プラントエンジニアリング産業におけるリスクマネジメントのあり方に関する

4) プラントエンジニアリング産業におけるリスクマネジメントのあり方に関する調査研究
(報告書の要旨)
海外向けプラントエンジニアリングビジネスは、急転を続ける市場状況と大型化、複
雑化、グローバル化といったプラントエンジニアリング産業を取り巻く環境の変化によ
り、一層の危険リスクに晒されている。本調査研究は、その海外向けプラントエンジニ
アリングビジネスにおいて、リスクマネジメントの現状を俯瞰すると共に、その発展と
強化に向けた将来像を描くことを目的としている。
調査研究は、過去の類似研究の調査、関連企業へのアンケート、学識経験者を交えた
委員会からの専門的アドバイス、インターネットを含む文献調査等を通じて実施され
た。まずは、プラントエンジニアリング産業における損失発生の背景と要因の考察から
開始し、リスクマネジメントの現状を様々の視点から検証すると共に、最終的に改善と
改革に向けた提言を行った。
社会基盤エンジニアリング体制構築への提言としては、リスクマネジメントの面から
も今後は我が国の官民の総合力を結集したインフラ共同事業体の構築が望まれること、
個別企業あるいはプロジェクトへの提言としては、①コスト重視からサービス価値重視
の収益構造のへの転換、②ランプサム型とサービス提供型の適正なバランス受注、③海
外設計拠点のパートナーとしての位置づけへの転換、④JSOX を活用したリスクマネジメ
ント体制の構築及び⑤プロジェクト IT 化の一層の推進、の 5 点をまとめた。
最後に、これまでのような損失や危険の軽減に注力したリスクマネジメントから、積
極的に利益を生み出す経営ツールとしてのリスクマネジメントへの転換を今後への課
題として提起した。
(報告書の構成)
1.
調査研究の背景と目的
2.
現状と先行研究
3.
リスクマネジメントの具体例
4.
3.1
アンケート調査の結果
3.2
委員会における議論
3.3
リスクマネジメントの具体例
3.4
欧米プラントエンジニアリング業界の実情
3.5
国内他業界との比較
結論と課題