2013 年 11 月 29 日 北米自動車関連流通視察 報告書 ■企画/主催 オートアフターマーケット活性化連合(AAAL) ■旅行企画実施 (株)JTBコーポレートセールス ■期間/旅程 2013 年 11 月 2 日(土)~11 月 9 日(土) 1 日目 11 月 2 日(土) 移動日 霞が関第五事業部 8日間 デトロイトへ オートモチーブホールオブフェーム 2 日目 11 月 3 日(日) シアーズオートセンター見学 ヘンリーフォード博物館見学 3 日目 11 月4日(月) ルージュファクトリーツアー(自動車の組み立てライン) GM本社・ショールーム見学 アナーバトヨタディーラー見学 4 日目 11 月 5 日(火) 移動 ラスベガスへ SEMA SHOW 見学 SHOW 見学 5 日目 11 月 6 日(水) SEMA 6 日目 11 月7日(木) バレーオートモール見学 オーライリー・オートモーティブ見学 ペップボーイ見学 ウォルマート、ホームデポ等見学 7 日目 11 月8日(金) 移動 8 日目 11 月 9 日(土) 移動日 シアトル 成田へ ■参加者(17名) ①西脇 保彦 (株)ボンフォーム 代表取締役社長(AAAL副代表) ②加藤 哲也 (株)オートバックスセブン 執行役員 ③山崎 弘 (株)オートバックスセブン ④森 克彦 (株)オートバックスセブン ⑤石原 (株)ボンフォーム 健一 ⑥佐久間 由治 錦産業(株) 常務取締役 ⑦大西 康介 錦産業(株) 課長 ⑧倉持 利昭 (株)カーメイト 次長 ⑨眞壁 彰信 (株)セイワ 主任 ⑩野木 崇宏 ニューレイトン(株) 取締役総務部長 ⑪吉戸 宏一 エステーオート(株) 課長 (株) エッチ・ケー・エス 代表取締役社長 ⑫長谷川 浩之 ⑬日野 純一 (株)ワーク 課長 ⑭渡邊 和洋 (株)ワーク リーダー ⑮山下 睦 APARA 事務局長 ⑯滝澤 政明 JACA/JAAMA 専務理事 ⑰植草 正拓 NAPAC 事務局長 (添乗員 JTB 石井 良和) 【デトロイトの盛衰、そして希望】 デトロイト市がアメリカ連邦破産法第 9 条による保護を申請したことは既にメディア等で報じられま したが、現在の状況は「米国自動車メーカー」に至っては、自動車生産及び売上はリーマンショッ ク以前に戻ったようです。 ・GM 本社ビル 「GM ルネッサンスセンター」デトロイト市の中心 にあり 吹き抜けの GM 車ショールームがある、マリオットホテルには、 日本 領事館も入っています。 ・在デトロイト日本国総領事館に訪問いたしました。 2013年10月の新車販売台数は繰延需要、低いガソリ ン価格、低金利ローン等により、政府の一時閉鎖にもか かわらず、前年同月比 10.6%増、特にデトロイト3が好調 であり、車種別販売台数では、PicUp トラックが上位3位ま でを独占しています。 住宅と PicUp トラックが売れる事は、景気が良くなった証 拠です。 (野田主席領事と西脇団長) 【デトロイト市内】 デトロイト市内は空きビル・空き家が多く かつて住んでいた富裕層、白人は郊外に移動し、 低所得者層、黒人が中心部へと移り込むという逆転現象となっています。 ようやく町の復興作業が動き始め 以前のニューヨークが復 活したように、デトロイト市内に人が戻る復活へのスタートが 始まったようです。 建設当時は世界で最も高い鉄道駅として有名になりました。 1975 年に国家歴史登録財に指定 しかし 1988 年に閉鎖され、 今は観光名所になっています。 (ミシガン中央駅は 1913 年に設立ミシガン中央駅) 【ヘンリー・フォード博物館】 エジソン学会(Edison Institute)が管理・運営するヘンリーフ ォード博物館は、(正式には "ヘンリーフォード博物館とグ リ ー ン フ ィ ー ル ド ビ レ ッ ジ :Henry Ford Museum and Greenfield Village) アメリカ最大級でミシガン州メトロ・デトロイトエリアに属する、 ディアボーンの博物館複合施設であり、アメリカ合衆国国 定歴史建造物に指定されている。 広 い・でかいの一言につきる博物館! 自動車だけでなく、鉄道、航空機、蒸気機関・発電機、ファニ チャー、生活文化等のコーナーが有り ゆっくり見ると1日が 必要です。 更に博物館の外(反対側)にグリーンフィードビレッジが有り、 こちらも見学には半日以上の時間がかかるようです。 (C&O 鉄道の「アレゲニー・Allegheny」№1601 号は D51 の 2 倍以上の大きさ) FORD は自動車だけでなく、航空産業へも拡大し、特に第2次 大戦中は国の指定工場となり鉄鋼に関するものは何でも生産 した。 【オートモチーブホールオブフェーム】 1939年に設立され、自動車産業にかかわった人たちの業績を称える為に設立された自動車の 殿堂。館内には発明家や企業家200人が殿堂入りしています。 CVCC エンジンの開発により、1970年代の米国排気ガス基 準を満たした最初のメーカーとして、1989年に、本田総一郎 が殿堂入りし、HONDA S800 が展示してある。 主な受賞者 ・ヘンリーフォード(1967年) ・ウォルター・クライスラー(1967年) ・アルフレッド・スローン(1967年) ・トーマス・エジソン(1969年) ・ロイ・D・チェイピン・シニア(1972年) 【店舗視察】 ・シアーズ・オートセンター Sears Auto Senter 庶民デパートとして有名なシアーズのオート部門で、パーツ販売だけでなく ピットも備えており、タ イヤ交換から整備までこなします。 朝会社へ行く前に車を預け夕刻に引き取りに来るドライバーが主となっているようです。 ・アドバンス・オート・パーツ Adbance Auto Parts(米自動車部品小売2位) パーツ&アクセサリーの販売のみで Pit サービスは無く、駐車台 数も 10 数台と狭い小型店です。 現在、アドバンス・オートによるゼネラル・パーツ・インターナショナルの買収が計画され、実現す れば、補修部品市場(アフターマーケット)で Auto Zone を抜き北米第1位となります。 ・オライリー・オートモーティブ O’Reilly Automotive 全米にチェン展開するオートパーツの小売店舗で、典型的な DIY 向け倉庫型販売店舗となり低価格訴求をベースにパー ツとアクセサリーを販売しており、メンテナンスやバッテリー交 換・修理等のサービスは一切行なわない。 競合は1、オートゾーン Auto Zone、 2、アドバンスオート Adbance Auto Parts ・トレーダー・ジョーズ Trader Joe’s トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)は、ロサンゼルス郡を本 拠とする、アメリカ合衆国のグロサリー・ストア(食料品スーパ ーマーケット)チェーンであり、現在では、グルメ・フード、オー ガニック・フード、ベジタリアン・フード、輸入食品、各種ワイン、 ユニークな冷凍食品も品揃えし、いわゆる「グルメ・スーパー マーケット」と呼ばれています。 比較的高級志向の食料品小売店に分類されているが、中間 流通を省くことによって価格を抑えています。 ・ダンニング・トヨタ/DUNNING TOYOTA 複数のオートディーラーの集まるアナーバー通りにあるトヨタのディーラーで、トヨタと若者向け 「サイオンブランド」を取扱う。 併設した棟でスバルディーラーも展開。日本人スタッフによる日本語デスクも備え対応している。 副社長兼ゼネラルマネージャーのジョンFテイラー氏から 従業員数126名。 メンテナンスサービスは年間3500台、パーツ在庫金額2500万円と説明を受けました。 【フォードリバー・ルージュ工場見学 Ford Rouge Factory Tour】 1916 年に、ヘンリー・フォードが建設した巨大工場で、最大 の特徴は工場内に高炉を所有し、鉄鉱石を運んでわずか 28 時間後にT型フォードを生産できた事です。 (この記録は現在も破られていません。) 高炉を建設した理由として、内製化により効率化を図った ほか、当時バナジウム鋼を生産できる製鉄所がなかった事 が挙げられます。 全盛期には、従業員数 120,000 人が働いていました。 現在は PicUp の F150 を生産しており生産ラインを見学用に 公開しています。 「Rouge Factory Tour」は 2 時間で、自動車の歴史を「3D 映 像」で説明を受けてから、見学コースに入り、最上階からフォ ード社の歴史・ルージュ工場の特徴等の説明を受けます。 工場内の写真撮影は禁止なのでライン行程は紹介できませんが、ピックアップトラックの F-150 は アメリカ国内のベストセラーの座を守り続け FORD 車全体の約 30%を占めているそうです。 【SEMA SHOW 2013 Las Vegas 視察】 デトロイトの日本領事館で「自動車メーカー」も「消費者ニー ズ」も、元にもどりつつあり、自動車産業は活気がある。と聞 いていましたが、実際に、ラスベガスの「SEMA ショー会場」 多くの来場者があり、ホテルと会場の交通手段のモノレー ルがなどでも、入場制限をするなど人が増えていました。 SEMA ショーは世界で最高の「自動車アフターパーツ&カス タマイズカー」のイベントで、自動車、トラック、および RV 市場で、100 カ国以上から 10 万人以上の 業界リーダーを集めています。 昨年は各国から 5 万人以上のバイヤーを招きました。ディスプレ イは、12 のセクションに分割し、それらの新製品ショーケースは約 1,500、新たに導入された部品、 ツール、及びコンポーネントを特色にしました。 また、SEMA ショーは、教育セミナー、製品デモ、特別なイベント、ネットワーキングの機会と詳細 と参加者を提供していました。 ・SEMA 本部との意見交換会 SEMA本部参加メンバー ・Linda Spencer:SEMA インターナショナル・シニアディレクター ・Elizabeth Couch:米国商務省国際貿易管理官 リンダスペンサーより米国内の景気が上向きに伴い、今年の SEMA ショーの参加企業及び客数が伸びている事の説明を受 けました。SEMA ショーのカスタマイズ、これからのドレスアップ はファッションショーで、新しい需要が生まれます。 西脇団長より「中国(上海・北京)ばかり訪問しないで、たまには 日本へ顔を出して欲しい」とのコメントに苦笑い! 今後も SEMA と AAAL の交流を続ける事を約束して別れました。 ・クライスラー Chrysler・FIAT FIAT 傘下に入ったクライスラーであるが、米国での FIAT ロ ゴの使い方はきわめて慎重に感じた。販売車種も FIAT500 のみでおとなしい。 この「FIAT チンクチェント・FIAT500」がデトロイトでもラスベガ スでも街中で走っているのを良く見かけた。デザインがアメリ カ人に受けているのであろう。 ・ヒュンダイ:Hyundai Motor 韓国車:Hyundai が米国市場をシェアアップ!今回デトロイ ト及びラスベガス在住の日本人からクルマの話をしている中 で東と西と距離が離れているにも関わらず同じ意見がありま した。韓国のヒュンダイが売れており、質・デザインは日本車 以上の所もある。一体日本メーカーは何をしているのか?こ のままだとヒュンダイにシェアを奪われてしまうだろう。新型 ソナタのデザインはカムリ、アコードより洗練されてカッコ良い。等の辛口コメントをもらいました。 ココ SEMA 会場でもジェネシス・クーペとヴェロスター・ターボが多く展示してあり日本車と変わらぬ デザインは受けていました。 【LasVegas Valley Automall(バレーオートモール)】 バレーオートモールは、ラスベガス近隣で最大のオートモール で 18 のディーラ-及び 24 のブランドが集積されてます。そのた めバレーオートモールは、ラスベガスの隣町であるヘンダーソ ン市に立地しラスベガスのストリップから東南に約 20 マイル (約 30 キロ)に位置するラスベガス近郊では最大の車ディーラ ー集積地区となる。現在では南ネバダでは最大のオートモー ルまでに成長した。このオートモールという形式はアメリカ人の クルマ購入方法に非常に適していることがその成長の要因の 一つとなっている。 18 も数あるディーラーの中から、今回はFORDグループのリン カーンディーラー「Findlay Lincoln」に行ってみました。 リンカーン・MKZ(Lincoln MKZ )は、フォード・モーターが同社 の高級車部門にあたるリンカーンブランドで製造・販売してい る中型高級セダンである。日本市場への導入は行われていま せん。メカニズムは刷新され、従来の 3.7L・V6 に加え、フォー ド・トーラス等で採用済の 2.0L エコブースト、更に 2.0L HV ハイ ブリッドまでが追加されています。 更に特徴として、量産車世界最大面積を誇る「リトラクタブルパ ノラミックルーフ」が挙げられ、ルーフ部分全体がポップアップして後方へスライドする仕組みで、 ルーフそのものがキャビン全体を覆う巨大なガラスとなっています。ここのセールスマンはフレンド リーそして親切で、我々が旅行者と分っていてもエンジンをかけて見せてくれたり、電動パノラミッ クルーフをスライドさせて運転席に座らせていただきました。 【まとめ】 初の米国東部都市デトロイト、広く・大きなアメリカを感じることができました。やはり日本車が少な く、アメ車が多い。 交通手段が車しかない、こちらではクルマの依存度が高く、生活必需品として重要な足となりま す。 デトロイトのガソリン価格は 1 ガロン/$3.50 = 3.8ℓ/¥350 = ¥92/ℓ 1リットル¥92 円です。 日本の約半額 という事は、遠出(高速)で 10 キロ/ℓ、街中で 5 キロ/ℓ 走れば良いという考えが 自然と出てきます。 更にデザイン、サイズ限定の HV車やダウンサイジングエンジン搭載車への選択は、あまり意識 がないのかもしれません。 すなわち V8 ピックアップトラック、SUV、中型以上のアメリカンビッグセダンが売れる理由が理解 できました。 しかし着実に省エネ小型化への波がアメリカへも押し寄 せています。 ポリスカーとして長年使用してきた FORD クラウンビクトリア が生産中止となり、次はコンパクトで雪道に強い FF 車に移 行します。 今後も、世界の自動車産業に目を向けて、国内メーカーが 時流にあった対応を取れるように、適した視察を企画した いと思います。 以上
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