家 事に加えて介護も行うことが多く、女性の負担が大きくなっています。 介護は、女性だけに負担が大きくなることのないよう地域や社会全体で支えあう 理解が必要です。 一方、高齢者等が自立して社会とかかわりを持ち続けることが大切です。豊富な 経験と能力を生かし、地域での活動に参加することができる機会と環境の整備が必 要です。 また、高齢者や障害者などが安定した生活が送れるよう、福祉サービスの充実と 誰もが自立できるよう支援する必要があります。 <施策の方向> 人権が尊重された (1) 社会が支える高齢者介護の推進 福祉サービスの充実 (2) 自立を支える福祉の充実 (1) 社会が支える高齢者介護の推進 介護が女性にだけ大きな負担とならないよう、特に男性や家族全員が参加 する意識づくりと家族の負担を軽減するため、介護サービスの充実や使いや すい施設の整備に努めます。 また、各種サービスの情報提供と予防のための指導や相談体制の充実に努め ます。 【実施計画】 番号 事 業 名 事 業 内 容 担 当 課 ① 保健福祉施設等の整備 保健福祉施設等の整備を促進し、福 保健福祉課 促進 祉サービスの充実に努めます。 ② 介護保険制度の周知 介護を社会全体で支えるため、介護 町民課 保険制度について広報紙やパンフレ ットで周知します。 ③ バリアフリー化の推進 快適な日常生活が送れるよう公共施 保健福祉課 設や住環境の整備を推進します。 - 27 - (2) 自立を支える福祉の充実 高齢者や障害をもつ人などへの社会参画する機会の拡大に努めるとともに、 安定した生活と自立への促進を図るため、社会的・経済的な支援に努めます。 【実施計画】 番号 事 業 名 ① 障害福祉計画の策定 ② 障害者福祉タクシー利 用助成 ③ ひとり親家庭医療費助 成 高齢者等の生きがいづ くりの推進 ④ ⑤ スポーツ・レクリエー ション活動の推進 事 業 内 容 障害を持つ者が地域で普通に暮らせ る社会を実現するため、障害者自立 支援法に基づく障害福祉計画を策定 します。 障害を持つ者が通院等に利用するタ クシー料金を助成することにより、 社会参加の促進と負担の軽減を図り ます。 ひとり親世帯に医療費助成を行い、 経済的支援を図ります。 高齢者等が主体的に活動し、自立し た生活が送れるよう生きがいづくり のための取り組みを進めます。 高齢者のスポーツ・レクリエーショ ン活動を推進します。 - 28 - 担 当 課 保健福祉課 保健福祉課 保健福祉課 保健福祉課 社会教育課 社会教育課 第3章 計画の推進 この計画を推進するために、町における推進体制を整備、充実・強化するとともに、 国・県・近隣市・関係機関等との連携と相互協力体制を強化するなど、町民の理解と 協力を得ながら町、事業所、団体等がそれぞれの立場から取り組み、意識を高めてい きます。 1 総合的な推進体制及び機能の充実 (1) 施策を総合的に推進するため、全庁的な調整会議等を組織し、推進体制の充実を 図ります。 ・男女共同参画社会の形成に関する基本的な方針の検討や政策を総合的に推進する 全庁的調整会議の充実を図り、会議を機動的に開催します。 (2) 施策の推進に当たっては、町民等から意見を求めます。 ・本計画の施策の推進に当たっては、町民等から意見を求め、施策に反映します。 (3) 計画の推進状況を把握し公表します。 ・本計画の推進状況を把握し、毎年公表します。 (4) 男女平等の視点に立った施策展開を進めるため、職員の研修の充実など意識改革 を図ります。 (5) 男女共同参画推進のため、情報の収集・提供、調査研究、相談などの充実を図り ます。 (6) 男女平等をめざし、共に参画できる社会づくりに向け、その実現に向けた取り組 みを推進するための条例の制定に努めます。 - 29 - 【 参 考 資 - 30 - 料 】 - 31 - 日 本 国 憲 法 (抄) 公布 昭和21年11月3日 施行 昭和22年5月3日 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のた めに、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の 行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存 することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、 その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受 する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これ に反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであ つて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。 われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際 社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏 から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、 政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対 等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。 第3章 国民の権利及び義務 (基本的人権の享有) 第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人 権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。 (自由・権利の保持の責任とその濫用の禁止) 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しな ければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のために これを利用する責任を負ふ。 (個人の尊重・幸福追求権・公共と福祉) 第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利につ いては、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 (法の下の平等・貴族の禁止、栄典) 第14条 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、 - 32 - 政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。 2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。 3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、 又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。 (家族生活における個人の尊厳と両性の平等) 第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、 相互の協力により、維持されなければならない。 2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に 関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。 (教育を受ける権利、教育の義務) 第26条 すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権 利を有する。 2 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を 負ふ。義務教育は、これを無償とする。 (勤労の権利及び義務、勤労条件の基準、児童酷使の禁止) 第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。 2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。 3 児童は、これを酷使してはならない。 第10章 最高法規 (基本的人権の本質) 第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果 であつて、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことので きない永久の権利として信託されたものである。 (最高法規、条約及び国際法規の遵守) 第98条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関す るその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。 2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。 (憲法尊重擁護の義務) 第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護 する義務を負ふ。 - 33 - 男女共同参画社会基本法 目 公布 平成11年6月23日法律第 78号 改正 平成11年7月16日法律第102号 改正 平成11年12月22日法律第160号 次 前 文 第1章 総則(第1条―第12条) 第2章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策(第13条―第20条) 第3章 男女共同参画会議(第21条―第28条) 附 則 我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、男女平等の実現に向け た様々な取組が、国際社会における取組とも連動しつつ、着実に進められてきたが、なお一層の努 力が必要とされている。 一方、少子高齢化の進展、国内経済活動の成熟化等我が国の社会経済情勢の急速な変化に対応し ていく上で、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別にかかわりなく、その 個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現は、緊要な課題となっている。 このような状況にかんがみ、男女共同参画社会の実現を二十一世紀の我が国社会を決定する最重 要課題と位置付け、社会のあらゆる分野において、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の 推進を図っていくことが重要である。 ここに、男女共同参画社会の形成についての基本理念を明らかにしてその方向を示し、将来に向 かって国、地方公共団体及び国民の男女共同参画社会の形成に関する取組を総合的かつ計画的に推 進するため、この法律を制定する。 第1章 総則 (目的) 第1条 この法律は、男女の人権が尊重され、かつ、社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力 ある社会を実現することの緊要性にかんがみ、男女共同参画社会の形成に関し、基本理念を定め、 並びに国、地方公共団体及び国民の責務を明らかにするとともに、男女共同参画社会の形成の促 進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、男女共同参画社会の形成を総合的かつ計 画的に推進することを目的とする。 - 34 - (定義) 第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 男女共同参画社会の形成 男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思によって社会のあ らゆる分野における活動に参画する機会が確保され、もって男女が均等に政治的、経済的、社 会的及び文化的利益を享受することができ、かつ、共に責任を担うべき社会を形成することを いう。 二 積極的改善措置 前号に規定する機会に係る男女間の格差を改善するため必要な範囲内にお いて、男女のいずれか一方に対し、当該機会を積極的に提供することをいう。 (男女の人権の尊重) 第3条 男女共同参画社会の形成は、男女の個人としての尊厳が重んぜられること、男女が性別に よる差別的取扱いを受けないこと、男女が個人として能力を発揮する機会が確保されることその 他の男女の人権が尊重されることを旨として、行われなければならない。 (社会における制度又は慣行についての配慮) 第4条 男女共同参画社会の形成に当たっては、社会における制度又は慣行が、性別による固定的 な役割分担等を反映して、男女の社会における活動の選択に対して中立でない影響を及ぼすこと により、男女共同参画社会の形成を阻害する要因となるおそれがあることにかんがみ、社会にお ける制度又は慣行が男女の社会における活動の選択に対して及ぼす影響をできる限り中立なもの とするように配慮されなければならない。 (政策等の立案及び決定への共同参画) 第5条 男女共同参画社会の形成は、男女が、社会の対等な構成員として、国若しくは地方公共団 体における政策又は民間の団体における方針の立案及び決定に共同して参画する機会が確保され ることを旨として、行われなければならない。 (家庭生活における活動と他の活動の両立) 第6条 男女共同参画社会の形成は、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子 の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果 たし、かつ、当該活動以外の活動を行うことができるようにすることを旨として、行われなけれ ばならない。 (国際的協調) 第7条 男女共同参画社会の形成の促進が国際社会における取組と密接な関係を有していることに かんがみ、男女共同参画社会の形成は、国際的協調の下に行われなければならない。 (国の責務) 第8条 国は、第3条から前条までに定める男女共同参画社会の形成についての基本理念(以下「基 本理念」という。)にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策(積極的改善措置を 含む。以下同じ。)を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (地方公共団体の責務) - 35 - 第9条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成の促進に関し、国の施策 に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する 責務を有する。 (国民の責務) 第10条 国民は、職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっ とり、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。 (法制上の措置等) 第11条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財 政上の措置その他の措置を講じなければならない。 (年次報告等) 第12条 政府は、毎年、国会に、男女共同参画社会の形成の状況及び政府が講じた男女共同参画社 会の形成の促進に関する施策についての報告を提出しなければならない。 2 政府は、毎年、前項の報告に係る男女共同参画社会の形成の状況を考慮して講じようとする男 女共同参画社会の形成の促進に関する施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しな ければならない。 第2章 男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的施策 (男女共同参画基本計画) 第13条 政府は、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るた め、男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な計画(以下「男女共同参画基本計画」とい う。)を定めなければならない。 2 男女共同参画基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の大綱 二 前号に掲げるもののほか、男女共同参画社会の形成の促進に関する施策を総合的かつ計画的 に推進するために必要な事項 3 内閣総理大臣は、男女共同参画会議の意見を聴いて、男女共同参画基本計画の案を作成し、閣 議の決定を求めなければならない。 4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、男女共同参画基本 計画を公表しなければならない。 5 前2項の規定は、男女共同参画基本計画の変更について準用する。 (都道府県男女共同参画計画等) 第14条 都道府県は、男女共同参画基本計画を勘案して、当該都道府県の区域における男女共同参 画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「都道府県男女共同参画計画」 という。)を定めなければならない。 - 36 - 2 都道府県男女共同参画計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。 一 都道府県の区域において総合的かつ長期的に講ずべき男女共同参画社会の形成の促進に関す る施策の大綱 二 前号に掲げるもののほか、都道府県の区域における男女共同参画社会の形成の促進に関する 施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項 3 市町村は、男女共同参画基本計画及び都道府県男女共同参画計画を勘案して、当該市町村の区 域における男女共同参画社会の形成の促進に関する施策についての基本的な計画(以下「市町村 男女共同参画計画」という。)を定めるように努めなければならない。 4 都道府県又は市町村は、都道府県男女共同参画計画又は市町村男女共同参画計画を定め、又は 変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。 (施策の策定等に当たっての配慮) 第15条 国及び地方公共団体は、男女共同参画社会の形成に影響を及ぼすと認められる施策を策定 し、及び実施するに当たっては、男女共同参画社会の形成に配慮しなければならない。 (国民の理解を深めるための措置) 第16条 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、基本理念に関する国民の理解を深めるよう 適切な措置を講じなければならない。 (苦情の処理等) 第17条 国は、政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策又は男女共同参画社会 の形成に影響を及ぼすと認められる施策についての苦情の処理のために必要な措置及び性別によ る差別的取扱いその他の男女共同参画社会の形成を阻害する要因によって人権が侵害された場合 における被害者の救済を図るために必要な措置を講じなければならない。 (調査研究) 第18条 国は、社会における制度又は慣行が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響に関する調査研 究その他の男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の策定に必要な調査研究を推進するよう に努めるものとする。 (国際的協調のための措置) 第19条 男女共同参画社会の形成を国際的協調の下に促進するため、外国政府又は国際機関との情 報の交換その他男女共同参画社会の形成に関する国際的な相互協力の円滑な推進を図るために必 要な措置を講ずるように努めるものとする。 (地方公共団体及び民間の団体に対する支援) 第20条 国は、地方公共団体が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策及び民間の団 体が男女共同参画社会の形成の促進に関して行う活動を支援するため、情報の提供その他の必要 な措置を講ずるように努めるものとする。 - 37 - 第3章 男女共同参画会議 (設置) 第21条 内閣府に、男女共同参画会議(以下「会議」という。)を置く。 (所掌事務) 第22条 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。 一 男女共同参画基本計画に関し、第13条第3項に規定する事項を処理すること。 二 前号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、男女共同参画社会の 形成の促進に関する基本的な方針、基本的な政策及び重要事項を調査審議すること。 三 前2号に規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び 関係各大臣に対し、意見を述べること。 四 政府が実施する男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の実施状況を監視し、及び政府 の施策が男女共同参画社会の形成に及ぼす影響を調査し、必要があると認めるときは、内閣総 理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べること。 (組織) 第23条 会議は、議長及び議員23人以内をもって組織する。 (議長) 第24条 2 議長は、内閣官房長官をもって充てる。 議長は、会務を総理する。 (議員) 第25条 議員は、次に掲げる者をもって充てる。 一 内閣官房長官以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者 二 男女共同参画社会の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する 者 2 前項第2号の議員の数は、同項に規定する議員の総数の10分の5未満であってはならない。 3 第1項第2号の議員のうち、男女のいずれか一方の議員の数は、同号に規定する議員の総数の 10分の4未満であってはならない。 4 第1項第2号の議員は、非常勤とする。 (議員の任期) 第26条 前条第1項第2号の議員の任期は、2年とする。ただし、補欠の議員の任期は、前任者の 残任期間とする。 2 前条第1項第2号の議員は、再任されることができる。 (資料提出の要求等) 第27条 会議は、その所掌事務を遂行するために必要があると認めるときは、関係行政機関の長に 対し、監視又は調査に必要な資料その他の資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求 めることができる。 - 38 - 2 会議は、その所掌事務を遂行するために特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以 外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。 (政令への委任) 第28条 この章に定めるもののほか、会議の組織及び議員その他の職員その他会議に関し必要な事 項は、政令で定める。 附 則 (平成11年6月23日法律第78号) 抄 (施行期日) 第1条 この法律は、公布の日から施行する。 (男女共同参画審議会設置法の廃止) 第2条 男女共同参画審議会設置法(平成9年法律第7号)は、廃止する。 (経過措置) 第3条 前条の規定による廃止前の男女共同参画審議会設置法(以下「旧審議会設置法」という。) 第1条の規定により置かれた男女共同参画審議会は、第21条第1項の規定により置かれた審議 会となり、同一性をもって存続するものとする。 2 この法律の施行の際現に旧審議会設置法第4条第1項の規定により任命された男女共同参画審 議会の委員である者は、この法律の施行の日に、第23条第1項の規定により、審議会の委員と して任命されたものとみなす。この場合において、その任命されたものとみなされる者の任期は、 同条第2項の規定にかかわらず、同日における旧審議会設置法第4条第2項の規定により任命さ れた男女共同参画審議会の委員としての任期の残任期間と同一の期間とする。 3 この法律の施行の際現に旧審議会設置法第5条第1項の規定により定められた男女共同参画審 議会の会長である者又は同条第三項の規定により指名された委員である者は、それぞれ、この法 律の施行の日に、第24条第1項の規定により審議会の会長として定められ、又は同条第3項の 規定により審議会の会長の職務を代理する委員として指名されたものとみなす。 第4条 総理府設置法(昭和24年法律第127号)の一部を次のように改正する。 (次のよう略) 附 則 (平成11年7月16日法律第102号) 抄 (施行期日) 第1条 この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成11年法律第88号)の施行の日から施行 する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 (施行の日=平成13年1月6日) 一 略 二 附則第10条第1項及び第5項、第14条第3項、第23条、第28条並びに第30条の規定 公布の日 - 39 - (委員等の任期に関する経過措置) 第28条 この法律の施行の日の前日において次に掲げる従前の審議会その他の機関の会長、委員そ の他の職員である者(任期の定めのない者を除く。)の任期は、当該会長、委員その他の職員の任 期を定めたそれぞれの法律の規定にかかわらず、その日に満了する。 一から十まで 十一 略 男女共同参画審議会 (後略) (別に定める経過措置) 第30条 第2条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、 別に法律で定める。 附 則 (平成11年12月22日法律第160号)抄 (施行期日) 第1条 この法律(第2条及び第3条を除く。)は、平成13年1月6日から施行する。ただし、次 の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。 (以下略) - 40 - 女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約 この条約の締約国は、 国際連合憲章が基本的人権、人間の尊厳及び価値並びに男女の権利の平等に関する信念を改めて 確認していることに留意し、 世界人権宣言が、差別は容認することができないものであるとの原則を確認していること、並び にすべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳及び権利について平等であること並 びにすべての人は性による差別その他のいかなる差別もなしに同宣言に掲げるすべての権利及び自 由を享有することができることを宣明していることに留意し、 人権に関する国際規約の締約国がすべての経済的、社会的、文化的、市民的及び政治的権利の享 有について男女に平等の権利を確保する義務を負つていることに留意し、 国際連合及び専門機関の主催の下に各国が締結した男女の権利の平等を促進するための国際条約 を考慮し、 更に、国際連合及び専門機関が採択した男女の権利の平等を促進するための決議、宣言及び勧告 に留意し、 しかしながら、これらの種々の文書にもかかわらず女子に対する差別が依然として広範に存在し ていることを憂慮し、 女子に対する差別は、権利の平等の原則及び人間の尊厳の尊重の原則に反するものであり、女子 が男子と平等の条件で自国の政治的、社会的、経済的及び文化的活動に参加する上で障害となるも のであり、社会及び家族の繁栄の増進を阻害するものであり、また、女子の潜在能力を自国及び人 類に役立てるために完全に開発することを一層困難にするものであることを想起し、 窮乏の状況においては、女子が食糧、健康、教育、雇用のための訓練及び機会並びに他の必要と するものを享受する機会が最も少ないことを憂慮し、 衡平及び正義に基づく新たな国際経済秩序の確立が男女の平等の促進に大きく貢献することを確 信し、 アパルトヘイト、あらゆる形態の人種主義、人種差別、植民地主義、新植民地主義、侵略、外国 による占領及び支配並びに内政干渉の根絶が男女の権利の完全な享有に不可欠であることを強調し、 国際の平和及び安全を強化し、国際緊張を緩和し、すべての国(社会体制及び経済体制のいかん を問わない。 )の間で相互に協力し、全面的かつ完全な軍備縮小を達成し、特に厳重かつ効果的な国 際管理の下での核軍備の縮小を達成し、諸国間の関係における正義、平等及び互恵の原則を確認し、 外国の支配の下、植民地支配の下又は外国の占領の下にある人民の自決の権利及び人民の独立の権 利を実現し並びに国の主権及び領土保全を尊重することが、社会の進歩及び発展を促進し、ひいて は、男女の完全な平等の達成に貢献することを確認し、 国の完全な発展、世界の福祉及び理想とする平和は、あらゆる分野において女子が男子と平等の 条件で最大限に参加することを必要としていることを確信し、 - 41 - 家族の福祉及び社会の発展に対する従来完全には認められていなかつた女子の大きな貢献、母性 の社会的重要性並びに家庭及び子の養育における両親の役割に留意し、また、出産における女子の 役割が差別の根拠となるべきではなく、子の養育には男女及び社会全体が共に責任を負うことが必 要であることを認識し、 社会及び家庭における男子の伝統的役割を女子の役割とともに変更することが男女の完全な平等 の達成に必要であることを認識し、 女子に対する差別の撤廃に関する宣言に掲げられている諸原則を実施すること及びこのために女 子に対するあらゆる形態の差別を撤廃するための必要な措置をとることを決意して、 次のとおり協定した。 第1部 第1条 この条約の適用上、「女子に対する差別」とは、性に基づく区別、排除又は制限であつて、政治的、 経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、女子(婚姻をしているかいな いかを問わない。)が男女の平等を基礎として人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使するこ とを害し又は無効にする効果又は目的を有するものをいう。 第2条 締約国は、女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、女子に対する差別を撤廃する政策をすべ ての適当な手段により、かつ、遅滞なく追求することに合意し、及びこのため次のことを約束する。 (a) 男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれ を定め、かつ、男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保する こと。 (b) 女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含 む。)をとること。 (c) 女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し、かつ、権限のある自国の裁判 所その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを 確保すること。 (d) 女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの 義務に従つて行動することを確保すること。 (e) 個人、団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるこ と。 (f) 女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべ ての適当な措置(立法を含む。)をとること。 (g) 女子に対する差別となる自国のすべての刑罰規定を廃止すること。 - 42 - 第3条 締約国は、あらゆる分野、特に、政治的、社会的、経済的及び文化的分野において、女子に対し て男子との平等を基礎として人権及び基本的自由を行使し及び享有することを保障することを目的 として、女子の完全な能力開発及び向上を確保するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をと る。 第4条 1 締約国が男女の事実上の平等を促進することを目的とする暫定的な特別措置をとることは、こ の条約に定義する差別と解してはならない。ただし、その結果としていかなる意味においても不 平等な又は別個の基準を維持し続けることとなつてはならず、これらの措置は、機会及び待遇の 平等の目的が達成された時に廃止されなければならない。 2 締約国が母性を保護することを目的とする特別措置(この条約に規定する措置を含む。 )をとる ことは、差別と解してはならない。 第5条 締約国は、次の目的のためのすべての適当な措置をとる。 (a) 両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見 及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を 修正すること。 (b) 家庭についての教育に、社会的機能としての母性についての適正な理解並びに子の養育及 び発育における男女の共同責任についての認識を含めることを確保すること。あらゆる場合 において、子の利益は最初に考慮するものとする。 第6条 締約国は、あらゆる形態の女子の売買及び女子の売春からの搾取を禁止するためのすべての適当 な措置(立法を含む。)をとる。 第2部 第7条 締約国は、自国の政治的及び公的活動における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当 な措置をとるものとし、特に、女子に対して男子と平等の条件で次の権利を確保する。 (a) あらゆる選挙及び国民投票において投票する権利並びにすべての公選による機関に選挙さ れる資格を有する権利 (b) 政府の政策の策定及び実施に参加する権利並びに政府のすべての段階において公職に就き 及びすべての公務を遂行する権利 (c) 自国の公的又は政治的活動に関係のある非政府機関及び非政府団体に参加する権利 - 43 - 第8条 締約国は、国際的に自国政府を代表し及び国際機関の活動に参加する機会を、女子に対して男子 と平等の条件でかついかなる差別もなく確保するためのすべての適当な措置をとる。 第9条 1 締約国は、国籍の取得、変更及び保持に関し、女子に対して男子と平等の権利を与える。締約 国は、特に、外国人との婚姻又は婚姻中の夫の国籍の変更が、動的に妻の国籍を変更し、妻を無 国籍にし又は夫の国籍を妻に強制することとならないことを確保する。 2 締約国は、子の国籍に関し、女子に対して男子と平等の権利を与える。 第3部 第10条 締約国は、教育の分野において、女子に対して男子と平等の権利を確保することを目的として、 特に、男女の平等を基礎として次のことを確保することを目的として、女子に対する差別を撤廃す るためのすべての適当な措置をとる。 (a) 農村及び都市のあらゆる種類の教育施設における職業指導、修学の機会及び資格証書の取 得のための同一の条件。このような平等は、就学前教育、普通教育、技術教育、専門教育及 び高等技術教育並びにあらゆる種類の職業訓練において確保されなければならない。 (b) 同一の教育課程、同一の試験、同一の水準の資格を有する教育職員並びに同一の質の学校 施設及び設備を享受する機会 (c) すべての段階及びあらゆる形態の教育における男女の役割についての定型化された概念の 撤廃を、この目的の達成を助長する男女共学その他の種類の教育を奨励することにより、ま た、特に、教材用図書及び指導計画を改訂すること並びに指導方法を調整することにより行 うこと。 (d) 奨学金その他の修学援助を享受する同一の機会 (e) 継続教育計画(成人向けの及び実用的な識字計画を含む。)、特に、男女間に存在する教 育上の格差をできる限り早期に減少させることを目的とした継続教育計画を利用する同一の 継続教育計画(成人向けの及び実用的な識字計画を含む。)、特に、男女間に存在する教育 上の格差をできる限り早期に減少させることを目的とした継続教育計画を利用する同一の機 会 (f) 女子の中途退学率を減少させること及び早期に退学した女子のための計画を策定すること。 (g) スポ−ツ及び体育に積極的に参加する同一の機会 (h) 家族の健康及び福祉の確保に役立つ特定の教育的情報(家族計画に関する情報及び助言を 含む。)を享受する機会 - 44 - 第11条 1 締約国は、男女の平等を基礎として同一の権利、特に次の権利を確保することを目的として、 雇用の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとる。 (a) すべての人間の奪い得ない権利としての労働の権利 (b) 同一の雇用機会(雇用に関する同一の選考基準の適用を含む。)についての権利 (c) 職業を自由に選択する権利、昇進、雇用の保障ならびに労働に係るすべての給付及び条件 についての権利並びに職業訓練及び再訓練(見習、上級職業訓練及び継続的訓練を含む。) を受ける権利 (d) 同一価値の労働についての同一報酬(手当を含む。)及び同一待遇についての権利並びに 労働の質の評価に関する取扱いの平等についての権利 (e) 社会保障(特に、退職、失業、傷病、障害、老齢その他の労働不能の場合における社会保 障)についての権利及び有給休暇についての権利 (f) 2 作業条件に係る健康の保護及び安全(生殖機能の保護を含む。)についての権利 締約国は、婚姻又は母性を理由とする女子に対する差別を防止し、かつ、女子に対して実効的 な労働の権利を確保するため、次のことを目的とする適当な措置をとる。 (a) 妊娠又は母性休暇を理由とする解雇及び婚姻をしているかいないかに基づく差別的解雇を 制裁を課して禁止すること。 (b) 給料又はこれに準ずる社会的給付を伴い、かつ、従前の雇用関係、先任及び社会保障上の 利益の喪失を伴わない母性休暇を導入すること。 (c) 親が家庭責任と職業上の責務及び社会的活動への参加とを両立させることを可能とするた めに必要な補助的な社会的サ−ビスの提供を、特に保育施設網の設置及び充実を促進するこ とにより奨励すること。 (d) 妊娠中の女子に有害であることが証明されている種類の作業においては、当該女子に対し て特別の保護を与えること。 3 この条に規定する事項に関する保護法令は、科学上及び技術上の知識に基づき定期的に検討す るものとし、必要に応じて、修正し、廃止し、又はその適用を拡大する。 第12条 1 締約国は、男女の平等を基礎として保健サ−ビス(家族計画に関連するものを含む。)を享受 する機会を確保することを目的として、保健の分野における女子に対する差別を撤廃するための すべての適当な措置をとる。 2 1の規定にかかわらず、締約国は、女子に対し、妊娠、分娩及び産後の期間中の適当なサ−ビ ス(必要な場合には無料にする。)並びに妊娠及び授乳の期間中の適当な栄養を確保する。 第13条 締約国は、男女の平等を基礎として同一の権利、特に次の権利を確保することを目的として、他 の経済的及び社会的活動の分野における女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置を - 45 - とる。 (a) 家族給付についての権利 (b) 銀行貸付け、抵当その他の形態の金融上の信用についての権利 (c) レクリエ−ション、スポ−ツ及びあらゆる側面における文化的活動に参加する権利 第14条 1 締約国は、農村の女子が直面する特別の問題及び家族の経済的生存のために果たしている重要 な役割(貨幣化されていない経済の部門における労働を含む。)を考慮に入れるものとし、農村 の女子に対するこの条約の適用を確保するためのすべての適当な措置をとる。 2 締約国は、男女の平等を基礎として農村の女子が農村の開発に参加すること及びその開発から 生ずる利益を受けることを確保することを目的として、農村の女子に対する差別を撤廃するため のすべての適当な措置をとるものとし、特に、これらの女子に対して次の権利を確保する。 (a) すべての段階における開発計画の作成及び実施に参加する権利 (b) 適当な保健サ−ビス(家族計画に関する情報、カウンセリング及びサ−ビスを含む。)を 享受する権利 (c) 社会保障制度から直接に利益を享受する権利 (d) 技術的な能力を高めるために、あらゆる種類(正規であるかないかを問わない。)の訓練 及び教育(実用的な識字に関するものを含む。)並びに、特に、すべての地域サ−ビス及び 普及サ−ビスからの利益を享受する権利 (e) 経済分野における平等な機会を雇用又は自営を通じて得るために、自助的集団及び協同組 合を組織する権利 (f) あらゆる地域活動に参加する権利 (g) 農業信用及び貸付け、流通機構並びに適当な技術を利用する権利並びに土地及び農地の改 革並びに入植計画において平等な待遇を享受する権利 (h) 適当な生活条件(特に、住居、衛生、電力及び水の供給、運輸並びに通信に関する条件) を享受する権利 第4部 第15条 1 締約国は、女子に対し、法律の前の男子との平等を認める。 2 締約国は、女子に対し、民事に関して男子と同一の法的能力を与えるものとし、また、この能 力を行使する同一の機会を与える。特に、締約国は、契約を締結し及び財産を管理することにつ き女子に対して男子と平等の権利を与えるものとし、裁判所における手続のすべての段階におい て女子を男子と平等に取り扱う。 3 締約国は、女子の法的能力を制限するような法的効果を有するすべての契約及び他のすべての 私的文書(種類のいかんを問わない。)を無効とすることに同意する。 - 46 - 4 締約国は、個人の移動並びに居所及び住所の選択の自由に関する法律において男女に同一の権 利を与える。 第16条 1 締約国は、婚姻及び家族関係に係るすべての事項について女子に対する差別を撤廃するための すべての適当な措置をとるものとし、特に、男女の平等を基礎として次のことを確保する。 (a) 婚姻をする同一の権利 (b) 自由に配偶者を選択し及び自由かつ完全な合意のみにより婚姻をする同一の権利 (c) 婚姻中及び婚姻の解消の際の同一の権利及び責任 (d) 子に関する事項についての親(婚姻をしているかいないかを問わない。)としての同一の 権利及び責任。あらゆる場合において、子の利益は至上である。 (e) 子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもって決定する同一の権利並びにこれらの権利 の行使を可能にする情報、教育及び手段を享受する同一の権利 (f) 子の後見及び養子縁組又は国内法令にこれらに類する制度が存在する場合にはその制度に 係る同一の権利及び責任。あらゆる場合において、子の利益は至上である。 (g) 夫及び妻の同一の個人的権利(姓及び職業を選択する権利を含む。) (h) 無償であるか有償であるかを問わず、財産を所有し、取得し、運用し、管理し、利用し及 び処分することに関する配偶者双方の同一の権利 2 児童の婚約及び婚姻は、法的効果を有しないものとし、また、婚姻最低年齢を定め及び公の登 録所への婚姻の登録を義務付けるためのすべての必要な措置(立法を含む。)がとられなければ ならない。 第5部 第17条 1 この条約の実施に関する進捗状況を検討するために、女子に対する差別の撤廃に関する委員会 (以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、この条約の効力発生の時は十八人の、三十 五番目の締約国による批准又は加入の後は二十三人の徳望が高く、かつ、この条約が対象とする 分野において十分な能力を有する専門家で構成する。委員は、締約国の国民の中から締約国によ り選出されるものとし、個人の資格で職務を遂行する。その選出に当たっては、委員の配分が地 理的に衡平に行われること並びに異なる文明形態及び主要な法体系が代表されることを考慮に入 れる。 2 委員会の委員は、締約国により指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。各締 約国は、自国民の中から一人を指名することができる。 3 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後六箇月を経過した時に行う。国際 連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも三箇月前までに、締約国に対し、自国が指 名する者の氏名を二箇月以内に提出するよう書簡で要請する。同事務総長は、指名された者のア - 47 - ルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、 締約国に送付する。 4 委員会の委員の選挙は、国際連合事務総長により国際連合本部に招集される締約国の会合にお いて行う。この会合は、締約国の三分の二をもって定足数とする。この会合においては、出席し かつ投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得て指名され た者をもって委員会に選出された委員とする。 5 委員会の委員は、四年の任期で選出される。ただし、最初の選挙において選出された委員のう ち九人の委員の任期は、二年で終了するものとし、これらの九人の委員は、最初の選挙の後直ち に、委員会の委員長によりくじ引きで選ばれる。 6 委員会の五人の追加的な委員の選挙は、三十五番目の批准又は加入の後、2から4までの規定 に従って行う。この時に選出された追加的な委員のうち二人の委員の任期は、二年で終了するも のとし、これらの二人の委員は、委員会の委員長によりくじ引で選ばれる。 7 締約国は、自国の専門家が委員会の委員としての職務を遂行することができなくなった場合に は、その空席を補充するため、委員会の承認を条件として自国民の中から他の専門家を任命する。 8 委員会の委員は、国際連合総会が委員会の任務の重要性を考慮して決定する条件に従い、同総 会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。 9 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及 び便益を提供する。 第18条 1 締約国は、次の場合に、この条約の実施のためにとった立法上、司法上、行政上その他の措置 及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する報告を、委員会による検討のため、国際連合 事務総長に提出することを約束する。 (a) 当該締約国についてこの条約が効力を生ずる時から一年以内 (b) その後は少なくとも四年ごと、更には委員会が要請するとき。 2 報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害を記載することが できる。 第19条 1 委員会は、手続規則を採択する。 2 委員会は、役員を二年の任期で選出する。 第20条 1 委員会は、第十八条の規定により提出される報告を検討するために原則として毎年二週間を超 えない期間会合する。 2 委員会の会合は、原則として、国際連合本部又は委員会が決定する他の適当な場所において開 催する。 - 48 - 第21条 1 委員会は、その活動につき経済社会理事会を通じて毎年国際連合総会に報告するものとし、ま た、締約国から得た報告及び情報の検討に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うこと ができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、締約国から意見がある場合にはその 意見とともに、委員会の報告に記載する。 2 国際連合事務総長は、委員会の報告を、情報用として、婦人の地位委員会に送付する。 第22条 専門機関は、その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、 代表を出す権利を有する。委員会は、専門機関に対し、その任務の範囲内にある事項に関するこの 条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。 第6部 第23条 この条約のいかなる規定も、次のものに含まれる規定であって男女の平等の達成に一層貢献する ものに影響を及ぼすものではない。 (a) 締約国の法令 (b) 締約国について効力を有する他の国際条約又は国際協定 第24条 締約国は、自国においてこの条約の認める権利の完全な実現を達成するためのすべての必要な措 置をとることを約束する。 第25条 1 この条約は、すべての国による署名のために開放しておく。 2 国際連合事務総長は、この条約の寄託者として指定される。 3 この条約は、批准されなければならない。批准書は、国際連合事務総長に寄託する。 4 この条約は、すべての国による加入のために開放しておく。加入は、加入書を国際連合事務総 長に寄託することによって行う。 第26条 1 いずれの締約国も、国際連合事務総長にあてた書面による通告により、いつでもこの条約の改 正を要請することができる。 2 国際連合総会は、1の要請に関してとるべき措置があるときは、その措置を決定する。 第27条 1 この条約は、二十番目の批准書又は加入書が国際連合事務総長に寄託された日の後三十日目の 日に効力を生ずる。 2 この条約は、二十番目の批准書又は加入書が寄託された後に批准し又は加入する国については、 その批准書又は加入書が寄託された日の後三十日目の日に効力を生ずる。 - 49 - 第28条 1 国際連合事務総長は、批准又は加入の際に行われた留保の書面を受領し、かつ、すべての国に 送付する。 2 この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。 3 留保は、国際連合事務総長にあてた通告によりいつでも撤回することができるものとし、同事 務総長は、その撤回をすべての国に通報する。このようにして通報された通告は、受領された日 に効力を生ずる。 第29条 1 この条約の解釈又は適用に関する締約国間の紛争で交渉によって解決されないものは、いずれ かの紛争当事国の要請により、仲裁に付される。仲裁の要請の日から六箇月以内に仲裁の組織に ついて紛争当事国が合意に達しない場合には、いずれの紛争当事国も、国際司法裁判所規程に従 って国際司法裁判所に紛争を付託することができる。 2 各締約国は、この条約の署名若しくは批准又はこの条約への加入の際に、1の規定に拘束され ない旨を宣言することができる。他の締約国は、そのような留保を付した締約国との関係におい て1の規定に拘束されない。 3 2の規定に基づいて留保を付した締約国は、国際連合事務総長にあてた通告により、いつでも その留保を撤回することができる。 第30条 この条約は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文 とし、国際連合事務総長に寄託する。 以上の証拠として、下名は、正当に委任を受けてこの条約に署名した。 - 50 - 聖籠町男女共同参画計画策定の経過 年 月 男女共同参画計画策定委員会 事 務 局 平成16年12月 第1回委員会 ・委嘱状の交付 ・委員長の互選及び副委員長の選任 ・町長から諮問 ・学習会「男女参画社会とは」 平成17年 2月 第2回委員会 ・学習会 「男女共同参画計画基本法と行動計画」 平成17年 3月 第3回委員会 ・町の現状及び問題点、課題について 平成17年 4月 第4回委員会 ・町の現状及び問題点、課題について 平成17年 5月 第5回委員会 ・基本目標について 平成17年 6月 第6回委員会 ・班別による基本目標の検討 平成17年 7月 第7回委員会 ・班別による基本目標の検討 平成17年 8月 分科会2班 ・基本目標づくり 分科会1班 ・基本目標づくり 第8回委員会 ・基本目標の確認について ・重点目標づくりについて 平成17年 9月 分科会1班 ・重点目標づくり 分科会2班 ・重点目標づくり 第9回委員会 ・重点目標の検討について 平成17年10月 第10回委員会 ・基本目標、重点項目の現状について 第11回委員会 ・基本目標及び重点項目の見直しについて ・答申書(案)の作成 平成17年11月 第12回委員会 ・町長へ答申 ・答申に基づき計画書(案) 作成 平成18年 3月 第13回委員会 ・計画案のについて意見交換 ・意見・要望を踏まえ、計画 書(案)の一部を修正 平成18年 4月 ・施策の方向に基づく具体的 な施策の取りまとめ 平成18年 5月 ・各課の施策について最終調 製 ・「聖籠町男女共同参画計画」 の決定 - 51 - 聖籠町男女共同参画計画策定委員会委員名簿 № 氏 名 1 市 川 一 彦 2 伊 藤 君 代 3 伊 藤 久 雄 4 大河内 芳 子 5 加 藤 百合子 6 齋 藤 經 子 7 鈴 木 典 子 8 高 崎 信 子 9 高 松 秀 利 10 田 中 朱 美 11 田 中 12 田 村 津 島 梅 川 14 藤 間 殖 15 能 登 惣五郎 16 深 井 晶 17 宮 下 18 諸 橋 13 備 考 ☆アドバイザー ○副委員長 厚 栄 吉 亨 純 前任(H16.12∼H17.5) 人 後任(H17.6∼) ◎委員長 子 薫 幸 栄 (50 音順、敬称略) - 52 -
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