日扇会ニュースvol33 を発刊しました。

(こんにちは)
区民検診は、生活習慣病の予防や各種疾病の早期発見・早期治療を目的としており、
毎年多くの方が受診されています。当院では、過去の検診データとの比較をして、お一
人おひとりの経過に沿ったフォローに力を入れております。
予約制をとっておりますが、例年10∼11月は大変込み合い
ますので、8月一杯までの早めの受診をお勧めします。なお
予約方法、健診内容等にご不明な点がございましたら、受付
や外来看護師に遠慮なくお尋ねください。
.「熊さん」
「八っつぁん」
が登場する落語、そのなか
で「ご隠居」が「あの…」
「ほ
ら あ れ が …」「な ん と か い
う…」などと人や物の名前
が出てこない場面がありま
す。い わ ゆ る 物 忘 れ で す。
年を取るとこの物忘れがな
ぜ出てくるのでしょうか。
理事長
それは人間の脳細胞の容
八辻 行信
積が減少するからだ、と言
われています。脳細胞数は20歳台が最高で、以後
減少し続けるようです。
「物忘れ」とは 比較的最近の出来事を思い出せ
ないことをいいます。脳内には間近に経験した記
憶を留めるところがあります。大脳辺縁系に存在
かいば
ぶ い
する「海馬」という部位(場所)です。この部位
の細胞数の減少、機能の低下により個人差はあり
ますが40歳台後半から物忘れが始まるといわれて
います。
人や物の名前が出てこない軽度の物忘れなら生
活に支障はきたしませんが、高度の物忘れになる
といろいろ困った場面が出てきます。日常生活に
支障をきたすレベルの段階までくると「認知症」を
疑います。認知症とは「子供のころから正常に発
達した知能が脳の後天的な障害によって正常以下
のレベルに低下した状態」と定義されます。その
原因としては加齢が最大の要因と考えられていま
す。認知症状を呈する疾患の約50%がアルツハイ
マー病です。この疾患は脳細胞に特殊な蛋白質が
増え、それが脳の働きを低下させていることが分
かっています。その他脳梗塞・脳出血の発症後な
どに認知症状が出ることも多く認められています。
認知症の症状 ですが「ひとつの出来事の全体を
忘れる」のが認知症、「ひとつの出来事の部分の記
憶がはっきりしないレベル」は物忘れと考えます。
例えば朝食を採った場合、そのことを思い出せな
いレベルは認知症を疑い、朝食のなかのおかずの
名前が思い出せないレベルは単なる物忘れと考え
ます。それ以外にも長谷川式テスト、脳の画像検
査なども参考にして認知症かどうかを診断します。
認知症を疑った場合、早期に診断し早期に対応・
治療することでその進行を遅らせることができる
とされています。また認知症状を発現する疾患の
中に治療可能な疾患もあります。慢性硬膜下血腫・
正常圧水頭症・甲状腺機能低下症などです。これ
らの疾患鑑別のためにも早期検査が必要です。
.認知症の治療、進行予防について は、次の
4点が大切です。
① 人と接すること
人と接することで緊張感・会話が生まれ、脳
細胞に刺激を与えられます。また同じ趣味を
持つ人の場合、会話が弾むといいます。
② 体を動かすこと
散歩を定期的におこなうこと。体を動かすこ
とが脳細胞への刺激になります。
③ 生活習慣病対策
高血圧,脂質異常、糖尿病などは認知症進行
の原因といわれています。きちんと治療しま
しょう。食事は和食中心がお薦めです。
④ 認知症の薬物療法
アリセプトを含めて4種類の薬が発売されて
います。症状の進行を抑え精神的に活発にな
る作用があります。
.最近では 早期認知症 という考え方があります。
専門家がのべている早期に現れる症状は次の通り
です。
① 物忘れ
同じことを何回も
言う
財布など盗まれた
② 理解力
計算ミス
判断ミス
テレビなどの
内容理解が変
③ 場 所・時 間 を ④ 人柄が変わる
間違える
怒りやすくなる
約束の時間ミス
⑤ 不安感が強くなる
いらいら落ち着か
ない
失敗を人のせいに
する
⑥ 意欲の低下
趣味的なものに興味
を示さない
下着を換えない
初期認知症の症状はこれら全てが現れるわけで
まだら
はなく斑に出てきます。「同じことを何回も言う」
しっか
しかし「金銭の面は確りしてる」などです。
認知症の方と同居されているご家族のご苦労は、
多大です。当院ではそれらの患者さんやご家族の
方に在宅での医療・訪問看護や介護のスケジュー
ル作り、そして訪問リハビリなど種々の認知症支
援策を実施しております。ぜひご相談ください。
薬剤師 岡田加奈子
私たちの体は半分以上が水分でできており、
体内ではその水分に電解質(ナトリウムイオン、
カリウムイオン、カルシウムイオンなど)が溶
け込んだ状態になっています。ですから、それ
らが失われると脱水症状になり、更に高温が加
わると熱中症などに罹る危険性があります。
脱水症とは
脱水症とは、体から水分だけではなく、電解
質も失われた状態を言います。
高齢者が脱水になりやすい訳は
①水分予備能力が低下する
加齢により、活動量や運動機能の低下から
水分貯蔵庫である筋肉が減るため、水分を
貯えにくく体全体の水分量が減っている。
②のどの渇きを感じにくくなる
脳の口渇中枢機能が低下し、のどの渇きを
感じにくくなり、補給が不十分になりやす
い。脱水状態になっても自覚しにくく、水
分摂取が遅れがちになる。
③腎機能が低下して尿が薄くなる
腎臓の機能が低下し、尿の濃縮力が弱まる。
その結果、体内の老廃物を排泄するために
より多くの水分が必要になる。
④食事の摂取量が低下する
日常生活動作(ADL)や嚥下機能の低下な
どにより、食事摂取量が減少する。そのた
め、水分・電解質の摂取量不足が生じる。
⑤水分摂取を制限してしまう
トイレへ行く回数が増えるのを嫌がった
り、介護者に気を遣ったりして、高齢者自
身が水分摂取を制限してしまうことがあ
り、又、介護者も同様の判断をし、摂取制
限をしてしまうことがある。
⑥治療薬による利尿効果
高血圧や心不全などの治療には降圧や心臓
の負担を減らす目的で降圧利尿薬を使用す
る場合が多い。その結果多尿となり体内の
水分が減ってしまう。
⑦高浸透圧の食品の摂取
食事摂取量の減少により不足したエネル
ギーを補うため、比較的浸透圧の高い経腸
栄養剤などを用いる場合が多い。その結果
として、相対的な水分不足を招いてしまう。
次のような症状がでてきたら、脱水を疑ってみ
ましよう
①食欲低下(まる1日食事がとれないときは
要注意)、②下痢やおう吐、③おしっこに行く回
数の減少、④体温の上昇(微熱が続くときも注
意)、⑤つめの先を軽く押してあとすぐ(2秒以
内)に赤みが戻らないときは水分が不足してい
る可能性があります、⑥脱水になるとわきの下
が乾いてきます。
体の中の液体(体液)の役割を知っておこう
体液は全身をかけめぐり、生命を維持する上
で重要な役割を担っています。
体液の4つの役割
①必要な酸素や栄養素を運ぶ
②不要になった老廃物を運び出す
③体温を調節する
④恒常性を維持する
体内の水分量は赤ちゃんは 70∼80%もあるの
に 比 べ、成 人 で は 60%、高 齢 者 に お い て は
50%で、ほんのちょっとしたことでも脱水をお
こしやすい状態です。
私たちは通常、1 日およそ 1500∼2500 ㎖の水
分を体から失っています。しかし無意識のうち
に食べ物や飲み物からほぼ同量の水分を摂取
し、バランスを保っています。このバランスが
くずれ、水分が不足するとからだに異常が現れ、
さらに進行すれば命に関わる状況をひきおこす
恐れがあります。また高齢者はのどが乾かない
など、水分不足を認知する機能が衰えがちにな
るため「脱水状態」に陥っていることに気が付
かないことも少なくありません。
体の水分が不足すると、脳にある口渇中枢が
刺激され喉の渇きを感じますが、水やお茶など
の電解質を含まない飲料を飲んでも「脱水状態」
は改善されず電解質異常が起きてしまいます。
脱水症の改善には原因を取り除くとともに、ス
ポーツ飲料や点滴等で失われた水分と電解質を
補うことが重要になります。
発券機 外来受付では以前より「待ち時間の目安を知りたい」「あと何人で自分
の番になるのかを教えてほしい」といったご意見を頂戴しておりまし
た。そのようなご意見に応えるべく発券機を導入致しました。
使用方法等をご説明致します。
①ご来院されましたらボタンを押してください。
番号札が2枚出てきます。
②1枚は診察券および保険証と一緒に受付にお出しくだ
さい。もう1枚は患者さんご自身でお持ちください。
③診察室入口付近に、今何番の方が診察中かを示す表(写
真下・番号表示板)がございます。消えている番号は
既に診察室に入られた患者さんです。
以上により、「あと何人で順番がくるか」の目安をお知ら
せすることができるようになりました。また、番号札を
お取り頂いた後に一旦外出される方もいらっしゃいます
が、その際には受付までお声掛け頂きますようお願い申
し上げます。
番号表示板 当病院は、公益法人 日本医療機能評価機構から平成26年5月17日付で、再審査に合格
した通知を受領しました。認定期間は5年毎ですので、今回で3回目になります。審査
の都度点検・チェックレベルは厳しくなっていますが、これに満足することなく更なる
「かかりつけ医」として切磋琢磨してまいります。
医療法人財団 日扇会
〒152-0031
目黒区中根2−10−20
TEL:03−3718−7281
(代表)
FAX:03−3718−7736
ホームページアドレス:
http://www.nissenkai.or.jp/
季刊紙 発行日:6月30日
医療は患者さんのために存在する
患者さんの「かかりつけ医」として地域医療に貢献します
1.私たちは、患者さんの権利と人格を尊重した医療を行います
2.私たちは、プロとしての責任と誇りをもって自己研鑽に励みます
3.私たちは、病院全体の力を結集して患者さんを支えます
4.私たちは、信頼される医療を継続するため徹底したリスク管理を行います
5.私たちは、全職員が思いやりとやりがいを持って医療を行う
活気ある病院を作ります
6.私たちは、担うべき役割を将来とも継続的に果たすため、
安定した経営を維持します