1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」

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17
平成22年度(2010年度)
1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」
記 録 誌
記録誌
兵庫県�毎日新聞社��公財�����震災記念
世紀研究機構
21
兵
庫
県
毎
日
新
聞
社
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
発刊にあたって
2011 年3月 11 日の東日本大震災は、戦後最悪の災害となりました。津波
による死者・行方不明者数が多数出たほか、多くの人が住まいや職場を失い、
厳しい環境に置かれています。阪神・淡路大震災で私たちが見た光景が、さ
らに大きな規模で展開された、そういう思いを抱いた人も少なくないでしょ
う。被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、被災地の復興を心よりお
祈りします。
本誌は、平成 22 年度(2010 年度)1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」の
事業内容と入賞団体、全応募団体の活動概要を取りまとめたものです。今年
度で7回目になる事業で、毎回全国から優れた活動の応募があります。防災
への関心が各地で高まっていることの表れといえます。
活動を紹介させていただいた学校の中には、岩手・宮城で津波被害を受け
た学校もあります。しかし、日ごろの防災教育の活動を生かし、教員・生徒
たちの命を守ることができた、という事例も報告されています。
こうした災害の教訓を生かしながら、学校・地域で防災教育・防災活動の
取り組みをなお一層広げていただき、活動の成果をぜひとも 1.17 防災未来
賞「ぼうさい甲子園」に応募いただければ幸いです。
目 次
■兵庫県知事あいさつ
1
■毎日新聞大阪本社編集局長あいさつ
2
(公財)
ひょうご震災記念 21 世紀研究機構副理事長あいさつ 3
■
■受賞団体 6
■応募団体 7
■選考委員長の講評 8
■受賞団体紹介 9
■応募団体紹介
19
■実施要項等
49
■表彰式・発表会の概要
50
■毎日新聞掲載記事
51
あいさつ
兵庫県知事
井 戸 敏 三
阪神・淡路大震災から 16 年。時間の経過とともに震災を
経験していない人々が増え、震災の記憶の風化や防災意識の
低下が危惧されます。
昨年のチリ沖地震津波の際、避難勧告や指示に従った人は
わずか 3.8%でした。また、今年の「県民モニター」調査の
結果では、家具を固定している人の割合は 28.5%にとどまっ
ています。近い将来、東南海・南海地震の発生が確実視され
ているだけに、改めて減災意識を高め、備えを急がなければ
なりません。
兵庫県は、震災の経験と教訓を生かし、防災体制の確立や
災害に強いまちづくり、地域コミュニティに至るまでの減災
への取り組みに力を注いでいます。また、今年は関西広域連
合において関西全体の広域防災体制を構築するとともに、兵
庫県立大学に防災専門科目を学ぶ防災教育センターを開設す
るなど、
「備える」、
「伝える」取り組みのさらなる充実を図っ
ていきます。
1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」もそうした取り組み
の一つです。今回は全国から 101 件の応募がありました。
防災対策の呼びかけ、被災体験の継承、被災地の支援など、
若い皆さんの一つひとつの活動からは、安全安心な社会づく
りへの強い意欲が伝わってきます。本当に心強いことです。
この記録誌には、防災活動に取り組み、充実していくため
のモデルやヒントがいっぱい詰まっています。ぜひ多くの皆
さんがご覧になり、一人ひとりが日頃から防災について考え、
行動する「災害文化」が定着していくことを願っています。
だれもが安全安心に暮らせる社会の実現をめざし、ともに
力を合わせて取り組んでいきましょう。
あいさつ
毎日新聞大阪本社編集局長
斉 藤 善 也
この正月、山陰地方を中心に豪雪に見舞われ、送電線や鉄
塔への積雪で多くの家庭が停電、1000 台以上の車が立ち往
生、少なくとも 380 隻の漁船が雪の重みでバランスを失っ
て転覆、沈没する被害が出ました。毎日新聞でも元日付けの
新聞を島根県に運ぼうとしたが、渋滞に巻き込まれ、一部の
配達が翌日になってしまうということがありました。日本は
災害の多い国で、その種類も多岐にわたるということを改め
て、身をもって痛感した年明けでした。かつての災害から学
び、経験を生かして、被害を軽減していく工夫が社会に求め
られています。今回のぼうさい甲子園では、阪神・淡路大震
災をはじめとする過去の災害から学び、語り継ぐことで未来
の災害に立ち向かおうという活動が多くみられました。災害
現場に足を運んだ学校もありました。江戸時代の災害から教
訓を得た学生たちもいました。こうした取り組みが全国に広
がり、深まっていくことを願ってやみません。
阪神・淡路大震災からもうすぐ 16 年になります。毎日新
聞としては、この大災害を忘れてはいけないと、月1回、17
日ごろに「震災特集」を作り続けています。神戸支局を中心
に震災障害者への支援を呼びかけるキャンペーンも続けてい
ますし、これからも続けていきたいと考えています。
今年元旦から毎日新聞社会面で「ドキュメントにっぽんの
絆」という連載を始めました。家族や地域の絆が薄れてい
るといわれる今の社会で、人との絆を取り戻そうという、あ
るいは新しい絆を作ろうという悩みや喜びを描くシリーズで
す。そんな時代に、今回の受賞校の活動を見ますと、学校と
地域がしっかりと絆を結び、未来に予想できる地域の災害を
乗り越えようという活動が多くみられます。さらにこうした
地域の絆が、犯罪防止や虐待防止、一人で暮らす高齢者のた
めのネットワーク作りなどを可能にすることを示唆している
といえます。この「ぼうさい甲子園」を通じた取り組みが深
く浸透し、安心な社会を築き上げる礎になることを期待して
います。
あいさつ
公益財団法人ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長
(阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長)
河 田 惠 昭
1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」も、
「子どもぼうさい甲子園」から数える
と今回で7回目となり、小学校から中学校、高等学校、そして大学に至るまで、
全国 32 都道府県の学校や団体の皆さんが、各地域で行っている熱心な取り組み
について、本当にたくさんのご応募をいただきまして心からお礼を申し上げます。
阪神・淡路大震災から 16 年が経過し、中学生以下の皆さんは大震災の後に
生まれた世代となります。あの大地震では、多くの方々が被災し、たくさん
の子どもたちも犠牲になりました。
また、被災地の学校の多くは避難所になり、満足に授業ができない状況が
何ヶ月も続きました。
その後も、国内だけでなく海外でも、地震や風水害などの大災害による被
害が数多く発生し、今後の災害に備えた防災教育、防災活動の必要性が強く
認識されるようになりました。
これらを踏まえ、1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」を企画し、毎年、全
国から多数のご参加をいただいていますが、将来的には甲子園球場で行われ
ている春や夏の全国高校野球選手権のように、すべての都道府県から参加を
いただけるようにしていければと考えています。
また、今回の表彰式・発表会には、ハイチ大地震の被災地からの留学生に
もご参加いただきました。自然災害は、近年世界各地で多発しています。今
後さらに、この取り組みを国内だけでなく、海外の子どもたちに拡げていき
たいと思っています。
昨年を振り返りますと、1月のハイチ大地震では甚大な被害が出ましたし、
2月のチリ沖地震による津波はわが国にも到達し、養殖いかだが大きく被災
しました。地震以外では、10 月に奄美地方で豪雨による水害がありました。
今回応募のあった取り組みの中には、地震だけではなく、津波や水害をきっ
かけに、これらの災害に備えるものも多くありました。さらに、一つの学校
ではなく、いくつかの学校が連携して取り組んだものも見受けられ、防災教
育の拡がりを感じることができました。
多様な災害に備えると同時に、少しでも被害を少なくしていくためには、日頃
から自分たちの住む地域の過去の災害などを知るとともに、さらに地震や豪雨
などの災害のメカニズムを学習しながら、地域の方々とも力を合わせ、今後の
災害に備える活動を継続的に展開していくということが大切であると思います。
将来の防災・減災を担うのは皆さん方です。今後もこの、1.17 防災未来賞
「ぼうさい甲子園」を通じて、日頃の防災教育、防災活動の輪が広がりますこ
とを願っております。
受賞団体・応募団体紹介
団体紹介について
(ⅰ)一部団体の所在地は個人の自宅のため、割愛しました。連絡先については、毎日新聞社会部内
「2010 年度ぼうさい甲子園事務局」(06-6346-8167)へお問い合わせください。
(ⅱ)活動内容は、平成22年(2010年)11月時点で記載しています。
受賞団体
1.グランプリ
徳島県 徳島市津田中学校 ………………………………………………………… 9
2.各部門の選考結果
⑴ 小学校の部
受賞団体
ぼうさい大賞
優秀賞
奨励賞
⑵ 中学生の部
ぼうさい大賞
優秀賞
奨励賞
⑶ 高校生の部
ぼうさい大賞
優秀賞
奨励賞
⑷ 大学生の部
ぼうさい大賞
優秀賞
奨励賞
愛媛県
香川県
長崎県
12 歳教育推進事業実行委員会… …………… 10
丸亀市立城辰小学校 ……………………… 13
南島原市立大野木場小学校 ……………… 15
徳島県
岩手県
和歌山県
静岡県
徳島市津田中学校 …………………………
釜石市立釜石東中学校 ……………………
印南町立印南中学校津波研究班 …………
牧ノ原市立相良中学校 ……………………
9
13
15
15
愛知県
兵庫県
三重県
岩手県
愛知県立日進高等学校 ……………………
兵庫県立佐用高等学校 ……………………
三重県立津工業高等学校電子研究部 ……
岩手県立宮古工業高等学校 ………………
11
14
16
16
愛媛県
石川県
兵庫県他
愛媛大学防災情報研究センター ………… 12
石川工業高等専門学校 …………………… 14
阪神淡路大震災写真調べ学習プロジェクト… … 16
3.部門賞以外の選考結果
はばタン賞
同 上
同 上
だいじょうぶ賞
兵庫県
兵庫県
兵庫県
三重県
アトリエ太陽の子 …………………………
神戸市立科学技術高等学校都市工学科 松蔭高等学校放送部 ………………………
三重県立聾学校 ……………………………
17
17
17
18
応募団体
■小学生の部
○北海道:北海道教育大学付属釧路小学校/北海道:社会福祉法人 温真会 中士幌児童ステーション/
北海道:奥尻町立奥尻小学校………………………………………………………………………………………………………………… 19
○茨城県:We ♥ Sengen 栃木県:小山市立下生井小学校/群馬県:長野原町立 北軽井沢小学校… ………………………………… 20
○東京都:足立区立西新井第一小学校/神奈川県:横浜市鶴見区役所「つるみっこ防災塾」/神奈川県:秦野市立東小学校…… 21
○富山県:ボランティアグループ ヤングネットワークとやま/山梨県:社会福祉法人 南アルプス市社会福祉協議会/
長野県:長野市立中条小学校5学年………………………………………………………………………………………………………… 22
○長野県:西和田少年少女消防クラブ/岐阜県:大垣市若の宮自治会/
応募団体
岐阜県:トワイライトミステリー防災スクール実行委員会……………………………………………………………………………… 23
○静岡県:静岡県立沼津特別支援学校/静岡県:藤枝市立 藤枝中央小学校 PTA /三重県:松阪市立朝見小学校………………… 24
○三重県:松阪地域防災学習塾/愛知県:愛知県刈谷市立小垣江東小学校/京都府:亀岡市立川東小学校………………………… 25
○京都府:京丹波町立下山小学校/京都府:久御山町立東角小学校/
兵庫県:広陵ふれあいのまちづくり協議会防災福祉コミュニティー防災部広陵小学校……………………………………………… 26
○兵庫県:神戸市立菅の台小学校/兵庫県:神戸市立本山第二小学校/兵庫県:ささやま環境防災みらい学校…………………… 27
○鳥取県:日野町立根雨小学校/鳥取県:日野ボランティア・ネットワーク/山口県:岩国市立美川小学校……………………… 28
○徳島県:鳴門市立里浦小学校/徳島県:吉野川市立鴨島小学校/徳島県:小松島市和田島小学校………………………………… 29
○愛媛県:宇和島市立蒋淵小学校……………………………………………………………………………………………………………… 30
■中学生の部
○北海道:当別町立弁華別中学校/宮城県:宮城県気仙沼市立階上中学校/宮城県:宮城県丸森町立丸森東中学校……………… 31
○宮城県:南三陸町立歌津中学校/東京都:墨田区立吾嬬第一中学校レンジャー隊/
岐阜県:岐阜県立飛騨特別支援学校中学部………………………………………………………………………………………………… 32
○静岡県:静岡県三島市立中郷西中学校/静岡県:静岡県富士市立大淵中学校/静岡県:富士宮市立芝川中学校………………… 33
○兵庫県:東川崎ふれあいのまちづくり協議会防災部会「東川崎防災ジュニアチーム」/
兵庫県:神戸市立須佐野中学校 防災ジュニアライセンスチーム/兵庫県:大黒地区防災福祉コミュニティ…………………… 34
○兵庫県:多可町教育委員会/奈良県:奈良市立春日中学校/和歌山県:紀の川市立荒川中学校…………………………………… 35
○高知県:高知市立愛宕中学校/山口県:水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊/大分県:大分市立賀来小中学校……………… 36
○鹿児島県:鹿児島県出水市立米ノ津中学校………………………………………………………………………………………………… 37
■高校生の部
○千葉県:千葉県立千葉西高等学校/千葉県:千葉県立市川西高等学校/
神奈川県:神奈川県立高津養護学校地域ネットワーク推進会議………………………………………………………………………… 38
○新潟県:新潟県立柏崎工業高等学校/山梨県:山梨県立甲府南高等学校/山梨県:山梨県立甲府昭和高等学校………………… 39
○静岡県:静岡県立裾野高等学校環境防災倶楽部/京都府:京都府立聾学校/
京都府:京都市立伏見工業高等学校システム工学科都市情報システムコース………………………………………………………… 40
○兵庫県:防災ジュニアボランティアグループ「ばんぶーふぁみりー」/兵庫県:仁川学院高等学校宗教委員会/
兵庫県:たつの市防火・救命リーダー……………………………………………………………………………………………………… 41
○和歌山県:和歌山県立新翔高等学校/和歌山県:和歌山県立熊野高等学校/徳島県:徳島県立聾学校寄宿舎…………………… 42
○香川県:香川県立笠田高等学校家庭クラブ/愛媛県:愛媛県立新居浜工業高等学校/高知県:高知県立高知工業高等学校…… 43
○高知県:高知県立窪川高等学校……………………………………………………………………………………………………………… 44
■大学生の部
○宮城県:東北福祉大学救命ボランティアサークル「FAST」/千葉県:千葉科学大学学生消防隊/
東京都:上智大学防災ボランティアサークル SLS.Network@Sophia… ………………………………………………………………… 45
○東京都:清泉女子大学災害サポーターズ/京都府:京都精華大学片木研究室/京都府:立命館大学国際協力学生実行委員会 46
○大阪府:摂南大学理工学部建築学科池内研究室/兵庫県:ぽっぽプラン/
兵庫県:佐用町学生支援ネットワーク(チャコネット)…………………………………………………………………………………… 47
○兵庫県:神戸学院大学学際教育機構防災・社会貢献ユニット/兵庫県:神戸常盤ボランティアセンター………………………… 48
選考委員長
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長
河 田 惠 昭
1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」は、今年は、北は北海道から南は鹿児島県まで、全国から 101 件の応募があ
選考の講評
りました。
審査にあたりましては、
地域の実情に合った取り組みをしているかどうかという「地域性」や「独創性」、
「自主性」
、
「継続性」といった4つの観点から検討しました。
その中で、
「グランプリ」に選ばれた、
「中学生の部」の「徳島市津田中学校」は、05 年から総合学習の時間に防
災講座を開講し将来の防災リーダー養成に取り組んでいます。今年度は、
「繋がり、地域に貢献する防災学習」をテー
マに、3年生は先に行った住民意識調査の結果を分析のうえ、生徒が対策を考え計画し、校区の高齢者宅を回り家
具転倒防止を呼びかけました。また、2年生は校区の人たちと共に非常食のジャム作りや幼稚園・小学校への出前
授業を行うなど、まさに地域と一体となった継続的な取組みが高く評価されました。
「小学生の部」
で大賞に選ばれた愛媛県西条市の「12 歳教育推進事業実行委員会」は、04 年の台風 21 号の被害をきっ
かけに 06 年から活動が始まり、これまで市内の全 25 校の6年生全児童を対象に「子ども防災サミット」、「子ども
防災キャンプ」を行ない、実践的な防災力を身に付けていることが評価されました。
「高校生の部」で大賞に選ばれた愛知県立日進高等学校は、6年前から東南海地震を想定した防災カルタや紙芝居
を制作し、今回は「洪水ハザードジオラマ」を制作するなど、自ら学ぶとともに地域の子どもたちへの「伝える教育」
を続け、防災の大切さをわかりやすく伝えてきたことが評価されました。
「大学生の部」で大賞に選ばれた「愛媛大学防災情報研究センター」は、04 年の台風の被害を機に 06 年に発足。
四国各地の自然災害の教訓をまとめた「四国防災八十八話」を制作し、これを基に紙芝居や漫画、さらには小中学
生を対象に読書感想文コンクールを実施するなど、「八十八話」を通した防災教育を展開していることが評価されま
した。
そのほか、優秀賞や奨励賞、につきましては、「子ども防災伝道師」や「安否札千枚配布大作戦」、豪雨災害の経
験を伝える活動、震災の復興支援をきっかけに取り組んだ地域の活性化をはじめ、防災意識の啓発や予防、災害の
経験の継承や地域づくりなどの、多岐にわたる活動がそれぞれ評価されました。
また、安全・安心なまちづくりを目指して、防災活動にも応用できる取組を対象とした「だいじょうぶ賞」
、被災
地にエールを贈るため、これらの地域を対象に被災の経験と教訓をもとに生まれた活動に対し兵庫県の震災復興の
マスコットである「はばタン」にちなんだ「はばタン賞」を複数の学校に授与しました。
今回応募のあった学校や団体の活動内容を改めて見てみますと、東海・東南海・南海地震といった近い将来の災
害に備える活動のみならず、被災地への災害復興支援、さらに、地域と一体となり災害経験と教訓を語り継いでい
く活動といった、さまざまな取り組みが全国各地で展開されており、非常に心強く思います。
防災は、日々の取り組みを続けることが重要であります。今回、受賞されたところはもちろん、惜しくも受賞を
逃したところも、今後も引き続き、更なる取り組みを行っていただき、次回も 1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」
に挑戦してくださることを願っております。
本日の表彰について言えることは、児童、生徒の皆さんによる活動を対象としておりますが、着眼点や取り組み
方法など、大人も学ぶべきところも多く見られます。受賞された皆さんにおかれましては、今後も引き続き安全で
安心な社会づくりに向けた取り組みを継続されることを期待しております。
生徒の発案を市が受け入れ、事業が実現
団 体 名
徳島県:徳島市津田中学校
所 在 地
〒770−8004 徳島県徳島市津田西町 2 − 2 − 14
想定災害
地震、津波、集中豪雨による水害
参加人数
2年生:35 人 3年生:30 人 教 員:3人 町内の各組織:15 人
高校3年生:5人 徳島市災害ボランティアサークル:2人
活 動 内 容 校区は南海・東南海地震の発生時、津波被害などが想定されている。そこで、05年度より総合学
グランプリ・ぼうさい大賞(中学生の部)
習の時間に防災講座を開講し、将来のリーダーを養成すべく学習に取り組んでいる。05、06年度は
防災に関する雑誌の作成・配布、07年度は被災キャンプ、08年度は非常食用ジャム作り、09年度
は防災ボランティアなど、毎年テーマを決めて取り組んできた。
10年度は「繋がり、地域に貢献する防災学習」をテーマに学習した。2年生は毎年恒例となった
ジャム作りを行い、2年生と3年生が共同で幼稚園や小学校に出前授業にも出かけた。3年生は、
09年度に住民に行った意識調査結果を踏まえ、「家具転倒防止」を啓発することを決めた。夏休み
に地域の高齢者宅を訪問し、徳島市が進める家具転倒防止推進事業を説明し、取り付けを呼びかけ
た。また、10年度も防災意識調査を実施し、市内計約1800人から防災意識に関するデータを集め、
地域の人に紹介した。
「地域と繋がりながら、自分たちの地域を自分たちで守っていこう」という信念を持って活動を
続けている。
ポ イ ン ト 意識調査は、専門家にアドバイスを受けながら質問項目を時間をかけて自分たちで考えた。質問
を吟味して考えることで、自らをも顧み、主体的
に行動することにつながった。一貫して「地域の
ために」と活動を続けたことで、地域全体で防災
意識が高まることにもつながっている。
台風をきっかけに、子供にも防災力を
団 体 名
愛媛県:西条市 12 歳教育推進事業実行委員会
所 在 地
〒793−8601 愛媛県西条市明屋敷 164 西条市役所
学校教育課
想定災害
集中豪雨等の水害、津波、南海地震、東南海地震
参加人数
市内 25 の小学校 6年生:1100 名
大 人:100 人
活 動 内 容 04年9月の台風21号による甚大な被害をきっかけに、子どもたちに防災力を高めてもらおうと
ぼうさい大賞(小学生の部)
06年に活動が始まり、「子ども防災サミット」「子ども防災キャンプ」などを続けてきた。
「子ども防災サミット」は年3回行っており、西条市内25の小学校の6年生が参加し防災につい
て議論を交わす。1、2回目は各校の代表、3回目は全員が集い、サミット宣言を採択している。「子
ども防災キャンプ」では、非常食訓練や図上演習などを通して、防災に関する知識・技能・判断力・
思考力などを身に付けている。防災を切り口として広く社会に目を向けさせ、各種体験活動と意見
交換を行う事で実践的な防災力を身に付けさせるのが狙いだ。
06年度に取り組んだタウンウオッチング、山ウオッチングが、10年版の国連の国際防災戦略の防
災優良事例集に掲載され、同年には国連事務総長防災担当特別代表が市を訪れるなど、活動が高く
評価された。
ポ イ ン ト 「子ども防災キャンプ」で基本的な知識や技能を身に付けながら、3回の「子ども防災サミット」
で各校が交流しながら市全体で子どもの防災意識を高めようと取り組んでいる。3回目のサミット
では、市内の6年生約1100人全員が一堂に会しサミット宣言を採択するなど、発信にも務めている。
10
ハザードジオラマで巨大地震に備える
団 体 名
愛知県:愛知県立日進高等学校
所 在 地
〒470−0111 愛知県日進市米野木町三ヶ峯 4 − 18
想定災害
集中豪雨、台風、東海・東南海地震
参加人数
1年生:15 人 2年生:17 人 3年生:5人
教職員:17 人 地域住民:50 人
活 動 内 容 04年から防災教育を始め、東海地震を想定した防災カルタや紙芝居を制作し、自ら学ぶとともに
ぼうさい大賞(高校生の部)
子どもたちに防災の大切さを伝えてきた。10年度は、00年に起こった東海豪雨から10年の節目に
独自の視点から水害についての知識を深め、地域と連携して防災学習に取り組んだ。
10年度は、悲惨な災害を忘れないようにとの思いで、初めて水害の防災教育に挑戦。日進市内を
流れる天白川が氾濫した場合の浸水状況を立体的に表した洪水ハザードジオラマ(縦2.2メートル、
横1メートル)の製作、天白川源流での清掃活動なども行った。また、地域の子どもたちへの「伝
える教育」も続けており、洪水の怖さや避難の大切さを描いたオリジナル紙芝居「まけないで!!く
る子」を制作し、地元小学校で読み聞かせる出前授業を行った。8月には地域住民を招いて洪水ハ
ザードワークショップを開催した。源流の清掃活動は、土地の保湿力が高まり洪水防止にもつなが
る。水害防止のキャラクターも制作した。
活動を通じ、地域住民との間にはいっそう連帯感が生まれ、住民の危機意識も高まっている。
ポ イ ン ト 00年におきた「東海豪雨」から10年の節目に、独自の視点から水害についての知識を深め、地域
と連携して防災に取り組んだ。これまでにも防災カルタや紙芝居の制作など、バラエティに富んだ
活動で地域の子どもに「伝える教育」を続けている。
11
防災紙芝居で幅広い層に防災の啓発を
団 体 名
愛媛県:愛媛大学防災情報研究センター
所 在 地
〒790−8577 愛媛県松山市文京町 3、愛媛大学
城北キャンパスあいだいミューズ内
想定災害
地震、水害等の災害全般
参加人数
愛媛県愛南町の全小学校:1224 人
全中学校:699 人 愛媛大学生:4人
活 動 内 容 04年9月の台風21号豪雨災害などをきっかけに06年、愛媛大学防災情報研究センターが発足し、
ぼうさい大賞(大学生の部)
当初から、防災教育に力を入れてきた。
教員らが、四国八十八カ所巡りにちなみ、四国各地に残る自然災害に関する教訓を集めた「四国
防災八十八話」の編集に携わった。学生らも協力し、小学生向けの紙芝居版や漫画版も完成した。
08年度には、新居浜市の小中学生を対象に読書感想文コンクールを行うなど、「八十八話」を通し
た防災教育を行ってきた。
09年度は、愛南町内の全小中学校が参加し、紙芝居と本を題材にした読書感想文コンクールを実
施した。約2000人の児童・生徒が参加し、10年3月に表彰式をした。優秀作品はセンターのホー
ムページで公開している。10年度もコンクールを企画した。
センターでは「八十八話」をホームページで公開し、広く活用を呼びかけており、「災害に関す
る伝承を発掘して生かす取り組みが広がれば」と期待している。
ポ イ ン ト 学生の協力で、「八十八話」が小中学生でも親しめる紙芝居版や漫画版になり、子どもたちが地
域の災害の歴史や防災を学ぶ機会が充実した。センター長の鳥居謙一・愛媛大教授は「受賞が、よ
り多くの人に『八十八話』を知って活用してもらうことにつながれば」と期待する。
12
専門家による指導で「こども防災伝道師」に
団 体 名
香川県:丸亀市立城辰小学校
所 在 地
〒763−0091 香川県丸亀市川西町北 151
想定災害
地震、集中豪雨による水害
参加人数
6年生:106 人 教 員:8人
大 人:50 人
活 動 内 容 優秀賞(小学生・中学生の部)
自主防災活動が熱心な川西地区にあり、06年に川西地区自主防
災会の人を外部講師として招き防災教室を開いたのをきっかけに
防災学習に取り組み始めた。
毎年6年生を対象に、5年次の2月から防災訓練などを実施し
ている。10年度は、「春の防災研修」「夏の防災研修」「トリアージ
研修」
「ぼうさい探検隊(第1,2回)及び通学路マップづくり」
「香
川県総合防災訓練」などに取り組んだ。研修や総合防災訓練では、
土のう作りやバケツリレー、避難所設営訓練などを行い、結果的
に「自助」の意識が強くなり、連帯感が生まれた。また、救命救
急の医師らに指導を受けた児童たちは専門知識や技能を身につけ
たほか、意識的に取り組む姿勢も見られるようになった。
熱心な児童を「子ども防災伝道師」として認定し、他地域の防
災行事などで見本を示したり指導する取り組みも始めた。
ポ イ ン ト 地元の病院の協力を得てトリアージ訓練に取り組んでいることが注目された。大規模災害などの際に治療の優
先順位を決めるトリアージの訓練に取り組む小学生は珍しく、「ユニーク」と評価された。地域の自主防災組
織との結びつきが強く、地域と一体となって防災活動を進める好例といえる。
自助と公助、防災文化の継承者の育成
団 体 名
岩手県:釜石市立釜石東中学校
所 在 地
〒026−0301 岩手県釜石市鵜住居町 19 − 28 − 3
想定災害
三陸沖地震、津波
参加人数
全校生徒:217 人
職員・地域など:100 人
活 動 内 容 08年度に釜石市の防災教育支援事業で防災教育プログラム開発
の協力校に指定されたことがきっかけとなり、活動を始めた。①
自分の命を自分で守る②助けられる人から助ける人になる③津波
てんでんこ−地域の防災文化の継承者の育成、を目標に取り組ん
でいる。これまで津波学習、防災学習、小中合同避難訓練などを行っ
てきた。
10年度は、09年度のテーマ「助けられる人から助ける人へ」の
Part2として、活動を展開。小中合同避難訓練で災害弱者への配慮
の心を学び、宮古工業高校の出前授業では地震や津波のメカニズ
ムを学んだ。被災時に自宅などから避難したことが一目で分かる
「安否札」を、今年度は地域で1000枚配布した。ボランティア活動
ごとにポイントを加算し、ポイントごとに「EASTレスキュー隊」
1〜5級に認定する取り組みも初め、生徒は自主的に活動している。
学習を通じ、生徒たちには「助ける人へ」の意識が芽生えている。また、安否札1000枚配布大作戦は地域
から好評で継続の要望も出ており、今後も継続することにしている。
ポ イ ン ト 「安否札1000枚大作戦」の規模とユニークさ、継続性に評価が集まった。津波の際に自宅から避難したこと
が一目で分かる仕組みで、大勢の生徒が参加して防災教育の成果を地域に還元している、。
2011年3月の東日本大震災では、校舎が津波で被害を受けたが、当時学校にいた生徒らは適切な避難行動
で難を逃れ、「防災教育の取り組みが生きた」と全国的に注目されている。
13
豪雨災害による被害からの復旧活動
団 体 名
兵庫県:兵庫県立佐用高等学校
所 在 地
〒679−5381 兵庫県佐用郡佐用町佐用 260
想定災害
水害及び地震
参加人数
子ども:145 人
大 人:30 人
活 動 内 容 優秀賞(高校生・大学生の部)
兵庫県佐用町は09年8月、豪雨災害によって壊滅的な被害を受
けた。生徒たちは直後から復旧ボランティアやJR姫路駅前での募
金活動などに取り組み、09年度のぼうさい甲子園では特別参加校
として活動報告した。
10年度は課題研究の時間に、農業科学科の3年生の5人を中心
に防災活動に取り組んだ。水害や地震への対処の仕方など基礎知
識を伝える小学生向けの紙芝居を作り、地元の2小学校で上演し
た。また、水害で被害を受けた町が明るくなれば、との願いを込
め、花を育ててプランター計100鉢を久崎地区の商店街などで配布
した。
さらに、09年の水害の教訓を将来の災害時に生かそうと、商店
街を中心にアンケートも実施。水害当時にどういう行動を取った
かなどを聞き取り調査した。
活動を通じ、地域住民と生徒の絆が深まり、住民から多くの感謝の言葉をもらった。また、出前授業では、
授業後に児童の96%が「今後地震や水害に気を付ける」と答えたという。
ポ イ ン ト 身近に起きた水害をテーマに積極的に防災学習に取り組み、紙芝居上演などの形で地元の小学生らに伝えて
いく取り組みの評価が高かった。指導した細見幸司教諭は「佐用の水害を少しでも多くの人に知ってもらおう
と活動してきた。佐用町のために活動を続けていきたい」と受賞を喜んでいる。
復興支援をきっかけに地域の活性化を図る
団 体 名
石川県:石川工業高等専門学校
所 在 地
〒929−0392 石川県河北郡津幡町北中条タ 1
想定災害
地震
参加人数
建築学科 4年生、5年生:10 人
学生支援 GP の専攻科:80 人
活 動 内 容 07年3月の能登半島地震で、環境都市工学科や建築学科の学生、教員らが輪島市や穴
水町など被災地の復旧支援にあたったのを機に、復興支援を通じて学生が学びを深める
プログラムを実施。08年度にプログラムが終了した後も、穴水町などで支援活動を続け
ている。
10年度は建築学科4、5年生の約10人を中心に活動した。特産品販売などで地域の交
流拠点となっている穴水町中心部の元呉服店「江尻屋」に、災害の際に倒してベッドに
も使える棚を提案。地域の交流拠点が防災拠点にもなるように協力した。棚は地元の家
具製作所に6個製作を依頼し、江尻屋に設置した。
今後は地域マップに防災的視点を盛り込んで防災マップを作成する計画もある。
能登半島地震を経験した町として、
災害に負けない共同体づくりに技術面からかかわっ
てきた成果が出てきている。
ポ イ ン ト 能登半島地震を経験したまちを歩き、地域に役立つアイデアを出して活動していることが注目された。学生た
ちは「これからも地域とかかわり続けたい」と意欲を見せた。指導した村田一也・建築学科准教授は「復興とい
う形で被災地とかかわってきたことを評価していただいて、とてもうれしい」と話していた。
14
噴火災害の経験、継承する
団 体 名
長崎県:南島原市立大野木場小学校
所 在 地
〒859−1505 長崎県南島原市深江町戊 3243
想定災害
噴火、土石流
参加人数
全児童:133 人
大 人:30 人
活 動 内 容 奨励賞(小学生・中学生の部)
91年の雲仙普賢岳噴火により、当時の校舎が焼失するなど甚大
な被害が出た。この事を後世に継承し、防災意識を高めるために、
00年より噴火の災害について学び、校舎が焼失した日をメモリア
ルデーとして総合的な防災学習を行っている。
今回は、被災した旧校舎を訪れて体験談を聞き、火山・防災学
習、聞き取り調査の後に被災にあった9月15日に「メモリアルデー
2010」を開催し、学習した内容を発表した。
その成果として、災害後に生まれた子供達に災害の状況を継承
し、全国の方々からの多くの助けの存在を理解させ、感謝の気持
ちを高める事ができた。
津波の被害をシミュレーションで視覚的に伝える
団 体 名
和歌山県:印南町立印南中学校(津波研究班)
所 在 地
〒649−1534 和歌山県日高郡印南町印南 2145
想定災害
南海地震及び発生する津波
参加人数
3年生:9人
教 員:1人
活 動 内 容 04年に発生したインド洋大地震を知った生徒たちが、過去に南海
地震で大きな津波被害を受けている印南地区にとっても対岸の火事
ではないと思ったのがきっかけとなり、活動を始めた。05年度から、
印南湾における津波の動きをテーマに、3年生の研究班が模型・水
槽での実験やコンピューターシミュレーションなどで津波がどのよ
うに動くのか研究を重ねてきた。
10年度は、9人が総合学習の時間に湾の防波堤が宝永地震(1707
年)級の津波の際に効果があるのかなどを探った。実際に自分たち
で防波堤の幅や長さを測量し、和歌山工業高等専門学校の小池信昭
准教授の協力を得てシミュレーションした。結果、防波堤が「宝永
級の津波にはほとんど無力」との結論を得ることができた。
研究の成果は、毎年町内で開いている「地震津波防災を考える集
い」などで発表もし、地域の人たちに地震・津波に備える大切さを
訴えている。
6年間の研究で、
「印南湾はなぜ津波が高くなるのか、印南湾で津
波はどう動くのか」についておおむね解答が得られたことから、今
後は研究成果を地域の防災に役立てる活動を進めることにしている。
実践的な「サバイバル学習」で人材育成
団 体 名
静岡県:牧ノ原市立相良中学校
所 在 地
〒421−0522 静岡県牧ノ原市相良 283
想定災害
東南海地震
参加人数
1年生:175 人 教 員:9人
提携団体:22 人
活 動 内 容 東海地震に備え、一般的な避難訓練を年3回行ってきたが、被
災後の多様な状況への対応する力が不十分だと考え、07年から災
害時に役立つ人材の育成を目的とした学習を続けている。
体育館などを使って、1年生が1泊2日の防災訓練をしている。
徹底的に災害時を想定した生活だ。初日は予告なしの救助訓練な
どを行った後、夕食は非常食のアルファ米と各自が持参した缶詰
1缶のみ。水は1人2リットルが支給され、翌日まで食事、洗顔
などはこれだけを使って過ごす。自由に使える水はトイレで流す
水だけ。生徒は水の大切さを身にしみて体感する。
生徒たちは、限られた食料や固い床での睡眠など、避難所生活
の苦しさを身をもって知るとともに、非常時の生活では、特に先
を見通した行動や周囲への気配りが大切であることを学んでいる。
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レスキューロボットが被災地を救う!
団 体 名
三重県:三重県立津工業高等学校 電子研究部
所 在 地
〒514−0823 三重県津市半田 534
想定災害
東海地震、東南海地震、南海地震
参加人数
レスキューロボット開発プロジェクトチーム
活 動 内 容 奨励賞(高校生・大学生の部)
09年度から防災に使えるレスキューロボットの開発に取り組み、
「電
源供給のための無人車両型ロボット(RDC)
」と「ジャッキアップ作
業をするための車両型ロボット(JTT)
」の1号機を製作した。
10年度は、前年度の経験を生かしRDCとJTTを改良した2号機の開
発、製作に取り組んだ。生徒らは被災現場では何が必要なのかを考え
ながら、被災地で実際に使える実用的なものに近づけた。
RDCの改良は走行時の強度を向上させ、バッテリー電源は長時間の
活動で容量不足の問題が起きるため、水素燃料電池を搭載し、常時
充電可能にした。JTTは1号機はリフト重量は1トンだったが、2号
機の目標を2トンにし、やはり走行系の強度向上を目標に取り組んだ。
取り組みを通じて、被災現場に課せられた問題の複雑さも見えてき
た。今後もプロジェクトを継続させ、若い柔軟な発想力を実際に役立
つ道具の開発につなげていくことにしている。
模型で津波を再現、津波防災に繋げる
団 体 名
岩手県:岩手県立宮古工業高等学校
所 在 地
〒027−0202 岩手県宮古市赤前 1 − 81
想定災害
津波
参加人数
3年生:6人
教職員:1人
活 動 内 容 1933年の昭和三陸地震などで実際に被害のあった地域にある高
校。
05年度から、
機械科の3年生が宮古湾周辺地域の立体模型を作り、
津波被害が想定される地区の学校などで模型に水を流し浸水地区を
示す実演を続けてきた。津波模型が津波防災学習の教材となり、
児童・
生徒や地域の人が津波に対する危機意識を高め、被害軽減につなが
ることを目指している。
09年度は「ぼうさい大賞」を受賞し、10年度は活動をさらに広げ、
小中学校での実演授業を重ねた。7月には09年度のぼうさい甲子園
表彰式で実演を依頼された釜石市立釜石東中でも出前授業を行った。
累計の実演回数は50回を超えており、今後も活動を続けていく考
え。また、活動の成果は、高潮対策事業を進める行政の整備計画に
も反映された。
写真を見つめて出てくる「被災の実態」
団 体 名
兵庫県:阪神淡路大震災[写真調べ学習]プロジェクト
所 在 地
〒650−8586 兵庫県神戸市中央区港島 1 − 1 − 3
想定災害
地震
参加人数
つくば開成高等学校京都校、兵庫県立淡路高等学校、神奈川県立横浜緑ヶ丘高等学校、
静岡森町立森中学校、UNN 関西学生報道連盟、神戸大学、神戸学院大学:約 60 人
活 動 内 容 新聞社などが撮影したさまざまな阪神・淡路大震災の写真を元
に、カメラマンや被写体になった人にインタビューしたり、撮影
現場を訪ねたりしながら、震災について学び、パネル展示などの
形で継承していくプロジェクト。震災15年を前に、
「1枚の写真」
を見つめるディスカッションで、学生は「ここで何があったの?」
と知りたい気持ちを強めた。インターネットで幅広く参加を呼び
かけ、6校1団体が16枚の写真をたどった。
兵庫、京都、静岡、神奈川の学生が集ったプロジェクトでは、
各写真に主担当校を決め、メールでやりとりしながら調べ学習を
続けてきた。手紙や電話、面接取材などは学生らで乗り切った。
最初はゲーム感覚でやっている学生もいたが、すっかり変わっ
た町の区画に立ちつくしたり、関係者の離別を知るうちに15年の
月日を思い知らされた。人と防災未来センターで10年5月に開催
した報告会では、カメラマンと学生がトークセッションを行い、
写したカメラマンも混乱の中で苦悩していたことを知った。
“震災の直接体験がない”学生たちでも動機を持って、事実を自
分たちで切り取ってくることで、あの朝何が起きたのかを深く追
体験することができた。メディアの取材には応じない人が「若い
人たちには伝えたいことがある」と応じてくれたこともあった。
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「絵を描く僕たち私たちに出来る事は何だろう」
団 体 名
兵庫県:造形絵画教室『アトリエ太陽の子』
所 在 地
〒658−0051 兵庫県神戸市東灘区住吉本町 1 − 23 − 13
YAMAGUCHI Ⅲ 201
想定災害
地震、水害
参加人数
幼 児:195 名 小学生:584 人 中学生:164 人
高校生:273 人 大 人:58 人
活 動 内 容 はばタン賞
神戸市内や阪神間の幼稚園児から高校生までの児童・生徒が通っ
ている。阪神・淡路大震災では、アトリエに通っていた幼児2人
も犠牲になった。教訓や経験を風化させないよう、
6年ほど前から、
芸術を通じた防災活動を続けてきた。
震災を体験していない今の子供たちが『命の尊さ』と向き合い
ながら、震災の犠牲者数にちなみ6434本の「命のヒマワリ」を描
くプロジェクトを続けている。四川大地震の被災地の学校にヒマ
ワリを描いた横断幕を贈ったり、県内の学校や保育園などで子ど
もたちに絵を描いてもらう活動も続けた。09年に台風豪雨災害の
あった兵庫県佐用町の学校とも活動を通じてつながりを深めた。
命の授業に参加した生徒からは「ボランティア活動をしたいと
思った」
「今生きている事はとても幸せなんだと思った」などの感
想が寄せられた。
身近に潜む危険の発見と学習
団 体 名
兵庫県:神戸市立科学技術高等学校
都市工学科(課題研究・都市防災班)
所 在 地
〒651−0072 兵庫県神戸市中央区脇浜 1 − 4 − 70
想定災害
地震、洪水・土砂などの水害
参加人数
3年生:7人
活 動 内 容 都市工学の知識を生かし、震災を知らない子どもらに現代社会
の中に潜む危険を知ってもらうために取り組みを始めた。08年に
神戸市灘区の都賀川で起きた増水事故の犠牲者鎮魂のための追悼
イベント「夢ナリエ」では、全長6メートルの光るクジラのオブジェ
を出品し、子どもたちを楽しませながら水害の恐ろしさを伝えた。
校内の文化祭では、砂防ダム、土石流、液状化現象の実験装置
を作り、目の前で災害のしくみを再現した。オブジェも実験装置も、
それぞれ廃材を利用し、自分たちが学ぶとともに校内外に伝える
活動を行ってきた。
生徒らは「子どもたちが興味を持ってくれたことが一番のやり
がいになった」などと活動について感想を話している。
ラジオドキュメント制作で震災後を伝える
団 体 名
兵庫県:松蔭高等学校 放送部
所 在 地
〒657−0805 兵庫県神戸市灘区青谷町 3 − 4 − 47
想定災害
阪神・淡路大震災
参加人数
1年生:2人
3年生:3人
活 動 内 容 阪神・淡路大震災の記憶がほとんどない高校生が震災15年を機に
震災について知りたいと思い、7分間のラジオドキュメント番組を
企画・制作した。1月17日の追悼イベントの「黙とう」から始まる
作品のタイトルは「
“すきま”を埋めて」
。被災者と被災していない
人の「すき間」を埋めたいという思いを込めた。
制作にあたり、町の人々や、自衛隊、新聞記者ら100人以上をイン
タビューした。この過程で、被災者と被災していない人の間に大き
なすき間があることに気づいた。また、震災を経験した年代と、経
験していない年代の間にも、すき間があることに気づいた。生徒た
ちはこのような現状を伝えたいという気持ちを込めて編集を進めた。
取材を通じ、生徒たちは神戸の人の生の声に接し、さまざまな考
え方があることが分かった。編集を通して、自分たちは「何を伝え
るべきか」を考え、自分たちなりの答えを自分たちで導くことがで
きた。また、活動に関わるまでほぼ無いに等しかった震災への関心・
防災意識が生徒にも芽生えた。
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自治体との合同訓練で防災学ぶ
団 体 名
三重県:三重県立聾学校
所 在 地
〒514−0815 三重県津市藤方 2304 − 2
想定災害
地震及び火災
参加人数
聾学校幼稚部〜高等部全校生徒:89 人
教職員、自治会:130 人
活 動 内 容 だいじょうぶ賞
伊勢湾からほど近い場所に位置し、地域の避難所に指定されて
いる。08年度から、地元自治会との合同避難訓練を続けており、
生徒の防災への意識を高めるとともに、地域との相互理解を深め
ることを目的としている。
08年度は合同避難訓練と起震車体験、09年度は合同避難訓練と
スモークハウスの体験を行い、10年度は、10月に幼稚部から高等
部の生徒が参加し、火災を想定した合同避難訓練とウオークラリー
方式での体験学習を実施した。ウオークラリーは、各ポイントで
シールを集め、防災に関する言葉を完成させるというものだ。起
震車、スモークハウス、非常食などの体験もした。
訓練で、聾学校が地域の避難所であることを地域住民に周知で
き、県や津市とも協力・連携することができた。さらに、生徒・
保護者・地域住民・教職員の防災への意識が高まり、自助・共助・
公助の精神を意識することができた。
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模型を製作、津波の恐ろしさ学ぶ
団 体 名
北海道:北海道教育大学付属釧路小学校
所 在 地
〒084−0909 北海道釧路市桜ヶ岡 7 − 12 − 48
想定災害
津波
参加人数
6年生:56 人
大 人:20 人(報道機関含む)
活 動 内 容 10年度は防災授業を7月12日に行った。7月12日は、93年の北
海道南西沖地震で奥尻島を巨大津波が襲った日。この北海道内で
の悲しい出来事を踏まえ、あえてこの日を選び学習している。津
波への防災意識の必要性から、模型を使っての津波学習をした。
大型の自作水槽に水を張り、釧路の地形モデルをはめ込み、扇風
機で起こした波と、海底を激しく上下に移動させて起こる津波の
違いを実演。さらに釧路沖で大地震が発生した際の避難について
のアンケート調査なども行った。
北海道は地震と津波の被害を実際に受けている。今回の学習も
含め、災害が身近に潜んでいる事を理解した児童らには、自ら命
を守ろうとする意識が芽生え始めている。
子育てと防災を合わせた新しい取り組み
北海道:社会福祉法人 温真会 中士幌児童ステーション
所 在 地
〒080−1189 北海道河東郡士幌町字中士幌西 2 線 80 − 25
想定災害
地震
参加人数
子 供:1日 100 人(0歳〜 18 歳)
職員及びボランティア:1日 35 人
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 災害に強い地域作りを目指そうと、運営の核の1つに防災を据えている。子育て支援センター、保育園、児
童センターが一つ屋根の下に合築された施設の特性を生かし、0〜 18歳の子どもを対象に、年下の子を助け
避難させる避難訓練などに取り組んでいる。
ここ20年、家族世帯の変化により高齢世帯が増え、防災を支える人より支えられる人の方が多くなっている。
第3次十勝沖地震に備え、地域防災を再考し、地震を想定した地域防災プランの立案に着手している。
地域と協働で建設した子育て支援や環境学習のためのセンター「遊〜遊〜村」では、古民家を移築し非常時
の防災エリアの機能を持たせ、団塊世代の退職者によるボランティアと小学生中心の子どもたちが週末の講座
で防災について学んでいる。
活動を通して、住民の顔が見える地域へと変わってきたほか、安心・安全にも貢献している。
日常生活での危険を防ぐ為、ハザードマップを製作
団 体 名
北海道:奥尻町立奥尻小学校
所 在 地
〒043−1401 北海道奥尻郡奥尻町字奥尻 428
想定災害
日常の生活安全
参加人数
3年生:7人
活 動 内 容 奥尻島が大きな被害を受けた93年の北海道南西沖地震を風化さ
せず、防災意識を持ち続けようと学習に取り組んでいる。
10年度は3年生が社会の時間に地域について学習した。学習を
より深めるために、安全に視点を置き、自転車や歩行で注意すべ
き場所、冬道での危険箇所や遊んではいけない所などを白地図に
書き込み、危険を防ぐためのハザードマップとして作成した。児
童だけでなく保護者など大人にも呼びかけて聞き込みを行い、よ
り正確なものにした。
学習を通して、児童たちの安全意識が高まった。また、作成し
たハザードマップを全校児童で確認し、校内に掲示し、全校で共
有した。
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災害時に役立つ地域の社会資源を発見、発信する
団 体 名
茨城県:We ♥ Sengen(ウィ ラブ センゲン)
所 在 地
〒305−0047 茨城県つくば市千現 1 − 15 − 2
想定災害
地震災害
参加人数
4年生:2人 2年生:1人 幼稚園:1人 大 人:4人
活 動 内 容 地域住民の危機意識が薄い、と感じたことから、08年から地域
の防災訓練に参加し、子どもから大人まで防災意識を高めようと
取り組んでいる。
10年度は、近隣の地区に声をかけ3区会合同の防災フェスタを
開催した。大規模災害時に避難所運営を担う自治会が普段から連
携し、地域防災の仕組みを構築しようと地区を越えて初めて合同
開催し、住民約120人が地域の絆を深めた。
子どもたちは夏休みの研究課題として、事業所に防災アンケー
トを実施、「防災協力事業者」のマップを作成した。さらに、避難
時に備えたルートマップや医療機関マップもできた。
自治会と事業者を結びつける活動を通じ、地域の新たな絆づく
りに一役買った。
防災訓練を通じて児童に災害への対応能力を
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
栃木県:小山市立下生井小学校
所 在 地
〒323−0023 栃木県小山市中央町 1 − 1 − 1
小山市教育委員会
想定災害
水害・火災
参加人数
3年生〜6年生:15 人(2日間)
生井地区住民:130 人(8 月 22 日のみ)
活 動 内 容 川に囲まれた生井地区は、1947年にカスリーン台風による大水
害に遭い、大きな被害を受けた。この歴史を忘れず、子どもたち
に災害時の心構えを身につけてもらおうと小山市教育委員会と地
域が連携して初めて、8月21、22日に下生井小で防災宿泊学習を
実施した。3〜6年生15人が参加した。
子どもたちは避難所生活を疑似体験。水害の歴史についての講
話を聞き、体育館で寝袋に入って就寝し、缶入りみそ汁などの非
常食を取った。また、翌日は生井地区自主防災訓練に参加し、地
域の大人らとともに初期消火訓練や応急手当て訓練などに取り組
んだ。
活動を通じ、児童の防災への意識が高まるとともに、訓練参加
により異世代間の交流も深まった。
災害に対する危機管理の為に安全・防災教育の充実を図る
団 体 名
群馬県:長野原町立 北軽井沢小学校
所 在 地
〒377−1412 群馬県吾妻郡長野原町北軽井沢 1924
想定災害
浅間山の噴火(自然災害や野生生物による被害、人災)
参加人数
1年〜6年:96 人
保護者及び地域の人々:90 人
活 動 内 容 04年9月に起きた浅間山の噴火で、子どもの安全確保や学校再開の
ための条件整備などの課題が浮き彫りとなった。また、PTSD(心的
外傷後ストレス障害)と思われる症状を示した児童や不安を抱く保護
者もおり、ケアの必要性も出たため、05年4月から危機管理マニュア
ルの見直しや心のケアの講習会などを開いてきた。
10年度の学習には、小学1〜6年生96人が参加。非常時避難経路の
確認、浅間山噴火対応訓練などの各種避難訓練のほか、地元派出所や
安全協会婦人部による防犯・交通安全教室、ボランティアによる登下
校の安全確保など、地域と連携した活動を行った。
訓練を定期的に行うことで、課題や改善点が明確になり、危機管理
マニュアルも改善した。また、08年10月と09年2月には小噴火もあっ
たが、取り組みが活かされ、児童引き渡しなどで混乱なく対応できた。
20
スクールモデルとしての地域と連携した取り組みを開始
団 体 名
東京都:足立区立西新井第一小学校
所 在 地
想定災害
地震、火災などの災害全般
参加人数
〒123−0841 東京都足立区西新井 6 − 21 − 3
活 動 内 容 06年度から08年度まで、東京都の学校安全教育プログラム開発委
員会推進校に指定され、09年度からは消防庁の「地域防災スクールモ
デル事業」
に地元消防とともに取り組んでおり、
10年度で2年目になる。
09年度は合同防災教育、防災マップづくり、避難所運営訓練などに
取り組み、10年度も同様に消防署員の指導で、5年生が事前学習を経
てグループごとに地域を調査し、防災マップづくりに取り組んだ。
他の学年もそれぞれ防災学習を実施。1、
2年生は校内の避難訓練、
3年生は地域住民や消防団などと合同で防災訓練、4年生は避難所運
営訓練、6年生は心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の取り扱
いなど応急救護訓練に取り組んだ。
活動を通じ、地域との連携が深まるとともに、将来の防災リーダー
育成につなげている。
モデル校を選出しての防災塾の開催
神奈川県:横浜市鶴見区役所 「つるみっこ防災塾」
所 在 地
想定災害
地震・風水害
参加人数
〒230−0051 神奈川県横浜市鶴見区中央 3 − 20 − 1
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 横浜市鶴見区は、05年度から「防災」を重要分野として位置づ
け、防災啓発活動を展開してきた。09年度からは、子どもたちに
「自分の命は、自分で守る」能力を身に付けてもらい、将来の防災
リーダーの育成につなげることなどを目的にした防災教育事業「つ
るみっこ防災塾」が始まった。
09年度は3校がモデル校に。東京工業大の監修で作成した地震
や風水害の学習を深めるためのDVDを見たり、まち歩きと防災マッ
プづくりなどに取り組んだ。10年度もモデル校3校(岸谷小・鶴
見小・新鶴見小)が総合学習の時間などに起震車体験、防災備蓄
庫見学、まち歩き点検、防災マップ作りなどを行った。地域の人
を招きマップを披露する発表会を開いた学校もあった。
活動を通じ、児童たちは調べて発表する力を身に付け、地域と
の交流も深まった。また、小学生でも災害時に果たすべき役割が
あり、地域の力になれることを確認した。
楽しいイベントで小学生を育成
団 体 名
神奈川県:秦野市立東小学校
秦野市立西小学校
所 在 地
〒257−0023 神奈川県秦野市寺山 512 〒259−1317 神奈川県秦野市並木町 8 − 1
想定災害
東海地震
参加人数
幼稚園児:1人 2年生:8人 3年生:9人
4年生:7人 5年生:8人 6年生:18 人
活 動 内 容 神奈川県秦野市は、「大規模災害の発生時には、地域主体の救出・救助活動は大人だけの力では太刀打ちで
きず、子どもたちにも災害に立ち向かう必要がある」との考えから、10年度初めて、
「防災王チャレンジプラン」
を実施した。市立東小と市立西小がモデル校となり、児童たちは、平時に防災関連の施設・機材を見ておくこ
とで防災意識を高め、学習を深めた。
チャレンジプランは、校内で「防災備蓄倉庫の場所を発見する」、
「救急セットを探す」など10の課題にグルー
プ単位で挑戦しながら、防災王の称号を目指す学習。8月29日に実施し、児童たちは楽しみながら防災を学んだ。
市では11年度以降も全小中学校で実施することを検討している。
21
富山の若者の元気を全国に伝え、交流の基礎作りへ
団 体 名
富山県:ボランティアグループヤングネットワークとやま
所 在 地
〒930−0094 富山県富山市安住町 7 − 1 3F
想定災害
地震等の災害全般
参加人数
大 人:29 人、高校生:3人、大学生:13 人
交流した小学生
活 動 内 容 95年の阪神・淡路大震災をきっかけに、富山と兵庫の子ども同士の交流を15年以上続けてきた。
若者の幅広いネットワークづくりや魅力ある富山県の再発見を目的に91年に設立。国内の地震・水害現場で
の物質の搬入やチューリップの球根の植栽活動などを行ってきた。阪神大震災の被災地・兵庫県西宮市の市立
安井小の児童らとは、06年からサッカー交流会を開催しており、11月に第5回交流会を実施。両県の子ども
たちが交流を深め、チューリップの球根も植えた。また同月には07年の能登半島地震の被災地・石川県輪島市
にも訪れ、チューリップの球根を植えた。
将来の両県の若者交流に繋がることを期待し、活動を続けることにしている。
子供向けに防災訓練を企画、助け合いの大切さを学ぶ
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
山梨県:社会福祉法人南アルプス市社会福祉協議会
所 在 地
〒400−0337 山梨県南アルプス市寺部 659
想定災害
地震防災
参加人数
1年生:3人 2年生:3人 3年生:9人 4年生:6人
5年生:3人 中学2年生:3 人 大 人:52 人
活 動 内 容 核家族・高齢者世帯の増加、近隣住民の交流の希薄化など地域が
抱える課題を解決するため、防災をキーワードに毎年災害・防災訓練
を行っている。大人向けの訓練のほか、子供を対象にしたボランティ
アスクールも実施し、10年度は小学1〜5年生まで79人が参加した。
8月上旬の3日間に「夏休みボランティアスクール〜防災レンジャー
になろう〜」と名付けた訓練を実施。第1訓練では空き缶、サラダ油、
ティッシュペーパーで簡易コンロを作り、目玉焼き作りに取り組んだ。
第2訓練では、山梨県立防災安全センターで起震車体験や煙ハウス体
験などを行い、第3訓練は包丁やまな板を使わず野菜を切るなどし道
具を使わないカレーづくりなどに取り組んだ。
参加した児童らには「自分のことは自分で行う」という気持ちや「自
分の命は自分で守る」という意識が芽生えた。11年度は、樹海の洞窟を
体験したり、ロープを使って2階から降下する訓練などを計画している。
「地滑りって何?」素朴な疑問から研究へ
団 体 名
長野県:長野市立中条小学校5学年
所 在 地
〒381−3203 長野県長野市中条 2770
想定災害
地滑り
参加人数
5年生:15 人
大 人:10 人
活 動 内 容 学校がある中条地区は地滑りの多発地域。児童たちは地滑りについ
て「どんな現象なのか」「なぜ地区で多く起こっているのか」などの
疑問を持ち、総合学習の時間「中条科」のテーマ「中条地域の土地や
自然の特徴を知ろう」の一環として地滑りについて学ぶ活動に取り組
んだ。
5年生15人が、地滑りの怖さや仕組みを学ぶため、専門家から聞き
取りをし、砂防ダムや災害現場の見学、水路工の生物調査を行うなど、
実際に見聞きして知識を深めた。
これらの活動の成果は11月にあった「日本地滑り学会中部支部シン
ポジウム」で、研究者らを前に報告。児童らは、学習を通じ地滑りの
原因を知るとともに、災害の怖さを実感した。また、昔から現在まで
続く人々の努力や工夫なども感じとった。
22
「火の用心」呼びかけを継続し続ける
団 体 名
長野県:西和田少年少女 消防クラブ
所 在 地
〒381−0037 長野市西和田 2 − 2 − 27
想定災害
火災
参加人数
小学生1〜6年生:160 人
役 員:25 人
活 動 内 容 83年に西和田区内で火災が相次いだのを受け、子どもたちが「火
の用心」と大人たちに呼びかけた。この活動がきっかけとなって、
94年に発足した。子どもだけでなく、参加する大人にも火災に気
を付けてもらえるよう活動している。
活動の基本は、春・夏・秋の火災予防運動期間。10年度は小学
1〜6年生160人らが参加し、「火の用心」の呼びかけを西和田区
内で行った。長野市や、地元消防団第6分団が行う出初め式や、
地域のポスターコンクールなど、防災に関するさまざまな行事に
も参加している。
活動を通じ、子どもたちの防災意識が高まると同時に、長年の
呼びかけで、区内の防火への意識も高まっている。
カレーづくりで防災訓練に参加
岐阜県:大垣市若の宮自治会
所 在 地
〒503−2201 岐阜県大垣市道草島町 148 − 10
想定災害
地震など
参加人数
小学生:7人
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 若の宮地区には多くの高齢者が生活しており、若の宮自治会も
高齢化が進んでいる。数年前には自治会行事で消火栓の使い方を
学ぶ訓練を実施したことがあったが、住民の間では近い将来の東
海地震への不安もあったことから、10年は大がかりな防災訓練を
実施した。
7月25日午前8時50分に震度5の地震が発生した、と想定し訓
練を開始。高齢者を含め大人が、消火器や消火栓を使った放水訓練、
人工呼吸、簡易担架での救助訓練などを行った。自治会の小学生
7人は全員が参加し、給食班としてカレーづくりに取り組んだ。
参加者は協力しながら緊張感を持って訓練に臨んでいた。11年
度も自治会主体で防災訓練に取り組む予定にしている。
アトラクション感覚で楽しく防災意識を持つ
団 体 名
岐阜県:トワイライトミステリー防災スクール実行委員会(大井
小 PTA、大井第二小 PTA、山岡小 PTA、恵那市防災研究所)
所 在 地
〒509−7492 岐阜県恵那市岩村町 545 − 1
想定災害
東海地震、東南海地震
参加人数
子 供:120 人
大 人:80 人
活 動 内 容 恵那市まちづくり市民活動推進助成事業の一環として、09年から実施。地域の子どもと大人が一緒になって
参加することで、楽しみながら防災意識を高めるとともに、自助・共助の大切さを学び、安全安心のまちづく
りを目指して取り組んでいる。2回目の10年度は7〜8月に市内3カ所で開催した。
柱は防災講演会、防災アトラクション、非常食体験の3本。防災アトラクションでは、児童らは体育館に配
置された防災クイズやバケツリレー、ロープワークなどの9種目を次々にこなしていった。
実行委員会では、活動を通じ、児童たちが生きる知恵を身に付け、人との繋がりの大切さを感じ取ることを
期待している。今後は活動をさらに広げていきたい考え。
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ミニチュアを使った訓練で防災を視覚的に理解
団 体 名
静岡県:静岡県立沼津特別支援学校
所 在 地
〒410−0306 静岡県沼津市大塚 823 − 1
想定災害
地震
参加人数
全学年児童:100 人
教 員:46 人
活 動 内 容 近い将来発生すると言われる東海地震を見据え、知的障害があ
る児童らに災害時の対応をわかりやすく伝えるために、04年度か
らミニチュアの建物や人形を使った学習を、年2回の地震防災訓
練とともに行っている。
10年6月1日の地震防災訓練には、小学部全児童100人が参加。
避難訓練に続き、ミニチュアを使って学習した。教室のミニチュ
アを教員が揺らし、いすや掲示物が倒れ、さらに人形が机の下に
もぐり、防災ずきんをかぶり避難する様子を示した。続いて大型
の絵を使って、安全に避難するための約束を確認した。
ミニチュア学習で児童たちは、地震や避難について視覚的に理
解できるようになった。学習を重ねることで、自分から行動に移
せる児童が以前に比べ多く見られるようになったという。
「体験を通して学ぶ」をモットーに関係者が連携
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
静岡県:藤枝市立 藤枝中央小学校 PTA
所 在 地
〒426−0086 静岡県藤枝市市原 1133
想定災害
東海地震
参加人数
全学年児童:453 人 保護者・地域住民:330 人
教 員:30 人 その他:50 人
活 動 内 容 東海地震では、藤枝市でも多数の人的被害が想定されているが、現状は地域住
民の理解が追いついていない。そこで、住民の理解を深め、人的被害を減らす
ために学校、保護者、防災関係者が連携して取り組み始めている。
06 ~ 08年度には図上訓練、災害時医療を学ぶ体験、09年度は医療関係者や
地域防災指導員の協力を得ての防災学習会を実施してきた。この取り組みが評
価され、09年度の「ぼうさい甲子園」では奨励賞に選ばれている。
10年度は、体験型の防災学習を目指し、携帯トイレ、LPガスのブースを実施。
災害時の深刻なトイレの問題を身近なことと捉え、家庭での対応を考えること
を狙い防災学習会を計画した。
活動を通じ、生徒らと地域住民の相互の関わりが増し、地域の防災意識が高まっている。また、独自のクロ
スロードと体験学習を展開している。
必ず起こる地震に対して実戦的訓練で備える
団 体 名
三重県:松阪市立朝見小学校
所 在 地
〒515−0024 三重県松阪市大宮田町 195
想定災害
東海・東南海地震
参加人数
子 供:113 人
大 人:316 人
活 動 内 容 近い将来の東海地震を想定し、将来を担う子どもたちに、
「災害時の
安全は自分達で守る」という自主防災力の充実や知識を身に付けるこ
とは緊急の課題、という認識に立ち、05年から学習を続けている。い
つでも起こりうる地震を想定し、全校体制で取り組んでいる。
訓練は10年度で6回目。例年多くの人に参加してもらうために防災
の日の9月1日を想定していたが、いつ起こるかわからない地震に備え
ようと暑い時期の7月4日に行った。09年12月には寒い中、炊き出しの
おにぎりを用意して防災訓練を行った。7月の訓練では、倒壊家屋救
出訓練、
安否確認、
要援護者支援、
など実践的な訓練を行った。今回は、
併設の朝見幼稚園の園児も全員が参加し、児童と一緒に防災意識を高
めた。訓練後、児童らは学年ごとに参加した体験を作文にまとめた。
防災訓練のアンケートと児童の作文の優秀作品は、校区で配布して
いる「あさみ会報」に掲載し、地域全体の意識向上にも努めている。
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体験型防災イベントで子供達に地震の対策を
団 体 名
三重県:松阪地域防災学習塾
所 在 地
〒515−0011 三重県松阪市高町 138
想定災害
地震災害、津波災害、風水害、火災
参加人数
チャレンジ!みえぼうさい学園 2010
小学生及び保護者:70 人 地震体験:150 人
活 動 内 容 東海地震、東南海・南海地震などの大規模災害の被害を最小限
に抑えるため、地域の人たちに防災意識を高めてもらおうと、07
年に松阪県民センターや周辺市町などが連携して「松阪地域防災
学習塾」を結成した。塾をベースに大人を対象にしたシンポジウ
ムや講演会などの啓発イベントだけでなく、子どもと保護者を対
象に防災に取り組んでいる。
10年度は、8月7日に体験型のイベント「チャレンジ!みえぼ
うさい学園2010」を開催。小学生の児童と保護者70人が参加し、
地震体験、降雨体験機を使った降雨体験などのほか、液状化実験
などもあり、親子で楽しみながら学んだ。また、情報を共有する
ための連絡会議も開き、他地域の事例も学ぶ工夫をしている。
小学校などからの出前講座の依頼も来るなど、活動が次第に知
られるようになってきているという。
学区の実地調査で防災安全マップ作り
愛知県:愛知県刈谷市立小垣江東小学校
所 在 地
〒448−0813 愛知県刈谷市小垣江町白沢 36
想定災害
地震災害
参加人数
6年生:47 人
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 6年生が、
自分たちの力でで地域のために何かできる事がないか?
と考え、総合学習の時間に防災に取り組んだ。
まず、阪神・淡路大震災の映像を見て、どんなことが起こったか
について学習した。その後、それぞれが地震に関して心配なこと、
知りたいことを挙げ、
「学び隊」
、
「備え隊」
、
「伝え隊」
、
「快適な生活
を送り隊」の4グループに分かれ、調べ学習を進めた。出前授業で、
ストローハウスを作り、地震に強い建物の仕組みを学んだり、アル
ファ米五目ご飯やカンパンの試食もした。
児童らは学んだ事を発表しあい、防災ハンドブックにまとめて全
児童に配り、家庭でも防災への意識を高めてもらうことも計画した。
学習を重ねる中で、児童らの方から地震や防災に関する新聞やテ
レビの話題を以前よりも口にするようになってきているという。
ゲームソフトを使ったユニークな防災学習
団 体 名
京都府:亀岡市立川東小学校
所 在 地
〒621−0008 京都府亀岡市馬路町野堀 1 − 7
想定災害
地震
参加人数
6年生全員:27 人
活 動 内 容 年間を通じて、避難訓練や防災学習に取り組んでいる。10年度は、
8月31日に、6年生が携帯型ゲーム機用の地震防災学習ソフト『地震
DS72時間』を使った防災学習を行った。ゲームに取り組みながら、
地震に備え日ごろ何を心がけておくことが大切か、起こった時にどの
ような行動を取ったらいいかをグループでの議論を通じて意見を出し
合った。
高知大、立命館大の教員や学生、京都府の防災担当職員らが講
師として参加。児童27人がチームに分かれ、議論しながらゲーム
機から出題される問題にチャレンジ。1問ごとに、講師役の大学
生が解説していった。校区が広く、登下校などで1人になる場合
や、家で1人で留守番をする機会も増えるため、在宅時に地震に
遭った場合の対応を判断する問題などを中心に出題されるように
し、児童らは自らに引きつけて問題を解いた。
チーム間で得点を競いながら、講師の解説や議論を通じて気付い
たことをグループごとに画用紙にまとめ、発表しあい、学習を深めた。
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地震のデータを把握、地震の予知と防災に
団 体 名
京都府:京丹波町立下山小学校
所 在 地
〒622−0201 京都府船井郡京丹波町下山上藤ヶ瀬 16
想定災害
全世界の地震
参加人数
6年生:15 人
大 人:4人
活 動 内 容 京都大学防災研究所地震予知研究センターが、地震計を多数設置し観測網を作ろうと進めている「満点計画」
に沿って、09年12月に5、6年生が学習し、学校敷地内に地震計が設置された。10年度も6年生が地震波を観
測しながら防災学習に取り組んだ。
児童らは地震計のデータを2カ月に1回程度取り出し、研究所に送り、解説を聞くなどしながら学習を深めた。
データの中にはチリで発生した地震の記録もあった。P波・S波という用語に接したり、地震の波動が音速より
も速いことを学ぶなど、児童たちは熱心に取り組んだ。
学習を通じ、児童たちはいざという時に備える知恵と知識を学び、正しい判断と行動力の基礎を習得すること
ができた。また、新たなことに積極的に取り組もうとする意欲の芽生えも見られたという。
犯罪と災害から子どもたちを守る取り組みを実施
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
京都府:久御山町立 東角小学校 東角校区 防犯・防災対策協議会
所 在 地
〒613−0031 京都府久世郡久御山町佐古東角 12
〒613−0032 京都府久世郡久御山町栄 1 − 1 − 117
想定災害
地震、火事
参加人数
全校生徒と教員:400 人 大 人:350 人
消防・行政関係者:100 人
活 動 内 容 99年12月、京都市伏見区で小学生児童殺害事件が起き、東角小
校区内でも児童の連れ去り未遂事件や不審者の出没が相次いだこ
とから、児童の安全や地域防犯に取り組む機運が地元で高まった。
01年6月、東角校区防犯・防災対策協議会が設立された。夜間パ
トロール活動や、校区総合防犯・防災訓練などを行っている。09
年度から東角小と共同開催し、児童が訓練に参加している。
10年度の東角校区総合防犯・防災訓練は10月30日に実施。学年
ごとに、バケツリレーや起震車体験、煙体験などに取り組んだ。
活動を通じ、地域全体の防犯・防災に対する関心が年々高まっ
てきているという。
地域と子どもの防災訓練
団 体 名
兵庫県:広陵ふれあいのまちづくり協議会
防災福祉コミュニティー 防災部 広陵小学校
所 在 地
〒651−1211 兵庫県神戸市北区小倉台
想定災害
災害全般(避難訓練)
参加人数
全児童:717 人 教 員:40 人
消防署:4名 防災コミュニティー:21 人
活 動 内 容 広陵ふれあいのまちづくり協議会福祉防災コミュニティーは、
地域ぐるみで防災について啓発するにあたり、将来を背負う小学
生を対象にすることが重要だとの考えから、広陵小と連携し10年
度の防災訓練を行った。数年前には、中学生対象のジュニアチー
ムができ、チームが地域の総合防災訓練に参加したことがある。
訓練は7月20日に広陵小校庭で実施し、児童や教員、保護者、
消防署員ら750人以上が参加した。水消火器や粉消火器を使った消
火訓練を主に行い、機器のしくみや使い方の手順などを学びなが
ら防災意識を高めあった。
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阪神・淡路大震災の被災地としての取り組み
団 体 名
兵庫県:神戸市立菅の台小学校
所 在 地
〒654−0143 兵庫県神戸市須磨区菅の台 4 − 3 − 2
想定災害
自然災害、人災
参加人数
全児童:310 人
大 人:50 人
活 動 内 容 阪神・淡路大震災を知らない児童が増えつつあるとして、震災
を風化させないために震災10年の05年から体験型の防災教育を
行っている。毎年1月17日前後に防災・避難訓練を行っており、1・
17の意義を考えることにしている。当初は高学年のみの学習だっ
たが、低学年でもできることを考え、全校で取り組むようになった。
10年度は1月12 〜 14日に全校児童310人と職員、地域の大人ら
が参加。1年生は避難用持ち出し品の学習、2年生は非常用飲料
水リュックを使った給水・運搬の体験、3年生は消火器の使い方、
4年生はバケツリレー、5年生は緊急電話のかけ方・応急手当、
6年生は心肺蘇生法をそれぞれ行った。
学年に応じた内容の学習を通じて、いざという時の対応を知る
ことができたほか、地域の方々との協力態勢を築くことができた。
これらの防災学習は大切な全校行事としてこれからも継続して
いくことにしている。
防災運動会で防災の意識高める
兵庫県:神戸市立本山第二小学校
所 在 地
〒658−0073 兵庫県神戸市東灘区西岡本 1 − 3 − 1
想定災害
地震
参加人数
5年生:230 人
老人会・PTA:60 人
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 95年の阪神・淡路大震災で児童4人が犠牲になり、校舎も大きな被害に遭いながら避難所になった。防災へ
の意識を高めるため、02年度から、毎年10月に防災にちなんだ競技を行う防災学習運動会を実施している。防
災学習運動会は毎年5年生中心に参加するほか、避難訓練や震災メモリアル集会などで震災の記憶を継承して
いる。
10年度は5年生230人と教員、保護者や地域の人らが参加。児童らは競技として、避難時に必要な物をリュッ
クにつめる「避難リュックに何つめる?」▽音の鳴る方に誘導してもらいながら避難する「うまく避難できるか
な?」▽防災四択クイズ▽担架リレー▽防災バケツリレー、の5種目に取り組んだ。
防災学習運動会は、児童らは防災の知識を身に付けるとともに、地域の人とのかかわりを深めることができる
ため、教科の枠を越えた学習の機会になっている。
環境と災害を関連付けての体験学習
団 体 名
兵庫県:ささやま環境防災みらい学校
所 在 地
〒669−2397 兵庫県篠山市北新町 41
想定災害
地震・風水害・火災等の災害全般
参加人数
小学生:26 人
大 人:21 人
活 動 内 容 篠山市内の子どもたちが、身近な自然・環境と災害・防災を関
連づけて学習することで、将来の環境保護と安全・安心のまちづ
くりを考えるきっかけにしてもらおうと09年度からスタートした。
10年度は市内の小学生と保護者の21組47人が参加した。5月か
ら12月まで、1泊2日の避難所体験キャンプや、半日から1日の
日程で行う生き物観察、地球温暖化と防災の学習など、県内で9
回活動。環境と防災への理解を深めた。
「みらい学校」を通じ、自然環境に興味を持ち、昆虫や魚の飼育
を始めた児童や、防災に興味を持った児童も現れた。今後も、こ
のように防災や環境に興味を持った「環境防災ファミリー」を増
やしていきたい考えだ。
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被災から 10 年、体験の風化させず
団 体 名
鳥取県:日野町立根雨小学校
所 在 地
〒689−4505 鳥取県日野郡日野町野田 271
想定災害
地震等
参加人数
6 年生:19 人
大 人:10 人
活 動 内 容 根雨小学校は00年の鳥取県西部地震の震源地の近くにある。10
年度は地震から10年の節目の年で、被災の経験と教訓を風化させ
ないために、鳥取県が京都大学防災研究所に防災教育事業を委託
し、モデル校として6年生が防災学習に取り組んだ。
児童たちは同研究所と一緒に地域の山中の観測点に地震計を設
置、年間を通じてデータ収集を行った。5月に地震計を設置し、
地震計のしくみや鳥取県西部地震などについて学んだ。9月には、
地震の体験談を地域の人から聞き取った。10月5日には、地震か
ら10年になるのに合わせ日野町で開催されたフォーラムに参加、
学んできた成果を発表した。
児童たちは、実際に地震計を管理することで、地震が身近な脅
威であることを体感し、実用的な知識を身に付ける事ができた。
また、情報収集や聞き取りで、災害と地域への関心・理解が深まり、
フォーラムの発表を通じての防災教育の普及を啓発し、地域全体で防災意識を高めることにもつながった。
子どもから高齢者全員で取り組むボランティア活動
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
鳥取県:日野ボランティア・ネットワーク
所 在 地
〒689−4503 鳥取県日野郡日野町根雨 130 − 1
想定災害
地震・風水害などの自然災害
参加人数
幼児〜大学生:毎月 10 人(町内の幼児・小学生中心)
青年〜高齢者:毎月 18 人
活 動 内 容 鳥取県西部地震の被災地日野町は、過疎高齢化が進む中山間地
にある。復興やコミュニティ再生などを目指し、01年に結成した。
地元では、高齢者の継続的なケア、さまざまな交流を通じた子ど
もたちの育成、団体間の連携促進などが活動の主な目的だ。
02年から、その月に誕生日を迎える70歳以上だけで暮らす高齢
者を、子どもと大人がプレゼントを持って訪問する活動を続けて
いる。年間約600人が訪問対象。09年10月には、日野中学校での防
災講演を企画し、10年には根雨小学校の防災教育にも協力した。
プレゼント企画では、児童が緊急連絡先を記したメッセージカー
ドを手作りのプレゼントと一緒に手渡し、高齢者は「いつも気に
かけてくれてありがとう」
「子どもの姿が見られて嬉しい」などと
感謝している。
子どもから高齢者まで多くのボランティアが長年活動を続けて
きたことで、地域では、助ける、助けられる、の垣根が低くなっ
てきているという。
小・中合同による避難訓練
団 体 名
山口県:岩国市立美川小学校
所 在 地
〒740−0504 山口県岩国市美川町南桑 2365
想定災害
台風による災害
参加人数
全児童:33 人
保護者、地域住民:40 人
活 動 内 容 05年9月5日の台風14号による錦川の氾濫で、美川地区は多くの民家が床上浸水するなど、大きな被害を
受けた。美川小の校舎も1階部分が浸水し、運動場には泥土が堆積し、回復までに数週間を要した。この水害
を教訓として、防災学習を続けている。
10年度は、6月の日曜参観日に全校児童が参加し、救命救急法を学び、災害時の炊飯を体験した。講習では、
バンダナを使った止血や、担架でけが人を運ぶ訓練などに取り組んだ。
また、9月には、美川中学校と連携し、地域の協力を得ながら、災害時の避難について周知を徹底するため
に避難訓練を行った。美川総合支所からの電話連絡で児童、生徒が体育館に避難。スクールバスで下校した。
スクールバスの運転手の手配など、いざという時の対応や連携も確認した。
児童らは活動を通じ、水害など災害時に自分にできることについて考えを深めることができた。
「命の教育」
である防災学習をこれからも続けていくことにしている。
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地震による津波の恐怖
団 体 名
徳島県:鳴門市立里浦小学校
所 在 地
〒772−0021 徳島県鳴門市里浦町里浦字西浜 401
想定災害
南海地震・東南海地震
参加人数
幼年少〜小学6年生:226 人
大 人:50 人
活 動 内 容 東南海・南海地震が起こった場合、地震発生から約45分で津波が学
校から数百メートルの距離にある大手海岸に到達するといわれている。
液状化で堤防が決壊する可能性も考えられ、学校周辺は海抜0メート
ル地帯も多いため、地震と津波に備えるための防災避難訓練を毎年1
月続けている。
避難訓練は、里浦町自主防災会連合会や地元警察、消防、消防団
の協力を得て企画。起震車による揺れ体験、煙体験、消火訓練などの
ほか、負傷者を模した児童の救助・救護訓練を行うなど総合的な訓練
にしている。校舎が古く、震度6程度の揺れで倒壊する危険もあるこ
とから、学校から約1キロ離れた陸上競技場まで徒歩で避難している。
地域と連携した防災教育・防災避難訓練を行うことで、児童や地域
の人の間では防災意識が高まっている。
避難所としての学校、その取り組み
徳島県:吉野川市立鴨島小学校
所 在 地
〒776−0010 徳島県吉野川市鴨島町鴨島 564
想定災害
南海地震・東南海地震
参加人数
09 年度6年生:85 人 10 年度 6 年生:55 人
保護者・自主防災組織・地域住民
応募団体紹介(小学生)
団 体 名
活 動 内 容 将来の東南海・南海地震で、地域住民が学校に避難してくるこ
とを想定し、07年度から、6年生が地震の怖さを知り、避難所の
運営についてやルール作りなどの学習を重ね、地域に発信する学
習を続けている。
09年度は、11月から2月にかけて学習。11月に阪神・淡路大震
災直後の神戸市の様子を映像で見て、地震が起きた時に街がどう
なるかを知った。12月から1月にかけては、消防署や徳島大学の
教員の指導を受けながら、起震車体験や心肺蘇生法の学習に取り
組んだ。2月には保護者や自主防災組織、自治会の人を招き、学
習内容を発表した。10年度も同様に調べ学習などに取り組んだ。
避難所のルールを考えることを通じ、児童らは弱者への配慮に
着目し話し合ったりもした。市の備蓄品を調べ、家庭でも非常食
を備えることが必要だと地域住民に啓発した。
徳島県防災教育推進モデルに指定
団 体 名
徳島県:小松島市和田島小学校
所 在 地
〒773−0025 徳島県小松島市和田島町字山のはな 8
想定災害
南海地震・東南海地震
参加人数
全学年:304 人
大 人:4人
活 動 内 容 09年度に徳島県防災教育推進モデル校の指定を受け、坂野中学
校区(和田島小校区、坂野小校区)で連携し、3校同時に訓練、
学習をする防災登校日を実施した。モデル校の指定が終わった10
年度も引き続き、地域との連携を重視し防災学習を進めた。
6月21日には、全校児童が1946年の南海地震の経験者に当時の話
を聞いた。9月2日には、南海地震を想定し、幼稚園と合同で避難
訓練を行った。10月1日には4年生が総合学習の時間に、防災につ
いての基礎地域を学び、実際に避難袋を用意する学習も行った。
体験者から生の話を聞いたり、模擬実践するなど具体的な活動
を通して学びを深めることで、児童の防災に関しての興味関心は
高まりつつあるとともに、地域との連携も深まってきている。
29
防災対策で自助・共助の精神を学ぶ
団 体 名
愛媛県:宇和島市立蒋淵小学校
所 在 地
〒798−0211 愛媛県宇和島市蒋淵 983
想定災害
地震、津波、土砂
参加人数
全児童:(09 年度 24 人 10 年度 21 人) 教 員:7 人
保護者:20 人 地域住民:10 人 関係諸機関:15 人
活 動 内 容 海岸部に位置する学校にもかかわらず、09度の避難訓練時、
「地震発生時の心配
は?」の質問に児童も教員も全員が「火事」と答えたことが、防災学習を始めるきっ
かけになった。地域探索を通して、地域の地理的特徴を知り、想定される被害を考
えたり、地震や津波のメカニズムなどを学びながら、
「自分の身を自分で守るための
防災対策」への関心を高めようと活動している。
10年度は全校児童21人と職員、保護者、地域住民らが活動。前年度に3〜6年
生が地域をフィールドワークしてハザードマップを作成していたが、6年生は改めて
防災マップを作るため、高潮、津波、土砂災害の観点から地域を探索。マップを保
護者や地域住民に説明する機会も設け、防災について呼びかけた。
砂防学習にも取り組み、6月には土砂災害に結びつく大雨について学ぶため、
宇和島市危機管理課の指導で雨量計を作り、雨量観察を開始。7月には「砂防
学習会」を開いた。地域の急傾斜地の崩壊対策工事現場を見学したほか、6年生がマップ作りについて発表し
たりもした。
活動を通じ、児童も教員も、防災に対する意識が1年前とはまったく変わってきている。また、マップ作りの活動
を通して、危険箇所を明確にすることができたほか、防災学習の大切さを地域に発信することもできた。
応募団体紹介(小学生)
30
「自分の部屋」点検で防災意識高める
団 体 名
北海道:当別町立弁華別中学校
所 在 地
〒061−0208 北海道石狩郡当別町弁華別 429
想定災害
地震
参加人数
1年生:6人 2年生:7人
3年生:8人
活 動 内 容 毎年行ってきた宿泊体験学習を、07年度から「防災」をテーマ
にして取り組んでいる。また、地域にある「当別断層」を題材に、
各地の災害について広く学習しており、災害に関する新聞記事や
ティッシュ箱大の断層模型を使いレポート作成のほか、消防、町
などと連携した応急処置・消火体験・非常食訓練・災害図上訓練
などの総合訓練も行ってきた。
10年度は、全校生徒21人が「自分の部屋」点検を実施した。地
震を想定し、自分たちが住んでいる「家」や「部屋」に着目し、
危険な箇所を点検。図面にまとめ、発表しあった。家族で防災点
検を行うことで、家族で防災について話し合う機会もできた。
地域を知ることで、どのような対処や備えが必要なのか、自分
たちができることは何か、を学習することができ、地域との交流、
連携も深まっている。
「自助・共助・公助」の視点から防災を学ぶ
宮城県:宮城県気仙沼市立階上中学校
所 在 地
想定災害
大地震、津波
参加人数
〒988−0238 宮城県気仙沼市長磯中原 125
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
活 動 内 容 太平洋に面している階上地区は過去に何度も津波被害を受けてお
り、また断層があることから地震発生時には多大な被害が予想され
る。近い将来高い確率で起こるとされる地震に備え、防災に関する
知識を学び、冷静な判断で地域と協力できる中学生を育てる取り組
みを続けている。夏には体験学習、秋には総合防災訓練を行ってお
り、06年は公助、07年は共助、08年は自助をテーマとし、09年のテー
マは再び公助だった
10年のテーマは共助。1年生は気仙沼市内の津波体験館で映像や
振動、風などで津波を疑似体験し、明治の三陸大津波など過去の災
害を学んだ。2年生は地元消防などの協力を得て、体育館で心肺蘇
生や三角きんを使った応急手当を体験。3年生は空き缶を使った炊
飯「サバメシ(サバイバル飯炊き)
」に取り組んだ。空き缶2缶と燃
料にする牛乳パック3本を各自用意。空き缶に米と水を入れアルミ
ホイルでふたをし火にかけ、炊きあがると缶詰をおかずに味わった。
活動を通じ、地域の防災訓練に自主的に参加する生徒が増えるな
ど、生徒の防災意識は高まっている。
防災学習によって地域社会づくりの担い手に
団 体 名
宮城県:宮城県丸森町立丸森東中学校
所 在 地
〒981−2402 宮城県伊具郡丸森町金山字長根 63 − 1
想定災害
地震
参加人数
全校生徒:50 人 地域住民:92 人
教職員:13 人
活 動 内 容 少子高齢化が進む中山間地にあり、全校生徒50人の小規模校。
保護者は共働きが多く、平日の日中は地元には小中学生と高齢者
のみとなるため、08年度、中学校と住民との連携を目指す学校支
援組織「丸東・改援隊」が設立された。09年度からは日中の地震
発生を想定し、地域主体の防災訓練を行うことになった。
10年度は、5月22日に学校で地域防災訓練と地域防災シンポジ
ウムを開催、全校生徒と地域住民、職員ら100人以上が参加した。
体育館に避難所を設置し、避難してきた住民に生徒らが血圧を測
る手伝いなどの健康チェックや、炊き出し訓練などを行った。避
難者として視覚障害者にも参加してもらい、受け付け係の生徒は
点字のパンフレットも作成した。続いて行ったシンポジウムでは、
東北大地震・噴火予知研究観測センターの海野徳仁センター長を
招き、講演を聴いた。
活動を通じ、中学生と地域住民の間に、訓練の必要性や重要性
が認識されるとともに、互いの信頼関係も深まっている。
31
全生徒で行った全員安否確認
団 体 名
宮城県:南三陸町立歌津中学校
所 在 地
〒988−0453 宮城県本吉郡南三陸町歌津字伊里前 123
想定災害
地震、津波
参加人数
全校生徒:178 人
活 動 内 容 過去に何度も津波被害を受けた三陸沿岸地域にあり、1年生の
総合的な学習の学年テーマに「防災」を位置付け、調べ学習や防
災マップづくり、救急救命法の学習などに取り組んできた。09年
からは、1960年にチリ地震津波が起きた5月24日に合わせた町主
催の防災訓練に参加し、生徒の意識を高めようと取り組んでいる。
10年度、1960年のチリ地震津波の被害に遭った阿部友昭校長が
着任した。5月の訓練を前に生徒たちは阿部校長の講話を聴いた。
阿部校長は「身一つで逃げることが大切」
「自分の命が守れたら、
自分でできることを考え、行動に移すことが大切」と説き、生徒
たちは熱心に聴き入った。
海岸沿いの道路を通って学校に通ってくる生徒もいるため、全
員が学校に集合する訓練は危険だという考え方から、訓練当日は、
全校生徒が地区ごとに避難し、安否確認する訓練を行った。
今後も、地震や津波の際には「地域から死者を1人も出さない」
という意気込みで学習を続けていくことにしている。
レンジャー隊を設立、リーダーの育成に
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
東京都:墨田区立吾嬬第一中学校 レンジャー隊
所 在 地
〒131−0043 東京都墨田区立花 5 − 48 − 9
想定災害
東京大震災
参加人数
09 年度:30 人 1年生:11 人 2年生:6人 3年生:13 人
10 年度:17 人 1年生:2人 2年生:9人 3年生:6人
活 動 内 容 関東大震災において壊滅的な被害を受けた墨田区にあり、地域
の防災のリーダーとなる中学生を育成するため、07年4月にレン
ジャー隊を結成した。地域・消防署・区などが主催する様々な防
災訓練に参加するほか、将来の災害時に自分の身を守った上で地
域の人を助けることができる人間になることを目的に、月2回の
訓練に取り組んでいる。
普段は救命救急法や応急手当の訓練などを行い、隊員全員が救
命救急の認定資格講習を受講している。
10年度は、5月に墨田区や地元消防署が主催した「消防団合同
水防演習」に参加し、
9月には「墨田区総合防災訓練」に参加した。
区と連携して、災害時用の飲料水ろ過装置、炊き出し用器具、発
電機、投光器を使用した訓練に取り組んだ。
隊員は、防災訓練に参加することで、地域防災の啓発に貢献し
ていることを実感している。また、活動が新聞やメディアで紹介
され、防災教育を広めることにも繋がっている。
地震の時は?紙芝居を使って地震を理解
団 体 名
岐阜県:岐阜県立飛騨特別支援学校中学部
所 在 地
〒506−0058 岐阜県高山市山田町 831 − 44
想定災害
東海地震
参加人数
中学部生徒:41 人
教職員:22 人
活 動 内 容 地震体験などを通して防災意識を高めようと、岐阜県が09年度
から行っている「自助実践200万人運動」の一環として、10年度は
中学部の生徒が9月に防災訓練に参加した。
県飛騨振興局の職員が紙芝居で、地震の際の対応の仕方を紹介、
理解を深めた後、運動場で地震体験車に乗車。大地震の揺れを体
感し、地震の恐ろしさを実感した。
また、春と秋にはそれぞれ火災、地震を想定した避難訓練も続
けている。
32
より具体的な訓練で生徒に危機管理能力を
団 体 名
静岡県:静岡県三島市立中郷西中学校
所 在 地
〒411−0816 静岡県三島市梅名 854 − 1
想定災害
地震等の各種災害
参加人数
全校生徒:町内会長、地域住民、消防関係者、
防災関係者
活 動 内 容 東海地震の危険性が叫ばれて久しい中、大地震に備え避難訓練
を行ってきたが、危機意識を持って訓練に臨む生徒は少なく、地
域防災に参加する生徒も少ないという課題があった。そこで、08
年度に、学校防災推進協力校の指定を受け、
「防災についての知識
と対応能力を持ち、地域の一員として貢献できる生徒の育成」を
目指して教員、生徒、地域が一体となった防災教育に取り組んで
きた。
10年度は、全校生徒と7地区の町内会長、防災会長を対象とし
た防災アンケートを実施した。不安を感じている自然災害につい
てや、地区で大きな被害が出たときどのような行動を取るか、な
どを尋ねた。また、火事・地震を想定した各防災訓練も行ったほか、
1年生を対象としたHUG(避難所運営ゲーム)も行われた。
活動を通じ、災害時や日常生活での危機管理能力が高まった。
また、地域住民とのコミュニケーションが深まり、生徒の意識の
中には地域との結びつきの必要性や郷土愛も芽生えてきた。
地域と全国に発信されるひまわり活動
静岡県:静岡県富士市立大淵中学校
所 在 地
〒417−0801 静岡県富士市大淵 2910
想定災害
東海地震
参加人数
全校生徒:412 人 教員、PTA・保護者、各
地区長
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
活 動 内 容 04年の修学旅行で神戸を訪れた際、阪神・淡路大震災をきっかけ
に各地の被災地支援を続けるNPO法人「ひまわりの夢企画」
(神戸市)
の荒井勣さんから当時の話を聞き、ヒマワリの種をもらった。そこで、
学校でも思いやりの心を広めようとヒマワリを育てる活動を始めた。
毎年9月1日の「防災の日」に学習したことを地域住民に発表したり、
ヒマワリを育て、種を老人ホームなどに寄付するなどしている。09年
度からは、ヒマワリの茎をトイレットペーパーの材料にしてもらうプ
ロジェクトに参加している。
10年度は、4月にジャンボヒマワリの種植えをし、5月の修学旅行
では神戸を訪れ、人と防災未来センターなどを見学した。6、7月に
は、
家庭科で
「すまいの安全対策を考えよう」
というテーマに取り組み、
夏休みには家族で防災会議をし、レポートを作成した。また、防災の
日に合わせ、
防災学習の成果を19地区で実施し、
地域への提言をした。
活動を通じ、地域からは子どもだけでなく、大人の意識も変わって
きたと好評を得た。ひまわり活動も地域に根付き、
「ヒマワリの種が
欲しい」という問い合わせも来ている。
ハザードマップで地域に発信
団 体 名
静岡県:富士宮市立芝川中学校
所 在 地
〒419−0315 静岡県富士宮市長貫 1267 − 1
想定災害
東海地震
参加人数
1年生:54 人
大 人:15 人
活 動 内 容 学校は富士川流域に近く、まさにフォッサマグナの真上にある
と言える。富士川河口断層帯での東海地震の発生率は30年以内に
87%といわれている。09年8月の駿河湾地震では近くを通る断層
に沿って家屋に被害が出たほか、近くの白鳥山の周辺で土石流の危
険性が顕著になっていることから、地域の地震ハザードマップを作
成し、地域に発信するのが活動の目的。
10年度は、5月に総合学習の中で、学校が避難所になったことを
想定して体験学習をおこなった。地元消防署員から救急救命法を学
び、炊き出し訓練を行った。9月には地域総合防災訓練に参加した。
10月には、過去の地震災害についての講話を聞き、実施調査を
計画。過去の地震で崩れた場所や建物が倒壊した場所を調査し、ど
のような場所が危険かを地図に記入するなどして分析した。
今後は、地域の郷土研究者にも協力してもらい、講演や講話を続
ける予定。生徒の興味、関心は高く、地域に貢献していこうとする
意欲も表れ始めている。
33
若い世代から若い世代に震災の教訓を伝える
兵庫県:東川崎ふれあいのまちづくり協議会防災部会
団 体 名 「東川崎防災ジュニアチーム」
(神戸市立楠中学校生徒) 所 在 地
〒650−0044 兵庫県神戸市中央区東川崎 5 −1−1東川崎地域福祉センター
〒650−0017 兵庫県神戸市中央区楠町 4 − 2 − 5(楠中学校)
想定災害
1年生:2人 2年生:13 人 3年生:4人 教員、地域住民、消防団
災害全般(地震、火災等)
参加人数
活 動 内 容 阪神・淡路大震災は神戸の街に大きな傷跡を残した一方、地域
に住む人たちが助け合うことの大切さを教えてくれた。この教訓
をきっかけに、東川崎地域に防災福祉コミュニティができ、地域
の防災訓練などの活動が行われるようになったが、若い世代の参
加はなかなかなかった。そこで、将来を担う若者による地域参加
の試みとして96年秋「東川崎防災ジュニアチーム」が発足した。
神戸でジュニアチームは初めての存在で、その後の手本となった。
活動は6月の任命式から翌年3月の修了式までで、原則毎月1
回活動し、消防学校で消火・救助訓練を行ったり、炊き出し訓練、
中学校での成果披露などを年間通じて行っている。
10年度は神戸市立楠中の生徒19人が参加した。6月の任命式に
続き、規律訓練で立ち方や敬礼の仕方・行進する時の歩き方など
を学んだ。7月には小型動力ポンプ操法訓練を行い、8月には震
災対応宿泊訓練に取り組んだ。宿泊訓練は、震災の教訓を風化さ
せることなく伝え、災害発生時に行動できる力、助け合うことの
できる心を養い、互いの絆が芽生えるようにと行った。
活動では、市民救命士の資格取得など即戦力的な成果のほか、
震災を知らない子どもたちが、教訓を学びながら防災に取り組む
ことで、意識が高まり、将来の地域のリーダーになるという大き
な成果も期待されている。
中学生の力を地域の力に変える
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
兵庫県:神戸市立須佐野中学校 防災ジュニアライセンスチーム
所 在 地
〒652−0881 兵庫県神戸市兵庫区松原通 1 − 1 − 44
想定災害
火災
参加人数
1年生:107 人
大 人:80 人
活 動 内 容 阪神・淡路大震災をきっかけに中学生の力を地域に役立てようと防
災ジュニアライセンスチームの活動が始まった。毎年1年生を対象に消
防体験活動を行っている。活動の目的は、防災上必要な知識と技能を
身に付けることと、火災に関する具体的な予防、防止的な学習、火災
時における適切な処置と対応ができるようになることだ。
10年度は6月3日に、消防体験活動を行った。起震車体験や煙体験
のほか、簡易担架による救助活動などにも取り組んだ。男女2列(男
63人、女44人)に並んで行ったバケツリレーでの消火活動では、生徒
たちは目標の的に向かって勢いよくかけた。
体験した生徒には、協力団体からライセンスカードが贈られている。
また、
心肺蘇生法講習やけがの手当法講習といった活動も企画している。
活動を通じ、防災に対する意識が高まるとともに、地域の人やさま
ざまな団体の人と交流することで、地域の一員としての意識も高める
ことにつながっている。
子供と高齢者との共同訓練の実施
団 体 名
兵庫県:大黒地区防災福祉コミュニティ
所 在 地
〒654−0024 兵庫県神戸市須磨区大田町 5 − 3 − 10
想定災害
地震、火災(予想)
参加人数
小学2〜6年生、中学生:120 人 大 人:40 人
活 動 内 容 阪神・淡路大震災では、地域は火災で大きな被害を受け、初期消火
の重要性が浮き彫りになった。震災体験を風化させないために、災害
時に避難所となる小学校での宿泊体験を中心とした総合訓練を続けて
いる。高齢者と子どもばかりになる平日の昼間に災害が発生した場合
に備えて、小・中学生と高齢者を中心とした訓練を05年から毎年行っ
ており、
地域の妙法寺川をせきとめて消火訓練などにも取り組んでいる。
10年度は、8月1、2日に、災害時に避難所になるだいち小学校で
宿泊体験をしたり、訓練に取り組む「がっこうにとまろう」を開催した。
小中学生が、簡易担架の組み立てや小型動力ポンプの取り扱いと放水、
バケツリレーなどに取り組んだ。老人会や保護者、神戸女子大などの
協力で炊き出し訓練や防災ゲーム、防火扉が閉められた真っ暗な校舎
内を、消防署員の説明を聞きながら探検した。小学生約70人が宿泊し、
翌日はバケツリレーで植え込みに水まきを行うなどした。
宿泊体験を通して、楽しみながら防災について考えることができた。
また、地元の小中学校、消防団、大学など、さまざまな機関が協力し、
地域に一体感が生まれた。
34
消防団員と共に地域防災の一員に
兵庫県:多可町教育委員会
団 体 名 (多可町立中町中学校、加美中学校、八千代中学校)
所 在 地
〒669−1134 兵庫県多可郡多可町中区茂利 20
想定災害
全校生徒:801 人 消防団員・集落役員:700 人
火災
参加人数
活 動 内 容 地域の中で顔見知りを増やすことでつながりを深め広げようと、
中 学 生 が 消 防 団 員 の 指 導 で 活 動 体 験 す る 取 り 組 み を07年 度 か ら
行ってきた。内容は各集落消防団に考えてもらい、これまで、防
火水槽の清掃、消火栓など消防水利の点検、ポンプの点検・操作
訓練、消火器訓練などを実施してきた。
10年度は、さらに実践的な防災活動につなげようと、中学生が
実践活動を企画。昼間は仕事などで町外に出ている大人が多いた
め、中学生に自分の住む地域を自分たちの手で守る自覚を培って
もらうことがねらい。1〜3年の生徒801人と消防団員・集落役員
約700人が対象となった。学習内容も基本的に統一し、集落内の消
火栓の場所を確認し、点検・操作方法の指導を受け、消防団員か
ら点検・操作方法の指導を受け、集落内の独居老人宅や危険箇所
の確認も行うことにした。
これまでの活動から、消防団員が集落の住民を守るという責任
ある活動をしているということを知るとともに、集落内の消防設
備の場所や使い方を教えてもらい、整備の手伝いをすることで、
いざという時に自分ができることを考える機会になっている。
専門家誘致による生徒の防災意識の向上
奈良県:奈良市立春日中学校
所 在 地
〒630−8325 奈良県奈良市西木辻町 67
想定災害
地震
参加人数
全校生徒
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
活 動 内 容 奈良市の教育改革(防災教育)推進プログラムのモデル校となっ
たのを機に、生徒の防災意識を高めようと活動を始めた。防災の
学習の柱は①地域の自然環境、災害や防災についての基本的事項
を理解する②日常的な備えを行うとともに、状況に応じて自らの
安全を確保するための行動をする(自助)▽災害発生時や発生後、
他の人々や地域の安全に役立つことができる(共助)
の三つだ。
09年度は済美地区自主防災訓練が中学校で行われ、生徒会や生
徒有志が参加。心肺蘇生法や消火器の取り扱い、放水訓練などに
取り組んだ。11月の集会で生徒会が活動を報告した。2年生は、
総合学習の一環として防災に関する調べ学習に取り組んだ。30の
テーマを設定し、班ごとに壁新聞にまとめた。
また、ゲストティーチャーによる授業では、奈良大の研究者を
招き、学校近くの活断層について学んだ。生徒たちは活断層から
自宅までの距離を測りながら、家で地震に備えることの大切さを
認識したり、地域のハザードマップを使い、危険箇所にシールを
張る作業をした。さらに明治時代と現在の航空写真を見比べ、明
治時代には田や池だった場所に家が建っており、地盤が弱いため
地震では揺れが大きくなることなども学んだ。
生徒の防災意識が高まることで、家庭や地域の意識も高まるこ
とを期待し活動を続けている。
ボランティアと生徒が一緒になり、防災番組を制作
団 体 名
和歌山県:紀の川市立荒川中学校
所 在 地
〒649−6122 和歌山県紀の川市桃山町元 249
想定災害
地震
参加人数
1〜3年生:16 人 防災ボランティア:3人
担当教員:2人
活 動 内 容 08年度に「きのくに共育コミュニティー推進事業」の指定を受け、
学校も地域も生徒の学習を通じてともに育っていく元気ある学校・
地域づくりを目指し活動している。防災教育を柱の一つとして位置
付け、
「あらかわ防災ステーション」を設立し地域のボランティア
と生徒が一緒に防災番組をつくることで、防災力を高める取り組み
をこれまで行ってきた。
これまで、校内放送の原稿作成と録音、放送を行った。10年1月
には、地元の自主防災組織の人たちを取材。校区を生徒と地域の人
と一緒に歩き、危険な場所や避難場所を確認しながら学校に集合し、
学校を見学する取り組みの様子を地域の人のインタビューを交えて
収録、放送した。また、09年1〜3月に校内放送した44回分の放送
台本を冊子にした「
『あらかわ防災ステーション』番組放送収録集
〜 12歳からの被災者学編〜」を作成し、関係機関に配布した。併
せて、現地インタビュー編・地域防災情報編をCD化し、冊子に加
えた。
今回の活動は、生徒と地域ボランティアが一緒に防災番組作りに
取り組みながら防災を学び、校内放送を聴く生徒や教師も学ぶ、と
いうもの。成果として、放送にかかわった生徒のほとんどの防災意識が高まり、防災知識を得ることができた。
また、聴いた生徒も資料を使っての学習より、トーク番組風の放送番組の方が身に付き、印象に残ったと答えた。
35
生徒の希望による地域住民との野外調査
団 体 名
高知県:高知市立愛宕中学校
所 在 地
〒780−0047 高知県高知市相模町 1 − 54
想定災害
南海地震
参加人数
全校生徒:443 人 教 員:40 人
保護者・地域住民:55 人
活 動 内 容 将来の南海地震に備えようと、04年度から防災教育を始めた。
1年生は講演会、2年生は基礎講座、3年生はマップや新聞づくり、
と3年計画で行っている。
1、
2年生は防災に関する基礎知識や技能を身に付け「生きる力」
を養い、3年生は地域でフィールドワークをしながら、災害時に
どんな活動ができるかを考えることが狙い。
10年度は6月16 〜 17日に実施した。3年生は6人前後の24班に
分かれ、カメラやノートを手にそれぞれが担当する校区内の地域
でフィールドワーク。半日かけて地域の人と歩き、危険個所を確
認したり、自主防災組織の取り組みの説明を聞くなどした。教室
に戻ると防災マップや防災新聞を作り、体育館で発表会を開いた。
活動を通じ、お年寄りや障害者への対応や道幅、壁など改善す
べき地域の課題が見えてきた。生徒の地域を見る視点が変わり、
防災意識も高まっている。
復旧から復興へ、砂防堰堤のジオラマで災害伝える
応募団体紹介(中学生)
団 体 名
山口県:水の自遊人しんすいせんたいアカザ隊中・高校生部
所 在 地
〒747−0001 山口県防府市岩畠 1 − 3 − 7 − 2
想定災害
豪雨等の水害
参加人数
1年生:1人 2年生:2人
高校1年生:1人 講師含め:3人
活 動 内 容 05年から防府市の各校区の子どもが集まり、主に、川・水から自分
たちの街を知る活動を続けている。具体的には、水質調査、支流探検、
河川清掃、ダム見学など。
08年は聴覚障害のある人とのコミュニケーションが取れる手話「ぼ
うさいサイン」を考案してきた。09年7月21日に防府市が豪雨に見舞
われ、市内で14人が亡くなった。子どもたちは災害を振り返り、忘れ
ないために、新聞や絵本にまとめた。被災者を支援したボランティア
の体験談を取材。被災した隣家を気にかける住民の心情を知った。一
方、土砂の搬出ボランティアにかかわった聴覚障害者からはぼうさい
サインが役に立ったと聞かされた。
豪雨災害から1年。さまざまな形で被災地と関わってくるうちに「砂
防堰堤」という言葉を聞くようになった。
「砂防堰堤とはなんだろう?」
と思い、10年度は砂防堰堤について学ぶことにした。国土交通省の砂
防担当者から土砂災害から地域を守るという役割について聞き、
「砂防
堰堤のことをもっと知ってもらおう」
と砂防堰堤のジオラマを製作した。
ジオラマを多くの人に見てもらい、砂防堰堤の働きや豪雨を忘れず、
備える大切さを伝えていくつもりだ。
将来を担う子供達に「自助」の意識を
団 体 名
大分県:大分市立賀来小中学校
所 在 地
想定災害
地震、火災
参加人数
活 動 内 容 将来を担う子どもたちに「自分たちの町は自分たちで守る」という意
識を持ってもらいたいと00年、
「かた昼消防団」が結成された。
「かた昼」
とは、
「半日」という意味で使われている。中学生を半日だけ消防団に
任命し、年2回の火災予防週間の期間中、火災予防の広報活動・放水
訓練などを大分市消防団賀来分団と連携して行ってきた。
09年11月に実施した「かた昼消防団」は67人の生徒が参加。女子生
徒は防火パレード、男子生徒は消防中継訓練に参加した。心肺蘇生法
も学んだ。10年7月の「夏休み子供防災教室」では、消防署で6年生
有志が防災訓練を行い、放水訓練・地震体験・消防機器の取扱いなど
に取り組んだ。
活動を通じ、子どもたちの防災意識が高まったほか、学校と地域、
消防機関との連携も深まっている。
36
〒870−0877 大分県大分市大字賀来 101 − 4
「かた昼消防団」子 供:67 人 大 人:85 人
「夏休み子供防災教室」子 供:16 人 大 人:2人
災害を想定し、過去の水害忘れない
団 体 名
鹿児島県:鹿児島県出水市立米ノ津中学校
所 在 地
〒899−0131 鹿児島県出水市明神町 100
想定災害
水害、火事、地震、不審者等
参加人数
全校生徒:407 人 講 師:84 人
教職員:34 人 保護者:100 人
活 動 内 容 97年7月、校区の針原地区で土石流災害が起き、死者21人の大
きな被害がでた。この災害を教訓に06年に「第1回災害を想定し
た体験活動」を行った。その2カ月後に県北部水害が発生し、出水
市も被害を受け、生徒も救援活動に参加。災害は「起こるもの」と
いう意識が強くなった。そこで、地震・洪水・がけ崩れなどの災害
発生を想定し、救出・救護活動や水防活動を素早く行えるように体
験学習の取り組みを継続した。また、水害を忘れないための全部活
動生による校区内ボランティア清掃活動も07年から始めた。
10年度は6月に体験学習を実施し全校生徒が参加した。負傷者
運搬や着衣水泳、倒木切断など19のコースから1人3コースを選
択し、災害に対する知識と初歩的技能、心構えなどを身に付けた。
体験学習で、災害後に行動できる人材の育成を目指す活動を11
年度も続けていくことにしている。
応募団体紹介(中学生)
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液状化しやすい立地での防災学習
団 体 名
千葉県:千葉県立千葉西高等学校
所 在 地
〒261−0012 千葉県千葉市美浜区磯辺 3 − 30 − 3
想定災害
地震
参加人数
全校生徒・全職員 磯辺地区住民
活 動 内 容 学校がある磯辺地区は約40年前に東京湾を埋め立てて造成され
た地域。87年に発生した千葉県東方沖地震では学校周辺でも液状
化現象が発生した。また、地区は少子高齢化が進んでいるため、
地域と学校の連携を深めながら、自助・共助の意識を高めること
を目指し、生徒と地域住民が、地域の災害の特性を中心に防災に
ついて学んでいる。例年、年1回防災避難訓練と防災講話を行っ
ていたが、09年7月に初めて、自治会などに声をかけ、地域住民
と合同防災避難訓練・防災講演会を行った。
10年度は、全校生徒が学習に取り組んだ。意識啓発のための防
災通信を配布、住民にアンケートも実施した。7月には防災関連
行事を重ね、防災講演会や防災訓練を行った。学年ごとに、消火、
搬送などに取り組んだ。また、液状化のメカニズムを知り、学校
周辺で今後液状化が起こりうるのか探るため、グラウンドのボー
リング調査を行った。3メートルの深さまで調査し、1.8メートル
が地下水位で、2メートルを過ぎると地下水を多く含んだ層が非
常に柔らかい流体のようになっており、今後大きな地震の際には
学校周辺でも再び液状化が起こるのではないか、と分析した。
学習内容は地区で発表する機会もあり、学校・地域・関係機関
のネットワークが作られている。
挟んでいる川を知り、水害から身を守る
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
千葉県:千葉県立市川西高等学校
所 在 地
〒272−0833 千葉県市川市東国分 1 − 1 − 1
想定災害
台風、局地的大雨等の水害
参加人数
全校生徒:475 人
教職員、市川市住民等、自治体
活 動 内 容 学校は正門前を流れる春木川と、裏門前を流れる国分川に挟ま
れ、二つの河川が合流する三角地に位置している。そのため、ゲ
リラ豪雨や台風などで河川が氾濫した際被害を受けることが想定
され、水害を想定した学習や地域と連携した防災教育の必要性か
ら、学習を続けている。これまで、防災講演会や防災訓練、河川
愛護ボランティアを実施してきた。
10年度は、二つの川についてさまざまな観点から調査し学んだ。
治水対策や、水害に対する意識調査などを行った。文化祭では防
災ブースを設置し、ポスターセッション形式で地域住民らに水害
防災啓発を行った。小学校での出前授業も企画した。
調査を通じ、生徒たちの環境保全への意識が高まった。また、
災害時に自己の安全を確保し、高校生として周囲のために何がで
きるか考えることで、ボランティア活動への理解と社会の一員と
しての意識が高まっている。
地域全体での防災訓練を実施
団 体 名
神奈川県:神奈川県立高津養護学校
地域ネットワーク推進会議
所 在 地
〒213−0035 神奈川県川崎市高津区向ヶ丘 16
想定災害
地震
参加人数
小学生:50 人 中学生:30 人 高校生:100 人
教職員:90 人 保護者:80 人 地 域:100 人
活 動 内 容 07年度から、文部科学省の地域活性化推進事業として、地域町会・
自治会や障害者施設と連携し「大規模災害時障害者等要援護者支援
のための防災シミュレーション訓練」を実施してきた。協働の訓練を
通して、避難所設営など地域防災のあり方を探るとともに、要援護
者と地域住民との交流の機会にし、障害について理解してもらいな
がら地域の活性化につなげている。
10年度の「防災シミュレーション」は、
避難所設営、
避難テント設営、
要援護者支援、炊き出し、足湯訓練などを企画した。児童と保護者
も実際に避難所設営やトイレ用水運搬を体験する内容。これらの経
過内容を報告書にまとめ、
「実践報告会」を行うとともに、地域防災
リーフレット
「防災コミュニティーカレンダー」
を発行することも企画。
地域住民と関係機関に役立ててもらうことにした。
特別支援学校として、地域の人の学校理解、障害理解は欠かせな
い。これまでの取り組みは、
地域の人に期待を持って迎えられている。
今後も、
地域で安心して暮らせる社会づくりに寄与していきたい考え。
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2度の震災を経験しての新しい取り組み
団 体 名
新潟県:新潟県立柏崎工業高等学校
所 在 地
〒945−0061 新潟県柏崎市栄町 5 − 16
想定災害
地震、水害、原子力発電所 火災等
参加人数
全校生徒:472 人 2年4組防災エンジニアコース:23 人
活 動 内 容 04年の中越地震、07年の中越沖地震で、学校も大きな被害を受け、
防災教育の重要性が高まった。09年4月、防災エンジニアコースを新設
したのを機に、全校で防災教育に取り組むことを決めた。行政機関な
どと連携し、多くの課外活動を実践しながら、地域貢献と防災教育の
両面から柏崎市のまちづくりに参加、協力していくことを目指している。
防災エンジニアコース生徒のみが取り組んだ消防署への1日体験入
署などのほか、
全校でも幅広く防災について取り組んでいる。
10年度は、
4月に防災教育講演会を実施。柏崎市復興支援室長を招き、復興支援
の体験を通して知った災害時の自助・公助の大切さを話してもらった。
5月には地震を想定した避難訓練を行った。6月の体育祭では、障害
物リレーの中に、リヤカーによる土のう運びを取り入れ、約20キロの
土のうを積んでゴールを目指した。柏崎市の総合防災訓練では、起震
車と降雨車による体験学習のほか、NTT協力による特設公衆電話設置
訓練なども行った。7月16日の「震災メモリアルデー」では、震災の
犠牲者に黙とうし、停電、断水、携帯電話不通などの体験学習をした。
防災エンジニアコースの選択生らは、授業・実習だけでなく多くの
課外授業を経験しながら、より実践的な防災教育の牽引役を果たして
いる。外部との連携を通じ、
前向きで積極的な「防災マインド」が育っ
ている。
避難所体験で高齢者とふれ合う
山梨県:山梨県立甲府南高等学校
所 在 地
〒400−0854 山梨県甲府市中小河原町 222
想定災害
東海地震
参加人数
全校生徒:835 人
山城地区自治連合会:70 人
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
活 動 内 容 全県一学区のため遠方から電車で通学している生徒も多く、授業中に大地震が起きた場合、交通機関がまひ
して帰宅できず、学校に足止めされる生徒が出ることが予想される。その場合、地域住民と高校生が協力して
避難所運営をしなければならないため、日ごろからの生徒の防災意識喚起と地域住民との交流を図る目的で、
年間を通じ防災学習に取り組んでいる。
山城地区連合会が主催して行っている避難所体験・防災学習会に、09年から、部活動単位で生徒が参加して
いる。10年度は8月28日に、地域住民70人と軽音楽部32人の生徒らが3つのグループに分かれて参加。プー
ルの水をろ過器で飲料水にする体験やアルファ米の試食体験、仮設トイレ・テントの設営体験などを行った。
生徒・保護者にメールシステムに登録してもらい、防災情報の発信、ホームページ上の情報を見て返信する
訓練、学校への帰宅確認メールの送信などの情報訓練も年2回実施している。
避難所体験・防災学習会は、人ごとになりがちな避難設営訓練が現実感をもって体験できるとあって、参加
希望者が多い。近所の大人に対して自然に仲間意識を持てるようになり、意識が変わったという感想を持った
生徒もいた。
ボランティアを通して地域の人々に指導
団 体 名
山梨県:山梨県立甲府昭和高等学校
所 在 地
〒409−3866 山梨県中巨摩郡昭和町西条 3000
想定災害
火災
参加人数
1、2、3年生:878 人
大 人:40 人
活 動 内 容 災害時に地域の避難場所に指定されているため、災害が起きた場合生徒がボランティアとして地域で何か貢
献できることはないかと考え、防災学習がスタートした。取り組んだ生徒が経験を生かし、さらに他の生徒へ
伝達、指導していくことも期待している。
09年度までは避難訓練と消火訓練のみの活動だったが、10年度は搬送訓練と応急手当訓練を行った。応急
手当訓練では、固定するため三角巾を使って骨折の応急処置・止血の方法などの実技を体験。さらに、けがを
している人を安全な場所まで避難させる救助の仕方を学び、生徒同士で担架搬送・おんぶ搬送などに取り組ん
だ。また、昭和町社会福祉協議会とは、
「災害時における協働体制に基づく救援活動に関する協定書」を交わし、
いざという時に備える体制づくりに取り組んだ。
ボランティアへの参加意識は以前より高まっている。11年度も活動を継続していく予定。
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学年や地域の枠越えての活動
団 体 名
静岡県:静岡県立裾野高等学校 環境防災倶楽部
所 在 地
〒411−1118 静岡県裾野市佐野 900 − 1
想定災害
地震、津波、火山噴火など
参加人数
1年生:13 人 3年生:9人
大学3年生:1人 専門学校3年生:1人
活 動 内 容 地域の要請を受け、裾野高校が防災の拠点となり得る教育活動を続けている。有志として活動していたが、
外部との連携も含め「環境防災倶楽部」を設立、08年度からは卒業生も加わり、学年や地域の枠を越えて活動
の輪を広げている。
これまで地域中学生との合同DIG研修や「富士山火山防災教材」の資料作成、新潟中越沖地震の現地調査会
に参加するなどの活動を行ってきた。
10年度は、1年生13人、3年生9人、大学生1人、専門学生1人が活動。5月に静岡県東部地域危機管理
局で研修を受けたほか、6月には文化祭で展示し、来場者に啓発した。夏には次世代防災リーダー育成研修会
(8月)や中部地区郷土研究発表大会(7月)にも参加し、他地域とも交流した。
高校生にとって防災を考えるよいきっかけになっている。地域の防災組織との共同発表など学校や地域の枠
を越えて活動の輪を広げつつある。数年後には部活動の延長ではなく、裾野市を母体とした県東部地域の中心
として活動していきたい考えだ。
防災の知識を手話によって理解する
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
京都府:京都府立聾学校
所 在 地
〒616−8092 京都府京都市右京区御室大内 4
想定災害
地震、火災
参加人数
子ども:57 人
大 人:4人
活 動 内 容 毎年、火災や地震を想定した避難訓練を行っている。10年度は、次世代を担う児童生徒に防災意識を高めて
もらおうと、聴覚障害者と健聴者でつくる劇団「デフ・パペットシアター・ひとみ」による防災人形劇を鑑賞した。
人形劇は1854年の安政南海地震を題材にした「稲むらの火」。小学部から高校部の57人が鑑賞した。ストー
リーは、庄屋の五兵衛が地震の後、潮が引くのを目にし、海辺にいた人たちに危険を知らせるために稲束に火
を付ける、というもの。終了後は、地震などの際の対応方法について手話で講話を聴いた。
聴覚障害者は大災害時、ラジオや広報車などの情報から取り残される恐れがある。児童生徒は分かりやすい
人形劇で防災について学び、理解することができた。
地域に密接した「まちづくり学習」
団 体 名
京都府:京都市立伏見工業高等学校
システム工学科 都市情報システムコース
所 在 地
〒612−0011 京都府京都市伏見区深草鈴塚町 13
想定災害
地震、水害
参加人数
3年生:32 人
大 人:30 人
活 動 内 容 07年度に学科改編を行い、システム工学科が設立された。同学科の
都市情報システムコースでは、安全・安心・快適、そして景観に優れ
自然と調和した、健康的で文化的な心豊かに暮らせる都市を実現し、
持続するためのまちづくりについて考え、提案することを目標としてい
る。このことから、防災まちづくり学習にも取り組むことにした。
09年度の3年生は、地域との連携やフィールドワークなどを行うこと
で、まちづくりに対する認識を深めるとともに、まちの課題を見つけ、解
決方法を考え提案する学習を行った。具体的には、地域防災マップや伏
見稲荷周辺の紹介冊子を作ったり、バリアフリー対策の現況を調査した。
10年度は、夏休みまではフィールドワークなどでグループごとに異
なった地域の防災マップを作成した。夏休み以降は、地域住民に配布
する防災マップや稲荷地区バリアフリーマップ作成、東高瀬川改善計
画などに取り組むことにした。4〜7月は専門家の講義を聴きながら、
京都市防災マップを活用し、地域調査を行い災害時に危険なものや課
題を見つけた。
活動を通じ、防災関連の仕事を志す生徒も出てきた。また、地元自
治会との協力関係も生まれている。
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宿泊避難訓練で楽しく防災を学ぶ
兵庫県:防災ジュニアボランティアグループ
団 体 名 「ばんぶー ふぁみりー」
所 在 地
〒651−2274 兵庫県神戸市西区竹の台 5 − 2 − 26
想定災害
参加人数
こども(50 人)小学生:20 人 中学生:5人 高校生:16 人 大学生:7人(神戸
学院大3人、神戸看護大4人) おとな(50 人) 地域:26 人 小学校教諭:7人 消防署:6人 水道局:6人 区役所:1人 警察署:1人 引率・講師:3人
地震等の災害全般
活 動 内 容 竹の台地域では09年、防災福祉コミュニティを中心に一泊避難
訓練を実施し、行政、学校、地域団体など受け入れ側や住民の動
きについてシミュレートできた。楽しみながら防災を学ぶ取り組
みを10年度も実施することになり、
「ばんぶーふぁみりー」が中心
となって企画・運営をした。
10年度は7月31日から8月1日に竹の台小学校で宿泊学習を実
施。小学生、神戸学院大の学生や教員、消防署員など約100人が参
加した。メニューは、消火器訓練や自動体外式除細動器(AED)
の講習などの防災訓練でスタート。大容量貯水槽を利用した応急
給水活動体験をし、震災体験を聞くと、寝床づくりワークショッ
プで段ボールで寝床をつくり就寝した。2日目はエコノミー症候
群についての学習をしたり、まとめのワークショップとして「わ
が家の防災標語・ポスター」を作成し、発表しあった。
防災に関わるさまざまな立場の人がかかわり、互いにコミュニ
ケーションを取ることで、参加者の防災に関する意識は高まり、
基礎技術や知識を習得できた。
宗教(カトリック)としての取り組みで地域に貢献
兵庫県:仁川学院高等学校 宗教委員会
所 在 地
〒662−0812 兵庫県西宮市甲東園 2 − 13 − 9
想定災害
水害、災害全般
参加人数
2年生・1年生:28 人(委員会のメンバーのみ)
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
活 動 内 容 09年8月の兵庫県佐用町での豪雨災害を受け、同年のクリスマスを佐用町の
人々と共有したいとの思いで活動した。佐用町応援の取り組みとして、12月19
日に高校で行った「クリスマスの集い」に町の人に来てもらい、佐用名物の「ホ
ルモン焼きうどん」などを販売する屋台を開いた。
屋台などの収益約10万円を佐用町に寄付したほか、10年度は5月に委員会で
集めた募金も町に寄付した。10月の仁川学院祭では、
「今、未来、私たちにでき
ること」と題し、ボランティアについて、宗教、聖人、災害といった分野を高
校生の視点から見て展示。来場者に、これから自分たちは何をすればいいのか
の参考にしてもらった。また、紙やストローを使って容器を作ったり建物の補
強実験をして、防災の大切さを訴えた。佐用町のPRも兼ねて模擬店も企画した。
消防隊員との合同訓練、防災のリーダーに
団 体 名
兵庫県:たつの市 防火・救命リーダー
所 在 地
〒679−4192 兵庫県たつの市龍野富永 1005 − 1
想定災害
火災・地震
参加人数
高校生:6人
中学生:1人
活 動 内 容 将来に向けて地域防災を支える人材を育成することを目的に、
少年期から防火・防災に関する正しい知識と命の大切さを学び体
験するため、
消防署員のアドバイスを受け、
09年度に「防火救命リー
ダー育成講座」を始めた。昨年は中高生16人が参加した。
10年度の育成講座は8月17 〜 19日の3日間の日程で実施し、高
校生6人、中学生1人が参加した。
1日目は災害図上訓練(DIG)と水難救助訓練、炊き出し。DIG
では、市内の地図を使い、地形・道路などの特徴を理解し、起こ
りうる災害について予想し、防止策を話し合った。水難救助訓練
では、着衣泳法や溺者救出法などを学んだ。
2日目は各種救急シミュレーション訓練、避難所設営訓練など。
「目の前の通行人が急に倒れた」
「交通事故で骨折している」など
消防署員から伝えられる状況に対処した。
3日目は兵庫県広域防災センターでの体験学習。県の防災体制
について学び、起震車を体験し、備蓄庫の物資を見学した。
メンバーは活動を通して互いの意見を活発に交わすようになり、
「聞くこと」
「話すこと」
「行動すること」の大切さを再確認した。
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地域の歴史・特徴を紙芝居にして子供達に上演
団 体 名
和歌山県:和歌山県立新翔高等学校
防災デザイン選択生(10 名)
所 在 地
〒647−0071 和歌山県新宮市佐野 1005
想定災害
南海・東南海地震
参加人数
子ども:160 人
大 人:100 人
活 動 内 容 将来の東南海・南海地震での被害が想定される和歌山県南部に
ある。09年度、防災教育チャレンジプランに取り組んだのを機に、
防災紙芝居を制作、上演し、次世代を担う子どもの防災知識と意
識を高めることを目的に活動している。
10年度の防災デザイン選択生は10人。防災紙芝居は、主人公が
帰宅途中に地震が起き、熊野の神々の使いとされる八咫烏3羽の
案内で家に帰るというストーリー。「遠回りでも広い道を通った方
が安全」など、避難途中の注意事項や地震の怖さを伝える内容に
なっている。地元の小学校や保育所で上演を重ねた。
生徒が地域の歴史や特徴を紙芝居にしたことで、生徒だけでな
く、
園児や児童も親しみを持ちながら防災知識を持つことができた。
看護科を活用した総合防災訓練の実施
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
和歌山県:和歌山県立熊野高等学校
所 在 地
〒649−2195 和歌山県西牟婁郡上富田町朝来 670
想定災害
南海・東南海地震
参加人数
高校生:700 人 教職員:55 人
地域住民:200 人 町職員:50 人
活 動 内 容 生徒の防災意識の向上と、地域防災の担い手としての人材育成を目
的として、避難訓練と救急救命訓練を行ってきた。09年度から、地元
上富田町や消防署などと協力しながらの総合防災訓練を行っている。
10年度は9月5日に総合防災訓練を実施した。大規模な震災を想定
し、自治体や地域の医療機関と協力し、体育館を避難所、看護棟を救
護所と設定し訓練した。
参加者は、避難訓練、放水訓練、炊き出し訓練、搬送訓練などに
取り組んだ。搬送訓練では、防災ヘリで運ばれてくる救急患者を看護
科生徒が引き継ぎ看護棟まで搬送した。さらに、今回は夏休みに県教
委主催で行った「高校生防災スクール」で、救急救命・患者搬送訓
練の指導者として活躍した生徒が、近隣住民や他の生徒を対象に指
導した。指導することで学んだことが定着し、
地域の人たちからも「と
てもわかりやすかった」と好評だった。
当初の目的だった「看護棟を災害時に有効に活用できるよう訓練に
取り入れ、地域・医療関係者の人に認知してもらう」ことも達成しつ
つある。今後も地域防災力の向上を念頭に置いた防災訓練を計画・実
行していくことにしている。
生徒の安全の為、職員だけで行う避難誘導訓練
団 体 名
徳島県:徳島県立聾学校 寄宿舎
所 在 地
〒770−0853 徳島県徳島市中徳島町 2 − 104
想定災害
地震、火災
参加人数
中学3年生:1人 1年生:1人 2年生:3人
3年生:4人 寄宿舎指導員:10 人
活 動 内 容 聴覚障害のある生徒が通う特別支援学校内にある寄宿舎で、障害
に応じた防災学習を続けている。南海地震の発生に備えようと07年2
月、阪神・淡路大震災の被災者の徳島大生の話を聞いた。実体験を
聞いたことで、改めて防災を考えるきっかけとなった。寄宿舎自治会
に防災係もでき、
「自分の命は自分で守る」という意識を持って、行
動できる社会人になろうという意識を持って取り組んでいる。
09年度には、6月に寄宿舎の立地環境を知り、南海地震時の避難
につなげようと体験学習を行った。
周辺を歩き、
寄宿舎が川沿いに建っ
ていることを再認識した。10月から3月にかけては、非常持ち出し袋
の点検や、防災ハンドブックでの学習、筆談ボード作成、徳島県立防
災センターから講師を招き「寄り合い防災講座」を開催するなどした。
10年度は、9月までに新入舎生と寄宿舎の防災について考え、火
災避難訓練や地域防災交流会を行った。
地域との交流は、聾学校に寄宿舎があり、夜間も生徒が生活してい
ることを地域の人にも知ってもらうことを目的に行っている。自主防
災会長を招いて自主防災組織についての話を聞くことで、地域の人々
と一緒になって防災を進めていかなくてはならないことを実感した。
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家庭や地域に働きかけて減災の意識を促す
団 体 名
香川県:香川県立笠田高等学校 家庭クラブ
所 在 地
〒769−1503 香川県三豊市豊中町笠田竹田 251
想定災害
南海地震
参加人数
全校生徒、交流幼稚園児・小学生:650 人
大 人:300 人
活 動 内 容 いつ起こるか分からない災害に対して、少しでも備えをしてお
くことで被害を最小限におさえる「減災」の意識を持ってもらお
うと、08年度から活動している。
これまで校内・地域の危険箇所調べや過去の災害の調べ学習、
市役所危機管理担当との勉強会、人と防災未来センターの見学、
学校祭での研究発表などを行ってきた。学校祭では、生徒が製作
した防災ずきんや非常持ち出し袋を展示し、防災グッズや非常食
を紹介した。また、各家庭の災害対策調べにも取り組んだ。
生徒だけでなく、生徒の家族や職員、地域の人々など、幅広い
人たちに減災の考え方の大切さを知ってもらうことができた。
引き続き、校内での啓発活動などを続けていくことにしている。
地元地区へのボランティア活動
愛媛県:愛媛県立新居浜工業高等学校
所 在 地
〒792−0004 愛媛県新居浜市北新町 8 − 1
想定災害
水害及び土砂災害
参加人数
1年生:194 人 教職員:15 人
地域住民:30 人
応募団体紹介(高校生)
団 体 名
活 動 内 容 04年に発生した新居浜集中豪雨災害に、延べ約1000人の生徒・
教職員を派遣し協力したことをきっかけに活動が始まった。毎年
6月に過疎化が進んだ新居浜市立川地区を1年生約200人が訪問
し、土石流防止のための災害防止ボランティア活動を行っている。
10年度は5月に生徒の代表5人が立川地区を訪問。住民らとボ
ランティアについての事前打ち合わせをした後、7月6日に立川
地区災害防止ボランティアを開催した。自治会からは約30人が参
加し、山間部を中心に、路肩の側溝の泥かきや河川の清掃、用水
路のごみや泥を1日かけて取り除いた。
立川自治会は過疎化と高齢化が進み、山間部の清掃が思うよう
にできていない。そのため、住民からの要望も強く、今回自治会
挙げてのイベントとなっている。ボランティア活動開始から6年
が過ぎ、学校をはじめ自治会でも防災の意識が高まっている。
高校生が教師!親しみやすさで防災意識向上図る
団 体 名
高知県:高知県立高知工業高等学校
所 在 地
〒780−8010 高知県高知市桟橋通 2 − 11 − 6
想定災害
南海地震
参加人数
2年生:5人 3年生:7人 大 人:1人
活 動 内 容 課題研究の授業の一環として南海地震について調査研究を06年から続
けてきた。これまで、過去の南海地震と将来の南海地震の調査をし、地
震についての学習をした。南海地震に関するシンポジウムや講演会にも
積極的に参加し、学習を重ね、啓発のために地域の行事に参加したり、
中学校で地震の講演やワークショップなども行ってきた。また、災害時避
難場所となっている本校にソーラー非常灯を3基設置した。
10年度は、防災の出前授業の呼びかけに中学校から要請があり、8月
に実施した。中学3年生が対象で、南海地震のメカニズム、過去の被害、
予想被害、地震直後生き残るための対策などを土木科3年生4人が話し
た。ソーラー非常灯については増設も計画した。
講演会など地域との連携で、高校で学んだ専門知識を生かして防災に
取り組むことができた。活動を行った生徒の防災意識の向上だけでなく、
地域の防災意識向上にも役立った。
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森林を守る事業としての取り組み、始まる
団 体 名
高知県:高知県立窪川高等学校
所 在 地
〒786−0012 高知県高岡郡四万十町北琴平 6 − 1
想定災害
土石流災害、流木災害
参加人数
1、2年生:74 人
大 人:16 人
活 動 内 容 高知県は全国有数の森林県だが、林業従業者の高齢化や木材価格
の低迷により、保育作業が放任状態になっている。学校林も農業科が
廃止になる81年ごろまで間伐などの保育作業が行われていたが、その
後まったくされていなかった。近年環境の観点から見直され、07 〜 08
年度には町有林の除間伐作業に1年生が参加し、同年度に四万十川の
環境学習の取り込みを実施した。
09年度の体験学習の目標に
「学校林の整備事業」
「林内作業道の開設」
を挙げて取り組んだ。09年11月に1年生52人が、地域のボランティアと
砂防ダム周辺の除伐に取り組んだ。農業コース生徒15人と野球部9人
が7日間砂防ダム内の倒木、伐採木の搬出をした。生徒と教職員が林
内作業道(400メートル)を開設し、間伐材が搬出できるようになった。
今後は環境学習を兼ねて学校林の整備事業を進める予定。地域の担
い手の高校生が取り組むことで災害に対する知識の向上が図れた。ま
た、
スギの間伐材は学校に持ち帰りベンチに加工したり、
小枝はチップシュレッダーを利用し森林の養分として還元し、
生徒たちは森づくりの重要性を理解した。
応募団体紹介(高校生)
44
地域への救命技術の普及を実現させる
団 体 名
宮城県:東北福祉大学 救命ボランティアサークル「FAST」
所 在 地
〒981−8522 宮城県仙台市青葉区国見 1 − 8 − 1
想定災害
地震
参加人数
1年生:29 人 2年生:8人
3年生:9人 4年生;6人
活 動 内 容 命の尊さを学び、救命の大切さや知識・技術を自らが習得し、地域に普及、啓発していくことを目的として
06年に設立した。07年の新潟県中越沖地震でのボランティア活動などを通し、災害時や緊急時の支援の担い
手として活動することも視野に入れている。
これまで、救命の資格講習を受講し、サークル内での学習会で救命の知識・技術を常に学んできた。また、
大きな目標の一つ「救命技術の普及」を実現するため、地域の町内会や社会福祉協議会、仙台市消防局などと
連携し、数多くの救命講座を開いてきた。
10年度も、継続して活動を展開。毎週木曜日にサークル内で学習会を行い、メンバーが救命に関する知識や
技術を学んだ。5月には、養護教員養成課程4年生を対象に、実習の事前指導として心肺蘇生法、AED使用
法を伝える救命講座を実施。8月には学内サークル「ひまわり」の学生を対象として、熱中症対策、三角きん
を使った包帯法など応急手当講座を行った。秋以降も、マンションの防災訓練での救命講座や、教職員を対象
とした応急手当講習会なども企画した。
09年度の出前講座のアンケート調査では、参加者の93%が救命に関する意識が高まったと回答した。救命
の知識や技術に興味を持っていた地域住民から問い合わせや依頼も来るようになっている。
インターネットを使った防災情報の発信
千葉県:千葉科学大学 学生消防隊
所 在 地
〒288−0025 千葉県銚子市潮見町 3
想定災害
大規模災害(火災、地震、津波、台風など)
参加人数
1年生:12 人 2年生:3人 3年生:10 人
4年生:2人 院 生:2人 大 人:3人
応募団体紹介(大学生)
団 体 名
活 動 内 容 大学で「危機管理」を学ぶ学生らが結成した自主防災組織で、消
防団などの規律、命令系統を参考とし、隊長をトップとする指揮命令
系統がある。日ごろは銚子市の防災訓練に参加したり、地域の行事で
防災啓発活動を行っているほか、インターネットを活用した防災情報
の発信を重点的に行っている。
08年に作成したホームページでは防災情報を中心に情報を更新し、
過去の災害のデータベース化にも取り組んでいる。ブログでは学生消
防隊の日常の活動風景などを公開している。災害現場でリアルタイム
に情報を発信できるツイッターを活用することも計画している。
10年度は、情報発信をより実用的なものにするために新たな取り組
みに挑戦。10年4月に銚子市で開催された銚子大神幸祭で、イベント
の情報発信に携わった。複数の祭会場からリアルタイムで会場の様子
や催しの進行状況を市民に提供するシステムを使い、現場から情報
発信した。将来、機能を置き換えて、災害時に活用できるシステムを
構築することも考案している。
ホームページには多いときで1日40件、月間で700件を超えるアクセ
スがある。将来的には、防災に携わる大学生の組織などを一つのネット
ワークとして結び、交流するなどの活動をしていくことも目標にしている。
災害時ボランティアとして出来ることを模索
団 体 名
東京都:上智大学防災ボランティアサークル
SLS.Network@Sophia
所 在 地
〒102−8554 東京都千代田区紀尾井町 7 − 1
上智大学四谷キャンパス
想定災害
首都直下地震、風水害
参加人数
上智大学生 6 人
活 動 内 容 学生がどのような状況でも自分と周りの人を守るために必要な知識
や技能を習得し、大地震などの際に大学でボランティア活動に携わる
ことを目指す課外活動団体。08年11月に設立された。これまで、防災
意識調査や防災講習会を行ったり、千代田区の帰宅困難者避難訓練へ
参加するなどしてきた。意識調査は、特に帰宅困難者問題に対する意
識を把握するために学生や教職員に対して行った。防災講習会は、
「も
し大地震が起きて大学に1カ月滞在しなければならなくなったらどのよ
うな問題が起こるか」を議論したり、救急技能を学ぶなどした。
10年度は、千代田区帰宅困難者避難訓練を視野に講習会を企画、実
施した。
「大学で被災した際に想定される問題は」
「災害時に学生がボ
ランティアとしてできること」などを議論した。また、上智大学内防災
設備を巡り、
使い方を学ぶ防災設備探検ツアーも行った。
夏休み中には、
阪神・淡路大震災について学ぶため2泊3日の合宿を神戸で行った。
メンバーが少ないため、これからも活動を続けていくためメンバー
の募集を続けていく。今後は、さらに大学での防災意識の向上を図り、
大学の中にとどまらず、学生ボランティアの力を地域社会に還元するこ
とを目指す考え。
45
活動を通して学生と大学のメッセンジャーに
団 体 名
東京都:清泉女子大学 災害サポーターズ
所 在 地
〒141−8642 東京都品川区東五反田 3 − 16 − 21
想定災害
地震
参加人数
1年生:5名 2年生:2名 3年生:3名 4年生:2名
活 動 内 容 災害が起きた時、
「学生の立場から何ができるのか」と考えたことか
ら、05年度の発足準備期間を経て、活動マニュアルを作り、メンバー
を募集し06年度から本格的に活動を開始した。ゲストスピーカーを招
いて勉強会を開いたり、学内避難経路図や避難生活物品、非常食など
の展示活動を行い、
学内に情報発信しながら啓発活動をしている。
また、
メンバーは救命講習を受講しており、07年度からは職員とも協働して
大学に備蓄されている非常食の炊き出し訓練や試食会、備蓄庫ツアー
などの活動も行っている。
10年度は、月2回程度昼休みにミーティングや勉強会をしながら活
動。ブログで「ぼうさい通信」を発信し、活動の様子も公開している。
6月には学内でポスター展示をし、7月には新入生を対象に防災につ
いてのアンケートを実施した。
11月15 〜 19日には、防災訓練を展開。16、17日には救命処置のデモ
ンストレーション、
備蓄庫ツアーを行った。
19日には非常食試食会も行った。
活動開始から4年が過ぎ、各メンバーが個性を生かしながら、年々
成長できるよう活動している。学生が主体的に取り組み、大学全体の
課題として協働している。12年度には、災害サポーターズの活動を学
内全体に広め、
定着していくために学生会委員会
(学生の自治活動団体)
への昇格が予定されている。
ウォーキングで楽しみながら防災知識を得る
応募団体紹介(大学生)
京都府:京都精華大学 片木研究室
団 体 名 (河和田アートキャンプ)
所 在 地
〒606−8588 京都府京都市左京区岩倉木野町 137 − F335
想定災害
参加人数
幼 児:10 人 小学生:25 人
大学生:35 人 大 人(地域住民):50 人
豪雨による水害
活 動 内 容 04年に福井県鯖江市河和田地区を襲った集中豪雨での災害ボラン
ティアをきっかけに同地区との交流が始まった。京都精華大を中心に、
地域内外の100人以上の学生が夏休みの間、河和田地区の古民家に泊
まり込みながら、アートやデザインを生かした災害復興支援と地域生
活の振興を行っている。
10年度は、福井集中豪雨から6年が経過し、防災意識を再確認する
意味で、活動のきっかけとなった水害に対する防災イベントを企画。
「楽
しみながら防災知識を得る」をテーマに、地域の防災設備、広域避難
場所などをアートの展示会場としてウオーキングで巡る企画にした。学
生が事前に住民に豪雨時の被害状況を聞き取り調査。それをもとに、
漫画やイラストなどアートを活用して子どもらも分かりやすいハザード
マップ「オリジナル防災マップ」を作成、参加者に配った。ウオーキン
グでは新たに気づいた危険ポイントをメモしていった。ウオーキング中
には、
「防災シミュレーションゲーム」
も行い、
防災リュックに見立てたカー
ドを手に、食料や救急用品、雨具など装備をスタンプして出発。悪天候
やけがなど提示された状況で装備を使用し、リュックの大切さを考えた。
防災の知識を歌に変えてみんなに伝える
団 体 名
京都府:立命館大学 国際協力学生実行委員会
所 在 地
〒603−8577 京都府京都市北区等持院北町 56 − 1 立命館大学衣
笠キャンパス明学館 1F 京都国連寄託図書館 気付
想定災害
地震などの自然災害
参加人数
1年生:7人 2年生:14 人 3年生:9人 4年生:6人
院 生:3人 現地パートナー:15 人 教員:1人
活 動 内 容 04年12月のスマトラ沖地震およびインド洋大津波を契機として設立
した。学校法人立命館が「学校再建支援事業」を表明し、共感した
学生が団体の前身となった学校再建プロジェクト学生実行委員会を
結成した。06年のジャワ島中部地震で被災したインドネシア・ジョグ
ジャカルタ特別州バントゥル県の村落で小学校が再建され、以降、団
体として地域を含めて学校を継続的に支援している。地域コミュニ
ティ開発の視点から防災・教育・環境・保健の分野で活動している。
子どもに防災意識を根付かせるには継続して、段階的に意義や知
識を伝える必要があり、そのために現地の教師が防災教育をする必要
があると考えた。そこで10年3月の現地活動では、教育指導要領にな
い防災教育を紹介し、小学校にふさわしい防災教育を協力して開発し
ていくことになった。避難訓練の後、事後学習として現地の子どもの
手遊び歌を防災の歌にアレンジし、
「地震が起こったら頭を守る」
、
「机
の下に入る」
、
「ガラスに気を付ける」ことを児童に教えた。9月の活
動では教師が防災教育をしていくためのサポートを行った。
今回は地震の学校避難訓練に限定し、教師が主体的に計画・実施
する工程を経験し理解することを重視した。今後は付随する災害も視
野に入れ、
防災教育の定着を目指し活動を続けていくことにしている。
46
体験型防災イベント〜ストローであそぼう〜
団 体 名
大阪府:摂南大学 理工学部 建築学科 池内研究室
所 在 地
〒572−8508 大阪府寝屋川市池田中町 17 − 8
想定災害
地震
参加人数
幼児、小学生、中学生、大人含め2日間で 270 人
活 動 内 容 学生の阪神・淡路大震災に対する理解度の低さや災害に対する意識
の低さに危機感を持ち、子どもの防災意識向上を目的としながら、学生
も学べる取り組みをすることにした。小中学生を対象とした防災イベント
を企画し、10年8月に2日間行った。
神戸市の人と防災未来センターで「摂南大学防災ビレッジ2010 〜スト
ローであそぼう!〜」と題して開催。内容は①「ストローで飛行機を作ろ
う!」②「ストローで秘密基地を作ろう!」③「ストローで強い建物を作
小中学生、
大人含め2日間で270人が参加した。
ろう!」
の三つ。幼児、
①では、ストローと紙とクリップで簡単な飛行機を作り、どこまで飛ぶ
か実験した。避難所生活になった時に、避難所にありそうな物から作る
ことで、ストレス発散につなげてもらう。②では、スチレンボードの壁を
組み立て、自由に屋根をかけ、壁をデコレーションしてオリジナルの部
屋を作った。避難所で狭くても安心できる空間を作る方法を模索した。
③ではストローと新聞紙で平屋の建物を作り、ペットボトルを載せる実
験をした。すじかいや柱・はりの接合部を強くすることで建物が強くな
ることを知ってもらうのが狙い。
秘密基地の作成では1時間以上かかる子どもも多かったが、保護者が
その間に震災について語る場面も多く見られ、イベントを手伝った大学
生の意識の変化も見られた。
視察受け入れ事業で防災・復興に繋げる
兵庫県:ぽっぽプラン
所 在 地
〒669−1546 兵庫県三田市弥生が丘 2 − 2 − 11
想定災害
水害
参加人数
大学生1〜4年生(院生も含む):10 人×2
大 人:10 人
応募団体紹介(大学生)
団 体 名
活 動 内 容 09年8月の台風9号で被害を受けた佐用町の町職員の要請で、町が
管理するケーブルテレビの運営を約1カ月間行い、災害報道に携わっ
た。その中で、復旧までは対内的な情報共有(ライフライン情報など)
が大切だが、復興は外部を巻き込みながら長期的な取り組みで情報発
信していく必要性を痛感し、活動を始めた。
佐用町の情報発信の一つに、視察の受け入れがあるが、対応は受け
入れ団体
(町や商工会など)
ごとに異なっており、
視察後のフィードバッ
クを受けないため、手探りの状態が続いていた。また、単発の視察が
多く、次の展開にもつながらなかった。そこで、状況改善のため、佐
用町の台風被害をテーマに合宿を行うゼミを誘致、受け入れる事業を
企画した。▽定期的な誘致▽フィードバックを生かしてよりよい視察
づくり▽参加者による2次的な情報発信 を目指している。
事業を通じ、佐用の復興支援に興味を持っている人の活動のスター
トラインとなり、地域の魅力の発信などにもつながった。
特産品「竹炭」を活用しての「まちおこし」
団 体 名
兵庫県:佐用町学生支援ネットワーク(チャコネット)
所 在 地
〒662−0854 兵庫県西宮市櫨塚町 2 − 20 西宮商工会館南館 NPO 法人 日本災害救援ボランティアネットワーク内
想定災害
台風による水害
参加人数
関西学院大学 1回生:3人 2回生:2人 3回生;7人
4回生:3人 大阪大学 4回生:8人 計 23 人
活 動 内 容 佐用町が09年8月に台風9号の被害を受け、NPO法人日本災害救
援ボランティアネットワークから救援ボランティアの要請を受け、2
週間で延べ20人の学生が同町に入った。しかし、息の長い支援が求
められていると感じ、関西学院大と大阪大の学生が連携し、まち全
体が少しでも活気づけば、とネットワークを設立した。
水害直後は泥かきや清掃活動、救援物資の配布などを行ったが、
水害が落ち着いてからは、消臭・除湿効果がある竹炭をプレゼントし
てきた。その後は、町内の空き店舗を活用して住民が集う場所を提
供する「コミュニティカフェ」や、町の特産「竹炭焼き」を通した町
の活性化を目指すことに決めた。大阪や兵庫で行われるイベントで、
佐用町の竹炭の販売などで町を知ってもらうよう取り組んできた。
10年度は、
佐用町の特産品である竹炭を活用した「竹炭焼き」と「コ
ミュニティカフェ」を活動の柱に取り組んだ。月1回程度、佐用町に
行き、竹炭焼きを職人から教わり、コミュニティカフェを実施。佐用
町の子どもに竹炭焼き教室の開き、地元の産業になるよう活動を続
けていくことにしている。
住民からはコミュニティカフェを楽しみにしているという声も聞い
た。カフェを中心に住民同士の結びつきが深まり、災害時に住民同
士で助け合える関係ができれば、と考えている。
47
防災・社会貢献教育プログラムの開発
団 体 名
兵庫県:神戸学院大学学際教育機構 防災・社会貢献ユニット
所 在 地
〒650−0086 兵庫県神戸市中央区港島 1 − 1 − 3
想定災害
地震、津波、都市災害などの災害全般
参加人数
小学生:200 人 ユニット生:150 人
地域住民:500 人
活 動 内 容 神戸学院大では、大学と地域との相互教育による「防災」を軸とした危機管理意識や能力を高め合うための
防災・社会貢献教育プログラムを考案している。「防災・社会貢献ユニット」として05年度に設置され、法学部・
経済学部・経営学部・人文学部の4学部の学生の希望者が2年次の進級前に選択する学部横断的なプログラム
を展開している。これまで、防災教材の開発や中国・四川省や佐用町での被災地支援などを行ってきた。
10年度は、阪神・淡路大震災の「直接体験がない」学生たちが震災の語り部の経験を丹念に聞き取り、学生
たちが教材を作成し、語り部に代わって震災の経験を語り継ぐ新しい防災教育や、子どもたちが楽しみながら
学べるぼうさい教室を開くなどした。幼稚園児向けの教材として、戦隊ヒーロー風の格好で地震の怖さや対応
を伝える「ぼうさいレンジャー」のDVDを作成、出前授業では実際にレンジャーが登場するなどして幼稚園
児に印象に残る授業をした。
活動がスタートして5年が過ぎ、地域でも積極的な活動が認知され、さまざまな防災教育やイベントの情報
が集まることで学生の参加の仕方にも広がりが出てきている。また、小学校での防災教育や教材開発を通じ、
上級生のノウハウを伝承しながら、学生たちも成長が見られるようになっている。
災害復興支援で長田の思い、伝える
応募団体紹介(大学生)
団 体 名
兵庫県:神戸常盤ボランティアセンター
所 在 地
〒653−0838 兵庫県神戸市長田区大谷町 2 − 6 − 2
想定災害
地震、水害
参加人数
高校2〜3年生、大学1〜3年生:70 人
大 人(地域など):51 人
活 動 内 容 阪神・淡路大震災の被災地神戸市長田区にある学園として、被災地及び被災者へ親身で確実な復興支援をす
ることや、各学科の専門性を生かした支援を工夫することなどを目指し、09年8月にセンターを開設した。
開設直後の09年8月に起きた佐用町の台風水害では、泥かきや荷物運搬などの復興支援に携わった。翌月に
は長田区の小学校で佐用町の様子を伝える出前授業も行い、09年11月には、地元のバザーで佐用名物ホルモ
ンうどんを販売したり、水害復興支援の写真展などを行った。
10年度は、4月にチリ大地震支援の募金活動をし、神戸市社会福祉協議会を通じ被災地の子どもを支援した。
7月には長田区で大雨による床上浸水などの被害が出たため、ボランティアとして復興支援に参加した。
活動を通し、外部関係者とのコミュニケーションがスムーズにとれるようになり、自ら考え、行動できるよ
うになった。また、活動が各学科に通じるものがあり、学業にも生かすことができた。
48
参考資料1
平成22年度実施要項
主
催
兵庫県、毎日新聞社、(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構
後 援
内閣府、総務省消防庁、文部科学省、国土交通省、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会、
ひょうご安全の日推進県民会議
賞及び賞金
・「グランプリ」 ぼうさい大賞の中から1点(賞金40万円)
・「ぼうさい大賞」 各部門1点(賞金20万円)
・「優秀賞」 各部門1点
・「奨励賞」 各部門数点
・「だいじょうぶ賞」 該当数
・「はばタン賞」 該当数
応
募
先
〒530−8251(住所不要)毎日新聞大阪本社内 ぼうさい甲子園事務局
電話06−6345−1551(代) ファックス06−6346−8163
選考基準・選考委員会
選考基準
1地域性:自分が住んでいる地域の実情に合った取り組みをしている。
2独創性:活動内容に創意工夫があり、ユニークであること。
3自主性:子どもたちが積極的に参加、考えながら取り組んでいる。
4継続性:一過性の取り組みではなく、大人になってからも有効な防災意識を持ち続けられる内容である。
選考委員会
委員長
委 員
役 職
人と防災未来センター長
(特非)さくらネット代表理事
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長
(特非)JEARN理事
兵庫県防災監
毎日新聞大阪本社編集局長
兵庫県立舞子高等学校教諭
内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(災害予防担当)
文部科学省スポーツ・青少年局学校健康教育課長
実施要項等
計
氏 名
河田 惠昭
石井 布紀子
内田 貞雄
岡本 和子
木村 光利
斉藤 善也
諏訪 清二
永井 智哉
松川 憲行
9名
スケジュール
応 募 締 切 平成22年 9月30日
選考委員会 平成22年11月18日 人と防災未来センター
発 表 平成22年12月17日
表彰式・発表会 平成23年 1月 9日 兵庫県公館
49
参考資料2
表彰式・発表会の概要
開催日時 平成23年1月9日(日)
開催場所 兵庫県公館(神戸市中央区下山手通4-4-1)
プログラム
●13:00
開会のことば
河 田 惠 昭 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構副理事長
特別講演
河 田 惠 昭 阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター長
朗読:河 田 英子 学校法人 大阪集成学園理事長・守口幼稚園長
主催者あいさつ
井 戸 敏 三 兵庫県知事
斉 藤 善 也 毎日新聞大阪本社編集局長
●13:35
表彰式(グランプリ、ぼうさい大賞、優秀賞、奨励賞、だいじょうぶ賞、はばタン賞)
まず、グランプリの表彰が行われ、グランプリを受賞した「徳島県・徳島市津田中学校」に
井 戸 兵 庫 県 知 事 及 び 斉 藤 毎 日 新 聞 大 阪 本 社 編 集 局 長 か ら そ れ ぞ れ 表 彰 状 と 副 賞 が 贈 ら れ た。
次 に、 ぼ う さ い 大 賞 の 表 彰 が 行 わ れ、「 愛 媛 県・12歳 教 育 推 進 事 業 実 行 委 員
会 」「 愛 知 県 立 日 進 高 等 学 校 」「 愛 媛 県・ 愛 媛 大 学 防 災 情 報 研 究 セ ン タ ー」 に 井 戸 兵
庫 県 知 事 及 び 斉 藤 毎 日 新 聞 大 阪 本 社 編 集 局 長 か ら そ れ ぞ れ 表 彰 状 と 副 賞 が 贈 ら れ た。
続 い て 優 秀 賞 を 受 賞 し た「 香 川 県・ 丸 亀 市 立 城 辰 小 学 校 」「 岩 手 県・ 釜 石 市 立 釜 石 東 中 学
校 」「 兵 庫 県 立 佐 用 高 等 学 校 」「 石 川 県・ 石 川 工 業 高 等 専 門 学 校 」 に 河 田( 公 財 ) ひ ょ う ご 震
災 記 念21世 紀 研 究 機 構 副 理 事 長 か ら 表 彰 状 と 副 賞 が、 奨 励 賞 を 受 賞 し た「 和 歌 山 県・ 印 南
町 立 印 南 中 学 校 津 波 研 究 班 」「 三 重 県 立 津 工 業 高 等 学 校 電 子 研 究 部 」「 兵 庫 県 他・ 阪 神 淡 路 大
震 災 写 真 調 べ 学 習 プ ロ ジ ェ ク ト 」 に 斉 藤 毎 日 新 聞 大 阪 本 社 編 集 局 長 か ら 表 彰 状 が 贈 ら れ た。
最後に、だいじょうぶ賞を受賞した「三重県立聾学校」に斉藤毎日新聞大阪本社編集局長から表
彰状が、はばタン賞を受賞した「兵庫県・アトリエ太陽の子」「兵庫県・神戸市立科学技術高等学校
都市工学科」「兵庫県・松蔭高等学校放送部」に井戸兵庫県知事から表彰状と副賞が贈られた。
●14:15
発表会 受賞団体及び特別発表校による活動発表
(岩手県・釜石市立釜石東中学校、愛媛県・愛媛大学防災情報研究センター、徳島県・徳
表彰式・発表会の概要
島市津田中学校、香川県・丸亀市立城辰小学校、愛知県立日進高等学校、愛媛県・12歳
教育推進事業実行委員会、ハイチ人留学生、石川県・石川工業高等専門学校、兵庫県立佐
用高等学校、兵庫県立舞子高等学校)
発表会では、グランプリ、ぼうさい大賞、優秀賞を受賞した8校・グループと特別招待の2校の児
童・生徒や学生らが多彩な取り組みの成果を披露した。
50
●15:50
講 評
河 田 惠 昭 選考委員会委員長
●16:00
閉 会
毎日新聞掲載記事
2010 年 12 月 17 日 毎日新聞 朝刊
毎日新聞掲載記事
51
毎日新聞掲載記事
2010 年 12 月 17 日 毎日新聞 朝刊
毎日新聞掲載記事
52
2011 年1月 10 日 毎日新聞 朝刊
毎日新聞掲載記事
53
2011 年1月 28 日 毎日新聞 朝刊
毎日新聞掲載記事
54
毎日新聞掲載記事
2011 年1月 28 日 毎日新聞 朝刊
55
平成22年度(2010年度)
1.17 ぼうさい未来賞「ぼうさい甲子園」記録誌
平成23年(2011年)3月発行
発 行:兵庫県 毎日新聞社 (公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構 〒651-0073 神戸市中央区脇浜海岸通 1-5-2
表紙イラスト:涌嶋克己
発刊にあたって
2011 年3月 11 日の東日本大震災は、戦後最悪の災害となりました。津波
による死者・行方不明者数が多数出たほか、多くの人が住まいや職場を失い、
厳しい環境に置かれています。阪神・淡路大震災で私たちが見た光景が、さ
らに大きな規模で展開された、そういう思いを抱いた人も少なくないでしょ
う。被災された方々に心からお見舞いを申し上げ、被災地の復興を心よりお
祈りします。
本誌は、平成 22 年度(2010 年度)1.17 防災未来賞「ぼうさい甲子園」の
事業内容と入賞団体、全応募団体の活動概要を取りまとめたものです。今年
度で7回目になる事業で、毎回全国から優れた活動の応募があります。防災
への関心が各地で高まっていることの表れといえます。
活動を紹介させていただいた学校の中には、岩手・宮城で津波被害を受け
た学校もあります。しかし、日ごろの防災教育の活動を生かし、教員・生徒
たちの命を守ることができた、という事例も報告されています。
こうした災害の教訓を生かしながら、学校・地域で防災教育・防災活動の
取り組みをなお一層広げていただき、活動の成果をぜひとも 1.17 防災未来
賞「ぼうさい甲子園」に応募いただければ幸いです。
目 次
■兵庫県知事あいさつ
1
■毎日新聞大阪本社編集局長あいさつ
2
(公財)
ひょうご震災記念 21 世紀研究機構副理事長あいさつ 3
■
■受賞団体 6
■応募団体 7
■選考委員長の講評 8
■受賞団体紹介 9
■応募団体紹介
19
■実施要項等
49
■表彰式・発表会の概要
50
■毎日新聞掲載記事
51
平成
年度�����年度�
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22
防災未来賞�����甲子園�
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17
平成22年度(2010年度)
1.17防災未来賞「ぼうさい甲子園」
記 録 誌
記録誌
兵庫県�毎日新聞社��公財�����震災記念
世紀研究機構
21
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庫
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毎
日
新
聞
社
(公財)ひょうご震災記念21世紀研究機構