泌尿器科学 - 慶應義塾大学医学部

泌尿器科学
Ⅰ.プログラムの名称
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室 後期臨床研修(専修医課程)プログラム
Ⅱ.基本方針
泌尿器科の診療に関する知識と技能を習得し,泌尿器科専門医としての資質の向上を計る。臨床・基礎
両面での研究を欠かさず,それを学会で発表し,論文にまとめることを義務とする。
Ⅲ.プログラム指導者と参加協力施設
①プログラム責任者
慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室
教 室 主 任 大家 基嗣 教授
(日本泌尿器科学会認定専門医・指導医,
日本透析学会認定専門医・指導医,
日本腎臓学会認定専門医,泌尿器腹腔鏡技術認定医,
日本がん治療認定医)
専修医担当主任 浅沼 宏 専任講師 (日本泌尿器科学会認定専門医・指導医,
日本小児泌尿器科学会認定医,
日本臨床腎移植学会認定医
日本がん治療認定医)
②基幹施設:慶應義塾大学病院(泌尿器科)
③参加協力施設 (独立行政法人国立病院機構は国立病院機構と略す)
東 京 都:国立病院機構東京医療センター,国家公務員共済組合連合会立川病院,東京都済生会中
央病院,公立福生病院,東京都立小児総合医療センター
神奈川県:伊勢原協同病院,川崎市立川崎病院,けいゆう病院,済生会横浜市東部病院
埼 玉 県:さいたま市立病院,国立病院機構埼玉病院,埼玉医科大学
千 葉 県:東京歯科大学市川総合病院
栃 木 県:国立病院機構栃木病院
(詳細は「臨床研修プログラム参加協力施設一覧」を参照)
Ⅳ.教育課程
原則として研修医修了後 5 年間とする。
Ⅴ.教育内容
1 年目:慶應義塾大学病院にて泌尿器科特有の検査・治療の知識,技術を習得する。
アメリカ泌尿器科学会などに参加し,国際学会の雰囲気に慣れ,卒後教育コースに参加して最
先端の知識を得る。
2,3 年目:泌尿器科関連病院において泌尿器科学的知識,技術の向上を計る。各種手術に精通する。
4 年目:専修医終了に向けて,慶應義塾大学病院おいてさらなる知識,技術の向上を計り,腎移植・透析
1
の治療にも従事する。また,9 月の泌尿器科専門医試験に備える。さらに,最終年にかけて自分
の興味ある分野の臨床・基礎研究に従事し,その結果を学会で発表し,論文にまとめていくよう
にする。
5 年目:慶應義塾大学病院においてスタッフの指導の下,チーフレジデントとして手術の術者となる。
朝夕の回診の指揮,専修医(下級生)
・研修医・ポリクリの学生の教育,指導を行う。教室のカ
ンファレンスの準備・進行を行ない,それぞれの症例を通じて各疾患に深く精通する。学生教
育にも積極的に参加する。臨床研究・基礎研究の成果をまとめ,各専門学会,国際学会で発表
する。
Ⅵ.研究活動
泌尿器科は「Ⅸ 学会・研究会など」の学会名に示すとおり,多大な研究領域を含んでおり,その研
究テーマは自在である。臨床トレーニングのかたわら,そこから得られた医学的な疑問点の解明,ある
いは新しい知見を求めて研究にたずさわることができる。分子生物学的手法,細胞培養,免疫染色等の
技術を利用し,多岐にわたる泌尿器癌研究や移植免疫,副腎腫瘍発生機構,排尿機能に関する研究が行
われている。また,先端テクノロジーを利用した低侵襲治療の開発も積極的に行われている。
Ⅶ.学会・研究活動など
現在,泌尿器科医局員が参加している代表的な学会・研究会は下記のものがある。それぞれ自分の専門
や興味のあるものに参加し,発表を行っている。
【国内学会】
日本泌尿器科学会
日本 Endourology & ESWL 学会
日本排尿機能学会
日本不妊学会
日本透析医学会
日本癌学会
日本腎臓学会
日本癌治療学会
日本受精着床学会
日本外科系連合会
日本アンドロロジー学会
日本内分泌学会
日本性機能学会
日本内分泌外科学会
日本移植学会
日本臨床電子顕微鏡学会
腎移植・血管外科学会
日本ヒト細胞学会
臨床腎移植学会
老年泌尿器科学会
尿路悪性腫瘍研究会
泌尿器科分子・細胞研究会
日本内視鏡外科学会
日本小児泌尿器科学会
【国際学会】
AUA(米国泌尿器科学会)
AACR(米国癌学会)
SIU(国際泌尿器科学会)
国際 Endo-urology 学会
国際移植学会
国際排尿機能学会
ASCO(米国癌治療学会)
世界内視鏡外科学会
国際小児移植学会
AAP(米国小児科学会・泌尿器科部門)
Ⅷ.評価方法など
①評価方法
教室主任,教室スタッフ,各教育関連施設科長より逐次評価を受ける。その結果を教室会議で評価す
る。
②プログラム修了の認定
2
専修医課程開始後 4 年を経過した時点で上記の評価をもとに専修医修了の認定を行い,5 年目の研修を
もって終了とする。
③プログラム修了後のコース
5 年目のチーフレジデント終了後は各専門領域の認定医取得を目指すと同時に手がけている研究を速
やかに論文にまとめ,学位の取得を志す。各関連施設に出張する者は,その施設の泌尿器科の一層の
充実に貢献すると同時に後輩の指導にあたる。大学研究室には引き続き所属する者は,後輩の研究の
指導・援助を行う。また,希望者は留学し,泌尿器科医として知識・見解を一層深め,今後の医局の
臨床・研究両面での発展に貢献してもらう。
Ⅸ.身分
専修医課程にある者は「専修医としての助教」の身分で,臨床医学系の教員としての職務(教育・
研究・診療)を負う。ただし,その発令は,
・ 医学部助教(専修医)
(診療)
:診療活動に重点
・ 医学部助教(専修医)
(診療支援)
:診療活動に重点。ただし、勤務が週 28 時間未満の者。
・ 医学部助教(専修医)
(出向)
:教育関連病院に出向
・ 医学部助教(専修医)
(臨床研究)
:大学院生の医学部・病院での身分
の 4 種類に分けて行う。
Ⅹ.その他
慶應義塾大学医学部泌尿器科専修医研修プログラムに関する最新情報は,下記ホームページをご覧
下さい。
URL:http://www.keio-urology.jp/clinicalrecruit/training.html
3
泌尿器科後期臨床研修評価表
後期臨床研修における泌尿器科医としての下記の研修項目について自己評価をするととも
に,指導医よる評価も受ける。
A:習得した
泌尿器科後期臨床研修評価細目
B:ほぼ習得した
C:目標に達しない
自己評価
1.以下の泌尿器科領域の臓器の病態生理を理解している。
(1)
副腎
(2)
腎
(3)
尿路(腎盂・尿管・膀胱・尿道)
(4)
前立腺
(5)
精巣
A
2.以下の泌尿器科的疾患を理解し,適切な治療方針を決められる。
(1)
腫瘍性疾患
(2)
BPH
(3)
尿路結石
(4)
不妊症
(5)
副腎疾患
(6)
神経因性膀胱・尿失禁
(7)
感染症
(8)
性機能障害
(9)
腎不全・腎移植
(10) 先天性疾患
3.以下の泌尿器科医として必要な患者管理・処置ができる。
(1)
重症者管理
(2)
化学療法者管理
(3)
腎不全・移植患者管理
(4)
穿刺(IVH,Blood access)・腎瘻増設・エコーガイド
下生検
(5)
泌尿器科術後管理
4
B
C
指導医評価
A
B
C
自己評価
4.以下の泌尿器科手術手技を習得している。
(1)
副腎摘除術
(2)
腹腔鏡下副腎摘除術
(3)
根治的腎摘除術
(4)
腎摘出術
A
(5) 腹腔鏡下(根治的)腎摘除術
(6)
腎部分切除術
(7)
腎移植術(自家,生体,死体)
(8)
経皮的腎生検
(9)
腎盂形成術
(10)
内視鏡下腎盂形成術
(11) 腎嚢胞穿刺術
(12) 腎尿管全摘膀胱部分切除
(13) 尿管新吻合術
(14) 膀胱尿管新吻合術
(15) 根治的膀胱全摘除術
・回腸導管造設術
・新膀胱造設術
(16) 膀胱部分切除術
(17) 根治的前立腺摘除術
(18) 高位除睾術
(19) 精巣生検
(20) 陰嚢水腫根治術
(21) 包茎環状切除術
(22) 精巣固定術
(23) 精索静脈瘤根治術
(24) 尿管結石切石術
(25) ESWL
(26) PNL
(27) TUL
(28) TUR-BT
(29) TUR-P
(30) 経尿道的前立腺腺腫核出術
(31) 内視鏡下尿管瘤切開術
(32) 経直腸的前立腺針生検
(33) 内視鏡下内尿道切開
(34) 内シャント造設術
5
B
C
指導医評価
A
B
C
自己評価
A
(35) CAPD カテーテル挿入術
(36) 尿失禁根治術
(37) 後腹膜リンパ節郭清術
(38) 尿道形成術
(39) その他
5.以下のアカデミックフィールドでの活動を行っている。
(1)
学会発表
(2)
論文発表
(3)
臨床統計
(4)
基礎研究
6
B
C
指導医評価
A
B
C