第3回 - 日本模擬国連

国際情報誌 国連ジャーナル
Ms. Zhang Xiaoan
Vice President & Director-General of UNA-China
6
UNA-China
Mr. Wu Bin
Program Officer of UNA-China
7
UNA-Japan
Dr. Sen Genshitsu
President of UNA-Japan
8
UNA-Japan
Amb. Akashi Yasushi
Vice President of UNA-Jpan
9
UNA-Japan
Prof. Kunugi Tatsuro
Board Member of UNA-Japan
WFUNA
12
WFUNA
Amb. Cho Chang-beom
Advisor of the President of WFUNA
13
WFUNA
Mr. Bonian Golmohammadi
Secretary-General of WFUNA
10
30
分より日韓
11
Amb. Park Soo-gil
President of WFUNA
秋山幸子
UNA-Japan Mr. Ito Yoshiro
(observer) Board Member of UNA-Japan
時
10
11
日中韓三国国連協会会長会議
UNA-China
―韓国・水原市で開催 ―
5
日本国際連合協会事務局長
裏千家秘書役
Amb. Chen Jian
President of UNA-China
議が、そして午前
UNA-China
の開催地となります北海道の本部長
4
二ヵ国の会長会議がそれぞれ行われ
Prof. Park Heung-soon
Vice President of UNA-ROK
ました。
UNA-ROK
でもいらっしゃる伊藤義郎理事が出
3
席しました。
Mr. Kim Young-hie
Vice President of UNA-ROK
9月 日、
韓国・水原市のキョ
昨年
ンヒ大学を会場に行われた、第3回
UNA-ROK
「 日 中 韓 ユ ー ス・ フ ォ ー ラ ム 」 に 先
2
時からは、いよいよ日中韓
Amb. Sun Joun-yung
Vice President & CEO of UNA-ROK
午前
UNA-ROK
10
時より中韓二ヵ国の会長会
1
List of Participants
午前
Name
立ち、ソウル市内のプラザホテルで
UNA
日中韓三ヵ国の国連協会会長会議が
行われました。
出席者は、別表の通りですが、今
回はWFUNA
(国連協会世界連盟)
からパク・スギル会長(韓国)の他
にボニアン・ゴルモハマディ事務局
長(スウェーデン)他1名の方のご
参加がありました。
、 中 国( 成 都 ) に 続
日 本( 東 京 )
いての会議ですが、年毎にますます
す。
中身の濃い内容となっていくようで
今 年 日 本 か ら は、 昨 年 は 欠 席 な
さ っ た 千 玄 室 会 長 を は じ め と し て、
いつもご参加頂く明石康副会長、功
45
No.
Statement
The Trilateral Presidents Meeting of UNA-ROK,
UNA-China and UNA-Japan with the participation of
the president of WFUNA was held in Seoul, Korea on
September 19, 2012.
The participants discussed on the theme of
“International Peace and the Role of the United
Nations: Possible Influence of the Common Culture
and Tradition on the Activities of the Three Countries
at the United Nations” and exchanged candid views
on related issues.
They agreed to make best efforts, on the basis
of commonality of culture and tradition of the three
countries, to minimize differences existing on their
part regarding various issues of the United Nations.
In particular, they expressed their deep concerns
on the issues of territorial disputes existing among
the three countries, and committed to help resolve the
disputes through continuing contacts and dialogue.
参加者は、今後も三者会議を毎年継続し、
They agreed to continue this process of the
それと共に、三ヵ国のユース・フォーラムを Trilateral Meeting annually in tandem with the
開催することに合意した。
Trilateral Youth Forum.
日本国連協会が来年 9 月に北海道での次期
They thanked Japanese UNA’s offer to host the
next meeting in Hokkaido in September next year.
開催を申し出ていることに謝意を表した。
September 19, 2012
2012 年 9 月 19 日
日本、中国、韓国の国連協会会長会議が、
WFUNA(国連協会世界連盟)会長参席の
下に、2012 年の 9 月 19 日、韓国のソウル
で開催された。
参加者は、「国際平和と国連の役割に関し、
共有する文化と伝統が三ヵ国の国連における
活動に及ぼし得る影響」につき、討議し率直
に意見交換を行った。
参加者は文化と伝統の共通性を基に、国連
の諸問題に関し三ヵ国が持つ意見の相違につ
き歩み寄るために最善の努力を惜しまないこ
とに同意した。
殊に、三ヵ国の間に存在する領土紛争問題
については深い懸念を表明し、これらの紛争
は今後も折衝と対話を通じて解決に導くこと
を明確に支持した。
刀達朗理事、そして来年度の日本で
三ヵ国での会議となりました。
昼食時となりましたので、W
FUNAの3名もご一緒に歓談
なさりながらのお食事となりま
した。
午後2時からの会議では、千
会長が文化がもたらす平和への
有効性を話され、日本の総合文
化である茶道の持つ平和性やそ
の歴史、またお茶の薬学的効用
にも言及していらっしゃいまし
た。
参加者からは、宗教の問題な
ども提議され各国参加者の活発
な意見交換がなされました。白
熱した議論は、予定の5時を大
幅に過ぎても続けられ、最後に
今回の総括が韓国のソン・ジュ
ンヨン副会長(議長)により文
章として配られましたが(別掲
声明文参照)
、その中にも千会
長が話された文化の重要性が明
記され、国家政治を議論するこ
と の 多 い 中、 い つ も と は 一 味
違った会長会議になったようで
あります。
声明文
19
44
国際情報誌 国連ジャーナル
第3回「日中韓ユース・フォーラム」の成果
言に耳を傾けていた。
韓国の学生達も、全ての参加者の発
緊迫した状況下でフォーラムを開く
く論じ、コンセンサス、要望、提案
貿 易 協 定 )」 の 3 つ の 重 要 問 題 を 熱
た。学生たちは会ってすぐに友人に
た。しかしそれは杞憂に過ぎなかっ
のか不安を抱いて渡航したものもい
これに先がけ開かれた恒例の国連
協会会長会議が、今回初めて日中韓
た。
事務総長と3国首脳会議に提出し
り、大いに勇気づけられた。
功刀達朗
「 Rio+20
」の成果についての
—
総会討議
模擬国連会議(MUN)
日本国際連合協会理事
―緊迫する状況下にシンポジウムは対話と協力を強調―
3国の間で春以来緊張がま
日中韓
すます高まった昨年秋、韓国国連協
会と慶熙(キョンヒ)大学が共催し、 今回は、6月に開かれた「持続可
能 な 開 発 サ ミ ッ ト 」( Rio+20
)の成
果を検討する総会を模し、シンポジ
日本国連協会、中国国連協会の協力
の下、第3回ユース・フォーラムは
ウムでは「東アジアにおける紛争予
日から
日まで、ソウル郊外
9月
防」、「ユースの声を国連政策に反映
余 名 の 大 学 生 の 多 く は、 させる策」、「3ヵ国のFTA(自由
ことに当初懸念を抱いていた。日本
なる機会を得たことを喜び合い、お
3国の協力につき「声明文」を採択
とかく自己主張に走りがちな中国・
拶がこれに続いた。
宣 副 会 長 は、「 学 生 諸 君 が 国 連 と
国際関係に関する知的視野を広げる
だけでなく、3国ユース・フォーラ
ムを通じ国連活動に参画(
)
2012年6月に
involve
会議の目的は、
して行くことを歓迎する。これから 開 催 さ れ た「
」サ ミ ッ ト の 成
Rio+20
果文書 The Future We Want
(我々
が欲する未来)で第 回国連総会に
会会長、
明石康日本国連協会副会長、 かっているが、問題は、協力と妥協
会の協力促進体制などについて議決
求められた国連組織の改善や国際社
ことは、あなた方の世代の双肩にか
によりあくまでも平和的に解決され
WFUNA代表、学生事務局長の挨
することであった。
開会式後のグループ写真
前日の会議が採択した「声明文」の
具 体 的 内 容 に は 言 及 し な か っ た が、
折衝と対話を通じて解決することを
を目指す協力
資金運用・評価メカニズム策定
2 総会の下に設置する持続可能
な開発実現のための技術移転や
そこでは3国間の領土紛争は今後も
明確に支持し、国連協会会長会議は
ス・フォーラムを開催することに合
意していた。声明文は本誌 頁を参
フォーラムの意義を改めて考えさせ
し、勇気づけられ、日中韓ユース・
文を採択したことを学生達は歓迎
発揮し、政治的含意を持つこの声明
た。
などについて決定することであっ
4 国内管轄を越えた海洋生物多
様性の保護の在り方
られることとなった。
そのうちMUNでは、最初の2つ
であるUNEPの強化と技術・資金
照願いたいが、この会議が主体性を
45
三国国連協会会長会議
3 持続可能な開発目標(SDGs)
の策定プロセスに関する決定
今後も毎年継続し、それと共にユー
1 国連環境計画(UNEP)の
強化
連協会会長会議はこの意味で大変有
特に重要トピックとして国連総会
意義なものとなった」と付け加えた。 に求められたことは、
る 必 要 が あ る 」 と 述 べ、「 昨 日 の 国
陳健(チェン・ジァン)中国国連協
ン ) 韓 国 国 連 協 会 C E O・ 副 会 長、 の世界の挑戦に立ち向かい解決する
で始まり、宣鉂英(ソン・ジュンヨ
学院長・国際研究部長の歓迎の挨拶
日の開会式は、鄭璡永(チョン・
ジンヨン)慶熙大学アジア太平洋大
ユース・フォーラム開会式
て熱心であった。
シンポジウムでは、 したが、学生達はその内容を後に知
互いに考えや気持ちを知るのに極め
人学生
などを3頁にまとめ、国連総会議長、
参加した
の水原市で開催された。3ヵ国から
23
名の中には身の危険はない
70
20
46
47
67
19
20
功刀達朗(くぬぎ・たつろう)氏 1934年生まれ。東京大学中退、米コロンビア大学博士号取得。国連本部法
務官、中東PKO上級法律顧問、在ジュネーブ代表部公使、フランクフルト総領事、国連事務次長補(カンボ
ジア人道援助・国連人口基金担当)を歴任。国際基督教大学教授を経て、国連大学高等研究所客員教授。
国際情報誌 国連ジャーナル
の運用と評価のメカニズムを重点的
に取り上げ、決議文書を採択するこ
ととなった。
内容・成果
UNEPの強化に関しては、活動
範囲と権限の拡大、組織内の新たな
委員会の設置、他の国連機関・加盟
国・企業を含む市民社会との連携な
どが挙げられた。会議ではUNEP
(GGGI)の活用を決議文
Institute
で奨励することとなった。国内・国
際的なレベルで官民協力を韓国・デ
ンマーク政府などのイニシアティブ
で設置されたGGGIの今後の役割
に期待する姿勢は全体に共有された
ものの、結局は国連機関とどのよう
な関係を持つのか、既存の環境、開
発に関連した様々な条約締約国会議
(COP)
や条約機構のフレームワー
ク間における調整などをどのように
て合意が出来た。環境法整備支援に
を含むオブザーバー席の設置に関し
拡大と、国際機関や非国家アクター
EP理事会におけるメンバーシップ
拡大を図った。その他、既存のUN
の共同レポートの作成を含む役割の
可能な開発目標)策定に活かすため
開発目標)の評価とSDGs(持続
にも合意し、MDGs(ミレニアム
開発計画(UNDP)との連携強化
ついて議論が行われた。また、国連
における環境法整備支援の可能性に
案された。
評価と総合的評価を用いることが提
成されるSDGsなどによる個別的
ンGDPや人間開発指標、新たに作
た。評価システムに関してはグリー
項目の多様化が重要な争点となっ
な機関との関係性、資金運用の評価
資金運用と技術移転メカニズムに
関しては、既存の機関の活用と新た
することで合意が成立した。
法制度が果たす役割の重要性を確認
保護やグリーンエコノミーにおける
ベートにおいて、実効性のある環境
行うかといった複数の国の指摘を解
関わるUNEP諮問委員会の設置に
「我々の欲する未来」は283パ
ラグラフから成り、 頁のスペース
形成された。
全体の方向性に関する一応の合意が
や国内・国際的な官民連携といった
なかったものの、評価基準の多様化
具体的な決定といえる成果は見られ
用と技術移転メカニズムに関しては
協力を歓迎するに留まった。資金運
消することが出来ず、GGGIへの
関して懐疑的であった国もあったも
のの、任意的な協力であることを明
また、技術移転協力を促進するメ である。主としてこの文書を基に作
カニズムとして、 Global Green Growth 成されたMUN決議文の対象は、2
の下に諮問委員会( Advisory Board
)
を設置することを決定し、活動分野 文で強調し、インフォーマル・ディ
MUN決議案の審議
には過去 年間に行われた関連分野
53
学生たちが遭遇して戸惑うことも多
れと共に全く異なった会議手続きに
過去 年程の間にMUNが世界各
地で開かれる頻度は高まったが、そ
かもしれない。
の改善を広めていくしか策はないの
示すところから始め、徐々にMUN
より付加価値が高いと考える者が
分の報告を行った後、全体討論が
中国から1名、計4名の学生が夫々
続き、韓国から2名、日本から1名、
講演と学生達との質疑応答。これに
健中国国連協会長と筆者による基調
部は、韓国外務省総合政策局長、陳
十分時間をかけて取り上げることと
行事の一部として、平和デー当日に
年行っている「国連・国際平和デー」
くなっている。多くの手続きは、
一般
ちなみに、ユース・フォーラムに なった。
参加した学生の間で、日中韓の大学
放映のためのTVチームが会場に
生 だ け が 集 ま る こ の 貴 重 な 機 会 は、 入るとは聞いていなかったが、第1
年々増えていることを指摘したい。
質問題から焦点をそらす結果となる。 し合えるシンポジウムの方がMUN
今回は、事前に配布された手続きが
ユース・フォーラムのハイライト
となったシンポジウム
時代遅れであったこと、最初の日に
その説明にかなりの時間を割いた
が、模す会議の背景と会議設定に関
するペーパーが配布されたのはフォー
運営の方式
ラム開催の間近であり、その内容の
有用性も乏しかったとの印象を多く
シンポジウムで次の3つのトピッ
クを取り上げることが日中韓の国連
1 東アジアにおける紛争予防
2 ユースの声を国連政策に反映
のことであった。
協会の間で合意されたのは昨年4月
の学生が持ったことは否めない。
MUNを奨励してきた国連広報局
( D P I ) は、 多 様 で 煩 瑣 な M U N
手続き問題に気づいていたこともあ
り、昨年8月末国連本部で、大学生
とMUNのアドバイザー役をしばし
1時間半)
何か出来ないか等を話し合った。(約
合ったり、憂うべき事態に自分達は
て 情 報 を 交 換 し た り、 主 張 を 述 べ
の国で今何が起こっているかについ
小グループに分かれ、それぞれ自分
ここでTVチームが去った後、第
2部として学生たちは十数名ずつの
活発に行われた。(約2時間半)
10
に簡素化された最近の国連の会議運
営の現実からかけ離れ、討議の流れ
自分たちの意見や思うところを表現
が高い第1の問題は、慶熙大学が毎
レートしたことを受け、一般の関心
閣諸島の問題につき緊張がエスカ
3 日中韓FTA
(自由貿易協定)
その後、従軍慰安婦問題、竹島、尖
させる策
れないまま並べられているのが実情
での未了の交渉結果が、十分整理さ
20
をいたずらに遅らせ、討議対象の実
ティブを持たないならば、良き範を
しんできた人々が改善するインセン
らしい。長年使いなれた手続きを楽
で問題意識が希薄だったのに驚いた
日間開いたが、参集した 余名の間
つ の 分 野 に 限 ら れ て い る と は い え、 ばつとめる教授達を招き講習会を3
残念ながら全体としては整合性に乏
しいパッチワークの感がある。
MUN手続きの簡素化と標準化
80
48
49
10
国際情報誌 国連ジャーナル
3部として、5つの小グ
ついで第
ループから選ばれた報告者が討議の
結果につき全体会合で、報告とパネ
ルディスカッションを行い、最後に
フロアからの質疑応答を含む一般討
論の後、司会者によるまとめの試み
が行われた。
(1時間半)
2日目に取り上げた第2、第3の
トピックについては、第1トピック
同様に時間をかけることは出来な
かったが、基調講演無しにすべて学
生主体で、討論は第1トピックと同
じように、報告者複数名に続き全体
討論を少時行ったあと小グループに
事務局幹部二人も理解したと思った
のは間違いであったと後で気づき失
望した。シンポジウムでの討議と結
論のサマリーを作ることは自分達の
仕事であるといったが、結果が見ら
れないので、立命館大生川嶋菜々美
の編集により3頁にまとめてもら
い、それを国連総会議長、事務総長、
日中韓首脳会議事務局に送付するカ
バーレターのドラフトと共に学生事
ションは取られなかった。韓国国連
務局長に送ったが、2ヵ月余りアク
協会を通じて問い合わせた結果、総
会が休会に入る前にやっと送られた
様子である。
前 に 配 布 し た。( 第 1 ト ピ ッ ク
京大生田中佑典が、8月半ばの
分かれ、夫々のグループで得られた
強化合宿に間に合わせペーペー
2は上智大生後藤与佳、第3は
要望や提言などをまとめて全体会議
を提供し、その後必要な改善を
は神戸大学院生八間川結子、第
に報告し、パネルディスカッション
コ ン セ ン サ ス、 意 見 が 分 か れ た 点、
と質疑応答を通じ意見の趨勢を把握
加えたものを韓国側事務局長に
国連その他の重要会議に提出したい
す る 努 力 が 行 わ れ た。( 第 2、 第 3
送り、シンポジウムに役立つと
た。)
の判断の下、全学生に配布され
のトピックにつき夫々約2時間)
この方式でシンポジウムが学生達
に満足のいくものになった主な理由
は何か
に出るとき、自分達に何かでき
でない或いは望ましくない行動
府も含め、政府が必ずしも賢明
との重要性を知った。自国の政
2ヵ国の問題を視野に入れるこ
国中心に考えるのではなく他の
望、要望、提案を共にするとき、それ
いる大学生も含め、国境を越えて希
では選挙権を当然持つ年齢となって
傾けることは滅多にない。普通の国
が、彼らは本気で若者の意見に耳を
リーダー達がよく使うのを耳にする
「若者は未来のリーダーだ」とい
う言葉を、政治家、官僚や国際機関の
シ ン ポ ジ ウ ム で 得 ら れ た 結 果 を、
社会と未来のためにどう活かすか
ないか一緒に考える機会となっ
をどう活かすかは重要な問題であ
1 トピックの選択がよかったの
で、大学生達の関心を深め、自
た。いずれにせよ全員が参加で
る。シンポジウムの成果の持つポテ
成都での第2回ユース・フォーラ
ムの学生事務局幹部は、この問題を
ンシャルを開発することが望まれる。
きた。
る限り客観的に6〜7頁にまと
直ぐに理解した。水原での第3回の
2 討議のバックグラウンド・ペー
パーを3名の日本人学生が出来
め、参加者学生 余名全員に事
ス・フォーラム報告その他は、日本
国連事務総長宛の伝達文とシンポ
ジウム報告および第1回以降のユー
イ ト に 初 め て 会 っ た 時、
「日本が好
日本から身の危険はないのか不安
を抱いて渡航した学生が、ルームメ
の学生達が既に準備を進めていると
い う 嬉 し い ニ ュ ー ス が あ る。 関 東、
関西にも優秀なユース・フォーラム
のベテランを含め委員会が出来てい
待したい。
かった」と言ってもらえることを期
者達に「北海道が好き、来てみてよ
ぎない。このように親切な中韓の若
行ってみたい」という言葉にジー
模擬国連のサイト【 http://jmun.org/
】 き、
からダウンロード出来ます。ご参照 ンと来たそうだが、これは一例に過
下さい。
おわりに
過去3回の評価と北海道での第4
回ユース・フォーラムの方向性
昨年 月に北京で日中韓の国連研
究者のワークショップが開かれた
際、ユース・フォーラム担当責任者
が少時協議する機会を得た。過去に
得られた改善を踏まえ、北海道で始
まる第2ラウンドの更なる発展に中
韓の国連協会は大いに期待してい
る。北海道本部からの便り(本誌
加した6名の大学生を核として 名
ムにオブザーバーとして道内から参
頁)によれば、昨秋第3回フォーラ
52
25
50
51
60
る。また札幌大学共催も決まった。
日本代表団と共に
12
小グループ討議の光景
参加者の投票により10余名が受賞
国際情報誌 国連ジャーナル
せようと道内の大学に呼びかけたと
ともに、今年の北海道開催を成功さ
さを道内の学生達にアピールすると
す。
心で美味しい〝食〟が豊富な季節で
く、北海道が世界に誇る、安全・安
第4回「日中韓ユース・フォーラム」の開催に向けて
中韓ユース・フォーラム」が北海道
9月に、日本と中国、韓国の
今年
国際連合協会が主催する、第4回「日
ころ、 名の学生が集まり、開催に
北海道本部
札幌市で開催されます。
参加する学生の皆さんが、有意義
な議論を通じて3カ国の交流を深め
もに、事前準備から当日の司会・進
ション能力の高さを肌で感じるとと
学生達は、各国代表の学生達の知
識の多さや英語でのコミュニケー
た。
名がオブザーバーとして参加しまし
ス・フォーラムに、道内の大学生6
月に韓国で開催された第3回ユー
このフォーラムの北海道開催をよ
り意義深いものとするため、昨年9
やドラマのロケ地巡りなど、北海道
落とし方)」や「 Love Letter
」など
の中国や韓国で放映されている映画
然 環 境 や、「 非 誠 勿 擾( 狙 っ た 恋 の
世界自然遺産である知床半島をは
じめとする北海道の雄大で荘厳な自
の観光客が来道しています。
であり、中国や韓国からも毎年多く
北海道は、国内外から数多くの観
光客が訪れている国内有数の観光地
向けて準備を進めています。
と考えています。
な素晴らしい会議にしてまいりたい
て良かった」と喜んでもらえるよう
学生の皆さんに滞在期間中、思う存
上げていくとともに、中国や韓国の
分 楽 し ん で い た だ き、「 北 海 道 に 来
ユース・フォーラムの成功に向け
て、地元の学生や道民と一緒に盛り
ただければと思っています。
い自然景観や秋の味覚を楽しんでい
ていただくとともに、北海道の美し
行まで、全ての運営を学生が担って
の様々な魅力を体感いただいていま
たらすためにはどうしたらよいのか。
多くの皆様のご来道を心からお待
ちしております。
009年)とし
本書では、具体的に、人の移動・
い言葉で、とて
て期待が、優し
見、世界観、そし
るご本人のご知
大学で教鞭をと
り組みについて検討している。また、
り上げ、その改善・解決に向けた取
人々の安全に関わる重要な課題を取
症、 ジ ェ ン ダ ー に 基 づ く 暴 力 な ど、
の労働問題、HIV/エイズ・感染
兵、紛争ダイヤモンド、子どもたち
り 上 げ た『 ス レ ブ レ ニ ツ ァ ― あ る ジ ェ
世界大戦以来の欧州最大の虐殺」を取
スニア紛争の末期に発生した「第二次
な 調 査 分 析 で 学 位 論 文 ( そ れ は、 ボ
大学院の博士課程に身を置き、丹念
巻き込んで指導力を発揮し、さらに
O団体のリーダーとしては産や官も
で緊急人道支援に直接携わり、NG
界各地の紛争や災害や貧困の最前線
取った本書では、長年にわたって世
た。やがて、待ち遠しい思いで手に
フルなご本となるものと確信してい
たとき、これはもう間違いなくパワ
ての入門書を書いているとお聞きし
以前、著者の長先生と学会の席で
ご 一 緒 し、「 人 間 の 安 全 保 障 」に つ い
人々の「恐怖」や「欠乏」という現実
も厳しい状況に置かれがちな無辜の
の発想や手法を根底から見直し、最
や政府の立場に左右されやすい援助
方」とされる。もっぱら国家の視点
発展を推進することを重視する考え
するとともに、人びと自らが安全と
りに焦点を当て、その安全を最優先
によれば「人びと一人ひと
提出した)
報告書を当時のアナン国連事務総長に
し、2003年にはノーベル経済学者
務官や国際協力機構理事長などを歴任
「 人 間 の 安 全 保 障 」と は、著 者 も 引
用する緒方貞子氏 (国連難民高等弁
ができるという自信と責任を私たち
身近なところからでも踏み出すこと
また、世界を変えようとする一歩は
尊いかがわかるだろう。そのことは
くしている著者たちの活動がいかに
市民社会の一員として弛まず力を尽
も 忘 れ て は な ら な い。 だ か ら こ そ、
もちろん、「人間の安全保障」は、
国任せでは決して実現できないこと
の 安 全 保 障 委 員 会 」 共 同 議 長 と な り、 されている。
アマルティア・セン教授とともに
「人間
に呼び覚ましてくれる。
(星野俊也)
分でなかった状況などを通じて指摘
者や障害者、女性などへの配慮が十
大震災の被災地や復興過程で、高齢
も有効な概念であることが、東日本
争国ばかりでなく、先進国において
語られている。 「 人 間 の 安 全 保 障 」 は、 途 上 国 や 紛
もわかりやすく
る ) を ま と め、 難民問題、通常兵器の蔓延、子ども
て公刊されてい
フォーラムが開催される9月の北
海道は、気候も穏やかで過ごしやす
す。
いることに大変刺激を受けて帰国し
し、ユース・フォーラムの素晴らし
帰国後、フォーラムに参加した学
生達が中心となって報告会を開催
ました。
25
紛争や暴力などの「恐怖」と、
貧困や飢餓などの「欠乏」とい
う現実を前に、
「人間の安全保
障」
をいかに構築するかを問う。
(中公新書・定価882円)
恐怖と欠乏からの自由を求めて』
を直視し、そうした人々に希望をも
『入門 人間の安全保障
ノサイドをめぐる考察』
( 東 信 堂・ 2
長 有紀枝 著
52
53
書 評