NPO法人 大学院連合メンタルヘルスセンター センター通信 第7号

映画で考える対人援助職としての姿勢
新年度がスタートしました、皆様いかがお過ごしですか。生活リズムが変化してなかなか馴染
めないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は「17歳のカルテ」という映画に登場する看護師を題材にして対人援助職のあるべき姿
について考えます。映画の舞台は1960年代アメリカ、主人公は境界性パーソナリティ障害(自己
像・他者像が不安定で感情や思考のコントロールが難しく、衝動的な自己破壊行為などを特徴とする障
害)を患うスザンナです。スザンナは自殺未遂をはかったことから精神病院へ入院することとな
ります。その病院の看護師であるヴァレリー(演じるのはウーピー・ゴールドバーグ)と主人公
のやり取りを紹介します。
劇中、病院内で違反行為をしたスザンナはヴァレリーから叱られます。しかしスザンナは反省
するどころか、自分を叱るヴァレリーに対して挑発的な態度を取ります。ヴァレリーが黒人であ
ることを揶揄し、黒人を馬鹿にした歌を歌いながら挑発的な目でヴァレリーを見ます。ヴァレ
リーはそんなスザンナを冷静な表情で見つめながら「あなたは何なの?」と問いかけます。その
問いかけにスザンナは答えられず、言葉に詰まります。やがて、スザンナは病院内外での様々な
体験を通して、自己を確立していくのですが、常に冷静沈着で且つ深い愛情を持った態度で接す
るヴァレリーの存在は主人公にとってとても大きかったことと思います。
先輩から「ブレないこと」、言い換えれば「態度を一貫すること」が良き援助者の姿勢である
と言われたことがあります。自分が何者かわからず極端に揺れ動くスザンナに対するヴァレリー
の態度は、援助者として学ぶところが多いと感じました。ぜひ、この映画を『援助者』の視点で
ご覧になってみてください。
□活動報告□
○今後の予定○
第11回 グループスーパービジョンの開催
2013年3月2日(土)第11回グループスーパー
ビジョンを開催しました。スーパーバイザーと
して龍谷大学教授の吉川悟先生をお招きし、受
講者の皆様からも広くご意見をいただく活気あ
ふれるグループスーパービジョンとなりました。
休職を繰り返す男性クライエントの事例につい
て、取り上げ、受講者の皆様に「ご自分が◯◯
の立場だったら」と想定して、様々な視点から
意見を頂戴する画期的なスーパービジョンでし
た。
メンタルヘルス専門家のための実践講座
NPO法人関西社会人大学院連合と当法人の共催
講座として、「メンタルヘルス専門家のための実
践講座」を下記の通り開催します。
第5回 メンタルヘルス研究会の開催
2013年2月23日、3月16日の2回にわたり、第5
回メンタルヘルス研究会を開催しました。今回
は産業安全衛生研究所の桑村明男先生をお招き
し、現場で活かせる「ストレスに強い職場の体
制づくり」についてグループワークを交えて実
践的な内容となりました。
各回とも、ワークを交えた実践的な内容となっ
ております。詳細は同封のチラシをご覧ください。
今後も様々な研修、研究会を開催いたします。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。
◯第1回 5月25日(土)13時~16時30分
テーマ:「ここちよい人間関係づくり」
講師:帝塚山大学大学院准教授 宮川治樹先生
◯第2回 6月1日(土)13時~16時30分
テーマ:「認知行動療法の実践的活用」
講師:関西福祉科学大学准教授 本岡寛子先生
(2013年4月)
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と思う」などなど、会員の皆様からのご意見お待ちしております。
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お名前(
ご連絡先(
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)
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