「簡易斜面変位監視システム 仕様書」(PDF:327KB) - i

平成24年10月29日
セ ン サ 仕 様 書
1.品
名
「簡易斜面変位計測システム」
2.概
要
本システムは、斜面の変位や崩壊をプラスチック杭に内蔵した2軸加速度センサ端末で
その角度の変化を検知し、無線と携帯電話網を用いて遠方に通報するシステムである。シ
ステムは、複数のプラスチック杭に内蔵されたセンサ端末とセンサデータを無線で受信し
携帯電話網でサーバにデータを送信する通信制御装置から構成される。
センサ端末は、変位を検知するセンサ機能とセンサ端末のIDと計測データを送信する無
線機能、およびバッテリ電源を有している。通信制御装置は、センサ端末のID、傾斜デー
タ、時間を受信し、サーバへ送信する機能を有している。センサ端末および通信制御装置
はバッテリ-で駆動し、通信制御装置の電源装置には、太陽光発電(ソーラパネル)とメ
ンテナンスフリーのバッテリを備え、システムを安定的に稼動させる。
また、管理者側では、特別なソフトウェアを必要とせず、インターネット、携帯電話の
メールで計測場所、計測時間、センサ端末のIDなどの情報を受信・表示することができる。
データの記録・取得はサーバよりインタ-ネットを介して、どこでも閲覧、データダウン
ロードが可能である。
3.数
量 (例)
1式
4.機器構成
(1) センサ内蔵プラスチック杭
16式
(2) 通信制御装置(ゲートウェイ)
1式
受信部、携帯電話伝送部を含む
(3) ソーラバッテリー電源装置
1式
受信部用屋外電源部、携帯電話用電源部、太陽光モジュールを含む
5.その他
(1) 事前に現地にて通信確認試験を実施する。
「簡易斜面変位計測システム」
細 部 納 入 仕 様
各装置の機能及び仕様は、次のとおりである。
1. プラスチック杭
16式
形状 90mm×90mm×900㎜(長さの変更可)センサ-端末2を内蔵可能な構造。
2. センサ端末「LST-1000」
16式
(1) 概要
本センサは、杭の傾きを計測し、ゲートウエイに無線で送信する装置です。
90mm 角
カバー
本体ケース
(外形 78mm、高さ 35mm)
電池
(1 次電池)
交換可能
アンテナ
(内蔵)
杭
図-1 外観図
地面
(2)
仕様
項
目
内
最大設置台数
16 台
測定可能傾斜角度
±90°
傾斜角測定分解能
0.04 度
送信タイミング
(※
容
注1)
①定期送信
標準 =1 時間毎(変更可能)
②相対角度増加時
(6 分前の傾斜角度と比較して変化しているとき)
連続可能計測時間
1.5 年程度
サンプリング間隔
6 分毎
送信データの内容
傾斜角度、バッテリ電圧、温度、送受信感度、杭の ID 番
号
通信回路仕様
特定小電力無線(426MHz 帯)10mW 程度
伝送距離
寸法仕様
使用温度範囲
(※注 1)
(設定により変更可能)
センサ装置~ゲートウエイ間: 最大 300m(見通し)
(※注 2)
本体:円形ケース(直径 78mm、高さ 35mm)
電池:50mm×60mm×90.3mm
-10℃~50℃
(杭の周辺温度が上記温度範囲以内であること)
設置方法
杭の上部に内蔵
電源
1 次電池(リチュウム電池、充電不可)
電池と本体ケースはケーブルで接続
(※注 1)送信間隔、設置環境により変動する場合があります(精度:約 0.2~0.3 度)
(※注 2)設置条件により伝送可能距離は変化します。
3.
通信制御・記録装置 (ゲートウェイ)
1式
受信部、携帯電話伝送部 を含む
(基板で一体化されており、筐体に一括収納している)
(1)
概要
センサ装置からの傾斜データ等を受信し、携帯電話網を経由して、サーバにデータを
送信する。最大 16 台のセンサ装置と通信をすることができる。
バッテリ動作を行う。
本体
特小無線アンテナ(内蔵)
(センサ装置との通信用)
防水
FOMA 用アンテナ
中継コネクタ
バッテリとの
接続ケーブル
ゲートウエイ
装置設置用架台は別途
バッテリ外ケース
(必要に応じて装備する)
ソーラー充電器
バッテリ内ケース
図-2 ゲートウェイおよび電源装置外観図
仕様
本体
電源装置
内容
防水構造
寸法(W,D,H)= 300mm×300mm×187mm 程度
防水構造、入力 DC12V
ソーラ寸法(W,D,H)= 511mm×244mm×17mm 程度
バッテリケース寸法 = 455 ㎜×285 ㎜×351 ㎜程度
(2) 受信部仕様
・受信 センサからの無線受信(内装)
・特定小電力無線(426MHz帯)10mW程度
・通信用信号コネクタ 防水対応コネクタ
・動作稼働電源電圧DC12V
・動作確認表示(PC接続)
・動作温度範囲 -10℃~+50℃
・携帯電話モジュール内蔵
(3) 送信部(携帯電話伝送部)仕様
・通信規格FOMA
・メール機能 サーバーよりメール配信
・動作電源電圧 DC12V
4. ソーラバッテリー電源装置
1式
受信部用屋外電源部、携帯電話用電源部、太陽モジュールを含む
基本仕様は以下のとおりであるが、設置場所、日照時間などを考慮し、検討する。
構成
バッテリケース
バッテリ
ソーラー充電器
内
容
2 重構造
内ケース:密閉構造
外ケース:防雨構造
(密閉構造では無い、必要に応じて装備する)
長寿命型バッテリを使用
1 年-2 年に 1 度程度、満充電の物と交換
(ソーラーの充電状況による)
最大効率時 6W (昼間の平均 2W 程度)
防水構造
(1) 仕様
1) 太陽電池モジュール:多結晶シリコン型 43W程度
2) バッテリ・・・・・・・シールド型ディップサイクル 12V/22Ah程度
3) 充放電コントローラ・・ソーラシステムコントローラ 12V6A
4) 使用環境
・温度 :
-10℃~+50℃
・湿度 :
30%~80%
5. 装置設置架台
1式
通信制御装置、ソーラ電源装置、収納ボックスなどの重量、風力などに十分耐えられ
る構造とする。
また、形状・設置方法に関しては現地の状況により決定する。
6. サーバシステム
(1) 概要
1) 特徴
・送信されてきたデータは ASP(※)サーバに蓄えるため、ユーザ側で専用線を敷
設したり、サーバを保守する必要が無い。
・インターネットが使用できるパソコンならブラウザを利用して、どこからでもデー
タを見ることできる。
(※)ASP ・・・アプリケーションサービスプロバイダ
2) 機能
・ 斜面の変位(傾斜角度)の確認および記録ができる。
・ 計測データの送信間隔をパソコンからインタ-ネットを介して任意に設定できる
(オプション対応)。
・ 警報メッセージ、警報メールを送信する斜面の角度(閾値:しきいち)をパソコン
からインタ-ネットを介して任意に設定できる(0.5 度から 35 度)。
・ メールにて警報を送信することができる。
・ 警報メールの送信先をパソコンからインタ-ネットを介して任意に設定できる
(3 箇所まで)。
・ センサ装置 及びゲートウエイの電圧の確認ができる。
・ バッテリ低下異常時や通信異常を知ることができる。
・ 蓄えたデータをダウンロード(CSV 形式)することができる。
・ 送られてきたデータに時刻情報を付加して保存する。
・ パスワード等によるログイン時の認証機能がある。
データ閲覧/取得のみが可能な ID と、センサ/通信制御装置/サーバの設定変更が
可能な ID の 2 種類がある。
(3)
機能ブロック図
ASPサーバー
計測データ
処理部
データ
受信処理部
インターネット回線
使用する OS
個別の
画面表示処理
データ
保存
Windows Server
2003 Standard
Web サーバー
ハードディスク・
メモリカードなど
インターネット
メール送信
お客様のパソコ ン
ブラウザ
(4) メール送信機能
インターネットメールにより設定された角度(閾値:しきいち)以上のデータを
取得した場合に、警報を得ることができる。
1) メッセージの内容は平文(暗号化無し)。
2) 送信される内容
・発生箇所(ID)
・データの種類(「変位発生」「バッテリ電圧低下」「通信(センサ・ゲートウェイ)
異常」「設定変更不良」)などを選択。
・具体的な計測値などは送信しない。
7. 現地作業、杭設置手順
(1) センサ装置の設置手順
・あらかじめパソコンにて、全てのセンサ装置の「装置番号」「通信周波数」を設定
する。
・パソコン(通信キット)をゲートウエイ設置場所に移動させ、正常に通信できて
いることを確認する。
・杭を設置する。
斜面の場合は、地山に対して、できる限り垂直に設置する。
・杭にセンサ装置を設置する。
・ゲートウエイを設置し、電源を入れる。
(サーバにて通信が確認できれば設置完了)
(2) 杭の設置方法
・杭が打込みできる場所は、くいを地面に差し込む。
この場合、地上に見えている部分は 40cm 以上確保すること。
・杭が打込みできない場所は、ボルト等で固定する。
この場合も、地上に見えている部分は 40cm 以上確保すること。
測定精度確保のため、できる限り、
大地に対して垂直に設置する。
(±3°以内)
コンクリート面の場合