民間住宅ローンと住宅金融支援機構の 証券化支援業務について 全国銀行協会 三菱東京UFJ銀行 2009年5月 1.住宅ローン残高推移(国内銀行) □ 民間住宅ローンの残高は 増加基調で推移中 国内銀行の住宅ローン残高推移 (兆円) 100 93 90 86 93 96 99 88 180 160 79 80 75 140 71 70 60 55 120 67 63 59 100 51 50 (万戸) 43 44 44 45 80 40 60 30 20 40 10 20 0 0 91 92 93 94 95 96 97 98 99 国内銀行残高(左) (資料)日本銀行統計、国土交通省統計 00 01 02 03 04 05 06 07 08 住宅着工戸数(右) 1 2.住宅ローン新規実行額推移 □ 特殊法人等整理合理化計画(2001年12月)に基づき、住宅金融公庫は 原則、直接貸出から撤退 ⇒ 住宅ローン市場のメインプレーヤーは旧住宅金融公庫から民間金融機関へ (兆 円 ) 国 内 銀 行 、 住 宅 金 融 支 援 機 構 (住 宅 金 融 公 庫 )の 住 宅 ロ ー ン 新 規 実 行 金 額 推 移 18 国内銀行 16 14 住宅金融公庫・ 住宅金融支援機構 12 10 8 6 4 2 0 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 年 (資 料 )日 本 銀 行 統 計 、 住 宅 金 融 支 援 機 構 デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー 誌 等 (注 )暦 年 計 数 。 2005年 以 降 の 住 宅 金 融 公 庫 ・住 宅 金 融 支 援 機 構 貸 付 の 残 高 は 年 度 計 数 2 3.旧住宅金融公庫改革 □ 「民間でできることは民間に」との基本原則にもとづいた、政策金融改革の 試金石、官民役割分担の新たなかたち <旧住宅金融公庫改革のイメージ図> =改革前= 旧住宅金融公庫 ・長期、固定、低利 住宅ローンを実施 ・市場規模40%超に 肥大化の時期も =改革後= 住宅金融支援機構 ・直接貸出は原則 撤退 ・証券化支援業務 証券化 支援 民間金融 民間金融 ・住宅ローン市場の メインプレーヤー ・お客様のニーズに 応じた様々な商品を 開発、提供 3 4.住宅金融支援機構の証券化支援業務 □ 住宅金融支援機構は、フラット35「買取型」「保証型」を提供中 <買取型> <保証型> ② 金融機関 住宅金融 支援機構 住宅金融 支援機構 投資家 ⑤ ⑥ ① ④a ①b ③ ④b ④b ④a お客様 信託銀行 お客様 ①a ⑤ ② ①フラット35貸出 ②住宅ローン債権譲渡 ③住宅ローン債権信託 ④a MBS発行、④b MBSの担保 ⑤MBS発行代金 ⑥買取代金支払 投資家 金融機関 ①a フラット35貸出 ①b 住宅融資保険(保証型)付与 ②住宅ローン債権信託 ③信託受益権交付 ④a 信託受益権販売、 ④b 元利払い保証 ⑤受益権購入代金支払 ③ 信託銀行 (資料)住宅金融支援機構HPより作成 4 5.証券化支援業務 フラット35の状況 □ 多くの民間金融機関がフラット35を取扱い □ 住宅金融支援機構の買取・保証残高は堅調に増加 フラット35の取組み状況 (兆円) (千件) 3.0 200 2兆8,716億円 180 2.5 178,134件 139,573件 160 140 2.0 120 100 1.5 9,523 億円 1.0 80 8,771 億円 □フラット35取扱い金融機関数 金融機関 機関数 6 都銀・信託 105 地銀・第二地銀 262 信金・信組・労金等 26 保険・モーゲージバンク 399 合計 (資料)住宅金融支援機構HP等 (注)2009年3月現在 60 40 0.5 31,616件 20 6,945件 0.0 0 2003 2004 2005 買取額(左軸) 買取件数(右軸) (資料)住宅金融支援機構HP 2006 保証額(左軸) 保証件数(右軸) 2007 2008 年度 残高(左軸) 件数(累計)(右軸) 5 6.三菱東京UFJ銀行のフラット35取組み状況 □ フラット35保証型を中心に取扱い、顧客ニーズへ対応 ~ 購入価額の10割まで融資可、借換えローンも対象、7大疾病保障加入可 □ お客様には、当行プロパーローンと並行して提供中 ~ 固定金利期間20年以上の住宅ローンの半数超を保証型が占める場合も 項目 保証型 買取型 資金使途 ・住宅ローンの借換えの ・借換え資金は ための資金可能 対象外(※) 借入上限 ・購入価額の10割 ・購入価額の 9割まで(※) 借入期間 ・21年以上35年以内 ・15年以上35年以内 その他 ・7大疾病保障等民間 独自の創意工夫可能 - (注)三菱東京UFJ銀行の場合 ※ 4/10経済危機対策をふまえ、要件変更・緩和予定 6 7.証券化市場の動向① □ 証券化は間接金融等と直接金融を結びつける重要な仕組み ~ 多様な資産への分散投資、有効なリスク管理手段 等 □ ただし、わが国の証券化市場は未だ発展途上段階 米国と比較して、極めて小規模にとどまる(2008年も1/30程度) 日米の証券化市場比較(年間発行額) (兆円) 500.0 436.3 450.0 395.4 400.0 363.4 345.1 350.0 376.0 296.9 300.0 258.1 250.0 200.0 150.0 159.2 116.5 100.0 50.0 0.0 2.3 3.0 4.2 3.5 4.9 8.2 9.7 8.9 5.4 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 日本 米国 (資料)UBS証券、JPモルガン資料等より作成。ABS、RMBS、CMBS、CDO合計 7 7.証券化市場の動向② □ 米国の証券化市場では、FNMAをはじめGSE、エージェンシー債が 中心的存在を果たし、証券化市場の発展を牽引 米国証券化商品の発行残高の推移 9,000 (10億㌦) 8,000 MBS(GSE等) Agency債 民間MBS・ABS 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 (資料)FRB 2008 2007 2006 2005 2004 2003 2002 2001 2000 1999 1998 1997 1996 1995 1994 1993 1992 1991 1990 1989 1988 1987 1986 1985 1984 1983 1982 1981 1980 0 8 7.証券化市場の動向③ □ 我が国のRMBS市場において、住宅金融支援機構の果たす役割は大きい わが国のRMBS発行状況 (千億円) 35 30 25 20 15 10 5 0 1999 2000 2001 2002 2003 民間機関 (資料)UBS証券、住宅金融支援機構HP等 2004 2005 2006 2007 2008 年 公庫・支援機構 9 8.今後の住宅金融支援機構のあり方について □ 証券化市場の発展のために、住宅金融支援機構の役割に期待 ・ 安定的なRMBS発行には、住宅金融支援機構の機能・役割が重要 ・ 今後も、RMBSへの信用補完機能等を果たすため、住宅金融支援機構には 一定の格付を保持可能な信用力が必要 ~ 住宅ローンの提供は、民間金融機関が担い、住宅金融支援機構は、 原則、住宅ローンの直接貸出は行わないことが前提 □ 超長期固定金利住宅ローンの大量かつ安定供給に有効な機能 □ 民間金融機関は、ひきつづき、お客様への住宅ローンの提供を社会的役割に 位置づけ、多様なニーズにお応えできる商品開発等につとめ、利便性の高い 住宅ローンの提供につとめていく 10 (ご参考)民間金融機関の住宅ローン商品① □ 民間金融機関はお客さまのニーズに対応した多様な住宅ローンを提供中 項目 お客さまの多様 なニーズに対応 した住宅ローン 金利環境の変化 に対応した住宅 ローン 消費者ニーズ 対応商品 住宅の住み替え資金を借りたい 住み替えローン 住宅取得の諸費用を借りたい 諸費用ローン 住宅ローンを借り換えたい 借り換えローン 住宅リフォーム資金を借りたい リフォームローン 病気になってもローン返済に困らな いようにしたい 疾病保障付き住宅ローン 債務返済支援保険付住宅ローン ワイド団信付住宅ローン 定期借地権物件を買いたい 定借住宅ローン 金利上昇リスクを回避したい 超長期固定金利型(20~35年間固定金利)住宅ローン 上限金利付住宅ローン 預金連動型住宅ローン 現在の低金利を将来に亘って享受し たい 「固定金利+変動金利」ミックス型住宅ローン 金利が変動しても返済額は一定にし たい 返済額一定型住宅ローン 11 (ご参考)民間金融機関の住宅ローン商品② 項 目 お客さまのライフス タイルや家族形態 の多様化に対応し た住宅ローン 環境に配慮した住 宅ローン 消費者ニーズ 対応商品 セカンドハウスの購入資金を借りたい セカンドハウス購入ローン キャッシュフローに余裕があるうちに 元金部分を一定額で返済していきたい 元金均等返済型住宅ローン インターネットで手続を済ませたい インターネット完結型住宅ローン 余剰残高で自動的に繰上返済したい 自動繰上返済機能付住宅ローン オール電化・オールガス化、太陽光発電 を導入した住宅に住みたい 各種の省エネ設備を設置する住宅を対象とする住 宅ローンの金利優遇対応 12 (ご参考)住宅ローンへの取組みスタンス □ お客様のマイホームの夢を実現することは、銀行の社会的役割であり、 積極的に取組んでいる □ その結果、個人取引の収益の柱の1つとなっている 例:三菱UFJフィナンシャルグループ(連結) リテール部門の営業純益の内 住宅ローン等の居住性ローン の占める割合は約2割 (資料)三菱UFJフィナンシャルグループIR資料より作成 13
© Copyright 2024 Paperzz