自然災害科学 J .J SNDS 304 395395(2012) 平成2 3年度の学会賞の授与について 第30回日本自然災害学会学術講演会が,平成2 3年11月17~19日に,東京都に於いて開催された。 11月18日(金)に開かれた総会の中で,学会賞の授賞式が行われた。日本自然災害学会の学会賞と して,功績賞,学術賞,国際賞が設けられている。 功績賞は,杉本伸一氏(第5回ジオパーク国際ユネスコ会議・事務局長)に授与された。学術賞・ 国際賞に該当はなかった。 功績賞 受賞者:第5回ジオパーク国際ユネスコ会議・事務局長 杉本伸一 功績名:雲仙普賢岳の火災被害体験に基づく火山防火に関する貢献 受賞理由 訪ね,多くのご教示をいただきました。その 1991年雲仙普賢岳噴火災害発生から2 0年が ような中で,多くの研究者や防災関係者と知 経過しているが,候補者は前半10年間を被災 り合うことができました。そして,今回の災 地の島原市の防災担当職員として火山防災の 害を何とか教訓として生かしたいと,地域住 実践に,後半はそれらの経験を生かした火山 民や多く研究者の皆様からの支援により活動 防災の推進に尽力しており,長年の活動は日 を続けてまいりました。特に2 007年の火山都 本自然災害学会の功績賞に値すると判断する。 市国際会議,そして2 009年の世界ジオパーク の認定など多くの関係者の力により,雲仙普 功績賞受賞コメント 賢岳の教訓を世界へ情報発信することができ 第5回ジオパーク国際ユネスコ会議事務局 ました。 長の杉本伸一と申します。この度,日本自然 この栄えある賞は,雲仙普賢岳噴火災害の 災害学会の功績賞を受賞させていただきまし 教訓を伝えるために活動した多くの皆様と一 て,恐縮に存じますと共に厚くお礼を申し上 緒にいただいたものであります。今回の受賞 げます。 を機に,雲仙普賢岳の災害の教訓を情報発信 私は,1991年雲仙普賢岳噴火災害の発生時 し,より一層防災活動に取り組んで参りたい には島原市立安中公民館に勤務しており,多 と思います。 くの友人や知人を6月3日の火砕流で亡くし どうか今後とも,ご指導いただきます様お ました。私自身も避難生活をしながら,住民 願い申し上げまして,お礼の言葉とさせてい をはじめ多くの関係者の皆様の協力をいただ ただきます。 きながら,避難住民の対応などに当たりまし た。 第5回ジオパーク国際ユネスコ会議事務局長 噴火災害を体験し,もう少し火山のことを 杉本伸一 理解していれば違った対応ができたのではな いかとの反省から,国内や海外の火山地域を 3 95
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