44(平成26年 春号) - 一般財団法人 日本デジタル道路地図協会

平成 26年4月1日発行
一般財団法人 日本デジタル道路地図協会
No.
JAPAN DIGITAL ROAD MAP ASSOCIATION
44
平成 26年
春号
 平成26年度事業計画 .......................................................................................................................................... 1
 平成25年の新規ナビ機器用DRMデータベース提供実績 ................................................................ 5
 平成25年度の開通前事前走行について .................................................................................................... 6
 平成25年度第2回DRMセミナーについて .............................................................................................. 7
 準天頂衛星システムについて(3) ........................................................................................................ 8
 これからの道路行政が目指すもの
理事長
泉
堅二郎 ............................................................ 10
平成26年度事業計画
平成26年3月25日に開催された第56回理事会において承認された平成26年度事業計画は次のとおりです。
Ⅰ.事業計画の基本的な考え方
事業は、次のような事項に重点を置いて実施する。
①道路がその効用を十分に発揮するには、道路本体の整備
イ)一元的な道路関係情報の収集への対応
に加え、安全、快適かつ環境に優しい道路利用が行われ
DRMデータベースを整備更新するための最も重要
るための多様な情報サービスが必要である。官庁・団体・
な情報源は、全国の道路管理者から提供される各種資
企業等から道路に関する情報が的確に提供されるために
料である。
は、基になる全国の道路に関する基本的なデータベース
平成24年度に国土交通省地方整備局(地方整備局
が適切に整備更新され、しかもそれが誰でも利用できるよ
等)と国土地理院の連携の下で当協会が実務を担う体
うになっていなければならない。
制が実現したことを生かし、作業効率向上が期待できる
②このような趣旨に沿って、当協会が1988年に設立され、以
来、「全国デジタル道路地図データベース標準」を策定し、
CADデータの比率を高めるとともに、より網羅性の高い
道路管理者資料の収集に努める。
これに基づく「全国デジタル道路地図データベース」の整
また、道路管理者の情報提供の一層の負担軽減と、
備・更新を行ってきた。このデータベースは、全国の主要
収集情報活用の更なる迅速化、効率化を目指し、Web
な道路について、位置、接続、基本属性を収録整理した
標準的なもので、今日、DRMデータベースとして行政と民
間において広く利用され、社会的に極めて重要な情報基
盤(ソフトインフラ)になっている。
③この社会的重要性の高いデータベースを維持発展させて
地図技術に基づく情報管理システムの検討を進める。
ロ)最新道路関係情報の収集の充実
道路管理者は、新規供用する道路について、できる
だけ多くの道路利用者が日常的に使用する地図にタイ
ムリーに反映されることを期待している。
いくためには、社会の情勢の変化に対応しつつ、時代の
このため、道路管理者の理解を得て、開通に先立つ
ニーズに的確に応えていく必要がある。当協会では「デジ
事前走行機会の増大や最新資料の収集に努めるととも
タル道路地図のあるべき姿に関する懇話会」(懇話会)を
に、できる限り早期かつ漏れなく道路の供用情報の収
設けて議論を重ねている。そして、これまでに
イ)新鮮で全ての道路が網羅されている地図へ
ロ)より広い用途・高度化への展開
集提供を行う。
ハ)新たなニーズに対応するデータの整備
環境問題や省エネルギー施策に対応するため、かね
という方向性が示され、それを実現する具体策としてすぐ
てから、DRMデータベースへの道路の標高データ付
着手するものと更に検討を要するものが整理されたところ
加に取り組んできた。さらに、今般の大震災を契機とし
である。
た防災意識の高まりを受け、平成24、25年度に低標高
④このような方向性や当面の具体策に沿い、平成26年度の
地や人口密集地の道路及び高速道路に重点を置きな
1
平成 26年4月1日発行
がら全国的に所要の精度の標高データの整備を行った。
路更新資料収集等において、鮮度、精度及び網羅性の
今後は、DRMデータベースの一環としてデータの更新
一層の向上が必要である。
を行う。
道路管理者の資料作成・提供負荷の更なる軽減と、新
また、国民の安全意識の高まりを受けて、平成24年
設道路図面の民間利用の利便の向上を目的として、道
度から整備を開始した道路冠水想定箇所データを一層
路更新資料の集約・提供及び道路供用日の登録などに
充実するとともに、道路構造物の点検管理を支援する
資する環境整備に取り組む。
データなどについての検討を行う。
ニ)国家標準準拠の達成
②デジタル道路地図の活用分野の拡大
DRMデータベースは、カーナビゲーションシステム、
近年の測量法改正や地理空間情報活用推進基本法
VICS(道路交通情報通信システム)、交通センサスと連
の制定により、DRMデータベースが準拠すべき国家標
携する総合交通分析、特殊車両通行許可システム、災害
準が変更されたことに伴い、これまで、世界測地系への
時情報提供等、官民の分野において、幅広く利活用され
移行と国土地理院の基盤地図情報への準拠を進めて
ているが、今後とも官民共通のデータベースとしての機能
きた。
を更に拡充し、プローブデータ等の集約・共有における
世界測地系移行に関しては、既に平成23年度に完
了し、世界測地系準拠のDRMデータベースを提供し
ている。
共通基盤としての利用など、より一層の活用分野の拡大
を図る。
また、共通基盤図システムの機能拡張等を行うことなど
基盤地図情報への準拠に関しては、国土地理院の
により、地方公共団体などの道路管理者においても幅広
データ整備にあわせて作業を進めており、平成26年度
く利用されるよう目指すとともに、防災その他を含めた活
に完了できる見込みである。
用分野の拡大に向けた活動を進める。
ホ)関係機関と連携したITS等の新技術への対応
③国際的な取り組みへの対応
将来に向けたDRMデータベースの展開として、高度
ITS世界会議、ITS欧州会議等の海外のITSに関する
デジタル道路地図や道路の区間ID方式等の新技術に
会議等を通じて、ITS協調システムにおけるローカルダイ
取り組んでいる。
ナミックマップや自動運転を含む先進的運転支援システ
高度デジタル道路地図及び道路の区間ID方式に関
ムにおける道路地図情報に関する世界の技術動向を把
しては、NAVIdeHANSHIN等の外部機関との共同
握するとともに、デジタル道路地図データベース分野に
研究を通じて、実利用に向けた適用性について検討を
おける国際標準策定に資する情報の収集・整理・分析に
行うとともに、標準仕様の見直しを行う。
努める。
また、道路の区間ID方式に関しては、既に公開して
いる約20万kmの幹線道路網の区間IDテーブルを更
新するとともに、対象道路の拡充について検討を行う。
なお、平成26年9月にデトロイトで開催されるITS世
④研究の助成
デジタル道路地図の資料収集・作成、精度・鮮度の向
上、また、利活用に関する分野の研究の進展を支援する
ため、大学等の研究機関への研究助成を行う。
界会議や、11月のG空間EXPOに参加し、当協会の新
また、昨年度の研究助成の成果について、国土交通
技術に対する取り組みについて積極的に発信し、内外
省等の道路管理者、賛助会員やデータベース提供先、
の関係者との交流を行う。
DRM利用者会議メンバー等の関係者を対象に報告会
を行う。
Ⅱ.事業計画
1調査研究・標準化事業
(1)調査研究
(2)標準化
DRMデータベースが準拠する全国デジタル道路地
図データベース標準及びDRM標準フォーマット21等を
次世代のデジタル道路地図のあり方等について、関
適切に維持管理するとともに、デジタル道路地図データ
係機関・団体等との十分な連携のもとに懇話会におけ
ベース技術に関わるITSの国際標準化活動に積極的に
る議論を継続するとともに、引き続き具体策の推進方
参画する。
策の検討を進める。また、DRMデータベースの効率
的な整備と広範な利活用の推進等について、内外の動
①データベース標準の管理
デジタル道路地図データベースに関する利用ニーズ、
向を把握しつつ、自ら積極的に調査研究するとともに、
技術革新、社会環境の変化等に対応するため、DRM
大学等の研究について助成を行う。
データベースに係る標準を適時、改定する。
①道路更新情報の収集体制の充実
②ISO等国際標準化の促進
DRMデータベース更新においては、道路が供用され
国際標準委員会(ISO/TC204/WG3:ITSデータ
る前に道路の変化情報を把握することが重要であり、道
ベース技術)の国際コンビーナを派遣するとともに、国
2
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内委員会事務局として国内分科会を開催し、国際標準
ホームページ等を通じて普及促進に努める。
化案件について国内意見をとりまとめ、国際会議等に
また、道路管理者等からのカーナビ地図への要望の集
おいて提案や検討を積極的に行い、ITSデータベース
約や、より新しいデジタル道路地図の利用を紹介する活
技術の国際標準化に貢献する。
動等を行い、国民生活におけるデジタル道路地図の一
③地域メッシュコード規格に関する情報の提供
平成24年2月に失効した日本測地系による地域メッシュ
に関する規格(日本工業規格JISX0410:2002地域メッ
シュコード(追補1))に関して、失効後も引き続き同規格
を使用せざるを得ない場合への対応として、日本測地系
から世界測地系への円滑な移行に資するため、規格原
案作成団体として引き続き当該規格の注意事項等の情
報をホームページに掲示する。
層の定着を図る。
②国際会議への参加
平成26年9月に米国デトロイトで開催される「第21回
ITS世界会議デトロイト2014」に参加する。
③「G空間EXPO」への参加
平成26年11月に開催される「G空間EXPO」に参加する。
④講演会等の開催
デジタル道路地図に関する国内外の最新動向につい
て紹介する「DRMセミナー」を開催する。
2データベース高度化等事業
ITSの次世代サービスの実現に向け、デジタル道路地図
情報の高度化への期待に応えるため、カーナビゲーションシ
⑤機関誌の発行
機関誌(DRMニュース)を発行し、賛助会員及び道路
管理者等関係機関に配布する。
ステム等の高性能化やITSの高機能化に資するDRMデー
タベースの高度化等に取り組む。
①高度DRMデータベースの検討
4情報整備・提供事業
1)情報整備
カーナビゲーションシステムの高性能化並びに先進運
平成24年度から地方整備局等と国土地理院が協力して
転支援システムや自動運転等のITSの高機能化に対応
道路更新資料の提供を依頼し、当協会が資料収集の事務を
するため、縮尺レベル500~1000の3次元かつ高精細
一元的に担う体制を整えた。
な車線レベルの高度デジタル道路地図データベース(高
関係機関等との連携を更に強化し、データの収集、整備・
度DRMデータベース)について、高度デジタル道路情
更新等を引き続き着実に実施し、信頼性のある官民共通の
報対応検討会を引き続き開催し、実利用への展開に向け
データベースとして、なお一層の鮮度、精度、網羅性の確保
た適用性の検討を行うとともに、標準仕様案の見直し等を
に努め、品質の向上を図る。
行う。
②基盤地図情報への準拠
DRMデータベースの用途拡大とデータ更新の効率向
上のため、国土の位置の基準である国土地理院の基盤
地図情報を基に、約1万㎢の地域についてDRMデータ
ベースの道路の位置・形状を修正する。
③道路の区間IDの整備
データの収集、整備・更新に当たっては、作業の効率化に
つとめ、一層のコスト削減等に取り組む。
(1)道路に関する情報の収集
①道路管理者資料の収集
最新の道路状況をデジタルデータとして利用できるよう
にするため、道路供用開始までに、道路の施工段階にお
ける情報に基づいた更新を事前に行うことが必要である。
官民のメンバーからなる「共通位置参照検討会」(当協
このため、都道府県道以上の道路等については供用
会と国土技術政策総合研究所が合同で設置)における議
開始の2年前に道路管理者の工事図面等の資料提供を
論を基に、道路上の位置を共通に示すシステムとして整
受けているが、今後ともこの制度の確実な実行を図る。
備・公開している約20万km の幹線道路についての区間ID
また、国道、都道府県道等に加え、国土交通省が関係
テーブルの更新を行うとともに、対象道路の拡充と活用の
省庁と連携し、農道、林道、港湾の各部局及び地方公共
検討を行う。
団体(主に市町村)に対しデジタル道路地図の迅速な更
新について平成 25 年度から協力要請を開始したことを受
3広報・普及事業
DRMデータベースの円滑な更新と今後の進化に資する
ため、デジタル道路地図の社会的な有用性について理解を
深めていただくよう、さまざまな取り組みを行う。
また、賛助会員等に対しデジタル道路地図の最新動向等
についての情報提供を充実する。
①デジタル道路地図に関する広報・普及
デジタル道路地図が社会全般で広く利用されるよう、
け、主要な市町村道、大規模林道、広域農道及び港湾
道路について資料提供の拡充を図る。
②基盤地図情報資料の収集
国土地理院の基盤地図情報及びこれに基づく電子国
土基本図等について、提供地域及び提供時期を把握し、
公開された地区の資料を順次収集する。
③市町村道等の情報の収集
市町村道路、港湾道路、農林道等のうち基礎資料収
3
平成 26年4月1日発行
集対象とならなかった自動車通行可能な道路については、
ロ)冬期通行規制区間データ
全国の市町村に依頼を行って、前年度の道路の新設、拡
ハ)踏切位置データ
幅等の変化情報を収集する。
ニ)津波警戒時の避難等に資する道路標高データ(再掲)
また、区画整理事業、再開発事業などに係る新設道路
等についても、引き続き資料収集を行う。
④供用状況の調査
ホ)アンダーパスなど道路冠水想定箇所の位置データ
へ)トンネル、橋梁等の構造物位置データ
⑥VICSリンクデータベースの更新
DRMデータベースの工事中道路データを基に、報道
平成25年度DRMデータベース(2603版)を基に、平
発表及び新聞記事等の検索、また、道路管理者への問
成26年度の高速道路のVICSリンクデータベースの更新
い合わせにより道路の供用情報を調査する。
を行う。また、25年度との差分情報として、VICSリンク世
また、道路管理者の理解を得て、開通に先立つ事前走
行機会の増大に努める。
(2)デジタル道路地図データベースの整備・更新
①DRMデータベースの整備・更新
提供を受けた道路管理者資料と収集した基盤地図情報
資料、その他資料を基に、道路の新設・改廃等の状況を
代管理テーブル等の更新も行う。
2)情報提供
DRMデータベースについて、提供先の要望を踏まえ
て質の高いデータベースの提供に努めるとともに、道路
関連情報の提供内容の一層の充実・拡大を図る。
①DRMデータベース等の提供
把握し、DRMデータベースの速やかな整備・更新を行う。
道路管理者から提供される情報に加え、国土地理院の
これらの整備・更新については、関係機関とも連携しな
基盤地図情報、プローブ情報及びその他の情報を用い
がら道路に関する最新情報等の的確な収集を行い、網
て、道路ネットワークとしての本来の機能である鮮度、精
羅性の向上を図る。
度、網羅性の高いデジタル道路地図データベースを提供
②道路関連情報の収集によるデータの信頼性の向上
していく。
デジタル道路地図データベースの根幹である道路ネッ
また、昨年度実施の提供先へのデータベース利用動
トワークの正確性を確保するために、一般車両の通行可
向調査を踏まえ、整備・更新データ項目の検討を行い、
否等について調査・補修を行い、データの信頼性の向上
ニーズに合わせたデータベースの提供につなげる。
を図る。
②道路供用情報の提供
また、資料提供を受けた道路管理者に対し、更新箇所
ナビゲーション用など各種の用途において道路地図更
一覧とそれに連動した12月版DBを送付し、更新箇所の
新のリアルタイム化を極力図るため、都道府県道以上等
位置、線形、接続及び供用状況について確認を受け、さ
幹線道路の供用開始予定時期の2年以上前のデータ化
らなる正確性の向上を図る。
と併せて、道路供用情報の提供を一層充実させる。
③道路名称データの整備
過去数年にわたり整備を実施してきた道路愛称(道路
③道路管理者資料の提供
道路管理者の同意のもとに、地図作成者等への道路
通称名)について、本年度は正式名称との重複、都市計
管理者資料の提供を行う。
画道路、バイパス道路に関する補充調査とデータの整備
④市町村道等の情報の提供
のとりまとめを実施する。
④標高データの整備・更新
平成25年度に高精度化を慨成した標高データについ
全国の市町村に依頼を行い、収集した前年度の道路
の新設、拡幅等の変化情報を提供する。
⑤新規供用路線の供用前資料の提供
て、道路管理者資料更新及び基盤地図更新等に対応す
高規格幹線道路の新規供用路線に関して、路面標示
る補修・追加高精度化を行い、津波警戒時の避難等の防
や新設の標識等の資料を入手し提供すると共に事前走
災対応・EV走行支援・エコルート選択等の機能の維持・
行の実施調整を行う。高規格幹線道路に準ずる地域高
信頼性の向上を図る。
規格道路等については、同様の資料提供のみを行う。
⑤災害対応、交通安全、道路構造物点検等に資するデータ
の整備
5特車事業
東日本大震災を始め、異常気象時の通行規制や道路
特殊車両通行許可システム用地図データベースの更新業
冠水など各種災害への備えと交通安全走行への支援に
務の受託に向けて準備を行い、受託できた場合においては
貢献するほか、道路構造物の点検管理を支援するため、
同業務を確実に実施する。
従来からの対応イ)~ホ)に加えて、へ)のデータ充実等
を検討する。
イ)異常気象時通行規制区間データ
4
6その他
当協会の目的を達成するために必要な事業を実施する。
平成 26年4月1日発行
平成25年の新規ナビ機器用DRMデータベース提供実績
平成25年のDRMデータベース提供実績の集計結果がま
とまりました。
PND用については、平成23年まではナビ機器用全体の4
割強を占めるに至るまで伸びていましたが、平成23年の202
万台をピークに、平成25年には147万台とナビ機器用全体
の3割を切るまでに減少しています。
据置きナビ機器用については、乗用車台数が平成25年に
微減(99.8%)しているにもかかわらず、前年の337万台を
若干上回る341万台と堅調に推移しています。
その他、スマートフォン組込み用は平成23年に登場し、平
成25年には14万枚まで伸びています。また、自転車ナビ用、
バイクナビ用は、それぞれ平成22年、平成20年に登場し、平
成25年時点ではともに1.3万枚提供され、わずかではありま
すが、伸びの傾向が続いています。(図-1)
新規ナビ機器用提供実績の内訳
-2のようになります。たとえば、平成25年には、スマホの新
規出荷台数2,430万台うちの、約一割にあたる240万台が
カーナビ用として利用されていると推定されます。
(単位:千台)
30,000
20,000
約21,900
約9,000
10,000
約13,000
約1,000
5,000
0
134 (3.7%)
約900
約100
137
4,783
0
6
0
1,763
(33.5%)
1,798
(37.0%)
1,026
1,668
(26.2%)
(39.1%)
1,467
(29.5%)
2,023
(42.3%)
2,000
3,532
2,880
約900
約1,400
約2,900
約2,400
5,040
130
4,863
0
3,000
約8,100
図-2 スマートフォンの毎年の投入数とスマホナビの推移
5,277
3,910
3,666
約26,100
平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
4,269
4,000
約14,400
15,000
0
バイクナビ
自転車ナビ
スマートフォン組込み用
PND用
据え置きナビ機器用
5,000
約24,300
25,000
(単位:千枚)
6,000
約29,000
スマホナビ
3,055
2,596
3,410
3,366
2,740
1,000
そこで、図-1 組込み用ナビと図-2 スマホナビを合わせ
ると、図-3のようになります。平成25年時点では、カーナビ
用としての新規ナビ台数は、740万台と推定され、センター地
図型のスマホナビ240万台は、カーナビ全体の約1/3を占め
ることになります。
スマホナビの普及により、PNDが影響をうけて減少し、据
置きナビも多少影響を受けている可能性はあるものの、現時
点ではまだ堅調な推移が続いています。
今後スマホナビがどこまでカーナビ市場に受け入れられる
のか、PNDはどこまで減少を続けるのか等々について、今後
の動向を注視していきたいと思います。
(単位:千枚)
9,000
0
スマートフォンセンター地図型ナビ用
平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年
(単位:千枚)
据置きナビ
機器用
PND用
スマートフォン
組込み用
自転車ナビ
バイクナビ
8,000
PND用
年間合計
平成19年
3,532
134
0
0
0
3,666
平成20年
2,880
1,026
0
0
5
3,910
平成21年
2,596
1,668
0
0
5
4,269
平成22年
3,055
1,798
0
1
9
4,863
平成23年
2,740
2,023
6
3
12
4,783
平成24年
3,366
1,763
130
5
13
5,277
平成25年
3,410
1,467
137
13
13
5,040
約8,200
スマートフォン組込み用
約7,400
据置きナビ用
7,000
2,900
約6,200
6,000
900
1,400
125
5,000
100
3,906
134
図-1 新規ナビ機器用提供実績の推移
1,798
3,666
1,026
137
6
約4,400
4,000
2,400
約5,700
1,763
1,467
3,366
3,410
平成24年
平成25年
2,023
1,668
3,000
ナビ機器の動向を考えるうえで、急速に普及が進んで
いるスマートフォンを活用したセンター地図型ナビ(スマ
ホナビ)の動向が無視できなくなっています。そこで、ス
マホナビの台数を既存の資料から推定してみました。
MM総研の予測値、及び平成24年DRMスマホナビユーザ
のナビ機能活用実態調査結果「スマホユーザに占める通信
ナビ利用率:26.8%」及び「移動時の利用3割以上の割合;
37.2%」から、スマホ通信ナビ用の値を試算してみると、図
2,000
3,532
2,880
3,055
2,596
2,740
1,000
平成19年
平成20年
平成21年
平成22年
平成23年
図-3 スマホナビを加えた新規ナビ機器用提供実績の推移
5
平成 26年4月1日発行
平成25年度の開通前事前走行について
車の運転が好きな方は、新しい道路が開通するとすぐに
て事前走行を実施させていただきました。
走ってみたいと思われる人も多いと思います。また、仕事で
これらの道路については、開通と同時にカーナビ地図に
車を運転される方は、新しい道路ができて便利になれば、い
反映され、交通安全に貢献するとともに道路の利用促進につ
ち早く使いたいと思うのではないでしょうか。しかし、カーナビ
ながることが期待されます。
に反映されていないと、新しい道路ができたという情報を聞
いて出かけて行っても、その道路が認識されないため、着く
までに道に迷ったり、遠回りしてしまうことが予想されます。
そこで、当協会(日本デジタル道路地図協会)では、開通
した道路の情報をいち早くカーナビに反映させるため、道路
管理者とカーナビ地図会社の間に立って、開通前事前走行
の調整を行っています。カーナビ地図会社は、新しく開通す
る道路を開通の1週間ほど前に実際に走行することで、予め
種々の資料から作成しておいた道路のデータの確認を行い
ます。この確認により、問題が無ければ、新しい道路のデー
タが開通直後にリリースされ、カーナビでの案内が可能になり
ます。
写真-1 広島南道路事前走行の様子
平成25年度も道路管理者の皆様にご協力いただき、新規
平成26年度には、新東名高速道路の浜松いなさJCT~
に開通した高規格幹線道路を対象に、全国で14区間の開通
豊田東JCTをはじめ、多くの幹線路線の開通が予定されてい
前事前走行を実施することができました。実施区間は、表-1
ます。
のとおりです。
当協会は、これからも開通前事前走行等を通じて鮮度の
平成20年に始まった事前走行区間は、平成25年度末ま
高い情報をカーナビに反映できるようさまざまな支援を続け、
でに80区間を超えました。平成25年度に実施した高規格幹
道路利用者の安全確保と安心して運転できる環境の構築を
線道路は、日本海沿岸東北自動車道、紀勢自動車道、山陰
目指します。
自動車道、圏央道、東九州自動車道、京奈和自動車道、中
これまで開通前事前走行にご協力いただいた道路管理者
国横断自動車道です。また、都市高速道路では、名古屋高
の皆様に感謝申し上げるとともに、引き続きご協力をお願い
速東海4号が開通し、名古屋高速道路公社の建設予定道路
します。
が全て開通しました。その他、阪神高速では淀川左岸線、広
島高速では広島南道路の開通があり、これらの路線につい
表-1 平成25年度開通前事前走行実施の記録
道路名称
開通区間
開通日
事前走行実施日
圏央道
木更津東 IC~東金 JCT
2013年 4月27日
2013年 4月17日
阪神高速2号淀川左岸線
島屋~海老江 JCT
2013年 5月25日
2013年 5月16日
紀勢自動車道 熊野尾鷲道路
三木里~熊野大泊
2013年 9月29日
2013年 9月19日
名古屋高速4号東海線
六番北~木場
2013年11月23日
2013年11月13日
日本海沿岸東北自動車道
大館北~小坂JCT
2013年11月30日
2013年11月21日
山陰道 鳥取西道路
鳥取~鳥取西
2013年12月14日
2013年12月 6日
山陰道 名和・淀江道路 中山・名和道路
赤碕中山~名和
2013年12月21日
2013年12月 9日
山陰道 仁摩・温泉津道路
湯里~石見福光
2014年 3月15日
2014年 3月 4日
広島高速広島南道路
中区吉島地区~商工センター地区
2014年 3月23日
2014年 3月12日
東九州自動車道
日向~都農
2014年 3月16日
2014年 3月12日
東九州自動車道
苅田北九州空港~行橋
2014年 3月23日
2014年 3月18日
紀勢自動車道
海山~紀伊長島
2014年 3月30日
2014年 3月19日
中国横断自動車道 尾道自動車道 尾道松江線
吉舎~三次東
2014年 3月30日
2014年 3月25日
京奈和自動車道 紀北東道路
紀北かつらぎ~紀の川
2014年 3月30日
2014年 3月26日
6
平成 26年4月1日発行
平成25年度第2回DRMセミナーについて
「最新、プローブ情報」をテーマに DRM セミナーを開催し、
賛助会員等から99名の参加がありました。
例には、VICSを併用した渋滞情報、交差点分析、交通流分
析がありました。また、プローブ情報ではありませんが、膨
■日時 平成26年3月5日(水)14:00~17:00
大な経路検索 の実績データをもとに、人の移動集中地を
■場所 日本デジタル道路地図協会 6階 大会議室
ヒートマップとして可視化した事例や、突発的移動需要予測
■講演
の検出事例など、新たな交通分野におけるデータ活用の
1.「ITSに関する最近の取組み」
(講師)国土交通省道路局道路交通管理課 ITS 推進室
室長 奥村 康博 氏
可能性についても提案がありました。
2.「携帯カーナビプローブデータの実際」
(講師)(株)ナビタイムジャパン エンジン開発部
経路探索チーフエンジニア 太田 恒平 氏
3.「活動報告:デジタル道路地図に関する国際標準化の
最新動向」
(講師)DRM 特別研究員 ISO/TC204/WG3 国際コンビーナ
柴田 潤 氏
□講演内容
1.
「ITSに関する最近の取組み」
国土交通省道路局におけるITS施策の概要及び世界初
の路車協調システムであるITSスポットで収集したプローブ
データとそれを利用した渋滞対策や交通安全等、道路行政
図-2 交通流分析
への活用例が紹介されました。活用例には、スマートICの導
や物流支援サービスの実現に向けた実験、大型・特殊車両
3.
「活動報告:デジタル道路地図に関する国際標準化の
最新動向」
ITS協調システム標準化の経緯について説明があり、
の走行経路確認等がありました。また、プローブ情報には個
協調システムの構成要素の中で特に注目されるローカル
人情報に関する課題がありますが、パーソナルデータに関す
ダイナミックマップ(LDM)の標準化に関連して、ISO/TC204
る検討会において、個人の特定につながる情報の非収集、
/WG3、WG18、並びに欧州の標準化団体CEN、ETSIの
データ起終点から500m程度の範囲のデータ除去により個
作業分担範囲とそれぞれの開発状況が説明されました。
入効果の把握や路上工事中の交通状況の把握、災害対策
人が特定できない仕組みが検討されているとのことでした。
加えて、実際にLDMの開発を行っているCLOUDIA
最後にITSの普及・促進及び相互運用性の確保に関する国
コンソーシアム(日本)、simTDプロジェクト(独)、SCORE
際協調について日米欧の枠組みも紹介されました。
@Fプロジェクト(仏)の開発状況及び日本、米国、欧州にお
ける協調システムの実施展開に関する動向や、海外の道路
地図に関する団体(TN-ITSコンソーシアムやNDSコンソー
シアム)の動向及び自動運転支援のための地図に対する要
求についても報告がありました。
図-1 ITSスポットで収集したプローブデータ
2.
「携帯カーナビプローブデータの実際」
ナビタイムジャパン社の交通コンサルティング事業で提供
している携帯カーナビプローブデータの特長やデータ特性
について、データ量、速度の測定精度、加速度の測定精度
の観点からの説明と解析事例が紹介されました。解析事
図-3
協調システム標準化概観
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平成 26年4月1日発行
準天頂衛星システムについて(3)
1.はじめに
第1回で準天頂衛星システムの概要、第2回で衛星測
位サービスについて説明してきましたが、今回は、測位
以外のサービスについて説明します。
準天頂衛星システムは、表-1のように、衛星測位サー
ビスに加え、サブメータ級及びセンチメータ級の2種類の
補強(精度補正)サービス、並びに災害・危機管理通報
及び衛星安否確認の2種類のメッセージサービスを提供
します。
表-1 準天頂衛星システムのサービス一覧
衛星測位サービス
GPSと同一周波数・同一時刻の測位信号を送信することに
より、GPSと一体となって使用し、高精度な測位をすること
ができます。
サブメータ測位補強サービス
衛星測位による誤差を減らすため、電離層情報などの誤
差軽減に活用できる情報を準天頂衛星から送信します。
センチメータ測位補強サービス
高精度な衛星測位を行うため、国土地理院の電子基準点
のデータを利用し、現在位置を正確に求めるための情報
を準天頂衛星から送信します。
災害・危機管理通報サービス「災危通報」
防災・危機管理の政府機関から、地震、津波などの災害
情報、テロなどの危機管理情報、避難勧告などの行動情
報について準天頂衛星から送信します。
衛星安否確認サービス「Q-ANPI」
大規模災害時に、メッセージを準天頂衛星経由で準天頂
衛星管制局に送信し、あらかじめ登録された近親者等に
対してメールを配信します。
2.サブメータ級測位補強サービス
第2回で説明したように、測位誤差の要因としては、
マルチパス誤差、衛星配置誤差、電離層情報などがあり
ます。このうち、測位誤差に最も大きな影響を与えてい
る要因は電離層による誤差です。
電離層誤差の解消には2周波の受信機を利用すればよ
いのですが、当面は1周波受信機も広く使われていくと
考えられます。そこで、
「サブメータ級測位補強サービス」
と呼ばれる電離層情報を主体とした誤差軽減情報を準天
頂衛星から送信し、これを精度改善に利用できます。
サブメータ補強の情報は、世界各地に設置する準天頂
衛星地上局においてGPS衛星や準天頂衛星を観測し、観
測結果から電離層情報などを計算することによって補強
情報を作成し、図-1のように衛星経由で送信します。
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図-1 電離層情報の観測と送信
サブメータ級補強により、誤差数mで測位を行うことが
可能となります。ただし、衛星を経由するため、補強情
報を作成してから送信するまでの間に6~10秒のタイム
ラグがあり、急な電離層擾乱などの際には、補正が遅れ
て測位結果が乱れる可能性があります。
このため、ドライブレコーダーなどのタイムラグの影
響を受けにくい利用者を想定しており、L1S信号を受信
することができる端末で利用することができます。
なお、携帯電話で測位を行う場合、携帯電話基地局か
ら独自の補強信号を送信しているため、山間・海上部、
災害時などで圏外になった場合の利用が中心になると考
えられます。
3.センチメータ級測位補強サービス
高精度な衛星測位を行うためには、国土地理院の電子
基準点のデータを利用して電子基準点との間の距離を計
算する手法があります。そこで、
「センチメータ補強情報」
と呼ばれる高精度な情報を準天頂衛星から送信します。
測量の技術を使用することにより、誤差数cmで測位を
行うことが可能となります。ただし、基準となる基準点
の経緯度座標が昔の測量技術で決定されている場合には、
その座標値が正しいとして規定されているため、センチ
メータ補強によって経緯度座標が正しく求められるとは
限りません。
また、衛星を経由するため、補強情報を作成してから
送信するまでの間に約10秒のタイムラグがあるため、急
な電離層擾乱などの際には、補正が遅れて測位結果が乱
れる可能性があります。
このサービスは、測量(3~4級基準点測量、写真測量
の標定点測量)
、情報化施工(建設機械を高精度に操作し
て施工する手法)
、IT農業(農機を高精度に操作して農地
管理をする手法)での利用を想定しており、L6信号を受
信することができる端末で利用することができます。
平成 26年4月1日発行
なお、高精度測位のためにはノイズを軽減する必要が
あるため、少なくとも10cm程度の大きさのアンテナが必
要となります。また、大きさだけでなく毎秒の高速処理
を必要とするバッテリーが必要なため、モバイル機器で
利用することは困難です。このため、普及台数が少ない
ことが想定され、受信機価格は数百万円となります。
4.災害・危機管理通報「災危通報」サービス
防災・危機管理の政府機関から、地震、津波などの災
害情報、テロなどの危機管理情報、避難勧告などの行動
情報について、準天頂衛星から送信するサービスです。
L1S信号を受信することができる端末で利用することが
できます。
運用開始当初は、気象庁のデータを使い、テレビ画面
に表示される災害の速報と同程度の情報を送信します。
遠地地震(世界中のマグニチュード7以上の地震)や北
西太平洋地域津波の情報も送信するため、国内だけでな
く海外で受信しても役に立ちます。
運用開始後は、関係省庁と順次接続し、災害や危機管
理の情報を送信する予定です。
情報は4秒おきに連続して送信を行いますが、いつ届
くかわからない情報を常に受信し続ける必要があるため、
モバイル機器の場合にはバッテリーの問題があります。
このため、バッテリーを気にする必要のない自動車、船
舶等の乗物における利用だけでなく、学校、図書館、病
院等の公共的な建物における受信が主体になると想定し
ています。また、図-2のように、街灯、信号機、自動販
売機等の公共空間における設備で受信し、スピーカーか
ら警報を出すという利用も考えられます。
5.衛星安否確認サービス「Q-ANPI」
大規模災害時に、メッセージを準天頂衛星(静止衛星)
経由で準天頂衛星管制局に送信し、あらかじめ登録され
た近親者等に対してメールを配信するサービスです。
このサービスは、災害時などで携帯電話などのインフラ
が使用できない状況でも、図-3のように準天頂衛星(静
止衛星)を経由して安否情報を知らせることを想定しており、
Sバンドに対応した端末で利用することができます。
図-3 安否確認情報の流れ
安否確認サービスは、災害時だけでなく平常時にも利
用することができます。普及が進むまでの間は、端末を
購入した場合には割高のため、レンタルでの利用が主体
になると想定しています。
例えば、登山者グループに対して登山用品店でレンタ
ルし、定時に現在位置を送信することで順調かどうかを
家族などが確認することができます。もちろん、遭難時
は位置情報と救難信号を合わせて送信されるため、迅速
に救助することができます。
ヨット、ダイビングなどのマリンスポーツをする際に
は、行方不明になった場合にも現在位置を送信し、救助
に来てもらうことができます。
携帯電話が圏外の地域で運用することが多いオフロー
ド車や漁船においては、ナビシステムにQ-ANPIを搭載
しておけば、定期的に家族などに位置情報を送信するこ
とができます。
利用する場合には端末を購入するだけでよく、基本料
金及び通信料金が不要のため、長期的に考えた場合には
割高感が小さくなると考えています。
6.おわりに
図-2 設備で受信した災危通報
もちろん、モバイル機器においても山間・海上部、災
害時などで携帯電話が圏外になった場合において、利用
者にメッセージを届けることも想定しており、通信手段
のない地域に津波警報を送信することができます。
ここまで3回にわたって準天頂衛星システムを紹介し
てきました。今後、設計の進み具合によって内容が多少
変わることがありますが、最新情報については、以下の
Web ページで最新情報を公表しています。
http://www.qzs.jp
2018年から 4 機体制での本格運用が始まり、衛星測位
環境は大幅に変化します。2018年になってから準備する
のではなく、受信機やアプリの開発など、準天頂衛星シ
ステムの利活用にご協力願います。
内閣府宇宙戦略室 企画官 田村 栄一
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平成 26年4月1日発行
これからの道路行政が目指すもの
理事長 泉 堅二郎
このタイトルは、本年1月に発表された国土交通
省道路局の重点施策の表題である。その内容は、
・安全でクリーンで働き者の高速道路をつなぐ
いただいたことである。その時の「道しるべ懇談会宣
言」は、以下の内容であった。
身障者、高齢者にとって使いやすい道路は、
・ネットワークを賢く使う
全ての人にとっても使いやすい道路であると
・メンテナンスサイクルを回す
いう理念に立って、やすらぎと思いやりのある
・人が集まる道路空間を創る
質の高い道づくりを進めるべきである。
の4項目である。
このため、次の五つの道しるべを提言する。
これらの言葉に接した時これまでの道路施策とは
・安心して通れる道
少し違う肌触りを感じた。これまでは何と言っても
・快適に通れる道
造る、建設するという言葉が大部分を占めていたが、
・使いやすい道
今回はつなぐ、使う、回す、創るとなっている。つ
・憩いのある道
まりこれは、「道路を造る」時代から「道路を賢く使う」
・マナーのある道
時代への宣言である、と感じた次第である。筆者も
この時の議論では、安心・快適に走るためには、
長い間道路の整備・管理に携わってきた。第2次大
休息をとることも必要であり高速道路のサービスエ
戦後、国土の復興と経済発展のためには、道路をは
リアの充実に加えて、それまで考慮されていなかっ
じめとする交通インフラの整備は最優先課題であっ
た「一般道路においても駐車場を備えた休憩施設の
た。あらゆる資源(物的、人的)を使って高速道路
整備が必要である」との意見があった。これらの議
から市街地の道路にいたるまで、国土のネットワーク
論から、今では全国に1000か所以上も設置され、利
の整備に邁進し、第1次道路整備5カ年計画から60
用者で賑わっている「道の駅」の発想に結びついたの
年を経た今日、大規模な道路の建設は最終段階に近
である。また車だけでなく、歩く人にもやさしい道
づきつつある。道路は建設が終わるとすべてが完了
路とすべきとの提案から、歩道の整備や歩道段差の
する訳ではない。完成したその日から「賢く使う」
スロープ化、点字ブロックの設置、植樹帯の設置など、
仕事が始まるのである。
きめ細かな対策も行われるようになったのである。
ここで思い出すのは、約30年前道路建設の最盛期
冒頭紹介した「これからの道路宣言」は、更に充実
の頃に将来に向けてどのような道路を造るべきかと
した国民目線で使いやすい道路を目指すものであり、
の問題意識から「道しるべ懇談会」なる委員会を作り、
道路の役割と道路行政の重点が身近に感じられる宣
高齢者、身障者、女性ドライバー等から貴重な意見を
言であると思う。
半
蔵
門
駅
ファミリーマート■
至四ッ谷
●麹町駅一番出口
ファミリーマート■
〒102-0093
半蔵門駅
一番出口●
■ローソン
東京都千代田区平河町1丁目3番 13 号
ヒューリック平河町ビル5階
■サンクス
■セブンイレブン
TEL.03-3222-7990(代表)
FAX.03-3222-7991
ファミリーマート■
平河天満宮
城西大学
URL:http://www.drm.jp
お問合せなどのアドレス:[email protected]
ホテル
ルポール麹町
10
日本デジタル道路地図協会
至半蔵門