第 16 号 2014 年 10 月 http://fukuib.web.fc2.com/ ふくいブドウネットワーク 検索 ふくぷる を各地でアピールしました 福井県育ちのブドウを多くの人に知ってもらおうと、今年から「ふくぷる」という統一した名称 で販売していますが、その「ふくぷる」をアピールし認知度を高めようと、8 月から 9 月にかけ て各地区で試食販売とアンケート調査を実施しました。 (日程) 8月1日 8月2日 8月 6 日 8月9日 8月9日 8月9日 8 月 23 日 9月7日 クランデール二の宮(福井市二の宮) 森藤ぶどう園(春江町随応寺) 藤本農園(鯖江市水落町) 丹生膳野菜(越前町風巻町) Aコープ美浜店(美浜町河原市) きららの丘(あわら市牛山) 喜ね舎(福井市河増町) まちフェス(福井駅前) まちフェスの様子 「ブドウ栽培にチャレンジ」研修会が開催されました 8 月 28 日に、農業試験場と福井市内のブドウ園で「ブドウ栽培 にチャレンジ」研修会が開催されました。主に、これからブドウ栽 培を始める方が対象で、30 名の参加がありました。ブドウ栽培に 取組む仲間がますます増えることが期待されます! ○品種の食べ比べ 試験場で栽培した 20 品種を食べ比べてもらい、これから植え 食べ比べ人気投票結果 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 品種 藤稔 シャインマスカット しまねスイート サニールージュ ピオーネ 黒いバラード 黄玉 高尾 ブラックビート 早生ネオマス 色 黒 緑 緑 赤 黒 黒 緑 黒 黒 緑 たい品種を自分の舌で確かめてもらいました。評価の結果は右の ようになり、現在推奨している4品種は上位に入りました。 ○ブドウ栽培圃場の見学 ハニービーナス、高妻、サマーブラッ ① 農業試験場では、ハウスと簡易雨よけ施設でブドウを栽培し ク、ベニバラード、オリエンタルス 11位 ており、主に「シャインマスカット」の品質向上の試験をしてい ター、ゴールドフィンガー、ヒムロッ 以下 ド・シードレス、ロザリオ・ロッソ、ベ ます。短梢せん定栽培の利点や、簡易な雨よけ施設でも十分に病 ニバラオー、ミニ甲斐路 気は抑えられるなどの説明を受けました。 ② ネットワーク会員の川上さん(会報 15 号も参照)の園では、1年間ポットで育苗した苗 を、平成 26 年春に根域制限ベッドに定植しました。今年すでに、収穫もできていることに参 加者は驚きの様子でした。棚面もほとんど埋まっていて、来年さらに期待できます。 ③ 次に会員の「果樹園たにか」さんが水田で栽培している事例を見学しました。平成 24 年 に水田をそのまま使って明渠を掘り、苗木を植えつけました。ブドウは手間がかかるけれど、 おいしいブドウを作るには手を抜けない、福井でもおいしいブドウができることを実証したい との意気込みが伝わりました。 食べ比べの様子 農業試験場のシャインマスカットを見学 旬な技術情報 ● せん定のポイント ① せん定時期 基本は落葉後にせん定します。早すぎると芽の充実不足、樹勢の低下が懸念されます。また遅 くなり、未せん定のまま雪が積もると、棚や樹を倒壊させるので、12 月中旬までにせん定が終 わるようにしましょう。 ②新梢のせん定位置 せん定位置 ○ ◎ 来年ここから出る芽を伸ばしたい × (先端) ・通常は芽と芽の間 ◎で切る。 (根元) ・強く伸ばすときは、○の位置で芽を切る(犠牲 芽せん定)。 新梢の節間の長さも見てみましょう。節間の長い部位は、肥料の効きが強かったり、かん水が 多かったじきに生育していたと推測されます。新梢全体が長い場合は、樹勢が強いと判断され ます。ハウス栽培や若木で、品種ではシャインマスカット等は節間が伸びやすくなります。 ●樹齢によるせん定 ①若木(1年目) 8月中下旬に新梢先端をマークしたとこ ろ(または摘心位置)でせん定し、副梢は 全て根元から切り取ります。その際に、主 枝の花芽を傷つけないよう注意します。 H字整枝は、主枝を主幹部から1~1.25 mの位置で、S字になるよう誘引します。 8月中下旬マーク (摘心)位置でせん定する。 副梢は根元からせん 定する。 ② 2~3年目 主枝延長枝は8月中下旬のマーク(摘心)位置でせん定し,結果母枝は2芽せん定とします。 ※ 主枝が完成した場合は完成位置でせん定します。 主枝 結果枝=結果母枝 8月中下旬マーク(摘心)位置 主枝が完成し ていない場合 は伸ばす せん定前 せん定前 ③成木 基本は2~3年目の結果母枝せん定と同じですが、1芽せん定と します。結果枝がところどころ欠損しているくらいなら、さほど 問題ありませんが、欠損場所が連続している場合は、近くの結果 枝を主枝の代わりに残します(図を参照)。 短梢せん定 1 年目 2芽せん定位置 短梢せん定 2 年目以降 結果母枝がところどころ欠損している場合 隣の結果母枝から2枝残して、空いた空間を埋める。 1芽せん定位置 先端 主枝 結果母枝 欠損部 来年の新梢 連続して欠損している場合 先端部から結果枝を主枝に沿って折り返す。 先端 結果枝が欠損しないようにするには、若木の時から芽傷等による新梢を発生させたり、誘引時 に基部から折れないように注意する必要があります。 短梢せん定では、結果枝を永久的に維持することが大切です。このことを若木のうちからしっ かりと認識して芽の損失、発芽不良に気を付けましょう ● 苗木の植えつけ 苗木の植えつけは、11 月下旬~12 月の秋植えが基本で、秋植えの方が春先の生育が良くなり ます。秋植えでは苗が届いたら、植え付けまで根が乾かないように注意します。また、圃場準備 等が間に合わない場合などは、3月下旬の春植えでもかまいません。春植えの場合は、根が乾か ないように仮植しておき、凍害防止のためわら等で苗を保護しておきます。 ● 施肥 (1)元肥の施用 落葉時期に窒素成分で年間施用量の8割を元肥 として施用します(表)。BM有機など有機質が多い 肥料を施用します。樹勢が強く、着色等が悪かっ た場合は施用量を減らします。 (2)その他の肥料 表.元肥施用量 窒素成分 BM有機 1年生 70g/樹 850g/樹 2~3年生 180g/樹 2.0kg/樹 4~5年生 300g/樹 3.5kg/樹 成木 5.6kg/10a 70kg/10a ブドウはカルシウム、マグネシウム、マンガン、 BM有機(N-P-K):8-7-7 ホウ素などの欠乏症、過剰症ともに発生しやすい 樹種です。基準としては苦土石灰 80kg/10a ですが、定期的に土壌調査を行い、適正量を施用 します。何かの成分が多くなると、他の成分が吸われにくくなります(拮抗作用という)ので、 生育中の葉をよく観察するのに併せて、土壌調査で肥料成分の過不足がないか調べましょう。 ● 冬場の温度管理について 冬場ブドウ樹を温めると、発芽が早くなり、発芽後に凍害に遭いやすくなります。収穫後から 来年の3月中下旬頃までは天井のビニールをはずすなど、低温にしておくのが原則です。 耐雪型のハウス等など周年被覆の場合は、ハウス内の高温に注意し、3月中下旬ごろまではハ ウスサイドを開放するなど、換気に努めましょう。ただし、降雪・強風時等は閉めておきましょ う。 事務局 丹南農林総合事務所 FAX 0778-22-4862 坂井農林総合事務所 FAX 0776-81-2769 中川文雄 TEL 0778-23-4532 [email protected] 谷口弘行 TEL 0776-84-8042 [email protected] この会報誌の内容はふくいブドウネットワーク会員以外への配布をお断りします。
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